今日の韓国・北朝鮮ニュース(2019年3/3分)

経済封鎖解除要求が「一部」だったのか「全部」だったのかは会談評価の重要ポイント: 白頭の革命精神な日記
 「全部か一部か、の評価が大事」というのは確かにおっしゃるとおりでしょう。
 またこうした「米朝の主張の違い」が
1)どちらかが嘘をついてる
2)俗にいう「コップに水が半分入ってるとき」に「まだ半分も入ってる」と思うか、「たった半分しかない」と思うかの違いのような価値観の違い
 もちろん今回「制裁解除要求をどう評価するか」の場合、前者(こんなに解除要求するのか!)が米国、後者(たったこれしか解除要求してない)が北朝鮮
なのかも重要でしょう。まあ、日本マスゴミは「1)なら北朝鮮が嘘をついてる。2)なら米国の認識の方が正しい」としか言わず、「北朝鮮叩き」に狂奔するわけですが。なお、「リンク先記事を読めば分かりますが」この記事自体は「米朝の主張を分析した上で、全部と評価するか一部と評価するか」を論じずに「交渉が失敗した、北朝鮮は核廃棄する気がないんだ」と決めつけるのは馬鹿げてるとはしていますが「どちらが評価として正しいのか」の結論は出していません。
 俺個人は

北朝鮮、制裁解除「11分の5」 米の認識「ほぼ全て」 [米朝首脳会談]:朝日新聞デジタル
 ハノイで2月27、28日に行われた米朝首脳会談を受け、北朝鮮の李容浩*1(リヨンホ)外相が1日未明、異例の記者会見を開き、「(北朝鮮が)求めたのは全面的な(経済)制裁解除ではなく、一部解除だった」と主張した。トランプ米大統領による、北朝鮮が制裁の全面解除を求めたため合意できなかったとの発言を否定した。
 これに対し、今度は米国務省高官が1日、記者団を通じて北朝鮮に反論した。高官は、北朝鮮が実質的に11ある国連の対北朝鮮制裁のうち五つの解除を求めてきた*2のは正しいとしつつ、この「11分の5」こそが制裁で最も重要な分野だとの認識を明らかにした。
 高官は、北朝鮮の考えが「武器を除くほぼすべてだった」と指摘。「基本的には、北朝鮮は全面的な制裁解除を求めてきた」との認識を示した。

という記事から「2)の可能性かな」とは思っています。朝日記事によれば「11分の5」というのはお互い認めてるわけですから。その上で米朝双方の主張をどう評価するか、コッポの水(制裁解除要求)のたとえなら「半分もある(米国)」と考えるのか、逆に「半分しかない(北朝鮮)」と考えるのかについて俺のコメントは控えておきます。「米国の主張が間違ってるor北朝鮮の主張が間違ってる」というのは俺のような素人には判断が難しいですし、俺のような素人が何か言ったところで何がどうなるわけでもない。米朝の主張をどう評価するにせよ、結局のところ、「米朝双方が妥協して落としどころを見つけるしかない」わけです。
 その場合「米国の何らかの北朝鮮体制保障的行為」と「北朝鮮の何らかの非核化的措置」のバーターは不可避でしょう。
 「非核化的措置*3は何一つしないが先に体制保障的行為(終戦宣言、制裁解除、国交樹立、在韓米軍撤退など)はしろ(北朝鮮)」も「体制保障的行為は何一つしないが非核化的措置はしろ(米国)」も「相手が一方的に有利」でありお互い飲める話ではありません。


第2回米朝首脳会談をどう見るか|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 「何らかの共同宣言が出て、非核化が一定程度進展するのではないか」という事前予想からすれば「声明なし」はがっかりです。
 しかし、一方で浅井先生が指摘するように米朝両国は「今後も交渉を続ける」としています。またトランプは改めて「当面、米韓軍事演習を実施しない」としています。「今まで通り、合同演習をやって何が悪い(米韓の反北朝鮮ウヨの立場)」ではない点は浅井先生の指摘通り、「当面は米朝交渉を続けるという米国の考えの表れ」といえるでしょう。
 「声明が出なかったので成功とは言えないが、完全な物別れに終わったわけではないので完全な失敗とも言えない。当面は様子眺め」
 「米朝が共同声明が出せるよう、お互い譲歩すべきだし、中露、日韓といった周辺諸国もそうした米朝の合意形成を目指して尽力すべきだ」
 「そうした尽力を表明した文在寅*4大統領を評価する、表明しない安倍*5政権は評価しない」とする浅井先生の評価には概ね賛成です。


【主張】拉致被害者 帰国実現へこの機逃すな - 産経ニュース
 「逃すな」も何もチャンスなんかどこにあるのか。とにもかくにも米朝首脳会談、南北首脳会談が最近あった「非核化問題」ならまだしも、日朝首脳会談の見込みもないのに拉致が解決するわけもない。産経もデマを放言するのも大概にしてほしい。

*1:駐英大使、外務副大臣などを経て外相

*2:国連制裁の解除は「安保理が決めること」で「米国が決めること」ではないですが「米国との間で話がつけば制裁は解除される(安保理の理事国で反対する国は他にない)」と北朝鮮は考えてるのでしょう。そして是非はともかく実際にそうなるのだろうとは思います。

*3:いきなり全面非核化は現実的ではないでしょう

*4:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表を経て大統領

*5:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相