〝国政プレイヤー〟としての共産党の影が次第に薄れていく、総選挙後はマスメディアへの登場がばったり途絶えた、共産党はいま存亡の岐路に立っている(その44) - 広原盛明のつれづれ日記
3人の政治学者(遠藤乾*1東大教授、中北浩爾*2中大教授、谷口尚子*3慶大教授)が討論した毎日新聞の座談会「どうなる日本政治」(10月29日)は比較的読みごたえのある内容だった。
(中略)
共産党がまったく話題にならずに話が進んだことには強い印象を受けた。このことは、今回の総選挙で共産党の存在が、政治学者の意識に上らない程度のものになってしまったことを示している。
単にこれらの「政治学者」と「彼らを座談会メンバーにセレクトした毎日新聞」が「共産に好意的で無いと言うだけの話」であって全く馬鹿馬鹿しい。特に中北など公然と国民民主党支持を表明していた。
そもそも「個別選挙区には共産と立民の野党共闘が成立したところもあり、立民の勝利には共産がそれなりに貢献してる」のに毎日座談会が「共産に全く触れない」方がよほど異常でしょう。
実際には「共産」でググれば以下の記事がヒットするように「残念ながら選挙で議席を減らした」とはいえ、「存在感がない」所の話ではないでしょう。
首相指名選挙めぐり立民と共産が党首会談 共産党田村委員長 決選投票での“野田”投票前向きに検討する考え | NHK | 国会2024.10.30
立憲・野田氏、共産・田村氏に首相指名の協力要請 「前向きに検討」 | 毎日新聞2024.10.30
維新、国民民主が「自民側につく(彼らの言動から見てそうなりそうですが)」のであれば、当然、立民としては共産の支援が欲しいところです。共産も「立民、維新、国民民主、れいわ」で「立民の連立内閣」があり得るならともかく、「国民民主、維新が自民支持に動くであろう」状況では、首相指名選挙では「第一回投票は田村と書くとしても」、決選投票では野田に投票するのではないか(勿論、第1回投票から野田と書く可能性もある)。
それはともかく、日経に登場したという「政治学者」山本健太郎*4北海学園大学教授(彼の発言の引用は省略します)にしても「日経に登場した」と言う時点で共産に好意的なわけがない。
というか財界御用メディア「日経」と「そこに登場する人間(山本氏)」の「共産は若者に支持されてない。それは国民民主が現実路線なのに対して共産が対立路線だからだ(俺の要約)」なんて思い切り「政治イデオロギーまみれの主張」を広原も良くも平然と紹介できたモンです。それは「客観的政治分析」というより「政治的思惑による共産disと国民民主礼賛」ではないのか。
むしろ「れいわや国民民主」については
道産子ナオ(政治は必ず変えられる)
ポピュリズムは民主主義を破壊する。それこそトランプが大統領になった時のアメリカがどうであったのかを見ればハッキリしている。
道産子ナオ(政治は必ず変えられる)
れいわ組は(ボーガス注:衆院選で議席数が共産8、れいわ9で)共産党を上回った事で調子に乗っているようだけど、山本太郎の個人政党に過ぎず、まともな地方組織すらない*5
ザオラルさん✨🌈 #比例は日本共産党
自民/公明/立憲/共産党などが議席を減らしたのは、「(ボーガス注:自民等の)組織政党」より「(ボーガス注:国民民主やれいわのような)ポピュリスト」を選ぶという風潮なのだろう。「組織はなぜ必要なのか」を今こそ語ってもらいたい。分断された個人が正しく団結できるように。
ザオラルさん✨🌈 #比例は日本共産党
れいわを支持してた頃、MMTについて誰よりも詳しく説明できるようになろうと思った時期がありました。しかし肝心なのは「所得再分配」であり、そこからどんなに逃げても大企業が奪ってくることに気がついた。だから日本共産党支持者になったわけです。MMT否定はれいわ否定そのものなんですよ。
MMT(無制限の国債発行)をいまだに評価しているというのは、結局闘うべき相手から逃げてるだけなんです。大企業を名指しして闘おうとしていないだけなんです。れいわは大企業ともアメリカとも本気で闘ってない。だから沖縄1区でああいう候補者を立てようとした。(ボーガス注:オール沖縄を茶番呼ばわりするれいわですが)茶番なのはれいわですよ。
ザオラルさん✨🌈#比例は日本共産党
学んで考えることが好きか嫌いか。
結局そういう話になってきますよね。
れいわ新選組の応援団は、山本太郎という「権威」を振りかざして暴れたいだけの人が多い気がする。
それが安倍晋三なのか、維新なのか、山本なのか、ただそれだけの違い。
れいわの問題点は既に著名な方々が論述されているので簡単に。①議会制民主主義の命である「手続き論」の軽視(茶番発言等)、②明文化された綱領等ではない山本太郎さんという人物の気分や思い付きによる「人治主義」の肯定、主にこの2点です。つまり行為ベースで維新やN国と同質だということです。
と評価すべきでしょう。それにしても、三春充希氏の政党支持率グラフでも、「長い間、共産の下だったれいわ、国民民主」が、選挙期間中に急激に支持率が上がり「はあ?」と頭痛がします。
勿論「政治学者」でも
代表世話人 | 全国革新懇
◆五十嵐仁氏
法政大学名誉教授。著書『政党政治と労働組合運動』(1998年、御茶の水書房)、『戦後政治の実像』(2003年、小学館)、『この目で見てきた世界のレイバー・アーカイヴス』(2004年、法律文化社)、『労働政策』(2008年、日本経済評論社)、『労働再規制』(2008年、ちくま新書)、『対決安倍政権』(2015年、学習の友社)、『活路は共闘にあり』(2017年、学習の友社)、『打倒安倍政権』(2018年、学習の友社)、『追撃・自民党大軍拡・腐敗政治:政権交代のために』(2024年、学習の友社)等
なお、落選したが、五十嵐氏は2016年に共産、社民の支援で八王子市長選に出馬している。
また、五十嵐氏は「日刊ゲンダイの常連コメンター」であり、小生が五十嵐氏を知ったのも「ゲンダイが最初だった」気がします(その後、五十嵐『労働再規制』(2008年、ちくま新書)などいくつかの著書を読んでいますが)。
◆冨田宏治氏
関西学院大学教授。著書『丸山眞男:「近代主義」の射程』(2001年、関西学院大学出版会)、『丸山眞男:「古層論」の射程』(2015年、関西学院大学出版会)、『核兵器禁止条約の意義と課題』(2017年、かもがわ出版)、『人間の尊厳を築く反核運動』(2019年、学習の友社)、『増補版・維新政治の本質』(2023年、あけび書房)等。
共産党の躍進に期待します/各界の著名44氏メッセージ
◆岡野八代氏
同志社大学教授。著書『法の政治学』(2002年、青土社)、『シティズンシップの政治学(増補版)』(2009年、現代書館)、『フェミニズムの政治学』(2012年、みすず書房)、『ケアの倫理:フェミニズムの政治思想』(2024年、岩波新書)等。以前、新春対談/同志社大学教授 岡野八代さん/日本共産党委員長 志位和夫さん(2021.1.1)で志位氏と対談
といった方々はまた話が違い、彼らの共産評価はもっと好意的でしょう。
しかし何があったか知りませんが何故に「自称護憲派」広原*6(2004年には落選した物の共産の支援で京都市長選にも出馬した)がここまで「護憲政党」共産を憎悪し悪口するのか訳が分かりません。
そして広原が「勝った(議席を増やした)政党は当然に正しい」かのような物言いをするのにも呆れます。
ならば今度の大統領選挙で仮にトランプが勝てば*7トランプがハリスより正しいのか(そんなことはない)。
ヒラリーにトランプが勝った時は、トランプはヒラリーより正しかったのかと言えばそんなことはない。
「上院襲撃を扇動したり、明らかなデマ(例:不法移民がペットを食べてる)を飛ばすトランプ」がまともなわけがない。
郵政選挙で勝ったから「小泉*8の郵政民営化」は当然に正しかったのか、長期政権だったから「中曽根*9の国鉄民営化」は当然に正しかったのかと言えばそんなことはない。国鉄民営化について言えば、JR北海道の経営難を考えればとてもそんなことは言えないでしょう。
「自民党ブレーンとして国政で重用され、世間的にも著名な学者」、例えば「慶応義塾大学名誉教授の竹中*10」などが「そうではない世間的には無名な広原(京都府立大学名誉教授)より正しいのか」といったら恐らく「プライドが高いらしい」広原は反発するでしょう。
勿論「共産と国民民主の関係」であれ「広原と竹中の関係」であれ「政治的に負けていいわけはない(敗因を分析し、挽回をする必要がある)」のですが、「負けたからダメだ」という広原の物言いでは「では広原さんは勝った(議席を増やした)立民、国民民主、れいわのいずれかを全面的に支持するのですか?」「では、竹中さんに政治的に負けてる広原さんは自分が間違ってると認めるのですか?」という話です(恐らくそう言われたら広原は反発するのでしょうが)。
勿論俺は「議席を増やそうが増やすまいが」共産を支持します。「正しいかどうか」と「選挙の勝ち負け」は関係ないからです(勿論繰り返しますがこれは負けてもいいとか、「国民がバカだから勝てないのだ」として敗因分析もしないで*11居直っていいとか言う話とは当然違います)。
共産憎しのあまり「(共産に限りませんが)残念ながら、どんなに正論でも勝たないと政治的に意味がない、勝つ努力をしないといけない」と言う話を「勝てば官軍」にしてしまう広原には心底呆れます。
広原は「共産に悪口すること」によって「自分が勝者になったか」のような態度ですが、彼は立民や国民民主、れいわの支持者ではなかったと思うのですがね。
そして「どんなに正論でも勝たないと政治的に意味がない、勝つ努力をしないといけない」というのは「竹中平蔵など社会的に著名で、一定の政治力も持つ自民御用学者に比べて政治力や知名度のない無名学者の広原」にも該当するのですが、広原当人は、そういう謙虚な気持ちはかけらもないらしい点が醜悪であり滑稽でもあります。恐らく「学問的正しさはともかく、広原さんって竹中とか御用学者に政治的に負けてますよね」と言われれば広原は憤慨するのではないか。
平たく言えば広原が「バカでくずで、論外で老害」ということですが。
なお、上記は広原記事に投稿しますが恐らく掲載拒否でしょう。広原も呆れたバカ野郎です。
*2:著書『現代日本の政党デモクラシー』(2012年、岩波新書)、『自民党政治の変容』(2014年、NHKブックス)、『自民党』(2017年、中公新書)、『自公政権とは何か』(2019年、ちくま新書)、『日本共産党』(2022年、中公新書)等
*3:著書『現代日本の投票行動』(2005年、慶應義塾大学出版会)
*5:正直、「れいわや国民民主を支持しない」俺の願望込みですが、今の勢いがいつまで続くかは疑問だと思います(特に連合の支援を受ける国民民主と違い、そうした支援のないれいわが)。
*6:著書『震災・神戸都市計画の検証』(1996年、自治体研究社)、『開発主義神戸の思想と経営』(2001年、日本経済評論社)、『日本型コミュニティ政策:東京・横浜・武蔵野の経験』(2011年、晃洋書房)、『観光立国政策と観光都市京都』(2020年、文理閣)、『評伝・西山夘三』(2023年、京都大学学術出版会)等
*7:トランプ勝利の可能性は、日本マスコミが報じる『米国の世論調査結果』を見る限り、残念ながら「かなりある(調査機関や調査時期によっては僅差とは言えトランプがハリスの支持率を上回ってる調査もあり、ハリス支持が圧倒的にトランプ支持を上回ってる状況ではない)」でしょう。勿論俺はハリス勝利を望みますし、その可能性も勿論ありますが
*8:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相等を経て首相
*9:岸内閣科技庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相、自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行管庁長官等を経て首相
*10:小泉内閣で経済財政諮問会議議員、経済財政担当相、総務相を歴任。著書『竹中教授のみんなの経済学』(2003年、幻冬舎文庫)、『やさしい経済学』(2005年、幻冬舎文庫)、『経済古典は役に立つ』(2010年、光文社新書)、『世界大変動と日本の復活』(2016年、講談社+α新書)、『この制御不能な時代を生き抜く経済学』(2018年、講談社+α新書)、『偉人たちの経済政策』(2019年、角川新書)、『平成の教訓』(2019年、PHP新書)等
*11:とはいえ俺には敗因分析をした上で対応策を立てるほどの能力は残念ながらありませんが、共産には何とか巻き返して欲しいと願っています