今日の産経ニュース(2021年2月23日分)(追記あり)

中学教科書の従軍慰安婦記述 文科省、改めて「問題なし」回答(1/2ページ) - 産経ニュース

 今回の問題をめぐっては、同会などが昨年12月に萩生田光一文科相あてに削除勧告を要請。今年1月に同省教科書課名で「審議会の学術的・専門的な審議の結果、検定意見は付されなかったので、記述の訂正を勧告することは考えていない」と回答があったが、同会などは再要請していた。

 これが民主党政権なら、再要請などせずに速攻で行政訴訟の上、散々悪口雑言でしょうに「再要請に対して回答が変わる保障がどこにも無い(つうか普通に考えて変わるわけがない)」のに再要請でお茶を濁すのだから「どれほど自民党相手に腰抜けなのか?」つう話です。というか「山川出版・歴史教科書の慰安婦記述ガー」なんかやってる暇があったら「つくる会教科書不合格の撤回」のために「行政訴訟」でもやれという話です。
 結局、つくる会連中は「公言は出来ない」ものの、内心では「不合格撤回」を諦めたのでしょう。その結果、連中は「不合格撤回」より「ハードルが低い」と判断した「山川出版・歴史教科書の慰安婦記述ガー」運動を始めた。「不合格」による支持者の離反、そして「運動の崩壊」を防ぐためにとにかく「目先の勝利を求めた」ということです。山川の記述削除を文科省に認めさせることで「勝った、勝った」の大本営発表で組織崩壊を防ごうと思った。
 しかし皮肉にもそちらでも文科省、つまりは菅首相と萩生田文科相に要望を否定されたという話です。もはやつくる会からは「こんなんで運動がやってけるのか!」「こんなことなら、日本教育再生機構育鵬社)に鞍替えする!」と脱落者が多数出て組織が崩壊しても何らおかしくないでしょう。 
 「日本教育再生機構育鵬社)の将来」はともかく「日本教育再生機構育鵬社)」を応援する自民党と産経に完全に見すてられたあげく、それにろくに抗議も出来ない「つくる会」の滅亡もそう遠い日のことでは無いでしょう。 
 「つくる会滅亡」が直接的には「左派やリベラル保守、あるいは諸外国の批判」ではなく育鵬社応援団「自民党や産経」による「つくる会迫害(?)」によるものであること、その迫害につくる会が事実上無抵抗であることが何とも皮肉ですが。
 産経の記事も文科省批判のカラーはまるで無く、客観報道であることは「産経がつくる会を見すててること」を完全に露呈しています。もちろん産経はこうした記事を書くことで「産経がつくる会を見すてた」と思われても全く構わないのでしょう。完全につくる会はなめられている。

 つくる会などは24日午後5時半から、今回の問題に関する緊急集会を東京都千代田区永田町の憲政記念館で開催する。国会議員も複数参加。

 どんな国会議員が参加するかが見物ですが、賭けてもいいですが「安倍前首相」「安倍の実弟・岸防衛相」「下村政調会長(元文科相)」「稲田元政調会長」などといった自民ウヨ議員(特に党、政府幹部)は確実に参加しないでしょう。「維新や国民民主」といった野党のウヨ議員しか出席しないのでは無いか。産経が「誰それ議員が参加!」と名前を書かない辺り、まあ、何とも冷たいもんです。
【2/25追記】
教科書歴史教科書「従軍慰安婦」記述復活にSTOP!緊急集会のお知らせによれば、自民からは「原田義昭」「杉田水脈」「山田宏」が出席したようです。
 「俺の予想に反し」自民ウヨ議員から一応参加はあったわけですが「第二次小泉内閣文科副大臣」「第四次安倍内閣環境相」で「一応文教族議員で大臣経験者の原田」はともかく、杉田や山田などおよそ自民の幹部議員といえる連中では無いでしょう。
 後は元神奈川県知事の松沢(現在、維新の参院議員)が出席したようです。なお、現時点において「開催予告が掲載されても、実施報告が載らない」辺り、「何だかなあ」ですね。


【主張】総務省接待問題 混乱招いた愚を猛省せよ - 産経ニュース
 「自民応援団」産経にしては「元総務相で現首相の息子(東北新社重役)が疑惑の中枢に居る以上、官僚更迭だけで済む話ではない。贈収賄の疑いもある。徹底調査が必要だ」「現時点で『東北新社への不当な利益供与など無かった(菅首相や武田総務相)』と本当に断言できるのか?。疑惑は晴れていない」などと言う産経です。
 「菅首相や武田総務相引責辞任」「官僚や息子(東北新社重役)の参考人招致、証人喚問」などは求めない物の、「モリカケ、桜での安倍擁護」と違い、随分と菅政権に冷たいもんです。
 菅が「安倍ほど右翼的でないこと」に産経の不満がたまってるのでしょう。


【政治デスクノート】補選、都議選は本当に次期衆院選の行方を占うか - 産経ニュース
 有料記事なので途中までしか読めませんが、「補選、都議選での自民敗北や苦戦」を予想して今から「衆院選とは関係ない!。自民が仮に敗北や苦戦でも衆院選の結果の予想にはならない!」と自民や産経が予防線を張ってるという話です。よほど「補選、都議選での自民敗北や苦戦」で「菅退陣」に追い込まれるのを恐れてるのでしょう。まあ、都議選はともかく、補選の場合「不祥事辞任1件(河井案里公選法違反)」「立民の弔い合戦1件(羽田元国交相のコロナでの病死)」でどちらも自民敗北の恐れが高いし「北海道補選(アキタフーズ収賄事件での逮捕)」では「候補者擁立せず、自民の不戦敗」が確定しました。


儒教の祖祭る「孔子廟」は宗教的? 那覇市の公園に建つ施設、大法廷「政教分離」どう判断(1/2ページ) - 産経ニュース
 首相靖国参拝を正当化するウヨ連中がよくもまあ、「儒教儒学)は宗教」などとして政教分離訴訟など起こせるもんだ、大体お前らの目的は「アンチ中国とアンチ野党共闘那覇市オール沖縄が与党)だろ」と心底あきれます。何せ原告側弁護士は「在特会徳永信一(首相靖国参拝を正当化する極右にして韓国・朝鮮ヘイター)」ですが、それはさておき。
 まあ、「厳密に言えば」儒教儒学)は宗教で「政教分離に抵触する」かもしれない。
 ただ、今回の目的が何かと言えば明らかに「観光目的」ですからね。
 かつ、無償提供の「政治的是非」はともかく、こんなことで「首相靖国参拝」で危惧される「国家神道の復活」のような状況が「儒教がらみ」で起こるかと言ったらまず起きないでしょう(ちなみに津地鎮祭訴訟(1977年最高裁判決)、殉職自衛官護国神社合祀訴訟(1988年最高裁判決)、箕面忠魂碑訴訟(1993年最高裁判決)、愛媛玉串料訴訟(1997年最高裁判決)、首相靖国参拝訴訟(中曽根、小泉、安倍)、など過去の政教分離関係の訴訟はほとんどが神道関係です。ただし『エホバの証人格闘技拒否訴訟(学校側がエホバ特別扱いはかえって政教分離原則に抵触すると主張したことで政教分離原則も争点になったが、最高裁は学校側の主張を認めなかった)』(1996年最高裁判決)など一部神道以外のものもあります。)。
 なお、産経も触れるように

 最高裁政教分離の原則をめぐって過去に違憲判決を出した2件は、いずれも神道が対象だった。
 愛媛県靖国神社玉串料を支払ったことなどが問題になった「愛媛玉串料訴訟」では、最高裁が平成9年、「県が特定の宗教団体による宗教上の祭祀(さいし)にかかわった」などとして違憲と判断した。
 (ボーガス注:平成)22年に判決があった「空知太(そらちぶと)神社訴訟」では、北海道砂川市が市有地を神社に無償提供したことが、宗教団体への公金提供や特権付与に当たり違憲と認定。神社の行事に地域の親睦的な意義があっても、神社自体は神道の宗教的施設といわざるを得ないと指摘した。
 今回の孔子廟訴訟は、土地を提供した点で空知太神社訴訟に似ている。ただ、政教分離の原則が神道以外で訴訟になるのは珍しく、そもそも儒教が宗教といえるのかどうかも議論の余地がある。

ということで神道がらみでは最高裁で2回違憲判断が出ています。
 話を戻しますが「儒教の国教化」なんてことはありえないし、那覇市もそんなことを狙ってるわけではない。
 産経も

儒教の祖祭る「孔子廟」は宗教的? 那覇市の公園に建つ施設、大法廷「政教分離」どう判断(2/2ページ) - 産経ニュース
 孔子といえば、弟子らに語った「温故知新」などの名言が記された「論語」で親しまれ、日本では中国の思想家、哲学家として知られる。儒教も、歴史的に江戸幕府が重んじたことなどから、学問としての「儒学」と記憶する人も少なくない。
 こうした特殊性から、市側は訴訟で「儒教に宗教的側面はない」と強調。孔子廟には観光資源としての社会的意義がある上、祭礼も沖縄文化を伝える部分があり、久米崇聖会も宗教法人ではないなどとして、施設の宗教性を否定している。
 さらに国内には、湯島聖堂(東京都文京区)や足利学校(栃木県足利市)など、国や自治体が所有する複数の孔子廟があると指摘。他の孔子廟政教分離が問題になっていないのは、一般に孔子廟が宗教施設ととらえられていないからだと訴えている。

と書くように、儒教儒学)の一種「朱子学」が、徳川家の官学とされていたこと、新井白石、室鳩巣ら儒学者が幕府重臣だったことなどでも分かるように、日本では「儒教=宗教」という認識は一般的とは言いがたい。むしろ「儒学」という表現の方が日本では一般的で「学問」と言うイメージの方が強いわけです。
 津地鎮祭訴訟でのいわゆる「目的効果基準(基準としてゆるゆるという批判も強いですが)」に準拠すれば「目的:観光促進(中国人観光客の誘致)」「効果:儒教の国教化などあり得ない」で「合憲判決」もありうるところ、一審、二審で那覇市敗訴とは驚きです。
 最高裁でどんな判断が出るかが注目されるところです。なお、仮に敗訴したところで「無償は不可、ただし減免ならOK」という判決が出るならば、那覇市としては「減免に切り替える」という方法もあり得るでしょう。まあ、最悪(?)「減免なしの使用料金をとる場合」でも「孔子廟を観光の中心にする」つう方針は変えないでしょうね。

【追記】
孔子廟に敷地無償提供は違憲 最高裁 - 産経ニュース
孔子廟に敷地提供「違憲」 最高裁判決「宗教性軽微といえず」 - 産経ニュース
「改善すべき点を検討したい」 違憲判決で那覇市長 - 産経ニュース

「改善すべき点を検討したい」 違憲判決で那覇市長 - 産経ニュース
 個人的な意見としつつ、「儒教の教は、政教分離の教であるのか、違和感がある」などと述べた。

 小生も同様の違和感を感じますが違憲判決が出た以上従わざるを得ない。
 問題は

「改善すべき点を検討したい」 違憲判決で那覇市長 - 産経ニュース
 「判決内容の詳細は確認していないが、どの部分が違憲であるのか、今後、判決文書をしっかりと読み込み、那覇市として改善すべき点がどこにあるのかを検討して対応したい」

という話ですね。「無償貸与で無く、有償貸与なら問題ない」「無償で無く、料金割引なら問題ない(もちろん限りなく無償に近い割引では判例に抵触し、違憲の疑いが拭えないので半額とか3割引とかいう話になるのでしょうが)」のであれば、今後は「有償貸与」それも「割引」という方法もあり得るわけです。

【追記】
「『違憲』が独り歩きしては困る」という産経「主張」の煩悶 | ちきゅう座

 最高裁による政教分離の「厳格な」判断として評価し、歓迎したい*1
 もっとも、この住民訴訟の原告となったのは、那覇の「右翼オバサン」である。弁護団も明白な右寄り人脈*2。本来、政教分離規定は天皇*3に弾圧された宗教者にとっての金科玉条。右翼が政教分離の旗を掲げての訴訟には、大きな違和感を禁じえない。どのような思惑で提訴に至ったのか理解し難い*4ところは残る。それでも、誰が原告であろうとも、政教分離の「厳格な」判断を歓迎すべきことに変わりはない。

 俺個人は「観光目的なのに?」「国家神道ならともかく孔子廟による信教の自由侵害なんかあるのか?」「儒教って宗教か?」ということで「あまり歓迎しない」のですが一応紹介しておきます。
 まあ「めちゃめちゃ厳格に政教分離原則を捉えれば」
1)神社や仏閣の文化財指定
2)宗教系学校への私学助成
3)市役所へのクリスマスツリー設置
なども「政教分離原則違反」になりかねませんがそこまではさすがに澤藤氏も主張はしないでしょう。

*1:澤藤氏が「無償貸与だから問題なのであり有償貸与ならOK」という認識なのかどうかが気になるところです。まあこの澤藤氏の口ぶりでは有償貸与を認めるにしても、どうも「割引き貸与」は認める気がなさそうですが

*2:何せ弁護士の一人はあの「在特会徳永信一」です。

*3:今回の問題は「政教分離」ですから、「天皇制」というよりは「国家神道」ですね(確かに戦前において国家神道のトップは天皇ですが)。なぜ「国家神道」と書かないのか全く意味不明です。澤藤氏が「天皇制=国家神道天皇制という概念は当然に国家神道を意味する)」という理解だとしても、それは決して一般的理解では無いでしょう(なお「国家神道批判派、天皇制批判派」澤藤氏と違い「国家神道の何が悪い」という立場とは言えそうした「天皇制=国家神道」という立場なのが神社本庁です)。そもそもその澤藤理解では「天皇制を廃止しない限り国家神道は廃止できない」という話になりますが果たしてそう言う理解は適切なのかどうか。この澤藤理解では「国家神道は廃止したいが天皇制廃止までは求めてない」多くの日本人を「どう扱うべき事」になるのか。

*4:イヤイヤ「思惑」の理解は容易でしょうよ。本気でこんなことを言ってるのなら澤藤氏は「アホか?」と言う話です。まず第一に那覇市による孔子廟優遇の目的は「中国人観光客の誘致」であり、もちろん右翼連中はそうした中国人観光客を嫌っています。第二に那覇市政与党は「オール沖縄(反自公の野党共闘)」でありウヨはもちろん「オール沖縄」を敵視しています。