今日の産経ニュース(2020年7月30日分)

【論点直言 現代貨幣理論】MMTはコロナ禍の日本経済を救うか 小浜逸郎/小黒一正 - 産経ニュース
 法政大学経済学部教授の小黒氏*1はともかく、小浜は経済学者ではありません。
 どうも『まだMMTを知らない貧困大国日本 新しい「学問のすゝめ」』(2020年、徳間書店)という著書(ただし小浜の著書のほとんど*2は経済学は全く関係ない)をもつ小浜がMMT支持で、小黒氏がMMT否定のようですが「せめてMMT支持の経済学者を呼べよ」「いくらウヨ仲間とは言えそこまでして小浜をプッシュしたいか」ですね。心底呆れます。
 まともな「MMT支持の経済学者」からすれば「小浜なんぞ呼ぶくらいなら俺を呼べ」でしょう。
 なお、MMTでぐぐれば分かりますが井上智洋 - Wikipedia駒澤大学経済学部准教授(著書『MMT:現代貨幣理論とは何か』(2019年、講談社選書メチエ))のように「MMT支持の経済学者」はもちろんいます。「それなのに何故経済学者でも無い小浜なのか。例えば何故、井上・駒澤大経済学部准教授を呼ばないのか」と聞かれて「小浜は俺たちのウヨ仲間だから」以外の回答は産経には無いでしょう。しつこく繰り返しますが心底呆れます。


【産経抄】7月30日 - 産経ニュース

松尾芭蕉山形県大石田町を訪れたのは、元禄2(1689)年の夏である。当地で詠んだ句は、「五月雨(さみだれ)を集めて涼し最上川」。『おくのほそ道』を編纂(へんさん)する際に「涼し」を「早し」に置き換える。最上川の川下りを経験して、流れの「早さ」を実感したからだといわれる。
▼「ずんずんと夏を流すや最上川」。
 204年後、正岡子規は俳聖の足跡をたどる東北の旅の途中、大石田に一泊してこの句を残した。
 歌人斎藤茂吉終戦直後に滞在している。
 「最上川逆白波(さかしらなみ)のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも」。
▼時代を超えて文人たちに愛された最上川が昨日、氾濫した。
▼「これは川ではない。滝だ」。
 明治政府が招聘(しょうへい)したオランダの土木技術者、デ・レーケが残したとされる言葉は、日本の川の特徴を端的に示している。なかでも最上川は、今月やはり豪雨により氾濫した熊本県球磨川と並ぶ、日本三大急流の一つである。
▼古来、周辺住民は、この川から大きな恩恵を受けつつも、度重なる洪水に苦しんできた。特に昭和42年の羽越水害は、山形県史上空前の惨事となった。以来、堤防工事が進んできたとはいえ、今回の大雨は、県内各地で観測史上最大を記録している。53年ぶりの氾濫となった。
▼多くの専門家は、豪雨の激甚化の原因として、地球規模の気候変動を指摘する。だとすれば今後も続くと覚悟して、水害対策を根本から見直さなければならない。

 じつに「平凡な正論」で特に批判するところも無いですね。「河野談話否定論(ちなみに昨日の産経抄がそうです)」「南京事件否定論」などのデマを書かず、こういう「平凡な正論」だけ書いてれば何の問題も無いんですが。

*1:著書『アベノミクスでも消費税は25%を超える』(2013年、PHPビジネス新書)、『財政危機の深層:増税・年金・赤字国債を問う』(2014年、NHK出版新書)、『預金封鎖に備えよ:マイナス金利の先にある危機』(2016年、朝日新聞出版)、『日本経済の再構築』(2020年、日本経済新聞出版社)など

*2:著書『エロス身体論』(2004年、平凡社新書)、『癒しとしての死の哲学』(2009年、洋泉社MC新書)、『日本の七大思想家:丸山眞男/吉本隆明/時枝誠記/大森荘蔵/小林秀雄/和辻哲郎/福澤諭吉』(2012年、幻冬舎新書)、『正しく悩むための哲学』、『なぜ人を殺してはいけないのか』(以上、2014年、PHP文庫)、『福沢諭吉 しなやかな日本精神』(2018年、PHP新書)など