今日の産経&朝鮮・韓国&中国ニュースほか(2019年6月15日分)

【主張】日本タンカー攻撃 国の基盤揺るがす危機だ 「重要影響事態」にも備えよ - 産経ニュース
 産経らしい「火事場泥棒的主張」ですが安倍ですら現時点では「安保法の発動」だの「ホルムズ海峡に自衛隊を送る」だのいっていません。
 当たり前でしょう。「誰が何のためにやったのか(イランなのか、イランでないのか)」「日本タンカーと知ってやったのか、それともタンカーならどこでもよかったのか」など事実がよく分からない段階で「自衛隊をホルムズ海峡に送ろう」なんて正気の沙汰ではありません。
 つうか根が小心者の安倍はとてもそんなことできないでしょうが。参院選前にそんなことをして「自衛官の犠牲が出たら選挙に負けるかも」「いやそれ以前に石破が俺の批判を初めて、石破の株が上がるかも」と思ったら怖くてとてもそんなことはできないでしょう。
 なお、このタンカー攻撃ですが、「乗組員が待避できたこと」「タンカーの正常な運行が不可能になった物の、沈没はしていないこと」「つまりタンカーを沈めることや乗組員を殺害することを目的にめちゃくちゃに攻撃してるわけではないこと」を考えれば「イラン内部の不満分子(さすがに最高指導者ハメネイ*1、ロウハニ*2大統領など政権上層部はこんな攻撃を望んでないでしょう)」か「イスラエルやCIAなど反イラン勢力」かはともかく「安倍イラン訪問を面白く思わない分子」による「安倍のメンツ潰し」が目的であって「だからこそ殺害や撃沈には及ばなかった」のでしょうね。安倍も随分となめられたもんです。


京都府警巡査長、特殊詐欺情報使い1千万円超詐取で逮捕 - 産経ニュース
 「現職の警官がオレオレ詐欺」とは呆れて二の句が継げませんね。まあ、「口封じに被害者を殺す」などということがなかったのは「不幸中の幸い」ですが「現職警官だと名乗って信用させた」ら後で確実に犯行がばれると思い至らない当たりがバカです。


香港、リーダーなき反政府デモの「勝利」 テレグラム利用で情報共有 - 産経ニュース

 民主派の区諾軒・立法会議員は今回の改正反対運動について「これまでのデモとの違いは、リーダーが存在しないことだ」と指摘する。地元ジャーナリストも「香港政府は今回、誰と交渉したらいいのか分からなかった」という。

 「誰がリーダーか分からず(そもそもリーダーがいない?)交渉しようがないので、ひとまず撤回することにした」て喜べることなんですかね、それ。リーダーがいない運動って長期的には「展望がない」と思うんですが。つうか、民主派の側が「今回の運動にはリーダーがいませんでした」て堂々と言うのもおかしくないですかね?


拉致家族の有本さんにトランプ大統領から手紙 「あなたはきっと勝利する」 解決へ尽力誓う - 産経ニュース
際立つトランプ氏の「共感」 拉致被害者家族に手紙 - 産経ニュース
 実際に動いてくれた小泉*3首相や田中均氏には感謝せず、こんなトランプの舌先三寸に感謝するとは「バカか」としか言いようがないですね。繰り返しますが俺はもはや家族会には何一つ同情も共感もしません。むしろ軽蔑し、呆れ、憎悪すらしています。


石破氏、報告書の受け取り拒否批判 「正しくない」 - 産経ニュース
 こういう批判が今の自民党では「干されてる石破*4」位しか出てこないのにはげんなりします。まあ、石破の批判も「受け取りませんだけで、済む話ではない」というだけで批判としてはぬるいのですが、麻生*5金融担当相(副総理・財務相兼務)を批判するだけ、麻生をかばう二階*6幹事長や山口公明党代表などよりはマシです。


栃木「正論」友の会 外国人との共生「日本人への『他文化強制』にしてはいけない」 中国の拡張主義に警鐘 佐々木論説副委員長 - 産経ニュース
 タイトルからして呆れます。
 「多文化共生、外国人との共生つうたら普通考えるのは在特会みたいなヘイトスピーチ許さないとか、クルド難民受け入れようとか、川口の芝園団地は中国人と地域住民がうまく共生してるようでいいね、とかそういう話と違うのか?。つまりは『日本人が外国人差別をしないようにしましょう』『外国人を日本社会に受け入れましょう』つう話と違うのか。なんで中国の覇権主義ガー、なんだよ。アホか、手前?」ですね。

 佐々木副委員長は、小笠原諸島(東京都)に中国漁船が押し寄せた5年前の赤サンゴ密漁問題について、(中略)海上民兵が乗り込んでいる可能性がある数百隻に及ぶ中国漁船団の政治利用に警戒が必要との認識を示した。

 「海上民兵」なんてもんがいるなら証明してみろって話です。ただの密漁を軍事侵略であるかのようにデマ飛ばすとはどこまで腐った神経をしてるのか。大体尖閣ならまだしもいつ中国が小笠原の領有権主張なんかしたのか。
 これについては小生が「海上民兵」でぐぐって見つけた自衛隊のコラムも

コラム056 | 海上自衛隊幹部学校
 仮に、人民解放軍現役部隊の将兵民兵が、戦闘員としての身分を明らかにせず、「一般の漁民」に紛れ込んだり、一般の漁民を盾にして活動することがあるとすれば、中国は国際社会から強い批判を浴びることになるだろう。

と書いています。当たり前でしょう。当然ながら自衛隊コラムが指摘するようにそんな馬鹿なことを中国はしない。

 本コラムに示された見解は、研究の一環として発表する執筆者個人のものであり、防衛省または海上自衛隊の見解を表すものではありません。

とは書いてありますがまともな自衛官は「海上民兵で中国の侵略ガー」なんて誰も思ってないでしょう。

 「多文化*7共生は大切だが、遠慮し過ぎて外国人による日本人への『他文化強制』にしてはいけない」

 もう呆れて二の句が継げませんね。これを真顔でしゃべる佐々木の神経も、真顔で聞いてられる「産経『正論』友の会会員」の神経も、これをためらいなく記事に出来る産経上層部の神経も俺には理解できませんね。
 いつどこで日本人が外国人に遠慮してるのか。「日本に来たら日本社会に従え」とばかりに「イスラム教徒に豚肉を、ヒンズー教徒に牛肉を食わせかねない」産経の暴論です。
 こういうことを真顔で言うことこそが外国人差別そのものでしょう。佐々木が論説副委員長だというのだから産経も本当に気が狂っています。福島香織など産経を早期退社したがる人間がいるのもよく分かります。まともな人間なら「可能ならば」朝日でも読売でも毎日でもどこでもいいからまともな新聞社に移りたいでしょう。

 質疑応答では、中国が沖縄の県民世論に及ぼす影響力を危惧する声などが上がった。

 「翁長やデニーは中国の手先」といういつものデマです。どこまで嘘つきで恥知らずでクズで「沖縄差別者」なのか。


「 国際政治は理想よりも力で動く ウクライナの二の舞を演じてはならない 」 | 櫻井よしこ オフィシャルサイト

「現在の日本はロシアに侵略されてクリミア半島を奪われる前のウクライナとそっくりです」
 ウクライナから来た留学生、ナザレンコ・アンドリー氏(24)がインターネットの「言論テレビ」で語った。

 やれやれですね。「在日米軍自衛隊の現状」をどう評価するか、はともかく在日米軍自衛隊という「世界有数の軍事力」が存在する日本を侵略する国なんかまずありません。そしてロシアですらウクライナ相手にやったことは「クリミア併合」であり「ウクライナ全土のロシア支配」ではありません。もちろんロシアによる北海道侵略なんて事もあり得ない。
 まあ、この御仁、どう見ても「ウクライナペマ・ギャルポ」「ウクライナラビア・カーディル」「ウクライナ版楊海英」、つまり「日本ウヨに媚びる人間のくず」でしかありませんね。こんなんが「ウクライナ人の代表面」とはウクライナ国民も本当に迷惑でしょう。

 かつて旧ソ連の一部だったウクライナは、1991年のソ連解体で独立した。当時のウクライナソ連のいわば武器庫で、核兵器、ミサイルをはじめ多くの武器が保有されていた。
 これらの武器をすべてロシアに引き渡すべきだと、米英露3カ国が要求した。ただし武力放棄後のウクライナの安全は米英露3カ国が保障するとも誓約した。同提案にウクライナは同意し、ブダペスト*8覚書を交わした。後に中仏も同様の内容の覚書をウクライナと個別に交わしたことから、国連安全保障理事会常任理事国すべてがウクライナの安全を担保する形が出来上がった。これが94年だった。
 ところが、20年後、ロシアは突然ウクライナからクリミア半島を奪った*9

 「だからウクライナは核廃棄すべきじゃなかった、英米仏中は頼りにならなかった、経済制裁してもロシアはクリミアを帰さないし、経済制裁以上のことはやってくれない」と言いたげなよしこです。
 しかしその理屈なら北朝鮮が「核廃棄なんか出来ない。米国が我が国を侵略しようとしたとき誰が守ってくれるのか。英仏中露は頼りになるのか疑問だ。信じられるのは自分だけだ」といったら「そうですね。核保有は仕方がないですね(渋々、了解)」つうことになりかねませんが、その当たりよしこはどう考えてるのか。
 あるいは韓国が「米国の核の傘なんか信用出来ない、信じられるのは自分だけだ。韓国も核保有します*10」といったら「そうですね、核保有は(以下略)(渋々、了解)」つうことになりかねませんが、その当たりよしこはどう考えてるのか。
 そしてウクライナが「保有する核を不当な形で使用したり、外部に流出させない」つう保証もないわけです。

 尖閣諸島周辺には本稿執筆時点で連続55日間、中国の大型武装艦四隻が侵入を続けている。国防を置き去りにしてウクライナの二の舞を演じてはならない。

 別にウクライナは国防を置き去りにしたわけではないでしょうが、それはさておき。「クリミアをロシアに併合されたウクライナの二の舞」云々という文章で「尖閣ガー」「中国ガー」では誰がどう見てもよしこの主張は「中国が軍事力で尖閣を併合」としか読めません。よくもまあ酷いデマが飛ばせるもんです。


【昭和天皇の87年】盧溝橋事件の真相 日中戦争はこうして始まった - 産経ニュース

 のちに無謀なインパール作戦を強行したことで知られる牟田口*11は、勇猛というより蛮勇に近い。

 さすがの産経もインパール作戦を正当化する気はないようです。なお、インパール作戦について「現地軍司令官」牟田口には勿論責任がありますが、一応「日本政府中央」の了承を得ていますので牟田口一人が悪いわけではありません。

 盧溝橋で日中両軍が衝突したとの報告を受けた首相、近衛文麿*12の第一声は、「まさか、陸軍の計画的行動ではなかろうな」だったという。満州事変の二の舞を恐れたのだろう。
 だが、事件はまったく偶発的だった。発端となった7日の実弾発砲について(ボーガス注:どちらが先に発砲したか)日中双方の見解は異なるが、日本軍の夜間演習中、訓練用の空砲に驚いた中国軍の兵士が実弾数発を撃ち、集合ラッパにまた驚いて十数発を撃ったというのが真相ではないか(※2)。

 ウヨの中には「中国共産党陰謀論」というデマを垂れ流す馬鹿もいますが、今回の産経は「偶発説」というまともな説を採用しています。
 ちなみに、近衛発言で分かるように日本政府は満州事変以降、陸軍を全く信用していません。
 なお、「銃声は偶発的」ですが、それを理由にした牟田口の攻撃は「無茶苦茶」であり「実害もないのに何で攻撃するのか。(仮に銃声が中国軍の挑発だとしても)日本軍の行為は無理矢理なこじつけによる謀略ではないのか」と非難されても文句は言えないでしょう。 

 発砲前日の6日、中国第29軍第110旅長の何基●(=さんずいに豊)が現場の将兵に、「もし日本軍が挑発したならば、必ず断固として反撃せよ」と命じていたからだ。何基●(=さんずいに豊)は、日本と蒋介石政権の共倒れを画策*13する中国共産党の影響を受けていたとされる(※3)。

 ここは完全に陰謀論ですね。「挑発してきても、何があっても、日本を攻撃するな」とは普通言わないでしょうよ。

 内閣書記官長の風見章*14のもとに、陸相杉山元*15から電話があったのは協定調印の前日、10日午後9時ごろである。
 「現地の兵力が、あまりにも手薄である。これでは、その後の経過からみて、安心できない。従って、ある程度の派兵の必要がある」
 支那駐屯軍の兵力は約5800人、対する中国第29軍は約9万5000人。戦闘が本格化すれば駐屯軍はもちろん在住邦人の生命が危ない。杉山は、「(11日の閣議で)至急派兵を決定したい」と訴えた。

 これ以降は次回の話になりますが、陸軍の要望「軍の増派」を近衛内閣が拒否できなかったことが日中戦争拡大を助長することになります。


【産経抄】6月15日 - 産経ニュース

 金氏は早く拉致被害者帰国を決断し、核・ミサイル開発という名の莫大(ばくだい)な浪費はやめるべきである。北朝鮮には現在、イランにとってのイスラエルのような一触即発の相手国はないのだから。

 「はあ?」ですね。産経にとって在韓米軍は何のために存在してるのか。少なくとも建前では朝鮮戦争終戦しておらず、休戦状態で、38度線も国境ではなく「停戦ライン」でしかないのですが。

「小泉*16(純一郎首相)訪朝から20年(近く)たっている。いまだに拉致被害者が帰ってくると思う方が不思議」。
 元民主党副代表の石井一氏*17は13日のBSフジ番組で強調していた。

 これは以前からの石井氏の持論であることについては、石井一氏の主張は、とくに暴論でも突飛な意見でもない - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)をご覧下さい。俺も『石井一氏の主張は、とくに暴論でも突飛な意見でもない』と思いますが、それはさておき。
 産経が石井氏に悪口してることは言うまでもありませんが興味深いのは
1)石井氏の出演したのがBSフジの番組であること
2)産経が「BS番組」とぼかさずにBSフジと書いたこと(どうもBSフジ「プライムニュース」のようです)
ですね。
 BSフジと産経では石井氏への評価が違うわけです。
 そして、たぶん、この産経抄の書き手は「石井なんぞ出すなんてBSフジはふざけてる、それでも産経グループか!」と思ってるのでしょう。
 「フジテレビの支援がなければ産経が潰れる事への遠慮」など何もないようです。

*1:革命防衛隊司令官、大統領などを経て最高指導者

*2:イラン空軍司令官、国会副議長などを経て大統領

*3:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*4:小泉内閣防衛庁長官福田内閣防衛相、麻生内閣農水相自民党政調会長(谷垣総裁時代)、幹事長(第二次安倍総裁時代)、第三次安倍内閣地方創生担当相など歴任

*5:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)を経て首相。現在、第二~四次安倍内閣副総理・財務相

*6:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を経て幹事長

*7:そもそも多文化共生といった場合、広い意味では外国人限定ではなく「アイヌ」「LGBT」「障害者」などもあるわけですが、そういう配慮がかけらも見られないのはさすが産経です。

*8:ハンガリーの首都

*9:1994年当時の大統領はエリツィンで、クリミア併合時(2014年)の大統領はプーチンなので「1994年当時ロシアは本心を隠してウクライナをだましていた」ということにはならないことを指摘しておきます。

*10:ただし「ウヨ政党・自由韓国党」はともかく今の文政権ではあり得ない話ですが。

*11:1937年(昭和12年)7月7日に発生した盧溝橋事件では、現地の支那駐屯歩兵第1連隊長。1941年(昭和16年)12月に太平洋戦争が勃発すると、牟田口は第18師団長として開戦直後のマレー作戦、シンガポール攻略戦の指揮を執った。1943年(昭和18年)3月に第15軍司令官に就任し、1944年(昭和19年)3月から開始されたインパール作戦に関わった。このインパール作戦失敗の後、1944年8月に第15軍司令官を罷免されて、12月に予備役編入される。インパール作戦が敗色濃厚となると、牟田口は部下の藤原岩市参謀(戦後、陸上自衛隊第12師団長、第1師団長を歴任)に「陛下へのお詫びに自決したい」と相談した(もとより慰留を期待しての事とされる)。これに対し藤原は「昔から死ぬといった人に死んだためしがありません。 私は、幕僚としての立場上、 一応止めないわけには参りません。司令官としての責任を、真実感じておられるなら、黙って腹を切って下さい。誰も邪魔したり止めたり致しません。心置きなく腹を切って下さい。今回の作戦失敗はそれだけの価値があります」と苦言を呈され、あてが外れた牟田口は悄然としたが自決することなく、余生をまっとうし、批判を受けた。ただし作戦自体は、大本営の了承を得ており、必ずしも牟田口の暴走のみにより作戦が決行された訳ではない(ウィキペディア牟田口廉也」参照)。

*12:貴族院議長、首相を歴任。戦後、戦犯指定を苦にして自決。

*13:中国共産党はそんなことは画策してないと思いますが。

*14:第1次近衛内閣書記官長、第2次近衛内閣司法大臣を歴任

*15:陸軍教育総監、林、第一次近衛、小磯内閣陸軍大臣参謀総長など歴任。戦後、自決

*16:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*17:海部内閣国土庁長官、羽田内閣自治相・国家公安委員長など歴任