「珍右翼が巣くう会」メンバー・黒坂真に突っ込む(2021年2月8日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真リツイート
 中村正男さん。60年安保の頃、日本共産党は(ボーガス注:国交正常化を目的とする)日韓会談粉砕*1を叫んでいました。昭和40年の日韓条約粉砕も叫んだ。昔の日本共産党は、朝鮮半島金日成*2朝鮮労働党により統一されるべきと宣伝*3し、大韓民国の存在を否定しました。日本共産党は元祖嫌韓論者でした。
中村正男
 『#時代をつないで 大阪の日本共産党物語』。第29話は「60年安保」(「大阪民主新報」2月7日付)です。連載も60年代に入り、今回のフランスデモ*4の写真をご覧になったから、「ここに映っているのは私」と連絡がありました。大きなたたかいの幕開け、そして連続でした。

 黒坂の馬鹿さには唖然ですね。
【1】
 まず第一に「60年安保」という記事で何でこういうツイートになるのか。「60年安保」と日韓国交正常化は直接は関係ない。
 日韓国交正常化交渉は「吉田*5内閣当時」からやっており、「1960年安保当時の岸*6内閣」も当然、やっていたとはいえ、「日韓国交正常化が実現する」のは佐藤*7内閣です。日韓国交正常化交渉についてこの連載で触れるなら「佐藤内閣の日韓国交回復」に触れる際に「触れる」と考えるのが自然でしょう。
【2】
 日本共産党*8が当時日韓国交正常化に反対したのは
1)朴正熙軍事独裁政権を民主主義の観点から支持できない(なお、現在の韓国はもちろん民主化
2)韓国のみを「朝鮮半島を代表する唯一の正統政府」として北朝鮮との国交を否定するのは適切でない
などといった理由なのだから、現在の嫌韓国ウヨ連中の

韓国併合は韓国の同意のもとにされた
 反論:恫喝による同意であり、それが問題ないというなら、『ヒトラーの恫喝によってなされたオーストリア併合(戦後、オーストリアは独立を回復)』『スターリンの恫喝によってなされた旧ソ連バルト三国併合(1991年にバルト三国は独立を回復)』や『(ウヨが毛沢東の恫喝によってなされたと批判する)中国・チベット間のいわゆる十七か条協定 - Wikipedia』も「全て問題ないこと」になる。また「恫喝による同意」を韓国併合では正当化しながら、日本国憲法制定について(日本国民の多くがその内容を概ね支持してるにもかかわらず)ウヨ連中が「GHQの恫喝による押しつけ」と批判するのは論理的整合性に欠ける。
◆日本の植民地統治で韓国は近代化した
 反論:確かに「近代化した」が、「近代化したから問題ない」というなら『チベット青海チベット鉄道建設などにより近代化している』以上、ウヨの『中国のチベット統治』批判に正当性がなくなる。
慰安婦戦争犯罪では無い
 反論:勿論戦争犯罪であり、だからこそ河野談話で日本は非を認め、アジア女性基金(村山内閣)で元慰安婦に「償いの意味を持つ金」も支給した。米国下院決議、国連のクマラスワミ報告、マクドガル報告なども違法性を認定している。

などという「戦前美化、正当化」は全く意味が違います。

*1:もちろんこの場合の「粉砕」とは「反対し挫折に追い込む」程度の意味。なお、最近は「安倍政権粉砕」「大阪都構想粉砕」などのような形で「粉砕」と言う言葉はあまり使わない気がします。

*2:朝鮮労働党総書記、北朝鮮国家主席

*3:といってもその場合の統一とは無論、平和的統一ですが。なお、1)北朝鮮に対するソ連の支援、2)まだ韓国は高度経済成長する前の段階(日韓国交正常化による日本政府の経済支援もあって高度成長が実現した)、ということもあって日韓国交正常化当時(1965年)の北朝鮮と韓国の国力は大して違いませんので今と違い「北朝鮮による統一」は決して非現実的ではありません。

*4:手をつないで道路一杯に広がって行進するデモ。日本では、昭和35年(1960年)の安保反対闘争で初めて行われたとされる(フランスデモとは - コトバンク参照)。

*5:戦前、天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使など歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*6:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相など歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(いずれも総裁は鳩山一郎)、石橋内閣外相などを経て首相

*7:運輸次官から政界入り。自由党幹事長(吉田総裁時代)、吉田内閣郵政相、建設相、岸内閣蔵相、自民党総務会長(岸総裁時代)、池田内閣通産相科学技術庁長官などを経て首相

*8:正確には共産党だけで無く社会党もそうですが。