今日の中国ニュース(2021年6月21日分)(副題:楊海英の馬鹿さに心底呆れる)

【正論】台湾に対して日本ができること 慶応大学名誉教授・池井優 - 産経ニュース

 世界一親日的な台湾を「第二の香港」にしてはならない。

 吹き出しました。「世界一」呼ばわりの根拠は何なのか。まあ、それ以前に「第二の香港」て何?、ですが。
 台湾への中国侵攻などどう考えてもあり得ませんからねえ。
 それにしても、この池井氏、本業の

◆『駐日アメリカ大使』(2001年、文春新書)
◆『語られなかった戦後日本外交』(2012年、慶應義塾大学出版会)

などの日本外交史などよりも

◆『白球太平洋を渡る:日米野球交流史』(1976年、中公新書)
◆『大リーグへの招待』(1977年、平凡社カラー新書)
◆『ハロー、スタンカ*1、元気かい:プロ野球外人選手列伝』(1986年、講談社文庫)
◆『野球と日本人』(1991年、丸善ライブラリー)
◆『メジャーリーグに挑戦する男たち』(1998年、NHK出版)

などで野球マニアとして有名ですが、こんなに右寄りな御仁だったわけです。


【JAPAN Forward 日本を発信】初の生物兵器戦争か(1/2ページ) - 産経ニュース
 ろくな根拠もないのに新型コロナを「武漢研究所で(731部隊ペスト菌のように)培養されていた生物兵器が流出したのかも?」と放言するデマ記事です。心底呆れます。
 まず第一に「研究所流出説」自体が一つの仮説にすぎません。むしろ今でも有力説は「コウモリ食・原因説」などの「流出否定説」でしょう。第二に流出説は「新型コロナの研究をしていたのが流出」という主張ではあっても必ずしも「生物兵器として培養していた」と言う説ではありません。例えば日本にも「ウイルス研究施設」はありますがそれはもちろん「生物兵器としての培養」を意味しません。


〈独自〉尖閣諸島の映像配信を計画 9月にも開始、国会議員有志ら - 産経ニュース
 ばかばかしい。本気でこんなことが問題解決に役立つと思ってるのか?。なお、この件については尖閣映像の配信計画で加藤官房長官「安定的な維持管理に」 - 産経ニュースということで、菅政権は、「自民党関係者(久間*2元防衛相など)が関わってる」ので非難はしない物の、日中関係に配慮し、さすがに積極的に支持する気は無いようです。


◆楊のツイート

楊海英
 私は会員ではないが、日本現代中国学会の有力な理事達は、中国を美化し続けている。曰く、ウイグル人ジェノサイドもないとか。まるでヒトラーナチスを擁護するような人達が、学者を名乗る

 やれやれですね。楊も「学者の端くれ」ならば
1)「日本現代中国学会の有力な理事達*3」とは誰なのか、具体的な名前を出した上で
2)「いつどこで、その御仁がウイグル人ジェノサイドがない」と言ったのか、根拠を上げて示した上で
3)「これこれこういう理由でその否定説は間違ってる」と批判するという
まともな形で批判したらどうなのか。
 おそらく楊が名前を出さないのは
1)そんな理事は日本現代中国学会にいない
2)そうした理事はいるが、「楊(静岡大学教員)の発言が静岡大学あるいは『楊が所属するその他の組織(楊が加入している学会など)』を必ずしも代表しない」のと同様に、別にその理事の発言は「日本現代中国学会」の会としての意見では無いし、理事の中には彼を批判する人間もいる。にもかかわらず不当にも楊が、(攻撃したい理由が何かはともかく)日本現代中国学会を攻撃しようとしている(そのため、そうした理事が誰かを明確にせず、日本現代中国学会全体がそうした理事が多数派であるか*4のように印象操作している)
のどちらかでしょう。どちらであれ楊はクズでバカですが。もはや静岡大学(楊の勤務大学)、岩波書店講談社筑摩書房(楊の著書の版元)などは楊に対して厳しい対応をすべきではないのか。
 いずれにせよ「実害がなければ」、日本現代中国学会も楊のこうしたツイートを黙認するかもしれませんが、楊に煽られた阿呆ウヨが学会相手に迷惑行為に及ぶようなことがあれば、楊への法的措置も考えるのではないか。
 というか今、日本現代中国学会のサイトを見たのですが、全ての理事が中国に批判的とは限らないでしょうが

日本現代中国学会ホームページ(敬称略)
◆阿古智子
 常任理事(会計担当)、東京大学教授。著書『貧者を喰らう国:中国格差社会からの警告【増補新版】』(2014年、新潮選書)、『香港 あなたはどこへ向かうのか』(2020年、出版舎ジグ)など
◆倉田徹
 常任理事(関東部会代表)、立教大学教授。著書『中国返還後の香港』(2009年、名古屋大学出版会)、『香港』(共著、2015年、岩波新書)、『香港危機の深層:「逃亡犯条例」改正問題と「一国二制度」のゆくえ』(編著、2019年、東京外国語大学出版会)、『香港雨傘運動と市民的不服従(第二版)』(共著、2020年、社会評論社)など
◆梶谷懐
 平理事(関西部会所属)、神戸大学教授。著書『「壁と卵」の現代中国論』(2011年、人文書院)、『現代中国の財政金融システム』(2011年、名古屋大学出版会)、『日本と中国経済:相互交流と衝突の100年』(2016年、ちくま新書)、『中国経済講義』(2018年、中公新書)、『幸福な監視国家・中国』(共著、2019年、NHK出版新書)など

等明らかに、中国に批判的な人間が学会理事にいるのに、楊もよくこんなツイートが出来たもんです。楊が「中国シンパ呼ばわりする学会理事」よりもむしろ阿古氏のような理事の方が『学会への誹謗は辞めよ!』と楊に怒りだしても不思議ではないでしょう。
 まあ、

日本現代中国学会ホームページ(敬称略)
大西広
 平理事(関東部会所属)、慶應義塾大学教授。中国関係の著書に『中国経済の数量分析』(編著、2003年、世界思想社)、『中国特需』(編著、2004年、京都総合研究所)、『中国はいま何を考えているか』(2005年、大月書店)、『チベット問題とは何か』(2008年、かもがわ出版)、『現場からの中国論』(2009年、大月書店)、『中国に主張すべきは何か』(2012年、かもがわ出版)、『中国の少数民族問題と経済格差』(編著、2012年、京都大学学術出版会)、『中成長を模索する中国』(編著、2016年、慶應義塾大学出版会)、『中国は社会主義か』(共著、2020年、かもがわ出版)。

などは楊の言う「中国に甘い学者」に当たるかもしれませんが、どっちにしろ阿古氏のような人間が役員でいる以上、楊の発言は学会への誹謗でしか有りません。

【参考:阿古氏らの中国政府批判(他にもあるでしょうが)】
香港情勢の激化が米中の緊張をさらに深める 立教大・倉田徹教授:東京新聞 TOKYO Web2020.8,3
日本企業も関与「中国ウイグル族弾圧」で行われる苛烈な「強制労働」:阿古智子 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト2020.9,30
(インタビュー)香港、強まる共産党支配 東京大学教授・阿古智子さん:朝日新聞デジタル2021.4.27

*1:1931~2018年。シカゴ・ホワイトソックス (1959年)、南海ホークス (1960~1965年)、大洋ホエールズ (1966年)で活躍(ジョー・スタンカ - Wikipedia参照)

*2:橋本内閣防衛庁長官、第一次安倍内閣防衛相など歴任

*3:日本現代中国学会の理事全てが否定説だというならともかく、そうでないならこれは「日本現代中国学会の理事」に対する悪質な誹謗です。なお「達」と複数形と言うことは楊にとっては「最低でもそうした理事が二人いる」のでしょう。

*4:恐らくそうした理事が理事会の多数派なら楊も名前を山ほど出してるでしょうからむしろ「少数派」ではないか