今日の産経ニュース(12/17分)(追記・修正あり)

■英国がAIIB基金に56億円拠出 途上国支援に
http://www.sankei.com/world/news/171216/wor1712160059-n1.html
 産経がどんなにAIIBの価値否定に必死になろうとも、国際社会はそうした産経とは真逆の考えで動いているわけです。


■【激変する世界 外交・安保を斬る】太平洋島嶼国 中国の影響拡大 米中が向かい合う第2列島線 笹川平和財団主任研究員 塩澤英之氏に聞く
http://www.sankei.com/west/news/171217/wst1712170027-n1.html

島嶼国と中国の関係は
 「台湾と外交関係がある国でも中国の投資や観光客が増加して中国の影響力が増している。また中国は、先進国のルールにのっとる義務がなく箱物など大規模な経済支援をしている。トンガでは、国内総生産(GDP)の5割に相当する債務を抱えているが、その多くが中国に対するものだとされる」

 つまりは産経のような中国敵視は非現実的だと言うことです。
 さて産経が名前を挙げるトンガですがググったら面白い記事があったので紹介しておきます。

http://globe.asahi.com/feature/article/2017080200006.html
朝日新聞『中国に乗っ取られる?トンガ首相発言が波紋』
 「我が国はこのままだと、数年以内に中国人に乗っ取られてしまう」。
 北京から約1万㌔。約170の島々からなるトンガで今年5月、首相の発言が波紋を広げた。
 1998年に台湾と断交して国交を結んで以来、中国との絆は深い。人口10万の国で、なにが起きているのか。
(中略)
 アキリシ・ポヒヴァ首相が取材に応えた。
 「あくまでも仮定だが、合意を守れなければ、我々の海で彼らが漁業をするようになるとか、我々の軍隊を彼らが使うようになるとか。さまざまなことが起こりうる」
 「合意」とは中国からの多額の援助の返済だ。中国からトンガへの援助は2006年から16年までで総額約1億7200万米㌦(豪・ロウィー研究所推計)に上る。無償援助もあるが、長期の低金利融資も多い。IMF国際通貨基金)などによると、対外債務は今や国のGDPの半分近くに上るが、大半が中国からの借金だ。首相は、その元本の返済が「来年から始まる」と言った。
(中略)
 海岸通りにそびえるのは、完成したばかりの政府合同庁舎。中国が無償で建設し、首相府や財務省などが入る予定だ。玄関に「チャイナ・エイド 中国援助」と記されたプレートが光っていた。
(中略)
 トンガで長年民主化運動に取り組んできたジャーナリスト、カラフィ・モアラ(66)は話す。
「恐れからは何も生まれない。新しくパワフルな友達と賢く関係を築いていければ、我々にメリットはある。トンガの問題を中国のせいにせず、自分たちの問題として向き合うことから始めるしかない」

 まあ首相発言「乗っ取り」は本気と言うより「今のうちから騒いでおけば中国もあまり無理は言えないだろう」という中国への牽制でしょう。たぶん「全額約束通り返すのが難しい」のでしょう。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/06/post-7751.php
ニューズウィーク日本版『トンガで跋扈する中国のヒットマン
 一部の中国人が殺し屋を雇い、中国人コミュニティー内の商売敵を襲わせている――オセアニアの小さな島しょ国トンガのアキリシ・ポヒバ首相が4月、公の場でこんな発言をした。

 こうなると首相は「ポピュリズム的な考え」から反中国を扇動してるのではないかと疑わざるを得ません。そもそも仮にそうした事態があるとしてもやるべきことは警察の捜査であってこうした放言ではないでしょう。


■【世界ミニナビ】「同性婚」合法化は新たな人権指標に…豪が承認、近く台湾も 
http://www.sankei.com/west/news/171217/wst1712170001-n1.html

 オーストラリアが12月8日に同性婚を合法化した。ロイター通信によると世界の国・地域で26番目。アジアにはないが、台湾の裁判所が5月、同性婚を認めない現行法を違憲とし2年以内の合法化を命じた。同性婚合法化は男女や人種と並び、平等な人権の達成度を示す指標ともなりそうだ。
(中略)
 一方、日本では芸能界などで性的少数者(LGBT)の存在感があるにもかかわらず、政治との関係は希薄だ。自民党竹下亘*1総務会長が11月、宮中晩餐会国賓が同性パートナーを伴って出席することに反対だとの発言をしたが、大きな論争にはならなかった。
 国際社会では今後、近代国家が乗り越えようとしてきた人種や男女に続く基本的な人権の問題として、同性愛や同性婚がクローズアップされる可能性は高い。達成の度合いは男女同権における女性参政権のような、指標ともなりうる。
 国連人権理事会は今年9月、同性愛行為や背教に対する死刑を非難する決議を採択した。決議案はベルギーなどが提案して賛成多数で採択されたが、日本は米国や中国、サウジアラビアなどとともに反対した。
 米国や日本は死刑制度も批判する趣旨であったため反対したが、深刻な人権問題を抱える国々と同じ行動を批判的に報じたメディアも多い。米CNNは「人権推進のリーダーだった米国の反対はLGBT活動家らにショックを与えた」などとし、トランプ政権における人権問題への取り組みの後退に焦点を当てた。

 産経にこうした記事が載るとは意外です。
 この記事の書き手は阿比留のようなゴリゴリのウヨではなく、深い考えもなしにこう書いたんでしょうが、もちろん同性婚合法化に日本で反対してるのが日本会議や産経のようなウヨの訳です。

芸能界などで性的少数者(LGBT)の存在感

つうのは「はるな愛」「マツコ・デラックス」などのことでしょうね。まあ、彼らLGBTがテレビに出られるようになったことはいいことですがそれが「LGBT差別撤廃」に必ずしもつながってるように見えないのは「芸能界は特殊な世界」扱いされてるからでしょうか。

参考

はるな愛(ウィキペ参照)
・1996年にTBS『上岡龍太郎がズバリ!』のMr.レディー特集に出演。以後、アイドル系美形ニューハーフとして、テレビ番組のニューハーフ特集やものまね番組に顔を出している。
出演
■テレビ
・幸せ!ボンビーガール(日本テレビ、火曜日 22:00〜23:00)
■ラジオ
大竹まこと ゴールデンラジオ!(文化放送、平日13:00〜15:30)火曜日パートナー

マツコ・デラックス(ウィキペ参照)
・子ども時代から自身が男性同性愛者(ゲイ)である事を自覚しており、幼なじみの従兄弟に性的な魅力を感じた経験を告白している。
・高校卒業後は美容専門学校に進学し、美容師の資格を得て働いていたが、「何か違う」と感じていた時にアクティビストな同性愛者の姿を見て奮起し、『薔薇族』『SAMSON』『G-men』に並ぶゲイ雑誌『Badi』の編集部に転職し、同誌の記者・編集者を務めた。
・編集者時代の記事を読んでいた小説家の中村うさぎがホストを務める対談集『人生張ってます』(2001年、小学館文庫)のゲスト*2に抜擢された事が世に出るきっかけとなった。
・尊敬する人物として、元NHKアナウンサーの加賀美幸子をあげており、彼女がホスト役を務めた2013年6月17日放送のNHK教育ハートネットTV』の『マツコ・デラックス “生きる”を語る』(http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2013-06/17.html)にゲスト出演している。
・同性愛者であることを公表している民主党(当時)所属の元大阪府議会議員の尾辻かな子*3が2007年の参議院選挙に出馬を表明した際、支持者集会で応援ビデオメッセージを送っている。因みに、同性愛者について「足りない感じがする」などネガティブな発言をした石原慎太郎東京都知事(当時)に対しては批判している。
出演
■テレビ
・5時に夢中!(TOKYO MX、平日17:00〜18:00)月曜コメンテーター
月曜から夜ふかし日本テレビ、月曜23:59〜翌0:54)
マツコ会議日本テレビ、土曜23:00〜23:30)
マツコの知らない世界(TBS。火曜20:57〜22:00)
ホンマでっか!?TV(フジテレビ、水曜21:00〜21:54)
アウト×デラックス(フジテレビ、木曜23:00〜23:40)
・夜の巷を徘徊する(テレビ朝日、金曜0:15〜0:45)
マツコ&有吉 かりそめ天国テレビ朝日、水曜23:15〜翌0:15)
■著書
・『アタシがマツコ・デラックス!』(2002年、ソニー・マガジンズ
・『うさぎとマツコの往復書簡』(2010年、毎日新聞社中村うさぎとの共著)
 サンデー毎日連載コラムの書籍化。後に『うさぎとマツコの往復書簡 全身ジレンマ』(2014年9月、双葉文庫)として文庫化
・『愚の骨頂 続・うさぎとマツコの往復書簡』(2011年、毎日新聞社中村うさぎとの共著)
 後に『うさぎとマツコの往復書簡 自虐ドキュメント』(2014年、双葉文庫)として文庫化
・『喧嘩上等 うさぎとマツコの往復書簡3』(2012年、毎日新聞社中村うさぎとの共著)
・『同行二人 うさぎとマツコの往復書簡4』(2014年、毎日新聞社中村うさぎとの共著)
など

http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/2013-06/17.html
■シリーズ 多様な“性”と生きている
第4回「マツコ・デラックス “生きる”を語る」
 日本には、人口の5.2パーセントにあたるセクシュアル・マイノリティー(ゲイ、レズビアンバイセクシュアル、トランスジェンダーなどの性的少数者)が暮らしているといわれています。
 20人に1人というこの数字は、学校や職場の仲間として、あるいは家族として、私たちが共に暮らしていることを示しています。しかし、今も多くの人が“自分とは縁遠い人”“えたいのしれない人”だと感じている現実もあり、偏見や差別の壁に苦しむ当事者もいます。
 第4回は、ゲイであり、女性への憧れを女装することであらわしてきたマツコ・デラックスさんをゲストに迎え、ご自身のセクシュアリティー・母への思い・社会との関わりなどを伺います。
 マツコさんはもともとゲイ雑誌の編集者として活躍し、現在も多数の著作を発表しています。今の日本の制度では、ゲイとして結婚することが出来ず、支える“家族”もいないままに迎えるであろう孤独。国民的有名人となった今でも、故郷に暮らす母に、ゲイであることを直接伝えられずにいること。そこに語られているのは、弱さや迷いを抱えながら、1人の生活者として生きるマツコさんの姿です。日本社会の“生きづらさ”、その中でどう生き抜いていくのか、マツコ・デラックスさんが語り尽くします。
※聞き手として、マツコ・デラックスさんが日頃から尊敬する女性であると公言する元NHKアナウンサーの加賀美幸子さんも出演。


■【日曜に書く】この寒い冬の「不都合な真実」 論説委員長辻象平*4
http://www.sankei.com/column/news/171217/clm1712170004-n1.html
 「今年の冬は寒かった」→「CO2温暖化原因説は間違ってるんじゃないか」と言い出す産経です。産経以外ではまず読めない与太記事です。


■【新聞に喝!】パンダの裏に潜む怖い現実…もっと踏み込んだ調査報道を 神戸大学大学院法学研究科教授・簑原俊洋*5
http://www.sankei.com/column/news/171217/clm1712170005-n1.html
 「中国がパンダをレンタルするのは中国のイメージをよくする思惑がある」なんてことは今更産経に教えてもらわなくても知ってますが。でそれの何が怖いのかさっぱり解りません。
 つうか産経は何が言いたいのか。「パンダレンタルなんか上野動物園はやめちまえ」とでもいいたいのか。

パンダの希少性は中国政府が人為的に作り出している

 いやいやパンダは絶滅危惧種だから「人為的に作り出してはいない」でしょう。

 調査に依拠した本質をえぐる連載に積極的な産経の姿勢は評価したい。念頭にあるのは、最近では対馬への韓国人観光客の流入と不動産買収の現状を示した「異聞 防人の島・対馬」、そして中国の台湾への浸透の実態に光を当てた「紅い統一工作」などだ。いずれも事象の背景を丁寧に解説しつつ、現況に警鐘を鳴らした読み応え十分の連載だった。

 「対馬が危ない」なんてあんな明らかなデマ記事をよくもまあ「調査に依拠した本質をえぐる連載」「読み応え十分の連載」といえるもんです。


■【書評】元大使「中国の強硬外交は失敗」『強硬外交を反省する中国』*6宮本雄二*7
http://www.sankei.com/life/news/171217/lif1712170048-n1.html
 「え、中国のどこが強硬外交なの?」と思いますけどねえ。
 まあそれはともかく。「強硬外交を反省する中国」なのだから未だに「中国は高飛車だ」云々という「反中国分子」の産経や阿部治平などとは宮本氏の立場は違うわけです。
 つうか、あれですかね「中国が反省してるから安倍総理も一帯一路への好意的対応など、中国に対する立場を変えたのです」つうある種のかばい手ですかねえ?。まあ、仮にそうだとしても「安倍が好き」と言うより「猿もおだてれば木に登る」じゃないですけど「安倍を適当に持ち上げて日中関係を良くしよう。あいつが総理である以上当面そうするしかねえ」つう話でしょうけど。


■【ニッポンの議論】ユネスコ脱退すべきか 「政治的決定機関なら脱退」「日本の文化力発信に必要」
http://www.sankei.com/premium/news/171217/prm1712170005-n1.html

 今後ユネスコとの関係はどうあるべきか。自民党山田宏参院議員と元ユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏*8に聞いた。 

 産経以外ではまず読めない与太記事です。
 「南京事件資料のユネスコ世界記憶遺産登録が気にくわないから脱退」なんて理屈が世間に通るわけがないでしょう。
 しかもその一方で「天安門事件の資料を登録したい!」という藤岡信勝らウヨを応援する。
 「日本の負の資料は登録するな!、政治的偏向だ!」というなら「中国の負の資料も登録しろ!」てことはいえないでしょうに。しかも「天安門事件について非を認めない」中国はともかく、日本は「南京事件について公式には非を認めてる」わけです。東京裁判南京事件を理由に松井石根が死刑になったことをえん罪だなんて言ってないわけです。
 しかもこの産経の理屈だと「原爆ドームやシベリア抑留資料、アンネの日記」などが世界遺産や世界記憶遺産に登録されてることはどうなるのか。
 幸いにもこれらについて米国やロシア、ドイツは日本ウヨのようなことは言ってない*9わけですが、産経の理屈なら「原爆ドームやシベリア抑留遺産の登録は反米、反ロシアだ」といって「米国やロシアが脱退や分担金不払いを実行してもいいこと」になります。それを産経は納得するのか。
 しかし、まあこういう与太話はさすがに山田宏のような極右ぐらいしか呼んでこれないわけです。

山田
 既に登録されている『南京大虐殺資料』の登録を抹消する道も開かれた。

 誰が考えてもそんな道は開かれてないでしょう。

 戦後の日本は『国連はすばらしい機関だ』と言って、国連を神格化してきた。

 そんな事実がどこにあるんですかねえ?

ユネスコの決定に弓を引くようなことはなかなかできなかった。

 よほど酷い決定で無い限り「弓を引く(反対する)」理由もどこにもないですからねえ。今回の南京事件資料のユネスコ世界記憶遺産登録なんて別に酷い決定でもない。

東京の一等地に国連大学を誘致したが、一体どんな研究が行われているのか日本人はさっぱり知らないのではないか

 いやいやそれいったら別に国連大でなくても「東大や早稲田大など一般の国公私立大」「理研のような国の研究所」「企業の研究所」なんかでもどんな研究が行われてるかなんて我々ほとんど知りませんが(まあもっと大学等が宣伝すべきとか、もっと我々の方も知るべきとはいえるかもしれませんが)。
 「近畿大のマグロの養殖」とかマスコミが報道してるよほど有名なもんでも無い限りねえ。
 つうか山田は国連大なんか誘致すべきでなかったと言いたいのか。

南京事件』や『慰安婦』は日本の名誉に関わる問題だ。

 南京事件は「松井石根の死刑判決を受け入れたこと」で、慰安婦河野談話を出したことで、日本もその「実在および違法性・不当性」を公式に認めた話です。本来登録に反対するとしても、できることはせいぜい「個別の歴史資料」について「登録する価値があるか疑問」というのが関の山であって、山田のように「そもそも存在しない」だの「違法でも不当でもない」だのいうのは暴論です。
 当然、「河野談話をいつ撤回したのか。撤回もしてないのにそういうことを言うのはおかしいと思わないのか」「松井石根の死刑判決はえん罪だというのか」つう話になる。

松浦
 2年前に『南京大虐殺資料』が登録されたときは非常に残念だった。後から考えれば歯止めを掛けておくべきだった

 元外務官僚という立場上、「登録されて何が問題なのか」とはいえないのでしょうが、実に残念な発言です。まあそういう意味で言えば「朝鮮学校無償化除外なんておかしい」と公言してる前川元文科事務次官はある意味「すごい人」ですよねえ。

日本は分担金を支払う条約上の義務があり、仮に止めたとしても、止めた段階から日本は発言権を失うことになる。

 そりゃそうでしょう。でその欠けた分を中国や韓国あたりが「日本の無法に屈しないためにも我々で負担する」とか言う話にしかならないでしょう。

 (ボーガス注:ユネスコ事務局長時代に)私が創設に取り組んだ世界無形文化遺産に『和食』が登録されて以降、海外の日本食レストランは10万軒を超えた。

 こういう「和食を世界に広めるためにユネスコ事務局長ポストを私物化して世界無形文化遺産制度を作った」と疑われかねない発言を「南京事件資料登録はおかしい」云々という文脈の話でできる松浦氏といい、この発言をそのまま載せる産経といい頭がおかしいんじゃないか。
 「日本のユネスコ私物化はいい私物化かよ!」つう反発がでかねないでしょうに。
 まあそれはともかく。「世界無形文化遺産に『和食』が登録」と「海外の日本食レストラン」てどれほど関係してるんでしょうか?
 ちなみに料理については「和食」以外では

・フランス料理(2010年登録)
・メキシコの伝統料理(2010年登録)
・韓国のキムチ作り(2013年登録)
地中海料理(2013年登録。キプロスクロアチア、スペイン、ギリシャ、イタリア、モロッコポルトガルの共同申請)
・トルココーヒー(2013年登録)
北朝鮮のキムチ作り(2015年登録)
・ベルギーのビール文化(2016年登録)
・フラットブレッドの製造(2016年登録。アゼルバイジャン、イラン、カザフスタンキルギス、トルコの共同申請)

が、また日本の世界無形文化遺産は「和食(2013年登録)」以外では

・歌舞伎(2005年登録)
人形浄瑠璃文楽)、能楽(2008年登録)
雅楽(2009年登録)
チャッキラコ(2009年登録)
  神奈川県三浦市小正月の伝統行事
・秋保(宮城県仙台市)の田植踊(2009年登録)
・題目立(2009年登録)
  奈良県奈良市八柱神社に伝わる民俗芸能
大日堂舞楽(2009年登録)
  秋田県鹿角市の大日霊貴神社に伝わる舞楽
甑島(鹿児島県薩摩川内市)のトシドン(2009年登録)
小千谷縮越後上布新潟県魚沼地域のカラムシ織物製造技術)(2009年登録)
・奥能登のアエノコト(2009年登録)
アイヌ古式舞踊(2009年登録)
・組踊(沖縄の伝統的ミュージカル)(2010年登録)
結城紬(2010年登録)
壬生の花田植広島県壬生のイネ移植儀式)(2011年登録)
佐陀神能島根県佐太神社の神楽)(2011年登録)
那智の田楽(2012年登録)
・和紙(2014年登録)
・山・鉾・屋台行事(2016年登録)

が登録されています(ウィキペ「無形文化遺産」参照)。

 ユネスコから手を引けば新規登録はできなくなり、地方で世界遺産登録に必死に取り組んでいる人たちになんて説明すればいいのか

 まあ今や世界遺産登録は「観光資源化」していますからねえ。
 世界遺産登録前と登録後に小生、「群馬の富岡製糸場」にいったことがありますが明らかに登録後の方が人が増えていました。特に外国人観光客が増えていたかと思います。登録前はまあ「ひなびた」というと語弊がありますが、「普通の田舎の観光地」的だったのが、明らかに「割と最近できたと思われる」ジェラートの店だのもできてましたしねえ。


■【主張】国民栄誉賞 変化激しい時代の指針に
http://www.sankei.com/column/news/171217/clm1712170001-n1.html
 まあ産経が「将棋の羽生(国民栄誉賞受賞の見込み)」を「時代の指針、道しるべ」にしたいなら勝手にすればいいでしょう。
 俺は「羽生ってすごいなあ」とは思っても「将棋」と「自分の日常生活」では全然違うので別に道しるべにはなりませんが。
 大体国民栄誉賞って別に道しるべでもないですからねえ。
 そもそも「明確な受賞基準もない」し。
 例えば「なぜ今回の永世7冠ではなく6冠の時点で受賞しなかったのか」といってもそこには何ら合理的な理由はないわけです。
 あるいは「なぜ長谷川町子が受賞したのに手塚治虫は受賞しなかったのか」といってもそこには何ら合理的な理由はないわけです。

 羽生棋聖はタイトル通算100期に王手をかけ、故大山康晴十五世名人による史上1位の1433勝にもあと42勝としている。

 まあ大山の勝利数は越えるんでしょうね。

参考

国民栄誉賞(ウィキペ参照)
・「国民栄誉賞」という名称が示す通り、原則として日本人が授与対象であるが、初の受賞者となった王貞治中華民国国籍である。なお、日本国籍保持者以外の受賞者は現在に至るまで王貞治ただ一人である。
・以下の人物が受賞を辞退したことが明らかになっている。
福本豊
 1983年(昭和58年)6月に当時の世界記録となる通算939盗塁を達成。中曽根康弘首相から授与を打診されたが、「そんなんもろたら立ちションもでけへんようになる」(本人談)として辞退した。後には「王さんのような野球人になれる自信がなかった」という心中を語っている。なお大阪府知事の賞詞は受賞している。
古関裕而
 1989年(平成元年)の没後に授与が遺族に打診されるも、遺族が辞退。
イチロー
 2001年(平成13年)、メジャーリーグで日本人選手史上初となるMVPを獲得する活躍を見せた事により、第1次小泉内閣から授与を打診されたが、「国民栄誉賞をいただくことは光栄だが、まだ現役で発展途上の選手なので、もし賞をいただけるのなら現役を引退した時にいただきたい」と固辞した。2004年(平成16年)にも、メジャーリーグのシーズン最多安打記録を更新した事から授与を検討されたが、再度固辞した。

王貞治(ウィキペ参照)
・現在、福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役会長兼GM日本プロ野球名球会顧問。
・王の記録したシーズン公式戦通算本塁打868本は日本プロ野球記録であり、ハンク・アーロンが保持していた当時のメジャーリーグ通算本塁打記録の755本塁打を抜いた事で知られる。
・かつて中国の政権与党は中国国民党であり、国号を中華民国としていた。その頃、王の父を含めた中国内外に住む中国人(華僑・華人)はみな中華民国国籍であった。その中国国民党第二次世界大戦後に中国共産党との政権争いに敗れて中国大陸を脱出し、逃亡先の台湾・台北に事実上首都を遷すが、1971年には国連を脱退し、日本を含めた国際社会の多くの国々から国家承認を取り消されてしまう。しかし、王は自らの知名度を政治的に利用されることを嫌い、その後においても世界中より正式な国家として承認された中華人民共和国国籍や、自身が生まれ育った日本国の国籍に、利便性のために帰化することをよしとしなかった。このため、王は現在でも日本や中華人民共和国ではなく中華民国の国籍である。これは中華民国籍の在日中国人として生涯を全うした父親の遺志を尊重していることや、世界のホームラン王として国際的に有名になった現在、「日本国籍を取得」「中華人民共和国籍を取得」「生涯中華民国籍であることを宣言」のいずれの行動も政治的意味を帯びてしまうことなどをマスコミのインタビューにて理由として挙げている。王が「台湾人」と誤って表現されることがあるが、実際に王家の出自は中華人民共和国実効支配下浙江省であり、台湾島とのゆかりはない。


■【歴史戦】「フィリピン慰安婦像」現地ルポ 日本側に動き察知されぬようステルス化する中華系団体 大統領府も「寝耳に水」(マニラ 吉村英輝)
http://www.sankei.com/world/news/171216/wor1712160061-n1.html
・いつもの産経の「中国がー」ですがもちろん「フィリピンの慰安婦=全て華僑」なんてことはないのであり得そうにない話です。
 まあ仮に産経の言うように「華僑住民」が運動のメインだとしても悪事を働いてるわけでなく非難されるいわれはありません。
 また「華僑=中国国民ではない*10」し「中国国民なら中国政府の意思に従って動く」わけでもないでしょう。従って「華僑の意思=中国政府の意思」でもない。

大統領府も「寝耳に水」

て別に大統領府に断って運動する義務もないですからねえ。

台座正面の碑文には「日本占領下の1942〜45年に虐待を受けたフィリピン人女性犠牲者の記憶」などとある。タガログ語で書かれ表現は穏当だ。

 産経ですら「穏当」と表現する碑文のどこが反日なんでしょうか?

ある委員は、慰安婦像作製は現地の人権団体「リラ・ピリピーナ」などが2014年から始め、今年10月に碑文作成を要請してきたとした。1990年代の韓国での慰安婦運動をフィリピンに導入した団体だ。

 「導入」と書き、まるで「韓国側主導でできた団体(フィリピン人の意思じゃない?)」とでも言いたげな産経ですが単に「韓国を見習って我が国でも慰安婦の支援運動をしよう」程度の話でしょう。

隠れて既成事実を積み重ね開き直る中国の手法は、南シナ海の人工島の軍事拠点化でも実証済みだ。

 「人口島の軍事拠点化」ならともかく、別に慰安婦記念碑なんて非難されることじゃないですが。しかも「隠れて」も何も単に日本政府やフィリピン政府が知らなかっただけの話であり、かつ事前に知らせる義務もありません。
 そして繰り返しますが「華僑の意思=中国政府の意思」ではないし「フィリピン人慰安婦には華僑以外もいた」ことを考えればこうした運動が「華僑系住民だけで行われた」とはとても思えません。

人権派弁護士として慰安婦問題にも携わってきた、フィリピンのロケ大統領報道官は11日、今回の慰安婦像について「支持もしないし、反対の立場もとらない」と述べた。

 「人権派弁護士として慰安婦問題に携わってきた」、「今回の記念碑に反対しない」のだから少なくともロケ氏の立場は慰安婦の違法性を否定する産経とは違います。

 日比が戦後に築いてきた友好関係に、中国の新たなくさびが打ち込まれた。

 この運動のバックに中国政府がいるという産経の主張には何の根拠もありません。
 まあ「フィリピンは親日だ、だから慰安婦問題で日本批判してない」と強弁する産経にとってその主張に反する出来事は全て「中国など外部が持ち込んだ異物」扱いせずにはいられないのでしょうが。
 というかこの運動の前提は河野談話ですから日本にとって何ら問題は無いはずですが。
 「問題がある」と言い出すのは「河野談話を否定して慰安婦に問題など無いと居直りたい」と自白してるのも同然です。

*1:第3次安倍内閣で復興相

*2:なお、マツコ以外のゲストは花井愛子(作家)、岩井志麻子(作家)、西原理恵子(漫画家)、斎藤綾子(作家)

*3:2003年4月13日の大阪府議会議員選挙に堺市堺区選挙区から出馬し、当時の府議会で最年少だった28歳で初当選した。2007年4月の大阪府議選には同年7月の参議院選挙に民主党公認候補として出馬するために尾辻は立候補しなかったため、同月29日付けで府議としての任期を満了した。2007年7月29日の第21回参議院議員通常選挙比例区から民主党公認候補として立候補するも落選。しかし、2013年5月8日に衆院への鞍替え出馬を模索している民主党参議院議員であった室井邦彦が辞職したため、繰り上げ当選となった。同年7月の参議院選挙には出馬せず、任期満了。2017年10月、第48回衆議院議員総選挙において大阪2区から立憲民主党公認で出馬。比例復活で当選を果たした。立憲民主党大阪府支部連合会初代幹事長(ウィキペディア尾辻かな子」参照)。

*4:著書『釣魚をめぐる博物誌』(2003年、角川選書)、『江戸の釣り:水辺に開いた趣味文化』(2003年、平凡社新書

*5:著書『「戦争」で読む日米関係100年:日露戦争から対テロ戦争まで』(2012年、朝日選書)、『アメリカの排日運動と日米関係:「排日移民法」はなぜ成立したか』(2016年、朝日選書)など

*6:2017年、PHP新書

*7:ミャンマー大使、中国大使。著書『激変ミャンマーを読み解く』(2012年、東京書籍)、『習近平の中国』(2015年、新潮新書)など

*8:駐フランス大使、ユネスコ事務局長など歴任。著書『ユネスコ事務局長奮闘記』(2004年、講談社)など

*9:米国はユネスコ脱退しましたがその理由は「イスラエルが反対するパレスチナユネスコ加盟が認められたこと」であって原爆ドームの登録ではありません。

*10:例えば、わかりやすい例では華僑系のリー・クアンユーシンガポール首相」や我が国の「蓮舫・元民進党代表」があげられます。