「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年2/14日分:島田洋一の巻)

◆島田のツイート

島田洋一
 悪い先例を作らないため、森元首相には辞任せず、開き直ってもらいたかった。

 何が「悪い先例」なんだかさっぱりわかりません。
 また

森喜朗「逆ギレ会見」で「反省の色はゼロ」…注意もできない日本政府のヤバすぎる現実(現代ビジネス編集部) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)
森氏
「(記者に向かって怒って)あんたの話はもう聞きたくない」「おもしろおかしくしたいから聞いてんだろ!」
 この人に反省の色はまったくない。記者がいじわるをして、話を「おもしろおかしくするため」に自分に質問していると思っているようだ。
 記者から質問が出たが、その回答も質問と噛み合っていないものや、何を批判されているのかについて本当に理解しているのか、と首を傾げざるを得ないものばかりだった。
記者A
「女性は話が長いと思っていらっしゃるんでしょうか」
森氏
「最近女性の話を聞いていませんからあんまりよくわかりません」
 記者からの質問に丁寧に答える様子は微塵も見られない。
記者B
「会長としてはどこが問題だとお考えでしょうか」
森氏
「はい、えー……男女の区別するような発言をしたということ、ですね」
記者B
「会長としての発言ではないので責任が問われないという趣旨の発言もありましたが」
森氏
「(遮って)責任が問われないとは言ってませんよ。場所をわきまえてちゃんと話したつもりです」
記者B
「『わきまえる』という発言を使われてましたけれど、女性は発言を控える立場だとお考えでしょうか」
森氏
「いやそういうわけじゃありません」
記者B
「じゃ、どうしてああいう発言になったんですか」
森氏
「場所だとか時間だとかテーマだとかに合わせて話をすることが大事なんじゃないですか。そうしないと会議は前に進まないんじゃないですか」
記者B
「それは女性と限る必要はあるんですか」
森氏
「(いらだって)だから私も区別って言ったじゃないですか」
記者B
「その前段で…」
森氏
「(記者に向かって怒って)あんたの話はもう聞きたくない」
司会
「発言については冒頭に明示的に示しておりますので…」
森氏
「(司会を遮り、記者に向かって)おもしろおかしくしたいから聞いてんだろ」
記者B
「何を問題と思っているか聞きたいから聞いてるんです」
森氏
「だからさっきから話してる通りです」
 果たして森氏は自分が発言を「撤回」し「釈明」しているという意識があるのだろうか。
 記者からの最後の質問と森氏の回答も噛み合わないものだった。記者から「森会長は自分の発言が『誤解を生んでしまう』という言い方をしているが、つまりそれは自分の発言は誤ったものであると認識していないということか」という趣旨の質問が出たところ、それに対して森氏は、自分は様々な人から聞いた「女性を登用すると話が長くて組織運営に苦労する」というエピソードを話しただけだ、という弁明をした。
 これはつまり、「本当に誤った発言をしたと思っていますか」と聞かれているのに対して、「オレは聞いた話をしたんだ」と言っているということで、ほとんど「オレは悪くない」と開き直っているのに等しい。「発言を撤回する」というのがどういうことなのか理解しているのかと首を傾げたくなるような回答だ。
 「文句を言われたから仕方なく撤回してやっている」「でも本当はオレは悪くない」という思いがすけて見えるような会見だった。

という森氏の「自称・謝罪会見」は「居直りに近い代物」で、だからこそ「どこが謝罪だ?」と非難を浴び、辞意表明に追い込まれたわけですが、それはさておき。
 そもそも「女性が多い会議は無駄に時間が長くなる」なんて森発言は本来「櫻井よしこ(国家基本問題研究所理事長)」などウヨ女性や「よしこらの同志である『はず』のウヨ男性(例:島田洋一)」も激怒してもおかしくない発言なんですけどねえ。森氏は「よしこなどウヨ女性」も含めて「女性は一般的にそういうものだ」と言ってるわけですから。それとも例の「わきまえてる女」発言を理由に「私たちはわきまえてる女(by森会長)ですから問題ないんです!」と言って櫻井よしこらウヨ女性連中は森をかばうのか。
 正直、森をかばうことによって「島田らウヨ男性は本心では櫻井よしこらウヨ女性を馬鹿にしている」「そんな扱いをされても抗議一つ出来ない腰抜けがよしこらウヨ女性」と疑われても文句は言えないでしょう。いや実際に「桜井なんかただの客寄せパンダ」と馬鹿にしてるのかもしれませんし、それを知りながら何も批判が言えない腰抜けが「よしこらウヨ女性」かもしれませんが。

島田洋一
 森氏の後任選びが難航している。そもそもニューヨーク・タイムズワシントン・ポストが批判したからと激しく動揺した人々の不見識が問題。逆に朝日や日刊ゲンダイが批判したからといってアメリカが誰か有力者の首をすげ替える事などあり得ない。はしなくも日本の「識者」たち*1の植民地根性が露呈した。

 そもそも「米国マスコミ」に関係なく日本国内においても「発言発覚当初から」森批判は強かったので「米国マスコミ追従」などとはデマでしかない。「激しく動揺した人々」なんて「当初は森をかばっていた、一部の森シンパ、自民党シンパ」でしかないでしょう。
 ちなみに島田の言う「激しく動揺」の「主たる理由」は米国マスコミの批判などでは無く「森が会長を続けるならスポンサーを下りたい」というスポンサーの抗議でしょうね(もちろん米国マスコミの批判もそうしたスポンサーの抗議を助長したでしょうが)。
 それにしても

朝日や日刊ゲンダイが批判したからといってアメリカが誰か有力者の首をすげ替える事などあり得ない

てどういう状況を島田は想定してるんだって話です。
 そりゃ「朝日や日刊ゲンダイが批判した」としても米国民の多数がその有力者を支持していれば「すげ替えない」でしょうが。
 そして「森氏レベルの女性差別暴言」なんか欧米諸国で吐いたら速攻で会長退任でしょうよ。
 そして「植民地根性」というなら沖縄米軍基地問題について「『日米安保が重要だ』の一言で基地被害が放置されてたまるか」という翁長前知事のような批判を無視する、あるいは中韓相手には「靖国参拝して何が悪い」と居直れても、米国政府に苦言を呈されると何も言えない島田らウヨにこそ該当する話では無いのか。

島田洋一
 ある女性記者との親密な関係について電話取材してきた別紙*2の女性記者を「(書いたら)破滅させてやる」と恫喝したことが発覚し、米ホワイトハウス副報道官が辞任に追い込まれた。この場合の辞任は当然として、森発言程度で「先進国から軽蔑される」と過剰反応する必要はないということだ。

 意味が分からないですね。
 副報道官が辞任では無く「減給や降格処分」程度で済んだので「だから森会長も辞めなくて良い」つうならまだしも、副報道官は辞任したのだから「森会長が辞任しなくて良い」と正当化できるネタじゃないでしょうに。そもそも「恫喝(副報道官)」と「差別発言(森氏。今回は女性差別)」では性格が違うという問題もありますし。

*1:具体的に誰のことを想定してるんですかね。むしろ「識者」の多くは当初から森批判でしょうに。

*2:原文のまま。ここでは「添付別紙」「別紙参照」などの「別紙」ではなく「別の新聞社」の意味。