今日の産経ニュース&朝鮮・韓国ニュース(2019年9月22日分)

【書評】『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』江崎道朗著 - 産経ニュース

 ソ連スターリンにとって朝鮮戦争は「来るべき大戦に備え日本攻撃の橋頭堡(きょうとうほ)を確保する」意味があった。

 「朝鮮戦争在日米軍基地が出撃基地となったこと」を正当化するための明らかなガセですね。根拠が出せるもんなら出してみろって話です。朝鮮戦争はあくまでも「朝鮮労働党による朝鮮半島統一」が目的でしょう。
 「朝鮮半島統一」すら実現できない時点で「日本侵攻」なんか画策するわけがないでしょう。 


日韓関係を破壊する安倍政権|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
 タイトルから予想されるとおりの安倍の嫌韓国無法行為批判、そして「安倍の嫌韓国無法行為を支持ないし容認する日本国民、日本マスコミ批判」です。正直
1)「ホワイト国除外」などの安倍の行為が無法であること
2)日韓関係悪化は経済問題はもちろん、拉致問題、核ミサイル問題などにおいても悪影響を及ぼすこと
については「説明の必要すらないこと」と思う俺にとっては浅井先生のような正論が必ずしもマスコミに多くないこと(それどころか一部ワイドショーが嫌韓を扇動してる事)には絶望感を感じずにはいられません。


【日本の議論】最低賃金の引き上げ「先進国並みに」「実態に注目を」 - 産経ニュース
 最低賃金アップに俺個人は賛成の立場ですが、それにしても「賛成論者として池田信夫*1 なんか持ってくるな」ですね。池田はこうした問題の専門家とはとても言えないでしょう。
 経済学者にせよ、労組幹部にせよ、池田より適任者はいくらでもいるでしょうに。それにしても安倍政権万歳、アンチ野党のウヨ・池田が「最低賃金アップ賛成」とは意外です。まあ確かに「野党や労組の要求は下回ってる」とはいえ安倍政権が若干最低賃金を上げてはいるのですが。


【新聞に喝!】今、必要なのは、歴史の真実への理解 元東京大学史料編纂所教授・酒井信彦 - 産経ニュース

 今年の夏も、日本の戦争に関しては実に多くの関連記事が掲載された。しかしその内容は、戦争の悲惨さを強調するだけの、情緒的なものばかりである。
 歴史の真実を理解しなければ、戦争を防ぐことなどできないであろう。

 ここだけ見れば正論です。戦争を防止するには客観的認識が必要です。しかしそうした客観的認識の試みに対し「反日自虐」「我々の先祖を否定するのか」という「情緒的な非難をする」のが産経や酒井ですからでたらめにもほどがあります。
 酒井たち、ウヨがやりたいこと、それはまず第一に
・「客観的認識が大事」を口実に戦争の悲惨さを宣伝させないこと、そうすることによって反戦意識を弱めることであり
第二に
・「戦争の真実を客観的に認識」を口実に「日本は悪くなかった」と居直る
ただ、そういうくだらない話のわけです。


【日曜経済講座】日韓は経済戦争なのか? 逆ギレして自ら危機を招く編集委員 田村秀男 - 産経ニュース
 逆切れで危機を招いてるのはむしろ「韓国政府によってWTOに提訴された安倍(敗訴がほぼ確実)」「フッ化水素水などの販売先を日本メーカーから奪って海外メーカーや韓国メーカーに事実上提供してあげた安倍」「韓国人訪日旅行客を減らしてしまった安倍」の方ですが産経なのでそうしたまともな理解には全くなりません。


【コリア実況中継!】韓国の左派系“御用新聞”で若手記者が反旗「編集局が腐った」(1/2ページ) - 産経ニュース
 造反行為(?)の是非はともかく産経ではまず起こりえない出来事ですね。
 おそらく産経は「森友加計疑惑に関し安倍政権をへりくつで擁護してるなどという上層部批判が現場からないのは上層部が正しいことを現場が理解しているからです。決して現場を抑圧しているわけではありません」と強弁して恥じないでしょうが。


【から(韓)くに便り】日韓「言葉戦争」の虚実 黒田勝弘(1/2ページ) - 産経ニュース

 “ビビンバ事件”もそうだ。李明博(イ・ミョンバク)政権時代(2008~13年)、官民挙げて「ビビンバ世界化キャンペーン」が展開された。韓国食の代表として世界に広げようと、そのカラー写真が米国でPRされていたのを見て、「ビビンバは食べる前は美しく彩りがいいが、食べるときはぐちゃぐちゃにかき混ぜるのであの写真では“羊頭狗肉(くにく)”になるかも」とコラムで皮肉った。
 これが「韓国食文化への冒涜(ぼうとく)だ」と大問題になり、メディアで袋だたきにされた。とくに「羊頭狗肉」がケシカランという。日本では見た目と中身が違う場合などに軽く使うが、韓国では「客を偽る詐欺行為」みたいに悪意的だという。

 いやー日本でも羊頭狗肉は「詐欺行為」「宣伝に偽りあり」的な意味合いで使われることがほとんどでしょう。
 たとえば「景気はまったくよくなっておらず、アベノミクス羊頭狗肉だ(安倍批判派)」とか。
 そもそも語源となった中国の逸話自体が「安い犬肉(狗肉)を高い羊肉(羊頭)と偽って売る詐欺行為」のわけですから。
 例えば「産経新聞は産業経済といっても、日経のように経済面が充実してるわけではない。ただの右翼新聞なので羊頭狗肉ですね」といったら黒田は怒り出すのではないか。
 そこで「産経という題名からうまれるイメージ(?)と中身が違うといっただけ」「産経は日経とは違うといっただけ」「産経が詐欺師だとかレベルが低いだなんて一言も言ってない」といったら黒田は「それなら問題はありません。怒ってすみませんでした」と納得するのか。
 「見た目やイメージ(?)と中身が違う」という意味で

 「すき焼きは焼かないで煮るから羊頭狗肉ですね」
 「東京ディズニーランドは東京にないから羊頭狗肉ですね」
 「りんごちゃん(最近ブレイクした物まねタレント)はあのメイクで『武田鉄矢大友康平吉幾三』をやるなんて羊頭狗肉ですね(見た目はかわい子ぶってるのにハスキーボイス男性の物まね*2)」
 「宝塚の男役や、歌舞伎の女形羊頭狗肉ですね(見た目と実際の性別が違う)」
 「(北林谷栄*3初井言榮*4 のような若い時から老け役をやってる俳優について)実年齢と芝居で演じる年齢があんなに違うなんて羊頭狗肉ですね」

とかいう人間がどこにいるのか。
 黒田が本気でこんなことを言ってるのでも、詭弁をはいてるのでもどちらでもバカです(前者なら日本語がまともに使えないという意味で、後者なら卑怯なウソつきという意味で)。まあ、そもそも羊頭狗肉の意味に関係なく、「皮肉った」と黒田が自分で書いてるように、黒田の「ビビンバ」云々の文章は韓国に対し無礼でしかありませんが。


【主張】即位の礼1カ月 「伝統重視」を貫くべきだ - 産経ニュース

 主要な建物が、伝統的な茅葺(かやぶ)きから板葺(いたぶ)きへ変更されることは伝統の軽視であると言わねばならない。

 今時かやぶきの建物なんかありませんからねえ。「鉄筋コンクリートやレンガといった明治以降の素材で作る」のならまだしも、その程度で「伝統の軽視」だそうです。

 即位の礼大嘗祭に関して、憲法政教分離原則などに反するという声が少数ながら存在するが、見当違いといえる。政府や国民は惑わされてはならない。
 天皇陛下が祈られることが、政治権力と宗教の分離を定めた憲法に反するわけがない。

 「はあ?」ですね。「祈る」とは宗教行為ではないのか。しかもその祈りは「神道形式」のわけです。どう考えても「違反してる」としか言いようがない。へ理屈ですら正当化することができない産経です。これが社説とはよほど頭が悪いのでしょう。

 陛下が高御座(たかみくら)に昇られ、「内閣総理大臣」である首相が寿詞(よごと)を言上(ごんじょう)した後、万歳三唱し参列者が唱和する。このようなお祝いは、立憲君主*5である天皇を戴(いただ)く日本の国柄を示す。国民主権と少しも矛盾しない。

 これまた意味不明ですね。「矛盾しない!」と叫ぶ産経ですがなぜ矛盾しないのか、何一つまともな説明にはなっていません。

*1:著書『電波利権』(新潮新書)、『原発「危険神話」の崩壊』、『戦後リベラルの終焉:なぜ左翼は社会を変えられなかったのか』、『ハイエク』 (PHP新書)など

*2:もちろんそうしたギャップで笑いをとることを狙ってるわけです。

*3:1911~2010年。30代から数多くの老け役を演じた「日本一のおばあちゃん女優」。1950年(39歳)の黒沢明監督の『醜聞』(スキャンダル)は志村喬(1905~1982年)演じる老弁護士の妻を演じた。1956年(45歳)、市川崑監督の『ビルマの竪琴』には、物売りの老婆役で出演。1985年(74歳)に、市川監督で再度映画化された『ビルマの竪琴』にも同じ役どころで出演している。1959年(48歳)の今井正監督の『キクとイサム』では混血児の孫を育てる祖母を演じ、第10回ブルーリボン賞主演女優賞を受賞(ウィキペディア北林谷栄』参照)。

*4:1929~1990年。1948年劇団俳優座研究生として加入。後に山岡久乃らと脱退、1954年劇団青年座設立に参加。フジテレビドラマ『花嫁衣裳は誰が着る』(1986年)で演じた酒田スエ役は、実際には2歳年長の俳優織本順吉(1927~2019年)が演じた酒田兵衛の母親役であるなど、「実年齢以上の役をやることが多かった」ために「新劇界の三大婆さん役女優」の一人(他は劇団民藝北林谷栄劇団文化座鈴木光枝)と呼ばれ、老け役として活躍(ウィキペディア初井言榮』参照)。

*5:そもそも「象徴天皇」を「君主」とみなしていいのかどうか自体に憲法上の争いがあります。