今日の産経ニュース(2021年1月29日分)

【正論】全被害者の即時一括帰国果たせ モラロジー研究所教授 麗澤大学客員教授・西岡力 - 産経ニュース

 菅氏はいま本気で拉致被害者を助けようと決意している。首相就任後の言動からそのことがひしひしと伝わってくる。

 「はあ?」ですね。
 菅の演説や談話、記者会見の中で拉致が出てくるものとしては
令和2年9月16日 基本方針 | 令和2年 | 主な閣議決定・本部決定 | 内閣 | 首相官邸ホームページ(政権発足直後)
令和2年9月26日 第75回国連総会における菅内閣総理大臣一般討論演説 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
令和2年10月26日 第二百三回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
令和2年12月4日 菅内閣総理大臣記者会見 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
令和2年12月19日 日本アカデメイア 交流会 菅内閣総理大臣スピーチ | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
令和2年12月22日 読売国際経済懇話会(YIES)講演会 菅内閣総理大臣講演 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
令和2年12月24日 内外情勢調査会全国懇談会 菅内閣総理大臣講演 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
令和3年1月4日 菅内閣総理大臣記者会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
令和3年1月18日 第二百四回国会における菅内閣総理大臣施政方針演説 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
がありますが全ての演説や談話、記者会見で拉致が出てくるわけではありません。
 たとえば
 令和2年9月16日 内閣総理大臣談話 | 令和2年 | 総理の指示・談話など | ニュース | 首相官邸ホームページ(政権発足直後)
 令和2年10月16日 菅内閣発足1か月の心境についての会見 | 令和2年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ
 令和2年10月16日 共同通信加盟社編集局長会議 菅総理スピーチ | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ
 令和2年10月26日 総理大臣として初めて臨む国会の意気込みについての会見 | 令和2年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ所信表明演説直前)
 令和3年1月18日 通常国会等についての会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ(施政方針演説直前)
には拉致という言葉は全く出てきません(「外交問題一般」という形でしか言及されていない)。
 また「詳しい引用は省略しますが」拉致という言葉が出てくる演説、談話、記者会見においてもメインの内容はコロナ対応です(コロナ対応の失敗のために、政権支持率が低迷し安倍が退陣に追い込まれたことや、コロナが現在、蔓延し菅政権支持率低下を招いていることを考えればある意味当然ですが)。菅が最も重要視してるのがコロナ対応であることは明らかです。
 ではコロナ対応の次に「拉致の分量が多いか」と言ったら全くそんなことは無く、むしろ菅が「政権の売り」にしようとしているらしい「カーボンニュートラル(環境ビジネスへの支援などによるCO2排出量の削減など)」「デジタル化(デジタル庁の設置、職場でのテレワーク推進、学校現場でのオンライン教育の推進など)」「少子化対応(不妊治療への保険適用拡大、保育所増設による待機児童の減少など)」などのほうが拉致よりもずっと分量が多い。明らかに菅は拉致問題など重視していません。それもある意味、当然でしょう。
 「カーボンニュートラル」「デジタル化」「少子化対応」については「国民の多くが当事者」である上に「一定の成果を上げれば、国民に評価され政権支持率上昇が見込める」わけですが拉致なんて国民のほとんどは「拉致被害者家族」という当事者でない上に、「即時一括全員帰国で無ければ評価しない」などという無茶苦茶なことを拉致被害者家族会が言ってるわけですから。
 家族会の言ってること「即時一括全員帰国で無ければ評価しない」は例えるなら「CO2排出量が多少減っても温暖化克服において意味が無い。今すぐカーボンニュートラルにしろ」「出生率が多少上がっても意味が無い。人口が維持できるように今すぐ出生率を2.07*1にしろ(ちなみに1989年ショックと呼ばれた1989年の出生率が1.57で、2020年の出生率が1.37)」並に無茶苦茶です。そんな「実現不可能な事」をやりたがる人間は菅に限らず、誰もいない。


英首相、スコットランド独立の住民投票に反対 - 産経ニュース
 例の住民投票でもEU残留派が多かったスコットランドで、「英国がEUから離脱するなら独立したい」として、こうした動きが出るのは予想の範囲内ですが果たして今後どうなるのか。


トランプ氏が下院共和党トップと会談 「復権」足がかりか - 産経ニュース
 短期的にはともかく、長期的に見ればトランプとの関係は「穏健保守派を共和党から離反させ、民主党支持を助長する愚策」でしょう。


自民党本部の全職員にPCR検査 コロナ抑止で - 産経ニュース
 既にネット上で批判がありますが「自民党政権PCR検査拡大論を無視して、散々、PCR検査を抑制しながらこれは何なのか(呆)」と言う話です。もちろん「自民党本部全職員」が「PCR検査が義務づけられている濃厚接触者」に該当するわけではありません。


遠山・公明幹事長代理、不適切支出で収支報告訂正 深夜の銀座に続き - 産経ニュース
公明・遠山氏が党役職辞任 深夜の銀座飲食や政治資金の不適切支出 - 産経ニュース
 「(国民に遵守を要求しながら)緊急事態宣言無視」と「政治資金報告書の虚偽記載」で、さすがに「党の役職辞任」には追い込まれたわけです。それにしてもよくもまあこれで「罰則付きで営業自粛」なんて法案を出そうと思えるもんです(呆)。

遠山・公明幹事長代理、不適切支出で収支報告訂正 深夜の銀座に続き - 産経ニュース
・今年は衆院選のほか、7月には公明が重視してきた東京都議選も控え、党幹部は「タイミングが悪すぎる。選挙に影響が出ないわけがない」と頭を抱える。
・公明の支持母体である創価学会関係者さえ、「公明のイメージが失われるようなこと*2がこれ以上出てくれば、支援者がついてこない」と苦言を呈している。

 「やれやれ」ですね。何故そういう「党利党略」でしか物が言えないのか。なぜ「遠山などという馬鹿者を幹事長代理にして国民や支持者に申し訳ない、我々執行部に人を見る目が無かった、反省している」ではなく「遠山のせいで執行部が迷惑だ」という考えしか出来ないのか。


【主張】日米首脳電話会談 なぜ「中国」を発信しない - 産経ニュース

 ホワイトハウスのサキ大統領報道官は「(対中関係は)戦略的忍耐も持ちながら進めたい」と語っている。オバマ政権が「戦略的忍耐」の方針で臨んだ結果、北朝鮮の核・ミサイル開発を許した教訓を学んでいない。

 「産経はアホか」ですね。「戦略的忍耐」とは単に「すぐに結果を求めず、忍耐強く我慢強く、長期的に対応していく」の「言い換え」でしかありません。
 「すぐに結果が出ない場合」においては「戦略的忍耐」以外に手はないでしょう。そして北朝鮮にせよ中国にせよ外交上どう見ても「すぐに成果が出る話ではない」。
 しかしこの「戦略的忍耐」とは単に「すぐに結果を求めず、忍耐強く我慢強く、長期的に対応していく」の「言い換え」でしかないので「具体的な内容」が実は「何もない」。下手をすると「何も対応しないこと」「対応はしたが結局失敗したこと(そしてその後は何もしないこと)」を「戦略的忍耐」と言って居直る危険性は確かにあります。
 とはいえ、問題は「戦略的忍耐」それ自体では無く「戦略的忍耐の具体的内容」として何をやるか、です。「北朝鮮問題」での産経のオバマ批判を「正当」と認めるにしてもそれは「戦略的忍耐」それ自体が問題なのでは無く「戦略的忍耐としてオバマ政権が実行した具体的外交」に問題があったに過ぎません。
 産経の物言いは「緊急事態宣言」でコロナ不況が助長されてるからといって「自粛など不要、今すぐ緊急事態宣言を撤回せよ」という位、馬鹿げています。もちろん現状において、コロナの場合、問題は「自粛するかしないか」ではなく「自粛で感染防止した上でどうやって不況を克服するのか」という話です。

*1:計算上は2.07で無いと人口が維持できないとされる。

*2:「砂利船汚職事件での田代富士男有罪」「リクルート事件池田克也有罪」「安倍のモリカケ、桜すら擁護」などで俺的には公明党に「クリーン」なんてイメージはもはや何らないですが。