今日の産経ニュース(2021年2月5日分)

野党各党、独自色出すも支持率低迷 国民幹事長「期待されていない」 - 産経ニュース
 「政党支持率の低迷」と一緒くたにする産経ですが、支持率において「自民批判を強める立民、共産>自民応援団の維新、国民民主」という傾向は明白です。
 それにしても

国民民主党榛葉賀津也*1幹事長は5日の記者会見で「私たちはここに危機感を感じなければならない。野党全体の支持率が上がらない。それはまさに期待されていないからだ」と強調した。

と言うのには吹き出しました。それなりに政権批判をする立民や共産が「支持率がなかなか伸びないのが悩みだ」とぼやくのならともかく「自民応援団の国民民主」がよくも馬鹿なことが言えたもんです。本気で榛葉が「危機感を感じてる」のなら自民応援団路線をやめるべきですが、そういう良識は無いのでしょうね。 


森氏発言に政府苦慮 五輪目前 国内外調整できる実力者の代わりがいない - 産経ニュース
 いかに森氏が「自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)、首相などを務めた大物政治家」とはいえ「他に代わりが居ない」なんてのは明らかに嘘でしょう。
 森氏を更迭することで「そもそも過去にも『神の国発言』などの失言がある森氏を何故要職に就けたのか」と批判されるのが嫌だとか、菅首相や山下JOC会長が森氏と親しい関係なので彼をかばいたいとか、前首相・安倍の親分なのでかばいたいとか、その程度の事でしかないでしょう。


JOC山下会長「五輪精神に反する不適切な発言」 - 産経ニュース

 「本人が謝罪し、発言を撤回している。いろんな意見があることは分かっているけど、最後まで全うしていただきたい」と述べた。

 産経もタイトルを付けるなら

JOC山下会長「発言は撤回。森氏、辞任の必要なし」

とでもつけるべきでしょう。さすがに「女性差別発言」と森氏を批判はしたもののJOC会長の山下泰裕という人物も、実にチキンな野郎だと思う - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でも批判された「山下のチキンぶり」が今回も遺憾なく発揮されたわけです。
 とはいえ、杉田水脈の「女はいくらでも嘘をつく(どうも、山口某の準強姦を告発した伊藤詩織氏に対する誹謗&山口免罪らしい)」というセカンドレイプ発言に比べればまだ森氏の方がマシであり、そう言う意味で俺個人は「あまり森氏を批判する気にならない」のも事実です。


米下院、陰謀論者の共和党新人議員を委員会から除名 - 産経ニュース
 共和党からも除名に賛同する造反者が出たことを素直に喜びたい。共和党主流は未だにトランプ支持者に媚びてるようですが、トランプ支持者と縁切りしなければ、穏健保守派は「民主党支持に鞍替えするか」「民主党でも共和党でもない第三勢力を目指すか」はともかく共和党からは離れていくでしょう。長い目で見れば「トランプ支持者との縁切り」こそが共和党の採るべき道です。


【主張】長男の接待疑惑 首相が自ら説明を尽くせ - 産経ニュース

 放送行政などを所管する総務省幹部らが、菅義偉首相の長男から接待を受けていた。長男は放送事業会社の東北新社に勤務しており、同社子会社は衛星基幹放送事業者の認定を受けている。
 国家公務員倫理規程は国家公務員が利害関係者から高額接待を受けることや、金銭や物品の贈与を受けることを禁じている。
 長男の接待は規程に違反する可能性が濃厚で、総務省が調査している。秋本芳徳情報流通行政局長は衆院予算委員会で、菅氏の長男らと会食した事実を認め、会食費は事後に返金したと説明した。
 総務省によると、谷脇康彦総務審議官ら計4人が昨年、東北新社から複数回接待を受けたことを認めた。(ボーガス注:大蔵省から逮捕者や懲戒処分者を出したいわゆる「大蔵省ノーパンしゃぶしゃぶ接待問題(大蔵省接待汚職事件 - Wikipedia参照)」などでの反省から)国家公務員は割り勘でも、1人当たりの金額が1万円を超えると届け出なくてはならない。
 谷脇氏らは3日までに届け出を提出した。届け出が遅れた理由については「利害関係者との認識がなかった」と説明しているのだという。到底、信じ難い。
 長男は菅首相が(ボーガス注:第一次安倍内閣総務相時代に政務秘書官を務めていた。同省幹部らとの面識は当時からあったとみられる。「元総務相秘書官」、「首相の長男」の威光を背景とする接待であると疑われて当然である。
 菅首相衆院予算委で「(ボーガス注:最近は)長男とはほとんど会っていない。完全に別人格だから、そこはご理解いただきたい」と述べた。
 この釈明は通るまい。
 所管官庁の許認可事業に関わる接待疑惑である。肉親が関与していれば、首相の政治責任も問われるのは当然だろう。
 調査を総務省任せにしていいのか。総務省が速やかに調査結果を公表すべきはもちろんだが、首相もていねいな説明を尽くすべきだ。
 疑惑の発端は、(ボーガス注:過去にも甘利大臣UR疑惑、河合法相公選法違反疑惑(役職は当時)など政権不祥事を報じた)週刊文春の報道だった。毎週のごとく、週刊誌報道に対する釈明に追われる政権のありようは惨めである。
 新型コロナウイルス禍への対処に全力をあげなければならないこの時期に、情けないではないか。

 モリカケや桜では「野党やマスコミの言いがかりだ」「妻と安倍首相は別人格だ、首相は森友学園とは直接の関係はない。首相は妻の森友関係での言動を知らなかった(森友疑惑)」と安倍をかばった産経が菅相手には「息子と首相は別人格だ。首相は息子が勤務する東北新社とは(以下略)」とは言わない辺り、「菅の首相辞任は求めない」ものの、「安倍と比べて」随分と菅に冷たいもんです。
 安倍政権官房長官でありながら「学術会議会員任命拒否」を除けば、安倍ほど右翼的でもない。安倍がわざわざ退任前に談話まで発表して、置き土産とした「敵基地攻撃能力論」も「今後の検討課題」でほったらかしにして令和3年1月18日 第二百四回国会における菅内閣総理大臣施政方針演説 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページでも触れない。
 令和3年1月18日 第二百四回国会における菅内閣総理大臣施政方針演説 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページで触れたのは

(暮らしの安全・安心)
 暮らしの安全・安心を確保します。ストーカー規制法を改正し、違反行為をGPSによる位置情報の取得にも広げます。銃刀法を改正し、クロスボウの所持を禁止し、許可制とします。
 ネット通販トラブルの増加を踏まえ、デジタルプラットフォーム企業に対し、違法商品、危険商品の出品停止を求めます。SNSの誹謗中傷について、発信者情報の開示命令などの裁判手続を整備し、被害者の迅速な救済につなげます。
(グリーン社会の実現)
 二〇五〇年カーボンニュートラルを宣言しました。もはや環境対策は経済の制約ではなく、社会経済を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出す、その鍵となるものです。まずは、政府が環境投資で大胆な一歩を踏み出します。
(デジタル改革)
 この秋、デジタル庁が始動します。
 デジタル庁の創設は、改革の象徴であり、組織の縦割りを排し、強力な権能(中略)を持った司令塔として、国全体のデジタル化を主導します。
 教育のデジタル化も一挙に進めます。小中学生に一人一台のIT端末を揃え、九千人のデジタル専門家がサポートします。子どもたちの希望や発達段階に応じたオンライン教育を、早期に実行してまいります。
イノベーション
 科学技術立国・日本にとって、二十年近くも続く研究力の低迷は、国の将来を左右する深刻な事態です。博士課程学生の支援を拡大し、未来を担う若手研究者を育成します。
 十兆円規模の大学ファンドにより、若手研究人材育成などの基盤整備を行い、世界トップレベルの成果を上げる自律した大学経営を促します。
(農業を成長産業に)
 我が国の農産品はアジアを中心に諸外国で大変人気があり、我が国の農業には大きな可能性があります。
 (ボーガス注:農産物輸出額)二〇二五年二兆円、二〇三〇年五兆円の目標を達成するため、世界に誇る牛肉やいちごをはじめ二十七の重点品目を選定し、国別に目標金額を定めて、産地を支援いたします。
(観光立国)
 我が国には内外の観光客を惹きつける「自然、気候、文化、食」が揃っており、新型コロナを克服した上で、世界の観光大国を再び目指します。
 皇室ゆかりの三の丸尚蔵館は、我が国が誇るべき二千を超える国宝・重要文化財級の美術品を所蔵しています。それらを、地方に積極的に貸し出し、文化観光の核とします。国立公園などにおける自然の中での宿泊体験や、城や寺社、古民家での滞在など、地域に眠る観光資源を磨き上げ、滞在型観光やワーケーションを推進してまいります。
 日本酒、焼酎などの文化資源について、ユネスコ無形文化遺産への登録を目指します。
 ウポポイが昨年夏、開業しました。アイヌ文化の素晴らしさを体感できるよう、様々なイベントを充実させ、(ボーガス注:北海道)観光の起爆剤とします。
子育て支援
 長年にわたり、我が国の最大の課題と言われてきたのが「少子化」の問題です。
 子どもが欲しいと願い治療を続ける皆さんに寄り添い、不妊治療の保険適用を、来年四月からスタートし、男性も対象にします。
 不妊治療と仕事の両立に、後ろめたい思いをさせてはなりません。不妊治療休暇を導入する中小企業を支援し、社会的機運を高めます。
 長年の懸案である待機児童問題については、女性の就業率の上昇も見込んだ上で、四年かけて十四万人分の保育の受け皿を整備し、最終的な解消を図ってまいります。
 出産・育児の負担がこれまで女性に偏ってきた中で、男性の育児参加という「当たり前」のことを実現していきます。
 男性国家公務員には一か月以上の育休取得を求めています。全ての企業に対し、男性が育休取得しやすい職場環境を整備することを義務付けるとともに、希望に応じて一か月以上の休業を取得できるようにしていきます。

ということで「内容の是非はともかく」右翼的な話は

令和3年1月18日 第二百四回国会における菅内閣総理大臣施政方針演説 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
(我が国防衛と経済安全保障)
 厳しさを増す安全保障環境の中で、我が国の領土、領海、領空、そして国民の命と平和な暮らしを守り抜くことは、最も重い使命です。ミサイルの脅威に対応するため、イージス・システム搭載艦を整備するとともに、抑止力の強化について、引き続き、政府内で検討を行います。

を除けば、施政方針演説にはほとんど無い(しかも「イージス・システム搭載艦を整備」が具体的なだけで他は「今後の検討課題」と曖昧です)。
 産経が熱望する改憲についても

令和3年1月18日 第二百四回国会における菅内閣総理大臣施政方針演説 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
 憲法は、国の礎であり、そのあるべき姿を最終的に決めるのは、主権者である国民の皆様です。国民から負託を受けた政治家がその責任に正面から向き合い、与野党の枠を超えて憲法審査会の場で議論を深め、国民的な議論につなげていくことを期待します。

と「国会での議論が進むことを期待したい」と「在任中に改憲したい」と公言していた安倍に比べたら「まるで他人事」です。
 産経にとっては「安倍政権官房長官だから右翼的な意味で期待していたのに何だ、あいつは!」と「菅への不満がたまる一方」だったのでしょう。その上「コロナ失政で支持率低迷」となれば「かばう気にもなれない」のでしょう。

*1:鳩山、菅内閣防衛副大臣、野田内閣外務副大臣民進党参院国対委員長などを経て国民民主党幹事長(榛葉賀津也 - Wikipedia参照)