常岡浩介に突っ込む(2022年5月24日分)

常岡浩介がAcefaceをリツイート
◆Acefaceがmasanorinaitoをリツイート
 日本の名誉教授の世界観はどうしてこんなにプーチンのそれに酷似しているのか
◆masanorinaito(内藤正典*1
 世界的にみれば、「同盟関係」なんてものを真に受けて「正義の為には自国の損失もやむなし」などと考える国は、ないと思った方が良い。

 常岡と類友らしいアホツイートで吹き出しました。
 第一にいつから内藤氏が「日本の名誉教授の代表」になったのか。
 第二に内藤氏の思惑*2が何であれツイート自体は正論でしょう。「プーチンの世界観」でも何でもない。例えばゼレンスキーにしても「少なくとも当面は米国は我々を支持するだろう」「その支持でロシアに対して勝ち目がある」との判断で動いてるのであって「米国は何があろうとも同盟関係で我々を支持してくれる」「正義の為には自国(ウクライナ)の損失もやむなし」などと考えてるわけではないでしょう。
 南ベトナム北ベトナムによって崩壊)やアフガン(タリバンによって崩壊)を見捨てた米国が「何があろうと同盟を重視」と考えるほどゼレンスキーも甘くないでしょう。
 勿論米国の方も「ウクライナ支持」において「正義の為には自国の損失もやむなし」なんて考えてない。だからこそウクライナへの武器供与などはしても「米軍部隊がロシア軍相手に戦う」なんてしないわけです。「ウクライナのために米国民を犠牲にするな」という国内世論をバイデンは無視できない。
 勿論これ(「同盟関係」なんてものを真に受けて「正義の為には自国の損失もやむなし」などと考える国は、ない)は日米安保も同じ話です。「尖閣有事の際には米国は日本と一緒に中国と戦ってくれる」などと考えるのは脳天気です。
 「尖閣のために米国民を犠牲にするな」という国内世論をバイデンは無視できない。結局、バイデンは「尖閣有事を起こさない方向(日中両国双方に有事など起こすなと牽制)」で動くでしょうね。

常岡浩介がリツイート
◆Aceface
 日本の知識人はどうしてプーチンではなくゼレンスキーの方に物申したくなるのか。ジャイアンには何も言えず、のび太にあてこすりばかり言ってるスネ夫みたいなもんか

 常岡と類友らしいアホツイートで吹き出しました。
 第一に「もの申す」とは「言及する」という意味であって「非難する」という意味ではない(この文脈はどう見ても「非難する」ですが)。
 第二に「正当な非難」ならゼレンスキー批判しても何ら問題ない。「不当な非難だ」つうなら「具体例出せ」つう話です(これは常岡と類友が具体例を出さないのはおかしいという指摘に過ぎず、俺の認識ではゼレンスキー批判の多くは「ロシアに甘い間違った認識」だとは思います)。
 第三に「日本の知識人」が軒並みゼレンスキーを非難し、プーチンに甘いなんて事実がどこにあるのか。
 そもそも常岡と類友は批判したい相手の名前を「きちんと出すべき」です。「日本の知識人」が軒並みゼレンスキーを非難し、プーチンに甘いかのようなツイートをするなど、「ロシアを批判する知識人」に対して失礼極まりない。
 と同時に「ロシアに甘い人間」に対しても「名前を出さない」のでは批判として弱い。
 第四に「プーチンジャイアン」「ゼレンスキー=のび太」ねえ。日本のワイドショーでの「ロシア非難」をみれば、とてもそんなことは言えないでしょう。日本において明らかにプーチンは「ジャイアン」ではない(あえて言えば日本で『ジャイアンに当たる外国』はむしろ米軍基地被害を居直る米国でしょう。そしてそんな米国にまともに抗議できない自民党政権スネ夫です)。
 むしろ「プーチンに甘い人間(れいわの山本など)」は主観的には「プーチンのび太」「米国=ジャイアン」「ゼレンスキー=ジャイアン(米国)にへいこらするスネ夫」ではないか。
 常岡らが「プーチンに甘い人間(れいわの山本など)」を批判するなら「ゼレンスキーをスネ夫扱いするのは歪んだ認識だ」でしょうに何故ここまでとんちんかんなのか。

*1:一橋大学名誉教授。同志社大学教授。著書『トルコのものさし日本のものさし』(1994年、ちくまプリマーブックス)、『絨毯屋が飛んできた:トルコの社会誌』(1998年、ちくまプリマーブックス)、『ヨーロッパとイスラーム』(2004年、岩波新書)、『イスラーム戦争の時代』(2006年、NHKブックス)、『イスラムの怒り』(2009年、集英社新書)、『イスラム:癒しの知恵』(2011年、集英社新書)、『イスラームから世界を見る』(2012年、ちくまプリマー新書)、『イスラム戦争』(2015年、集英社新書)、『限界の現代史:イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序』(2018年、集英社新書)、『イスラームからヨーロッパをみる』(2020年、岩波新書)、『プロパガンダ戦争』(2020年、集英社新書)など

*2:常岡と類友は勝手に「プーチン支持」や「ウクライナ冷笑」と決めつけてるようですが。