黒井文太郎に突っ込む(2021年3月4日分)

黒井文太郎
 それにしても公務員の給与を確保しつつ「内外情勢の回顧と展望」、「国際テロリズム要覧」、「サイバー空間における脅威の概況2021*1」を書いてる人、いいな

 「はあ?」ですね。「くだらない公務員叩き(?)」も大概にしたらどうなのか。別に「公務員」でなくても「大手新聞社(朝日、読売、毎日など)」「大手出版社(講談社小学館文藝春秋など)」の社員ジャーナリスト(例えば朝日の本多勝一氏)であれば「それなりの給与を確保しつつ記事が書ける」わけで、そうしなかった(無能で出来なかった?)「フリーライター」黒井の自業自得でしかありません。
 ついでに言えば「立花隆*2」のような売れっ子ライターになれば、フリーライターでも逆に「普通の公務員や社員ジャーナリスト」では得られない高給も得られるわけですし。黒井が有能ならば「立花のような大もうけ」できるわけで「自分の無能を自嘲して嬉しい?」と聞きたくなります。

黒井文太郎*3
 そもそも中国側の領海侵入に対し、日本側が島の占有行動積み上げで応じていれば、中国側も困ったはず。単なる外交ルートの抗議とか海保巡視船出動とか、中国側にとって全く痛くもない対応で済ませてきたのが問題

 もちろん、日本が実効支配している以上「占有行動(例えば建設物の設置)」を「する必要」は「領土維持」と言う意味ではどこにもありません。
 つうか、韓国やロシアが「その種の占有行動(建設物の設置など)」を北方領土竹島に対して過去にしたところで「国内アピール」にはなりえても、「日本や国際社会」に「韓国やロシアの行為は正当だ」と評価されてるかと言えばそうじゃないですしねえ。単に「返す気は無い」という政治アピールでしかない。
 むしろそんなことをしたら日中関係悪化が危惧される。
 ということで例えば

尖閣問題で日中間で棚上げ合意があったなんてことは、国会でも答弁されている - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
 1979年5月30日の衆議院外務委員会より。園田直*4外相の発言です。
○園田国務大臣
 尖閣列島についてはわが国の領土ではあるけれども、こういういきさつがあるから刺激しないように、付近の漁民または住民の避難のため、安全のためにやむを得ざるものをつくるならば構わぬけれども、やれ灯台をつくるとか何をつくるとか、これ見よがしに、これは日本のものだ、これでも中国は文句を言わぬか、これでも文句はないかというような態度は慎むべきであるということを終始一貫議論をしてきた経緯があるわけであります。

自民党による亡国政治の歴史(2)2012-05-11(酒井信彦)
 昭和54年5月、森山欽司*5運輸相は尖閣諸島の実効支配を確立するため、最大の島、魚釣島に仮へリポートを建設する計画を明らかにした。仮へリポートは同月下旬に完成し、尖閣諸島の地質、動植物や周辺の海中生物などを調べる学術調査団31人がヘリコプターや巡視船で魚釣島に派遣された。しかし、これに中国が抗議し、政府内が動揺した。園田外相は衆議院外務委員会で『日本の国益を考えるなら、そのままの状態にしておいた方がいい』と、仮へリポート建設や学術調査に反対の意向を示し、閣内不一致が露呈した。大平*6内閣は調査を予定より早く切り上げさせた。その後、尖閣諸島に本格的なヘリポートや漁港、灯台などを建設する構想が一部で浮上したが、いずれも中国への配慮から先送りされた。
 すなわち、日中平和友好条約の翌年には、ヘリポートを建設して実効支配に取り組みながら、中国の抗議にだらしなく撤退したのである。これを主導したのが、(ボーガス注:福田内閣外相として)日中平和友好条約の積極的推進者であった(ボーガス注:そして、ヘリポート騒動当時は大平内閣外相だった)園田外相である。このような人物こそ、中国の手先、民族の裏切り者と言うべき存在である。
 尖閣問題は、自民党による無能外交の典型的な例である

ということで歴代自民党政権は黒井の言う「占有行動の積み上げ」などしてこなかったわけです。
 「反中国ウヨ」「自称軍事ジャーナリスト」黒井のアホさには心底呆れます。まあ、黒井にとって大事なことは「あるべき外交」ではなく「反中国を煽って金儲けすること」だからこうなるのでしょうが、「黒井にとって」残念ながらその思惑は上手くいかないわけです。

*1:前二者は公安調査庁が、最後は警察庁が発行

*2:最近の著書として『自分史の書き方』(2020年、講談社学術文庫)、『サピエンスの未来:伝説の東大講義』(2021年、講談社現代新書)など

*3:著書『イスラムのテロリスト』(2001年、講談社+α新書)、『世界のテロリスト』(2002年、講談社+α文庫)、『北朝鮮に備える軍事学』(2006年、講談社+α新書)、『日本の情報機関』(2007年、講談社+α新書)、『ビンラディン抹殺指令』(2011年、洋泉社新書y)、『イスラム国「世界同時テロ」』(2016年、ベスト新書)など

*4:福田内閣官房長官、福田、大平内閣外相、鈴木内閣厚生相、外相など歴任

*5:田中内閣科学技術庁長官、大平内閣運輸相など歴任

*6:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相