今日の産経ニュースほか(2019年8月25日分)

菅氏、GSOMIA破棄も「防衛に支障は全くない」 - 産経ニュース
 勿論「韓国のやることなんかまるで痛くないぜ」と強がってるのでしょうが、韓国側も「遠い将来はともかく、当面は大きな支障はない」と言っているため、菅発言を「正しい」とするならば日本側も韓国側も当面はどちらも困らないため「日本が韓国を批判する理由がなくなる」と思うのですが、その辺り、安倍自民はどう考えてるんですかね?。そういう論理性を考えない馬鹿の集まりが安倍政権という恥ずかしい話なのでしょうが。


韓国がGSOMIA破棄 日本政府の反応(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

 ある政府関係者はつい1時間前も「日韓外相同士はしっかりやりとりができているから」と楽観的な見通しを示していた。それだけに破棄の決定には政府内にも驚きが広がっており、ある官邸関係者は「もう頭がついていけない」とこぼしている。

 呆れて二の句が継げませんね。勝手な思い込みで外交をやって、その思い込みが外れたら「もう頭がついていけない」と言い出す。およそまともな外交ではありません。
 「そんなバカは政治家をやるな」ですね。
 「日米同盟を悪化させた日独伊三国同盟仏印進駐もこんな感じで行われたのか」つう気がします。アレも「米国の反発はたいしたもんじゃない」と読み違えて実行したあげく、しかし「読み違いをフォロー(例:仏印からの撤退、同盟の解消など)もせず」ただただ対米関係をいたずらに悪化させて戦争に突っ込んだわけです。


あおり運転に大騒ぎしても安倍政権の不正は報じないのか! 厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」音声もあるのに|LITERA/リテラ
 リテラが言うように「煽り運転」云々という「弱い者(安全パイ)ばかり叩き」政府批判から逃げ続ける日本のテレビ局の腰抜けぶりには心底呆れます。この疑惑を報じてる週刊文春は別に反体制メディアというわけでもないんですけどね。


埼玉県知事選投票始まる 5新人争う、夜に大勢判明 - 産経ニュース
 選挙当日なので、うかつなことを書くと公選法違反になる恐れがあるので「大野と青島どちらを支持するか」といったことは書きません。価値判断的なこともなるべく書かないことにします。

 県選挙管理委員会によると、午前11時現在の投票率は5・21%で前回同時刻を0・01ポイント下回っている。

 5新人と言っても「3新人(ウチ1人は例のN国党)は泡沫」なので、実質的には「自公の青島(元プロ野球選手)」と「野党共闘候補の大野(元参院議員(国民民主)、野田内閣で防衛大臣政務官)」の一騎打ちです。
 いつもながら、あまりにも投票率が低いことにはげんなりせざるをえません。8時までに少しでものびてほしいところです。もちろん
1)「上田前知事の支援を受けて上田後継であることや、大野元美*1・元川口市長(自民党)の孫*2であることをアピールする大野」と「自民の青島」ではまるで違いがわからない
2)青島は政治家としての実績がないので評価しがたい
と言う面があり、それがおそらく「無党派層投票率」を下げていることは否定しませんが。何せ上田は「元つくる会会長」「親学」高橋史朗教育委員会委員長にしたり、石原都知事(当時)の選挙応援演説をしたりするような「安倍と似たり寄ったりの極右」ですからね。

 選挙結果は10月の参院埼玉選挙区補欠選挙*3や、秋の臨時国会での与野党攻防などに影響を与える可能性がある。

 「沖縄県知事選(米軍基地問題)」のようには国政の重要課題が前面に押し出されて戦われてるわけではないので果たしてそう言えるかは疑問ですね。少なくとも仮に大野が勝っても安倍や菅が「国政には関係ない」と居直り、それを産経も容認することだけは間違いないでしょう。

【追記】
埼玉知事に大野氏が初当選 自民、敗北 - 産経ニュース
 選挙が終わったので公選法違反を恐れず価値判断についても書くことにします。
 まず第一に「投票率の低さ(32・3%)」が絶望的ですね。なんとかならないもんかと思います。これでは当選者が仮に圧勝しても選挙民の3割の支持しかないわけです。
 次に、事前予測報道から「僅差で青島が勝つか」と思っていましたが、大野勝利だそうです。
 小生は別記事でも書いたように「上田後継(高橋史朗を教育委員長にしたり、石原都知事(当時)の応援演説をしたりする極右の上田を俺は評価していません)」や「大野元川口市長の孫であること」をアピールする「左派どころか保守リベラルと言えるかも疑わしい」大野をあまり評価していません。しかし、それでも今の政治情勢で「自民の青島が当選し安倍が図に乗る」よりはさすがにマシだと思うので、ひとまず喜んでおきます。出来れば今後、大野が「大野は、上田の子分らしいからあまり評価していないが青島よりはマシ」と言う俺の消極的評価を「いい意味で裏切ってほしい」もんです。
 ちなみに「自民出身ではどこまで信用できるか?」「最終的に裏切らないか」という俺の不安を「いい意味で裏切って」くれたのが故・翁長*4知事です。もちろん安倍があまりにも無茶苦茶なので翁長氏も妥協のしようがなかった、これが橋本*5首相、小渕*6首相、福田康夫*7首相など、ある程度まともな首相なら話も違ったかもしれないという要素はあるでしょうが。
 次は「10月の補欠選挙」で誰を立てるかが国政野党陣営の一つの問題になるでしょう。とりあえず「上田の国政復帰」というのはやめてほしいところです。


【産経抄】8月25日 - 産経ニュース

 落語の名人、三遊亭円朝*8が東京・早稲田の大隈重信*9邸に呼ばれた。一席披露した後、盃(さかずき)を勧めてくる人がいた。主賓の伊藤博文*10である。「恐れ多い」とためらう円朝に隣の客がささやいた。
「受け給(たま)え。実は、この席では君が一番エライんだぞ」。
▼「君が死んだら、衣鉢を継ぐ者はいるのか。」
「ございません。」
「この席にいる元老なり大臣なり、皆くたばっても、その後継者はいくらでもある」。
「だから君が一番偉い」とその客は笑った。後に桂太郎*11内閣で外相を務める、小村寿太郎である(徳川夢声著『話術』)。
安倍晋三*12首相の通算在職日数がきのう、佐藤栄作*13を抜いて歴代2位となった。トランプ米大統領と信頼で結ばれ*14、強面(こわもて)の習近平*15中国国家主席や腹の読めないプーチン*16露大統領と渡り合う。多事多難の外交を思うと、安倍氏以外の顔を描きづらい*17のが現状ではないか。
▼小村は日本の全権を担って明治38(1905)年にロシアとポーツマス条約を締結し、日露戦争に幕を引いた。安倍首相はこの11月、小村を用いた桂を抜いて歴代1位になる。小村が「一番エライ」とたたえた円朝名跡は、今も継ぐ者がいない。

 本気で言ってるわけではないでしょうが「強面(こわもて)の習近平中国国家主席や腹の読めないプーチン露大統領と渡り合う」ねえ。プーチンとの関係が一番わかりやすいでしょうが、「返還してほしいのなら、米軍基地を北方領土に置かないと確約しろ」とプーチンに言われて何も言い返せない男の何が「渡り合ってる」んでしょうか。
 一方「彼らの外交の是非」はともかく「習近平氏やプーチン氏」は諸外国首脳と渡り合っていますよねえ。わかりやすい例だと習近平氏の「AIIB」「一帯一路」がそうです。
 そして歴代首相の外交成果と言えば

鳩山一郎*18の日ソ国交正常化、国連復帰*19
佐藤栄作沖縄返還、日韓国交正常化
田中角栄*20日中国交正常化
宮沢喜一*21天皇訪中
小泉純一郎*22日朝首脳会談日朝平壌宣言

などが有名ですが、それに匹敵する外交成果なんか安倍には何もない。安倍が一時「北方領土の返還&日露平和条約締結」を狙っていたことは間違いないでしょうが、「米軍基地を置かないと確約しろ」というプーチンの要望に何ら対応できなかったため、結局何の成果もありませんでした。
 「安倍のイラン訪問」も安倍がまともに仲介役を果たせなかったことで米国・イランの緊張緩和には別に寄与しなかったし。
 しかし「安倍首相はこの11月、小村を用いた桂を抜いて歴代1位になる」て、在任中に「日英同盟」「日露戦争」「韓国併合」「関税自主権の回復による不平等条約改正」などを実行し、「それなりに有能な桂はともかく」、安倍ごときが「通算在位で1位の見込み」ですか。改めて屈辱を感じますね。
 まあ、安倍が辞任すれば「佐藤内閣の沖縄返還、日韓国交正常化」などと違い、「長いだけで、国民多数が支持できるようなろくな成果もなかった」「なぜあんな人間が長期政権だったのか」と後世、酷評されることは確実でしょうが。さすがに「アベノミクス(最近は安倍ですらほとんど触れない)」「特定秘密保護法」「消費税増税10%」などは「佐藤内閣の沖縄返還、日韓国交正常化」のような好意的評価はされないでしょう。
 なお、今の三遊亭は「円朝を継ぐ者がいない」どころか「円生を継ぐものがいない」ですからねえ。
 落語協会を脱退した五代目円楽は、対立関係になった落語協会を無視するわけにも行かず、ついに円生が継げなかったし、六代目円楽も継ぎづらいでしょう。とはいえ、今、落語協会に残る「6代目三遊亭圓生の弟子たち(例えば三遊亭円丈)」も「六代目円楽を無視して継ぐわけにも行かない」。
 円丈は著書『ご乱心』で「円生を誰も継がないなら俺が継ぎたい」と冗談を言っていたかと思いますが。
 そして著書『ご乱心』で円丈は「落語協会分裂騒動(三遊協会騒動)以降、三遊亭の立場が悪くなり、落語協会で五代目柳家小さん一門の力が強くなってつらい*23」なんて確かぼやいていましたね。

*1:1912~1982年。川口市議を経て1957年~1972年までの4期15年、1976年~1981年までの2期5年、通算6期20年の長きにわたり川口市長を務めた。1972年の県知事選では自民党に擁立されて市長を辞任し出馬したが社会党の畑和に敗れている(ウィキペディア「大野元美」参照)。

*2:確か、大野が「大野元川口市長の孫」ということで自民党川口支部自民党中央の意向を無視し、自主投票を決定していたかと思います。実際問題、どれほど大野に川口の自民党支持者の票が行くか分かりませんが。

*3:大野が参院議員をやめたので補欠選挙をすることになったわけです。

*4:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*5:大平内閣厚生相、中曽根内閣運輸相、海部内閣蔵相、自民党政調会長(河野総裁時代)、村山内閣通産相などを経て首相。首相退任後も森内閣で行革等担当相。

*6:竹下内閣官房長官自民党副総裁(河野総裁時代)、橋本内閣外相などを経て首相

*7:森、小泉内閣官房長官を経て首相

*8:怪談話『怪談乳房榎』、『真景累ヶ淵』、『牡丹燈籠』、人情話『塩原多助一代記』、『文七元結』、お笑い話『死神』などの新作で知られる。

*9:大蔵卿、第一次伊藤、黒田、第二次松方内閣外相、首相など歴任

*10:首相、貴族院議長、枢密院議長、韓国統監など歴任。元老の一人。

*11:台湾総督、第3次伊藤、第1次大隈、第2次山県、第4次伊藤内閣陸軍大臣、首相、内大臣侍従長兼務)など歴任

*12:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官を経て首相

*13:運輸次官から政界入り。吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*14:そんな信頼関係はどこにもないでしょう。まあそもそも国内外の評判が悪いトランプと親密であることが評価に値するとは思いませんが。

*15:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*16:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*17:むしろ「安倍の嫌韓国バカ」のせいで「極度に悪化した日韓関係」が典型ですが「安倍以外なら誰でもいい。安倍以上に外交が悪くなることはまず考えられないから」が今の外交状況でしょう。日中、日朝、日米、日露、「それ以外」、いずれも「安倍独自の外交成果」なんかなにもない。「一帯一路参加表明」など「反中国右翼としてやりたくないのに財界の要望で仕方なくやった」事が見え見えですし。

*18:田中義一内閣書記官長、犬養、斎藤内閣文相などを経て首相

*19:常任理事国ソ連に拒否権を発動されては国連に復帰できませんので、「日ソ国交正常化」は「国連復帰の大前提」でした。

*20:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*21:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、福田内閣経済企画庁長官、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相

*22:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*23:五代目小さん以降の落語協会会長は「三代目三遊亭圓歌」を除けば「五代目鈴々舎馬風」「十代目柳家小三治」「四代目柳亭市馬(現在)」と全て小さんの弟子です(ウィキペディア落語協会」参照)