常岡浩介に突っ込む(2020年3月11日分)

常岡浩介がリツイート
安田峰俊*1|『もっとさいはての中国*2』好評発売中
 今日、たまたまシルクロードのことを調べて判明したのが(ボーガス注:反中国のネトウヨの)「夏目雅子西遊記のロケで行った新疆で核実験の放射能に被曝して白血病になった」説が完全にデマということ。西遊記の中国ロケ、夏目雅子は行ってないのだ。しかも西遊記は日テレ系列なのにNHKに殺された設定になってる

 ネトウヨのデマもどうしようもないレベルですね。

常岡浩介がリツイート
安田純平
 後藤さん*3湯川さんの件は相手からの接触を無視し、殺されると内閣支持率は上がり*4翌年の参院選で自民圧勝。
 拘束中からデマやヘイトを織り交ぜながらネットや一部メディアが私を犯罪者扱い。(ボーガス注:安倍政権?)支持者が私を非国民扱いし、殺されても政権は何ら困らないのに、今度は救出することにしたなんてあるわけない。

 やれやれですね。
 本気でこんなことを安田氏が思ってるとはとても思えませんが、そんなに「安田が解放されたのは日本政府が交渉したから(そして身代金を払ったから)に違いない。安田は日本政府を批判するな」「安田のせいで税金が無駄遣いされた」などといわれるのが嫌なのか。
 そもそも「後藤さん、湯川さんの件」と「安田氏の件」は色々と違いがあるから単純比較できないし、ならばなんで「自分が解放された」と安田氏は思うのか。
 それこそ「日本政府以外の人間が交渉して(そして身代金も払って?)僕を解放させた」も「誰も何もしないのに武装勢力が僕を解放した*5」も説得力ないでしょうに。
 まあ、確かに「安田解放に至る経緯」なんか「今のところ誰も語ってない*6」ので詳細はわかりませんけど「日本政府の交渉などない!」といえる根拠はどこにもないでしょう。
 安田氏が「安田が解放されたのは日本政府が交渉したから(そして身代金を払ったから)に違いない。安田は日本政府を批判するな」「安田のせいで税金が無駄遣いされた」に対してすべき反論は

・救出の詳しい事情*7が分からないのに勝手に「日本政府に恩義を感じろ、だから批判するな」なんて言われる筋合いない
・仮に俺の解放が日本政府のおかげだとしても、国民が政府を批判しようとも、「国民を救出する」のが政府の義務じゃないのか。「批判する国民は救出しない」「救出したのだから今後は政府批判するな」なんてまともな国じゃない。
・私の政府批判を批判するなら「恩人を批判するな」ではなく「批判が間違ってる」といってくれ

でしょうね。
 例えば、「小泉訪朝」で弟さんが帰国した蓮池透氏だって「小泉首相福田官房長官、田中外務審議官(全て役職は当時)批判」「政府、自民党、外務省批判」自体は当然していい。
 正当な批判である限り「恩人を批判するとは蓮池はなんと恩知らずか」と言う話ではない。
 もちろん「家族会が田中氏を外務省退職に追い込んだこと」などは俺も「不当な行為」「家族会は恩知らず」と思いますが。 
 しかし「安田純平救出を政府に求めるな」と放言する藤原亮司とそれを正論として宣伝する常岡浩介(珍右翼が巣くう会・番外編シリーズ) - bogus-simotukareのブログでも常岡批判しましたが、「安田救出を本気で考えていたとは思えない男・常岡」が「そうだ、安田の言うとおりだ!」と安田氏に媚びるのも醜悪なら、そんな常岡に「ありがとう、常岡さん」の安田氏も醜悪ですね。人間としてこのような醜悪な言動はしたくないもんです。

*1:著書『和僑:農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人』(2016年、角川文庫)、『さいはての中国』(2018年、小学館新書)、『性と欲望の中国』(2019年、文春新書)など

*2:2019年、小学館新書

*3:著書『ダイヤモンドより平和がほしい:子ども兵士・ムリアの告白』(2005年、汐文社)、『エイズの村に生まれて:命をつなぐ16歳の母・ナターシャ』(2007年、汐文社)、『ルワンダの祈り:内戦を生きのびた家族の物語』(2008年、汐文社)、『もしも学校に行けたら:アフガニスタンの少女・マリアムの物語』(2009年、汐文社

*4:別に殺されたから内閣支持率が上がったわけでも選挙勝利したわけでもないでしょう。単に「彼らの生き死には残念ながら支持率や選挙に影響しなかった」だけの話です。また、安倍政権が救出に積極的だったとは思いませんが、一方で「積極的に見殺しにした」わけでもないでしょう。

*5:安田氏本人の主張は『誰も何もしないのに武装勢力が僕を解放した』『誰も身代金要求に応じないので、カネをとるのを諦めて解放した』らしいですが、それなら『今後の脅し(日本も誰も金を払わないので見せしめ)』に使うため安田氏を殺害するでしょうよ。いずれにせよ『身代金支払いはないが俺は解放された』なんて認識をしているのでは「安田純平救出を政府に求めるな」と放言する藤原亮司とそれを正論として宣伝する常岡浩介(珍右翼が巣くう会・番外編シリーズ) - bogus-simotukareのブログという常岡に何一つ怒らないのもある意味当然ではあります。

*6:もちろん「交渉しました、金も払いました」なんていうと誘拐を助長しかねないからで、何も解放の経緯が語られないのは安田救出に限りません。うがった見方をすれば「解放の経緯が分からないこと」を見込んで安田氏がデマ飛ばしてる疑いすらあります。

*7:まあ、日本政府が交渉したことは確かでしょうが。