今日の産経ニュース(12/16分)(追記・修正あり)

■【米軍ヘリ窓落下】名護市長選への影響不可避 在沖縄2紙が「反米軍キャンペーン」展開か 鍵握る公明の対応
http://www.sankei.com/politics/news/171216/plt1712160025-n1.html

 自民党県連幹部は「辺野古移設の早期実現を粘り強く訴えるしかない。だが、米軍がらみの事故がまた発生したら完全にアウトだ」と天を仰ぐばかりである。

 やれやれですね。問題は選挙云々じゃないんですが。「選挙に影響がなければ事故が起こってもいいのか」という怒りを覚えますね。今回死傷者が出なかったことは不幸中の幸いですが、これでは「死傷者がでなくて良かった、選挙に影響するから」とでも思ってるのかと腹立たしくなります。


■【単刀直言】希望の党長島昭久*1政調会長「揚げ足取りに国民はついてこない」
http://www.sankei.com/politics/news/171216/plt1712160012-n1.html
 そもそも希望結党なんて余計なことをしなければ「政権交代は難しい」にせよ、自民が議席を減らし安倍が退陣した可能性はかなりあったのですが。
 そして長島が揚げ足取り呼ばわりする立憲民主は選挙で躍進し支持率も野党一位です。
 一方希望は選挙で惨敗し、支持率は「1〜2%台」で立憲民主どころか今や共産をも下回ってるのによくもまあこんな口がきけたもんです。
 支持率で言うなら最も支持されてないのは希望なんですけどねえ。


加計学園の新設獣医学部、東京・大阪など7会場で推薦入試
http://www.sankei.com/west/news/171216/wst1712160017-n1.html
 あんな疑惑まみれで、まともに教育がやってけるのかすら怪しい獣医学部に出願する人間がいるのかとびっくりです。
 こうなると「例の幸福の科学大学」も認可されてれば「信者がほとんどでしょうが」出願する人間が結構いたんですかね。


■「てっとり早く護衛艦を下りられると思った」拳銃で自傷の海自隊員を1年停職
http://www.sankei.com/affairs/news/171216/afr1712160011-n1.html
 やめたければ、こういう厄介ごとを起こさずやめればいいものを「自分の腹を拳銃で撃つ」というんだから尋常ではありません。

・ブラックな上司に酷い目に遭わされた→もうこんな職場はいや、やめてやる→でも上司を道連れにしたい→上司を殺すほどの度胸がないので自分の腹を撃って「管理不行き届き」で道連れにする

みたいな異常な話なんでしょうか。 


■台湾側、「広辞苑」の修正要求 「中華人民共和国の省」との記載「誤り」
http://www.sankei.com/world/news/171216/wor1712160005-n1.html
 こんなことをしたところで岩波は記述を改めないでしょうがそれはさておき。
 これは「誤り」というより「価値観の問題」にすぎないわけです。
 「今も台湾と国交がある国はともかく、日本や欧米は台湾と国交がなく、一つの中国の立場だから、台湾は中国の一部だ」という話であって誰も「中国が台湾を実効支配してる」なんて思ってない。
 なお、台湾側は

 1972年に調印した日中共同声明では、日本は(ボーガス注:一つの中国という)中国側の立場を「十分理解し、尊重」と表現するにとどめているにもかかわらず、同声明に関する項目では「日本は中華人民共和国を唯一の正統政府と認め、台湾がこれに帰属することを実質的に認め」などと書かれている。

と主張してるそうですが事実なら詭弁もいいところですね。この場合の「理解、尊重」が「『事実上の支持』の婉曲表現だ」なんてことは明白です。
 このケースで「理解し尊重するが、支持しない」なんてそんなバカな話はない。大体それだったらなんで日本は台湾と断交したのか。
 つうか岩波が記述を書き改めたとして何がどうなるんでしょうか。何もどうにもならない。台湾と「日本や欧米」との間に国交が樹立されるわけでも何でもありません。
 むしろこんなことをやれば中国の心情を害し、まーた「パナマと中国の国交樹立(パナマが台湾と断交)」のような対抗措置を中国に実行される悲劇が起きかねません。
 まあ「安倍の靖国参拝」的な「反中国支持層への蔡英文総統のパフォーマンス、うけねらい」でしょうが「計算なしのバカ」としか言い様がない。


広辞苑で台湾を「中華人民共和国の一部」と表記したことに関し、菅義偉官房長官「コメントは控える」 
http://www.sankei.com/politics/news/171218/plt1712180031-n1.html
 コメントすることによってウヨの反発も中国の反発もどちらも買いたくないと言うことでしょう。 


■【古森義久の緯度経度】「中国の尖閣攻撃」に日本の備えは? 中国が用意する3つの軍事作戦はこれだ
http://www.sankei.com/world/news/171216/wor1712160012-n1.html
 まあタイトルからして読む気がなくなります。戦争に限らず何かするには「メリットがないとしない」わけです。
 対日関係悪化はもちろん、欧米からの経済制裁が確実視されるのに何のために尖閣を軍事力で奪取するのか。そんなことをするメリットはどこにもありません。
 例えば「日本の竹島攻撃に韓国の備えは?」「日本の北方領土攻撃のロシアの備えは?」とは普通言わないでしょう。つうか言ったら「日本はそんな野蛮じゃない」と怒り出すのが産経じゃないか。


■【産経抄皇室会議赤松広隆*2衆院副議長「皇室の神事は国民生活に何の関係もない」など発言 不適格者は相当にいそうだ 12月16日
http://www.sankei.com/column/news/171216/clm1712160004-n1.html
 いやー実際、我々の生活に関係ないですし、関係あるといった場合「ならば皇室の神事は私的行為ではなく公的行為なのか」ということで「政教分離上の問題が出てくる」わけです。
 まあ、産経は政教分離原則を敵視しており、可能ならば神道を国教化したいのでしょうが。

昭和天皇は、大東亜戦争の遠因として、第一次大戦後の1919年のパリ講和会議で、日本が提出した人種差別撤廃案が否決されたことを挙げている。

 「あの戦争は大東亜解放の戦争だ」という昭和天皇自身ですら信じていない全くのデマです。あの戦争は単に「植民地獲得戦争」にすぎないわけです。大体「1919年の講和会議」と「1942年の開戦」と20年もタイムラグがあるのにこんな言い訳が成り立つわけがないでしょう。
 なお、一般的に言って自伝や回想録と言ったものは「美化や自己弁明の危険性がある」のでうかつには信用できません。ましてや、状況証拠から「戦犯追及を逃れるための言い訳の文章」と見なされてる昭和天皇独白録なんてなおさら信用できません。
 なお独白録については、

藤原彰*3、吉田裕*4、粟屋憲太郎*5山田朗*6『徹底検証 昭和天皇「独白録」』(1991年、大月書店)
・東野真『昭和天皇二つの「独白録」』(1998年、NHK出版)

といった著書があります。
 昭和天皇についても「内容の是非はともかく」

・ハーバート・ビックス『昭和天皇(上)(下)』(2005年、講談社学術文庫)
原武史*7昭和天皇』(2008年、岩波新書) 、『「昭和天皇実録」を読む』(2015年、岩波新書)
古川隆久*8昭和天皇』(2011年、中公新書)
伊藤之雄*9昭和天皇伝』(2014年、文春文庫)

といった評伝が書かれています。
 小生のような昭和生まれには複雑な思いがありますが昭和ももはや昔の訳です。

この際、皇室典範を改正して衆参両院の議長、副議長が自動的に皇室会議の議員になるという在り方は改めてはどうか。過去の議長、副議長を振り返っても不適格者は相当にいそうである。

まあ産経が不適格者呼ばわりしたい人間は赤松氏以外では

衆院議長
 土井たか子社会党委員長
 河野洋平*10元外相
 横路孝弘元北海道知事
参院議長
 江田五月*11社民連代表

といったあたりでしょうか。
 ちなみに皇室会議のメンバーはウィキペ「皇室会議」によれば

1.皇族(二人)
 成年に達した皇族の互選による(皇室典範第28条第3項)。任期4年(皇室典範32条)。現在は秋篠宮文仁親王(現天皇の次男)、常陸宮正仁親王妃華子
2.衆議院議長及び副議長
 現在は大島理森*12赤松広隆
3.参議院議長及び副議長
 現在は伊達忠一*13郡司彰*14
4.内閣総理大臣
 現在は安倍晋三
5.宮内庁長官
 現在は山本信一郎*15
6.最高裁判所長官及びその他の裁判官一人
 最高裁判所長官以外の最高裁判所裁判官の互選による(皇室典範第30条第2項・第28条第3項)。任期4年(皇室典範32条)。現在、長官は寺田逸郎判事(判事出身)で、長官以外の裁判官委員は岡部喜代子判事(判事出身)。

また予備のメンバーが

1.「皇族(二人)」の予備議員
 現在は常陸宮正仁親王昭和天皇の次男)、秋篠宮文仁親王妃紀子
2.「衆議院議長及び副議長」の予備議員
 現在は伊吹文明*16菅直人*17
3.「参議院議長及び副議長」の予備議員
 現在は橋本聖子*18
4.「内閣総理大臣」の予備議員
 現在は麻生太郎*19副総理・財務相
5.「宮内庁長官」の予備議員
 現在は西村泰彦*20宮内庁次長
6.「最高裁判所長官及びその他の裁判官一人」の予備議員
 現在は小貫芳信*21判事(検察官出身)、鬼丸かおる判事(弁護士出身)

となっています(以上、敬称略)。

*1:鳩山、菅内閣防衛大臣政務官、野田内閣防衛副大臣を歴任

*2:社会党書記長、民主党国対委員長鳩山内閣農水相など歴任。日本社会党国会対策委員長や副委員長を務めた赤松勇衆院議員の息子。

*3:著書『南京大虐殺』(1988年、岩波ブックレット)、『南京の日本軍:南京大虐殺とその背景』(1997年、大月書店)、『餓死(うえじに)した英霊たち』(2001年、青木書店)、『中国戦線従軍記』(2002年、大月書店)、『天皇の軍隊と日中戦争』(2006年、大月書店)など

*4:著書『天皇の軍隊と南京事件』(1985年、青木書店)、『昭和天皇終戦史』(1992年、岩波新書)、『現代歴史学と戦争責任』(1997年、青木書店)、『日本の軍隊:兵士たちの近代史』(2002年、岩波新書)、『日本人の戦争観:戦後史のなかの変容』(2005年、岩波現代文庫)、『アジア・太平洋戦争』(2007年、岩波新書)、『兵士たちの戦後史』(2011年、岩波書店)、『現代歴史学軍事史研究』(2012年、校倉書房)、『日本軍兵士:アジア・太平洋戦争の現実』(2017年、中公新書)など

*5:著書『昭和の政党』(2007年、岩波現代文庫)、『東京裁判への道』(2013年、講談社学術文庫)など

*6:著書『軍備拡張の近代史:日本軍の膨張と崩壊』(1997年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『歴史修正主義の克服』(2001年、高文研)、『昭和天皇の軍事思想と戦略』(2002年、校倉書房)、『護憲派のための軍事入門』(2005年、花伝社)、『世界史の中の日露戦争』(2009年、吉川弘文館)、『これだけは知っておきたい日露戦争の真実:日本陸海軍の「成功」と「失敗」』(2010年、高文研)、『近代日本軍事力の研究』(2015年、校倉書房)、『兵士たちの戦場』(2015年、岩波書店)、『昭和天皇の戦争:「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと』(2017年、岩波書店)、『日本の戦争:歴史認識と戦争責任』(2017年、新日本出版社)など

*7:著書『<出雲>という思想』(2001年、講談社学術文庫)、『鉄道ひとつばなし』(2003年、講談社現代新書)、『増補・皇居前広場』(2007年、ちくま学芸文庫)、『滝山コミューン一九七四』(2010年、講談社文庫)、『震災と鉄道』(2012年、朝日新書)、『思索の源泉としての鉄道』(2014年、講談社現代新書)、『レッドアローとスターハウス:もうひとつの戦後思想史』(2015年、新潮文庫)、『大正天皇』(2015年、朝日文庫)、『〈女帝〉の日本史』(2017年、NHK出版新書)など

*8:著書『皇紀・万博・オリンピック:皇室ブランドと経済発展』(1998年、中公新書)、『東条英機』(2009年、山川出版社日本史リブレット 人)『昭和史』(2016年、ちくま新書)など

*9:著書『大正デモクラシー』(1992年、岩波ブックレット)、『昭和天皇立憲君主制の崩壊』(2005年、名古屋大学出版会)、『明治天皇』(2006年、ミネルヴァ日本評伝選)、『元老西園寺公望』(2007年、文春新書)、『山県有朋』(2009年、文春新書)、『原敬(上)(下)』(2014年、講談社選書メチエ)、『伊藤博文』(2015年、講談社学術文庫)など

*10:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相など歴任

*11:細川内閣科学技術庁長官、管内閣法相など歴任

*12:村山内閣環境庁長官森内閣文相(科学技術庁長官兼務)、小泉内閣農水相自民党国対委員長(小泉、第一次安倍、福田、麻生総裁時代)、幹事長、副総裁(谷垣総裁時代)など歴任

*13:小泉内閣国交大臣政務官、第二次安倍内閣内閣府副大臣(沖縄・北方等担当)、自民党参議院国対委員長、幹事長など歴任

*14:鳩山、菅内閣農水副大臣、野田内閣農水相など歴任

*15:内閣府事務次官宮内庁次長などを経て現職

*16:橋本内閣労働相、森内閣国家公安委員長、第一次安倍内閣文科相自民党幹事長(福田総裁時代)、福田内閣財務相衆院議長など歴任

*17:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相、首相など歴任

*18:自民党参院政策審議会長、参院会長を歴任。アルベールビル五輪スピードスケート女子1500m銅メダル。日本スケート連盟会長。

*19:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相

*20:元警視総監

*21:名古屋高等検察庁検事長東京高等検察庁検事長など歴任