「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年2/22分:荒木和博の巻)

萩原遼さんのこと(2月22日のショートメッセージ): 荒木和博BLOG

 令和3年2月22日月曜日のショートメッセージ(Vol.326)。平成29年に亡くなられたジャーナリストで元守る会副代表の萩原遼*1さんについてお話ししました。

 6分50秒程度の動画です。晩年の萩原はジャーナリストでは無く「反北朝鮮(そして、もしかしたらそれプラス反中国、反韓国)の右翼活動家」だったと思いますが、それはさておき。
 「萩原の思い出」なんか荒木ら救う会の建前上の目的である「日本人拉致被害者の帰国」と何の関係があるのか。何の関係もない。
 ちなみに萩原はペンネームで本名は「坂本多加雄*2」(1950~2002年)、もとい「坂本孝夫」(1937~2017年)といいます(萩原遼 - Wikipedia参照)。まあ、晩年の「萩原こと坂本孝夫」は「坂本多加雄新しい歴史教科書をつくる会理事)」と大して変わらないウヨだったと思いますが。むしろ「坂本多加雄の方がましだったかもしれない」というと「萩原こと坂本孝夫」は怒り出すんでしょうか?
 ちなみに「どうでもいい話」ですが、萩原遼 (映画監督) - Wikipedia(これも本名ではありませんが)と言う人物(1910~1976年)が「萩原こと坂本孝夫」が「萩原」を名乗る前に映画監督として活動しているので、坂本はここから「ペンネームを取った」のかもしれません。つまり「坂本は萩原監督ファン」ということですが。
 さて荒木曰く「萩原さんの功績は認める」「彼の功績は永遠に残り続ける*3」と言いながらも、「亡くなった今だから言えることですが、萩原さんは良く言えばマイペースな人、悪く言えば自分勝手で自己中心的で唯我独尊の人」「萩原さんに迷惑をかけられてマイナスの感情(恨み、憎しみなど)を持ってる人は多いんじゃないかと思います」だそうです。
 なるほどねえ。「ウヨ仲間のはずの荒木」ですらこんなことを言うのだから「相当に酷い」のでしょう。荒木としては「何がどう酷いのか具体例を出して、悪口しなかっただけ、俺だって萩原に配慮してやった」という考えでしょうね。
 普通「死者の悪口(萩原は2017年に死去)」なんか死んでから何年も経ってから言わないもんですし。
 まあ、「日本共産党日朝平壌宣言破棄を主張しろ」などと無茶苦茶なことを放言し、それが「当然ながら」受け入れられないと「日本共産党北朝鮮に媚びるのか」と誹謗中傷を始める男ですからねえ(そもそも平壌宣言を結んだ小泉首相に「北朝鮮に媚びてる」と悪口するのが萩原ですが)。萩原が共産党を除名されたのも自業自得だと改めて思いますね。晩年の萩原も「本当に無残な人生だった」と思います。
 まあ「現在、独身の俺」がこんなことを言うのも「お前が言うな」ではありますし、もちろん「独身者=わがまま」と言う話でもない。
 しかし「邪推と偏見」ではありますが、

萩原遼さん死去:朝日新聞デジタル
萩原遼さん(はぎわら・りょう=ノンフィクション作家、本名坂本孝夫〈さかもと・たかお〉)
 22日、心不全で死去、80歳。葬儀は近親者で行い、後日お別れの会を開く。喪主は兄で元「上方芸能」誌発行人の木津川計*4(きづがわ・けい)さん。

ということで萩原の葬儀の喪主が「妻子では無かった(つまりは「萩原に結婚歴があるかどうか(一度も結婚したことが無いのか、結婚後離婚したのか)」はともかく、死亡当時、おそらく萩原は独身だった)」つうのはやはり「萩原の人間性の欠陥が理由じゃ無いか」つう気がしますね。

【参考:晩年の萩原(坂本)】

萩原遼氏を除籍2005.6.23
 日本共産党中央委員会の規律委員会は、十七日、萩原遼氏(元赤旗平壌特派員)の除籍を決定しました。
 二〇〇二年九月に日朝平壌宣言が発表されると、萩原氏は、元「赤旗平壌特派員の肩書で次々とマスコミに登場。日本共産党が、北東アジア*5の安定と平和を確立する立場から、核問題や拉致事件など、日朝問題の解決の目標と方向を示したものとして平壌宣言を評価したのにたいし、萩原氏は、「一部の政党」と名指しは避けつつも、「身代金交渉に応じる卑屈な論*6」だと批判しました。
 これにたいして、党は、今後同様なことをおこせば「党員の資格」が問われることをきびしく指摘し、萩原氏の態度を見守ってきました。
 しかし、萩原氏は、その後も、自著で、小泉首相の「日朝正常化交渉」発言を非難しつつ、「それに追随する一部野党の見苦しい醜態」などと書いています(『金正日 隠された戦争』)。これは、日本共産党を指しての批判であることは明らかです。党規約を守る立場を放棄する態度です。さらに、五月二十四日の朝鮮総連結成五十周年記念レセプションの際、会場の近くで、「そこに駆けつける政治家は恥を知れ」と訴えたことが報道されています(「産経」五月二十五日付)。
 このレセプションには、日本共産党から不破議長*7が出席。北朝鮮側の問題点について率直に指摘しつつ、今日の日朝関係を打開するために、次のような六項目の提言を行っています。
 (1)日朝平壌宣言を堅持し、その生きた力を発揮させる
 (2)拉致問題――国際的な犯罪を認めた最初の決断は、ひきつづく諸問題に誠実に対応してこそ、日朝の友好と信頼の道につながる
 (3)拉致協議前進のカギは「特殊機関」問題の解決にある
 (4)交渉打ち切りや「力の政策」など、平壌宣言にそむく態度をいましめあう
 (5)「非核化」の六カ国*8合意こそ安全保障の最善の道
 (6)私たちは、現状の打開に力をつくす用意がある。
 萩原氏は、党からの注意をまったく無視し、党規約に反する行動を続けました。このような事実を慎重に審議した結果、党員としての資格を自ら喪失したものと判断し、規律委員会は、党規約第十一条にもとづき、十七日、萩原氏と協議を行い、除籍を通告しました。

【参考終わり】


大森勝久氏の新しい論文です: 荒木和博BLOG
 アメリカが起草した憲法9条案は自衛権と自衛権行使のための軍隊の保持を認めている | 新・大森勝久評論集
 大森論文の主張を簡単に要約すれば「いわゆる『芦田均*9・元首相の芦田修正論』の立場に立てば、閣議決定で『芦田修正論を採用する』と決めれば、明文改憲しなくても、自衛隊が海外で集団的自衛権行使できる。そう主張しない自民党産経新聞などは間違ってる。護憲派の反発、批判など無視しろ」つう暴論です(芦田修正論の説明はややこしいので省略します)。この「芦田修正論が―」は以前からの大森氏の主張です。
 そんな無茶は安倍*10ですらやれなかったわけです。今後もやれないでしょう。
 ウヨ連中で「明文改憲しよう!」と言ってるやつはいても「芦田修正論を採用すればいい!。そうすれば今の憲法でも集団的自衛権を行使できる。明文改憲の必要性なんかない!」と言ってるやつはまずいない。
 吉田*11内閣以降、今の菅内閣に至るまで、歴代内閣は「改憲右派の岸*12や中曽根*13も含めて」、「芦田修正論は採用しない」を踏襲し続け、政府公式見解にしているからです。それをいきなり菅*14が「芦田修正論を採用します。現行憲法でも集団的自衛権行使できます」なんてできるわけがないでしょう。

 私自身は大森さんとは色々意見の違いもあります。特に今回の論文については、事実上米国によって定められた現行憲法が本来の国家の基本法としては無効であるという私の立場とは全く異なります。

 大森氏の「芦田修正論が―」もいい加減非常識ですが、荒木の「現行憲法無効」もひどいですね。
 「現行憲法が無効なのに、民社党(荒木が党本部職員)が現行憲法に基づく選挙に出馬し続けたのはどういう意味よ?」「現行憲法が無効なら、今も戦前憲法が有効だとでもいうのか?」と問いただしたくなります。

 ただし、憲法の「立法意思」を縦にとって軍隊の存在を否定する方々には同じ土俵上の強力な反論になると思います

 全然なりませんね。
 なぜなら現行憲法のいわゆる「芦田修正」について、芦田は修正案提出当時「この修正で集団的自衛権行使が可能になる」なんて説明は何一つしてないからです。条文の内容に大きな変更などない、大して重要でない修正であるかのように芦田は言っていた。
 つまりは
1)芦田修正論は芦田の「後付け」の嘘。芦田は修正案提出当時はそんなことは考えてなかった
2)芦田修正論は「修正案提出当時」から芦田の本心だが、その本心を芦田は修正案を提出した当時、隠して、周囲をだました
のどちらかでしかない。そんな「後付けの嘘」or「本心を隠しただまし」なんか「立法者意思」扱いすべきではないでしょう。
 この場合、あくまでも立法者意思は「修正案提出当時の芦田の説明」によるべきでしょう。でないと「後付けの嘘」or「本心を隠しただまし」を助長する。

*1:著書『朝鮮戦争金日成マッカーサーの陰謀』(1997年、文春文庫)、『ソウルと平壌』(1998年、文春文庫)、『朝鮮と私』(2000年、文春文庫)、『北朝鮮に消えた友と私の物語』(2001年、文春文庫)、『拉致と核と餓死の国北朝鮮』(2003年、文春新書) 、『金日成の死と大量餓死の謎を解く:金正日 隠された戦争』(2006年、文春文庫)、『朝鮮学校「歴史教科書」を読む』(井沢元彦との共著、2011年、祥伝社新書)、『北朝鮮 金王朝の真実』(2012年、祥伝社新書)など

*2:学習院大学教授。著書『山路愛山』(1988年、吉川弘文館人物叢書)、『市場・道徳・秩序』(1991年、創文社→2007年、ちくま学芸文庫)、『象徴天皇制度と日本の来歴』(1995年、都市出版→『天皇論:象徴天皇制度と日本の来歴』と改題して、2014年、文春学藝ライブラリー)、『近代日本精神史論』(1996年、講談社学術文庫)、『新しい福沢諭吉』(1997年、講談社現代新書)、『歴史教育を考える』(1998年、PHP新書)、『日本の近代2:明治国家の建設 1871~1890』(1999年、中央公論新社→2012年、中公文庫)、『問われる日本人の歴史感覚』(2001年、勁草書房)、『求められる国家』(2001年、小学館文庫)、『国家学のすすめ』(2001年、ちくま新書)、『スクリーンの中の戦争』(2005年、文春新書)など(坂本多加雄 - Wikipedia参照)

*3:とてもそうは思えませんけどね。既に萩原なんか世間においては「忘却の彼方」でしょう。荒木だって本心ではそんなことはかけらも思ってないでしょう。

*4:1935年生まれ。本名は坂本凡夫(つねお)。雑誌『上方芸能』(現在は休刊)の元編集長。著書『上方の笑い:漫才と落語』(1984年、講談社現代新書)、『人間と文化』(1992年、岩波書店)、『〈趣味〉の社会学』(1995年、日本経済新聞社)、『上方芸能と文化』(2006年、NHKライブラリー)など(木津川計 - Wikipedia参照)

*5:中国、韓国、北朝鮮、モンゴルのこと

*6:そんなことを言ったところで「バーター取引以外に現実的解決策など何もない」でしょう。萩原も全く無茶苦茶な男です。

*7:役職は当時。現在は常任幹部会委員(党附属社会科学研究所長兼務)

*8:米国、中国、ロシア、日本、韓国、北朝鮮のこと

*9:幣原内閣厚生相、日本自由党政調会長(吉田総裁時代)、民主党総裁、片山内閣副総理・外相、首相など歴任

*10:自民党幹事長(小泉総裁時代)、小泉内閣官房長官などを経て首相

*11:戦前、天津総領事、奉天総領事、駐スウェーデン公使、外務次官、駐伊大使、駐英大使など歴任。戦後、東久邇宮、幣原内閣外相を経て首相

*12:戦前、満州国総務庁次長、商工次官、東条内閣商工相など歴任。戦後、日本民主党幹事長、自民党幹事長(鳩山総裁時代)、石橋内閣外相などを経て首相

*13:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*14:第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官を経て首相