「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年3/17分:荒木和博の巻)

レブラ君とあやしい仲間たち24「自衛隊による拉致被害者救出」: 荒木和博BLOG
 11分30秒程度の動画です。動画タイトルと説明文だけで見る気が失せますね。実際見る価値は全くないですが。
 「自衛隊での拉致被害者救出」などできるわけがないでしょう。「拉致被害者の居場所が分からないから」です。
 米国だってワームビア君救出は居場所が分からないので「米軍投入」ではなく外交交渉でした。まあ居場所が分かったって「駐イラン米国大使館占拠事件」の解決が軍事作戦では無く、外交交渉だったことで分かるように「軍事作戦で救出」なんてことはそう簡単にできることではないですが。
 そもそも「金丸*1訪朝での第18富士山丸船長、機関長の帰国」「小泉*2訪朝での拉致被害者5人の帰国」を考えれば外交交渉こそが最も現実的な解決策です。
 荒木ら救う会は「日本政府は憲法上の制約云々というがそんなもんは無視すれば良い、超法規的措置だ!」と言いますがそもそも拉致被害者救出の軍事作戦など出来ないのは「拉致被害者の居場所が分からないから」であって、「憲法上の制約」という話ではない。
 一休さんとんち話の「屏風の虎を縛れ」みたいなもんです(俺にとって一休さんというと子どもの頃に見ていた一休さん (テレビアニメ) - Wikipediaテレビ朝日、本放送は1975~1982年ですが、俺が見たのは再放送です)のことですが)。
 そこで一休さん(CV:フジ「キテレツ大百科」(1988~1996年)の木手英一などでも知られる藤田淑子)は「ならば将軍様、屏風から虎を出して下さい、虎を屏風から出したら、それから縛ります」といい、将軍様足利義満、CV:後にキートン山田として『ちびまる子ちゃん』のナレーターを務める山田俊司)は「これは一本とられた」となるのですが、荒木ら巣くう会の場合「ならば、荒木さん、拉致被害者の居場所を教えて下さい、教えてくれたら助けに行きます」というと将軍様のように「これは一本とられた」とはならず、「何で素人の俺たち救う会がそんなことをしなければいけない、玄人のお前(自衛隊)が見つけにいけ」「素人の俺にそんなことが分かるわけがないだろう、分からなくて何が悪い!、素人に無茶振りするな!」「それでも玄人か、税金泥棒!」などと言い出すのだから心底呆れます。
 一休さんとんち話で言えば、将軍様が「何で俺がそんなことをしなければいけない、一休、お前が虎を屏風から出せ」「俺は虎を屏風から出せないよ、出せなくて何が悪い!」「屏風から虎を出せないなんて一休のとんちもたいしたことは無いな」というようなもんです。全く付き合いきれません。そもそも荒木ら救う会がこんな与太「自衛隊救出論」を放言したところで政府(菅政権)、自民党、外務省どころか、産経などウヨメディアですらまともに荒木等を相手にしていませんが。
 荒木は

◆諦めなければ夢は叶うと思って頑張っている。馬鹿にされても戦い続けて成果を上げた人間は過去にもいる
◆私たちは絶対に負けない。なぜなら、勝つまでたたかい続けるから(松橋隆司氏*3の著書『弁護士馬奈木昭雄』(2014年、合同出版)の副題)」
◆我々の主張「自衛隊救出論」の支持者は少しずつでも増えてると思う
◆例えば「ソ連・東欧崩壊」「アラブの春」を直前まで誰が予想してたろうか?(だから俺たちの主張も近い将来認められるかもしれない)

的なことをこの動画内で言ってかっこつけてますが、そんなんは

アウンサンスーチー(長く軟禁状態にあったが、国際世論の圧力もあり、ミャンマー国家顧問・外相に就任:但し最近軍のクーデターで失脚)
金大中金大中拉致事件光州事件死刑判決など何度も死の危険に直面しながら、最終的には韓国大統領に就任。大統領時代の太陽政策ノーベル平和賞受賞)
マンデラアパルトヘイト南アで弾圧され投獄されながらも最終的には南ア大統領に就任)
宮本顕治(戦前、治安維持法違反で投獄されながらも戦後、出獄。ミニ野党とは言え、日本共産党委員長に就任。戦後左派を代表する政治家の一人)

などといった「それなりにまともな政治活動家」の「それなりにまともな主張」ならともかく荒木の与太では話になりません。つうか、「小泉訪朝(2002年)から18年経ってる」のにそんな脳天気なこと言ってる場合なのか?
 これが「金大中マンデラ」のように「朴正熙アパルトヘイト体制を一気に倒す展望はないが諦めることは出来ない」つう「悲壮な覚悟」から『諦めなければ夢は叶う」ならともかく荒木の場合、そうじゃないですからね。


北朝鮮の派閥の話(3月17日): 荒木和博BLOG
 7分10秒程度の動画です。動画タイトルと説明文だけで見る気が失せますね。実際見る価値は全くないですが。
 「北朝鮮の派閥(例えば甲山派ソ連派満州派南朝鮮労働党派など)」あるいは「8月宗派事件(1956年)などの派閥抗争」を論じることに「荒木等救う会」の建前である「拉致被害者の救出」と何の関係があるのか。何の関係もない。そもそも荒木の言う「北朝鮮の派閥」云々など「何の根拠もない話」か「それなりの根拠があるが、8月宗派事件など、今の北朝鮮とは直接の関係はない大昔の話(自民党派閥で言えば、例えば今の日本政治と直接には関係ない三角大福中(三木*4、田中*5、大平*6、福田*7、中曽根*8)など)」であり呆れますが、「最近の話&根拠がある話」でもそんなことは「拉致の解決」と何の関係もないのだから話になりません。
 まさか荒木とて

◆「自民党を離党した小沢*9グループや武村*10グループ」と「社会党公明党民社党など」が「非自民」細川*11、羽田*12政権をつくった

ように「アンチ金正恩の派閥と、手を組んで拉致被害者を救出する」とは言わないでしょう。まあ言ったところで現実性皆無ですが。

*1:田中内閣建設相、三木内閣国土庁長官福田内閣防衛庁長官自民党国対委員長(大平総裁時代)、総務会長、幹事長(中曽根総裁時代)、中曽根内閣副総理、自民党副総裁(宮沢総裁時代)など歴任

*2:宇野内閣厚生相、宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相などを経て首相

*3:元「しんぶん赤旗」科学部長、同編集委員。元「東京民報」記者(Amazonの著者紹介による)。著書『宝の海を取り戻せ:諌早湾干拓有明海の未来』(2008年、新日本出版社

*4:国民協同党書記長、委員長、片山内閣逓信相、改進党幹事長(重光総裁時代)、鳩山内閣運輸相、自民党幹事長(石橋総裁時代)、政調会長(岸総裁時代)、岸内閣科学技術庁長官(経済企画庁長官兼務)、池田内閣経済企画庁長官、自民党政調会長、幹事長(池田総裁時代)、佐藤内閣通産相、外相、田中内閣副総理・環境庁長官などを経て首相

*5:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相自民党政調会長(池田総裁時代)、幹事長(佐藤総裁時代)などを経て首相

*6:池田内閣官房長官、外相、佐藤内閣通産相、田中内閣外相、蔵相、三木内閣蔵相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て首相

*7:大蔵省主計局長から政界入り。岸内閣農林相、自民党政調会長、幹事長、佐藤内閣蔵相、外相、田中内閣行政管理庁長官、蔵相、三木内閣副総理・経済企画庁長官などを経て首相

*8:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*9:中曽根内閣自治相・国家公安委員長自民党幹事長(海部総裁時代)、新生党代表幹事、新進党党首、自由党党首、民主党幹事長など歴任

*10:新党さきがけ代表、細川内閣官房長官、村山内閣蔵相など歴任

*11:熊本県知事、日本新党代表を経て首相

*12:中曽根、竹下内閣農水相、宮沢内閣蔵相、新生党党首、細川内閣副総理・外相などを経て首相。首相辞任後も、太陽党党首、民政党党首など歴任