いくつかご報告【調査会NEWS3171】(R02.1.23): 荒木和博BLOG
調査会では明日24日午後理事会を開催します。「拉致被害者全員の即時一括帰国」という方針の問題についても議論する予定です。何らかの方針が決まれば報告します。
「段階的帰国でもいいじゃないか。全員即時一括帰国にこだわるなんておかしい」「全員の定義は、『政府認定拉致被害者全員』に限定すべきだ。特定失踪者は入れるべきではない」「そもそも特定失踪者なんて根拠薄弱な主張でした。今後は主張しません→特定失踪者問題調査会は解散し、私、荒木も拉致問題からは手を引きます」などの結論を出せば荒木を「その限りでは」評価しますが、まあ出さないんでしょうね。
勿論荒木が「過去の愚行を反省し、真人間に生まれ変わったところ」で「西岡救う会会長、島田救う会副会長」など「拉致業界に巣くう珍右翼」はごろごろいますが。
特定失踪者家族会では2月中旬を目標にかつて出版された『消えた277人*1』の改定版にあたる『「ただいま」も言えない 「おかえり」も言えない』というタイトルで高木書房から出版する予定です。
当初「277人」だった特定失踪者が今では「800人」ですからね。「荒木も随分こじつけて増やしたもんだ」とは思います。
それはともかく、荒木の著書は過去においても
・『拉致救出運動の2000日』(2002年、草思社)
・『拉致:異常な国家の本質』(2005年、勉誠出版)
・『日本が拉致問題を解決できない本当の理由』(2009年、草思社)
・『なぜ北朝鮮は崩壊しなかったのか』(2011年、光人社NF文庫)
・『山本美保さん*2失踪事件の謎を追う:拉致問題の闇 』(2012年、草思社)
・『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(2015年、展転社)
・『自衛隊幻想:拉致問題から考える安全保障と憲法改正』(共著、2016年、産経新聞出版)
・『靖国の宴』(2016年、高木書房)
・『北朝鮮の漂着船:海からやってくる新たな脅威』(2018年、草思社)
とマイナー右翼出版社ばかりですが、その中でも「高木書房」というのは「かなりのマイナー右翼出版社」でしょう。荒木の力が落ちてきたことの表れでしょうか。それにしても過去の荒木著書を見ると草思社からの出版が4冊と圧倒的に多いですね。
昨年7月12日に特別検証を行った能登半島でのアベック拉致未遂について、チャンネル桜の「Front Japan 桜」で被害者の男性が葛城奈海「予備役ブルーリボンの会」広報部会長のインタビューに詳しく答えています。
そもそも仮にこの事件が「北朝鮮工作員による拉致未遂」だとしても犯罪捜査のプロでもない荒木らが事件後、数十年も経ってから「被害者のあやふやな記憶に基づいて」現地調査しても何の意味もない。「犯人の身元が分かる」など、何か意味のある情報が調査活動で得られることはないでしょう。
そもそも拉致被害者帰国と言う意味ではこんな「拉致未遂(?)」を調査する意味もない。北朝鮮との外交交渉を進めればいいだけの話です。
しかもこの事件、北朝鮮拉致どころか、「拉致」とすらいえるか怪しい事件です。
何せ事件自体は、荒木の過去の説明を素直に解釈すれば、アベックがごろつきに因縁を付けられて、「アベックの男性」が殴られ、恐怖を感じたアベックが車で逃げたら、ごろつきが車で追いかけてきたが、なんとか振り切った、というだけの事件です。
仮に「拉致」目的で追いかけてきたのだとしても、これは北朝鮮拉致どころか「計画的拉致」といえるかどうかすら怪しい。
ごろつきと突発的トラブルが起き、逆ギレしたごろつきが「あのアベックを拉致してどっかで痛めつけてやる」程度の話にすぎないんじゃないか。
それにしてもこの程度の話を「北朝鮮拉致かもしれない」と荒木に話したらしい被害者男性の気持ちは俺には理解できませんね。まともな人間ならどんなに恐怖を感じてもそんな馬鹿なことは言わないでしょう。そのように理解する根拠は何もないからです。
かつ仮に北朝鮮拉致だとしても警察ならまだしも、犯罪捜査のプロでもない荒木らに話しても「荒木らの調査」で何か意味のある情報が得られるとも思えない。
*1:2007年、毎日ワンズ
*2:特定失踪者の一人(失踪当時、山梨県に居住)。特定失踪者認定後の2014年に、『1984年に山形県の海岸で発見された身元不明死体』がDNA鑑定で「山本美保さん」と山梨県警に断定されるが、荒木ら特定失踪者問題調査会は「我々の信用を落とすための山梨県警による故意の捏造」「これは山梨県警マターではなく警察庁上層部の命令による捏造」「当時の小泉政権高官の命令によるものかもしれない」「美保さんは北朝鮮で生きている」と強弁し警察と小泉政権を誹謗している。美保さんの件での荒木の異常な強弁は「蓮池透氏(元家族会事務局長、拉致被害者・蓮池薫氏の兄)の疑念」を生み、蓮池氏が救う会、家族会批判を始め、家族会から距離を置く一因ともなったとみられる。