今日の産経ニュースほか(2020年10月21日分)

俳優死去報道が影響か 自殺者増、団体が分析 - 産経ニュース
 俳優とは勿論三浦春馬竹内結子ですね。
 この指摘が事実だとして、おそらくテレビワイドショーのせいでしょうが、日本のテレビ局は「視聴率目当て」でこうした事態になったことを深く反省してしかるべきです。しかも菅政権批判から逃げてるわけですしねえ。まあ、今のテレビ局にそう言う良識が期待できるかは甚だ疑問ですが。


《独自》増子輝彦・参院議員が自民会派入りへ - 産経ニュース
 既に「我が埼玉の行田邦子」など有象無象の「旧民主党政治家」が自民入りし、「民主党幹事長、政調会長を歴任した細野という元民主党最高幹部」ですら二階派入りした今、意外性は全くないですが、また旧民主の輩が自民入りです。どれほど恥知らずなのか。だからこそ俺は旧民主党系の政党はどれ一つとして支持する気になりません。そうなると「共産、この道しか無い」に自動的になるわけですが。


菅首相ベトナムでASEANをアルゼンチンと誤読 - 社会 : 日刊スポーツ
 日常生活で言い間違えたのなら「日常生活でASEANは必ずしも関係ないから」という言い訳も出来るでしょうが、「ASEAN加盟国」ベトナムインドネシアを訪問して言い間違うというのは「バカ?」「何しに行ったの?」「ASEANベトナムインドネシアを舐めてるの?」ですよねえ。


◆枝野立民の馬鹿さに改めて呆れる

 この問題の論点はただ一つ。今回の政権のやり方は、学術会議法に照らし合わせて、適法か、否か。それしかない。本邦は法治国家か、否か。そこが問われているのに、立憲民主党は何を血迷っているのか
立民、学術会議の成果検証へ | カナロコ by 神奈川新聞

 まあ俺も立民には呆れますね。「成果を検証するな」とは言わない。しかしそんなことは「成果の検証ガー」で話をすりかえて菅が無法をごまかそうとしてるときにやるべき事では無い。立民が「否定的な評価」をすれば自民は「学術会議にも問題があった」と居直り、「肯定的な評価」をすれば自民は「お手盛りだ」と悪口するでしょう。どっちにしろ議論が「菅の任命拒否の是非」からずれていくし、学術会議の運営体制の改善につながるとはとても思えない。
 何でこう立憲民主の連中には政治センスも常識も無いのか。


【主張】靖国神社 菅首相は速やかに参拝を - 産経ニュース
 と言っても菅は参拝しないでしょうねえ。確実に日米、日中、日韓関係が悪くなるからです。
 「政教分離の問題」を仮に無視する*1としても、戦死者でも無い「A級戦犯(死刑になった東条英機元首相、服役中に獄中で病死した小磯国昭元首相、裁判中に病死した松岡洋右元外相(第二次近衛内閣)など*2)の合祀」後は靖国を参拝するということは「戦没者追悼が目的」などと、どう言い訳しようとも客観的には「A級戦犯を英雄として美化する=日本の戦争の非を認めない」というとんでもない行為になってしまいます。
 日本の戦後も、世界の戦後も「日本の戦争は無法な行為だった」という前提で成立しているのでありそんなちゃぶ台返しは許されることでは無い。イタリアやドイツが「ムソリーニやヒトラーは正しかった」「戦後の戦犯裁判は間違っていた、冤罪だ」というようなもんです。
 まあ、靖国関係者(靖国宮司など)や産経、日本会議などウヨ連中について言えば「主観的にも」、靖国参拝は「A級戦犯を英雄として美化する=日本の戦争の非を認めない」なのでしょうが。
 以前も書きましたが、そもそも

大老井伊直弼による「安政の大獄」で死罪になった橋本左内吉田松陰
桜田門外の変井伊直弼暗殺)の水戸浪士
吉田東洋暗殺の罪を問われて死罪となった土佐勤王党首領・武市半平太
寺田屋事件で殺害された薩摩藩士・有馬新七
京都見廻組に暗殺された坂本龍馬
◆不平士族に暗殺された兵部大輔(陸軍次官)・大村益次郎

などA級戦犯以外にも「戦没者で無い人間(吉田松陰など死刑になった政治犯坂本龍馬など暗殺された人物)」が祀られてること*3でわかるように靖国A級戦犯合祀前から「戦没者追悼の場所」ではまったくありません。なお、戦没者でも無い「橋本左内吉田松陰」は最初から合祀されていたわけでは無く、靖国が創立されてから暫く経った後に合祀されますが、その辺りについては吉原康和*4靖国神社と幕末維新の祭神たち:明治国家の「英霊」創出』(2014年、吉川弘文館)が詳しいようです(ただし小生は未読)。
 吉原本については靖国神社と幕末維新の祭神たち | いり豆 歴史談義 - 楽天ブログご都合主義な合祀の事例|好書好日を紹介しておきます。
 いずれにせよ「追悼するにふさわしい」「非業の死を遂げた英雄(従って戦死者に限定されない)」を顕彰する場が靖国の訳です。戦没者追悼の場所では無い。そして戦没者追悼の場なら千鳥ヶ淵がある。
 靖国関係者が「靖国戦没者追悼の場」と言うなら今すぐ「吉田松陰A級戦犯など、戦没者以外の合祀」をやめるべきでしょう(と言っても辞めないでしょうが。『靖国にとっての英雄の顕彰』こそが靖国の本当の存在目的だからです)。
 なお、非業の死を遂げれば当然に靖国合祀というわけでは無く、大村同様に不平士族に暗殺されていても「紀尾井坂の変」で暗殺された大久保利通(大蔵卿、内務卿など歴任)は確か合祀されていません。おそらく「大村が事実上の陸軍&靖国の創設者(一方、大久保はそうでは無い)」と言う点が大きいのでしょう。
 また、「明治初期の暗殺被害者・大村」は合祀されても「安重根に暗殺された伊藤博文元首相(明治後期の暗殺被害者)」「515事件で暗殺された犬養毅首相、226事件で暗殺された高橋是清蔵相(元首相)(昭和戦前の暗殺被害者)」は合祀されないわけです。
 その辺りはおそらく明確な合祀基準があるわけでは全く無い。


【産経抄】10月21日 - 産経ニュース

 英政府の発表によると、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)が狙ったのは、東京五輪パラリンピックの主催団体やスポンサー企業である。

 ロシアが本当に実行したのか、実行したとして何故実行したのか(一部で噂されるようにドーピングによるIOCの処分への報復なのか?)、仮にロシアで無いなら誰が何のためにやったのか、何故英国公安はロシアの犯行と断定したのか、も気になるところですが、一方で「何故この時期に英国公安が発表したのか」も気になるところです。「ちょうど今ロシアの犯行と分かった」という単なる偶然では無く、おそらくロシアの犯行と断定したのはもっと前で、「発表するベストな機会をねらっており」、今が「そのベストな機会」と判断した、何か政治的思惑がおそらくあるのでしょうが。
 ちなみに豆知識ですが、あの「ゾルゲ事件ゾルゲ」が所属したのがこのGRU(当時はソ連赤軍参謀本部情報総局)で「歴史と伝統のある諜報組織」です(ゾルゲ自身は別に軍人では無く、彼の情報収集能力を評価した軍にスパイとしてスカウトされた)。
 当時の日本政府は反共意識を高めるためにゾルゲ事件について「コミンテルン云々」と発表しましたが、「一時、コミンテルンで活動したことがあるとは言え」ゾルゲのスパイ活動はコミンテルンとは全く関係が無いし、それは日本政府も分かった上であえてそう発表したわけです(リヒャルト・ゾルゲ - Wikipedia参照)。
 つまりはゾルゲが「コミンテルン所属では無く赤軍所属だ」という程度の事すら知らない人間がゾルゲ事件についてよく知っているかのように語ったらそれは「もぐりだ」「半可通(知ったかぶり)だ」ということです。

*1:勿論無視すべきではありませんが

*2:A級戦犯でも「禁固7年の刑を服役して出所した重光葵元外相(東条、小磯内閣)(出所後、政界復帰し、鳩山内閣外相)」「終身刑判決後に仮釈放された賀屋興宣元蔵相(第一次近衛、東条内閣)(仮釈放後、政界復帰し、池田内閣法相、自民党政調会長(池田総裁時代)など歴任)、星野直樹元書記官長(東条内閣)(仮釈放後、旭海運社長、ダイヤモンド社会長など歴任)」「精神病を理由に免訴判決が出た民間右翼・大川周明」などは「非業の死を遂げてない」ので合祀されていません。

*3:とはいえこれを知らない日本人も結構多いようです(ただし俺も割と最近まで知らなかったのであまり偉そうなことは言えませんが)。しかし、これを知らないのでは靖国問題を議論する資格など無いでしょう(これを知らなくても「政教分離に反するから」「日中、日韓関係が悪くなるから」「明らかに靖国は戦犯合祀&首相、閣僚参拝によって戦前日本の侵略を美化しようとしている」として靖国参拝に反対するならまだしも、これを知らずに「戦没者追悼して何が悪い」などと靖国参拝を正当化するなど論外です)。一方で「靖国戦没者追悼の場」と言う嘘がばれるからか、こうした事実を産経などウヨはまず指摘しません。

*4:東京新聞編集委員。著書『令和の代替り:変わる皇室、変わらぬ伝統』(2020年、山川出版社