黒坂真に突っ込む(2020年3月11日分)

黒坂真リツイート
 池内さおりさん。AV出演を強要など言語道断と私も思いますが、職業としてその道を選択した女性もいます。そういう方は性暴力の被害者ではない。相手役の男性は性暴力の加害者ではない。慰安婦も同様で性暴力の被害者ではない。顧客だった日本兵士は性暴力の加害者ではない。性産業は古今東西、存在。
◆池内さおり*1
 #AV出演強要 に毅然と対峙し、卑劣で深刻な性搾取を無くすためサバイバー*2と共にたたかってきた #伊藤和子*3弁護士を支えたい
 次回の裁判、6月15日(月) 午後2時、東京高裁808号法廷。
AV事業者が私を提訴。裁判で私の主張を伝えていきます。|伊藤和子(弁護士)KazukoIto 東京・神楽坂|note

 いつもながら黒坂には「お前はアホか(横山ホットブラザーズ風に)」ですね。「荒木和博・拓殖大教授」みたいなもんなのでしょうが、よくこれで大学教員(大阪経済大学教授)になれたもんだと心底びっくりします。
 なお、伊藤氏の訴訟については

AV事業者が私を提訴。裁判で私の主張を伝えていきます。|伊藤和子(弁護士)KazukoIto 東京・神楽坂|note
憲法学者の木村草太*4先生、そして憲法学者でありジェンダー問題にも取り組む中里見博*5先生からも、(ボーガス注:伊藤氏が敗訴し5万円の賠償が命じられた)一審判決がおかしいという意見書をいただくことができました。
 また、小倉秀夫弁護士からも意見書を提出してもらいました。
 心から感謝しております。

ということで支援者もいるようですが、ウオッチしてないので特にコメントはしません。いや、一共産党支持者として「池内氏に賛同します」といいたいところではありますが。あくまでもここでは黒坂の「くだらない因縁付け」にのみコメントします。
 「AV出演強要を批判し、報復としてAV業者から不当な提訴を受けた伊藤弁護士を支えたい」という池内ツイートにリツイートするとしたら
1)池内氏に賛同します、私も伊藤弁護士を応援します
2)この提訴は不当な物ではなく、伊藤氏の言動の方にむしろ問題がある
のどちらかでしょう(もちろん訴訟の経緯が分からなければリツイートしなくてもいい)。
 それが「AV出演を自分から進んでしている女優もいる(黒坂)」。
 「誰もそんなこと、ここで問題にしてねえだろ、馬鹿は黙れ!」て話です。
 ましてや「慰安婦云々」なんて誰もここで問題にしてない*6
 これが伊藤氏や池内氏が「女性のAV出演は全て(あるいはほとんど)強要」と発言し、それが事実に反するというなら、黒坂の理屈も、「慰安婦についてのデマ(慰安婦は公娼)」はともかく「AV出演を自分から進んでしている女優もいる」については一応は筋が通りますが
1)伊藤氏も池内氏もそんなことはおそらく言ってない
2)仮に言っていたとしてもそうした経緯がわかるリツイートをすべき(伊藤氏や池内氏の過去のそうした発言を引用するなど)
であるので黒坂リツイートがとんでもないアホツイートであることは変わりません。
 本当に「島田洋一櫻井よしこも、ほとんどの極右は、こいつ(黒坂)に比べたらまだマシだな」ですね。

*1:衆院議員。日本共産党中央委員(中央委員会の機構と人事(第28回党大会)|党紹介│日本共産党中央委員会ウィキペディア『池内さおり』参照)。個人サイト池内さおりホームページ

*2:性犯罪被害の被害者のこと。

*3:著書『誤判を生まない裁判員制度への課題:アメリカ刑事司法改革からの提言』(2006年、現代人文社)、『人権は国境を越えて』(2013年、岩波ジュニア新書)、『ファストファッションはなぜ安い?』(2016年、コモンズ)、『なぜ、それが無罪なのか!?:性被害を軽視する日本の司法』(2019年、ディスカヴァー携書) など

*4:首都大学東京教授。著書『平等なき平等条項論:憲法14条1項とequal protection条項』(2008年、東京大学出版会)、 『憲法の創造力』(2013年、NHK出版)、『テレビが伝えない憲法の話』(2014年、PHP新書)、『憲法という希望』(2016年、講談社現代新書)、『木村草太の憲法の新手』(2017年、沖縄タイムス社)、『憲法の急所:権利論を組み立てる(第2版)』(2017年、羽鳥書店)、『自衛隊憲法:これからの改憲論議のために』(2018年、晶文社)、『木村草太の憲法の新手 2』(2019年、沖縄タイムス社)など

*5:大阪電気通信大学教授。著書『憲法24条+9条:なぜ男女平等がねらわれるのか』(2005年、かもがわブックレット)、『ポルノグラフィと性暴力:新たな法規制を求めて』(2007年、明石書店)、『右派はなぜ家族に介入したがるのか:憲法24条と9条』(共著、2018年、大月書店)など

*6:もちろん池内氏、伊藤氏が「慰安婦は性犯罪」という立場であることは事実(というか政府見解『河野談話』もその立場ですが)ですが、ここでは「AV出演強要の話しかしてない」以上、こんなことを言い出す黒坂は常軌を逸しています。