高世仁に突っ込む(2021年4/21日分)

社会現象になったBTS(防弾少年団) - 高世仁の「諸悪莫作」日記

 18日から2泊3日で岡山県倉敷市に取材に行った。

 高世が「取材の内容」について具体的なことは何も言わないのは何なんだろうなと思います。
 放送の予定が無いまま、取材してるので「結局お蔵入り」になる恐れがあることが恥ずかしいのか。
 雇われディレクター(?)として意に沿わない仕事をしているからか。

 倉敷といえば「美観地区」。
 この景観照明は通常のライトアップとは違って灯りがやわらかくまわるようになっていて、照明デザイナー石井幹子さんプロデュースによるものだ。かつて石井さんの「情熱大陸」を「ジン・ネット」で制作したことがあり、ご縁を感じながら夜の散歩を楽しんだ。

 「会社は潰したけど俺も昔はTBS系の情熱大陸で、石井さんという有名人の取材で一本番組つくったんだぜ」と自慢を始める高世です。滑稽というか何というか。

 アメリカではコロナ禍の影響で、アジア人に対するヘイトクライムが増加している。

 まあ確かに「コロナ禍のストレス」が犯行を助長してはいるでしょうが、まともな人間はどんな状態であれ、ヘイトクライムなんかしません。

 韓国カルチャーの躍進は、韓国の国家イメージやMade in Koreaの浸透につながっていく。日本政府は文化・芸術への支援にはいっこうに力を入れないが、このあたり、韓国を見習ったほうがいい。

 政府による文化支援に反対はしません。ただしBTSのような「大衆文化の流行」は国の支援云々という話では無いでしょう。
 あくまでも「韓国エンタメ業界にはそうした流行を世界に仕掛ける力があり、一方、日本エンタメ業界にはないらしい」という「日韓エンタメ業界の力量の差」でしかないでしょう。そうした力量の差が何故生まれたのかはともかく。
 ついでにいえば「文化の力」は重要ですが、それだけで国家イメージが決まるもんでもない。例えば「ハリウッド映画愛好」と「在日米軍基地問題での米国批判」は立派に両立するわけです。日本文化がどんなに世界に進出しても「安倍のような歴史修正主義極右」がでかい面をしてるようでは国家イメージは良くはならないでしょう。

 日本の若者たちがK-popに惹かれるわけを、ある人が、日本のエンタメ業界はテレビも含めて10代の青少年を「おきざり」にしているからだと分析している。

 「ある人って誰よ?」ですね。
 その御仁(エンタメ関係者?)の具体的な名前を出すなり、その御仁の書いた雑誌記事を引用するなりしなければ何の説得力もありません。
 というか、1)「K-POP」人気は何も「若者限定ではない」、2)K-POPに市場を奪われてるとは言え明らかに「ジャニーズやAKB」などは「若者をターゲットにしている」のでこうした物言いはミスリーディングでは無いか。
 「ターゲットにしても外してる」のは置き去りとはいわないでしょう。問題は「ジャニーズやAKBに無くてK-POPにあるものは何か」ということです。

 たしかにテレビは団塊の世代が主要なお客で、コンテンツも年配向けになっている。(テレビ局では「若い視聴者層を開拓せよ」と号令をかけてはいるが)

 「団塊ジュニア」の小生も若者に詳しくないので何とも言えませんが「え、そうか?」ですね。
 地上波ではもはや「団塊の世代(年配)にそれなりに受ける」であろう時代劇は「NHK大河ドラマ」等一部を除き、もはや絶滅状態ですが。俺が子どもの頃には、TBS「大岡越前」「水戸黄門」(月曜8時台)、フジテレビ「銭形平次」(水曜8時台)、テレビ朝日「遠山の金さん」(木曜8時台)、「暴れん坊将軍」(土曜8時台)などとゴールデンタイムに時代劇枠がありました(テレ朝に至っては枠が二つ)。しかし今やそんなものはありません。
 もちろん

NHK
団塊スタイル - Wikipedia(2012~2017年)
テレビ朝日
人生の楽園 - Wikipedia(2000年から)
 定年退職や早期退職した中高年のセカンドライフなどが取り上げられている
じゅん散歩 - Wikipedia(2015年から。地井武男の『ちい散歩』(2006年~2012年)、加山雄三の『若大将のゆうゆう散歩』(2012~2015年)を引き継いでいる)
 散歩番組(この種の番組はテレ朝以外でも、フジテレビ有吉くんの正直さんぽ - Wikipedia(2012年から)、テレビ東京朝の!さんぽ道 - Wikipedia(2017~2020年)などがありますが、どうみても中高年層がターゲットでしょう)
やすらぎの郷 - Wikipedia(2017年に放送)
 石坂浩二(1941年生まれ)、浅丘ルリ子(1940年生まれ)、加賀まりこ(1943年生まれ)、八千草薫(1931年生まれ)などと主な出演俳優が高齢者ばかりの異色のドラマ。
やすらぎの刻〜道 - Wikipedia
(2019~2020年に放送)
 やすらぎの郷 - Wikipediaの続編。

など「中高年層をメインターゲットとしている」と見られる番組はいくつかありますが、高世が言うほどそれが主流と言えるか。
 特にやすらぎの郷 - Wikipediaなど『北の国から』で付き合いのあるフジテレビに倉本聰が話を持って行ったら「そんな中高年俳優ばかりのドラマで視聴率が取れるわけがない」と断られて、今まであまり付き合いが無かったテレビ朝日にあえて話を持って行った(これを機会に倉本がフジと縁が切れて、テレ朝と付き合いが深まるなら、低視聴率でも良いと腹をくくったテレ朝があえて放送したら予想外に受けた)といういわくがあるドラマです(倉本はこの件で相当フジを恨んでいるらしい)。
 もちろんやすらぎの郷 - Wikipediaにしても「中高年をテーマにしたから受けてる」という単純な話では無いでしょう。倉本脚本と俳優たちの力によって視聴率が取れてるわけです。やすらぎの郷 - Wikipediaをまねて似たような「中高年俳優ばかりのドラマ」をつくろうとする挑戦者(?)も事実いない。
 これについては

春の嵐か 民放大改編 個人視聴率重視で競争激化:東京新聞 TOKYO Web
 民放キー局は変化が際立つ新年度スタートとなった。長寿番組の終了や看板司会者の相次ぐ交代など、例年にない「大改編」の春を迎えた。動画配信の著しい伸びなどメディア環境が激変する中で、各局が重要視する若者やファミリー層を取り込めるのか。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんと探ってみると−。 (鈴木学)
◆長寿番組
 三月、二十五年続いた日本テレビトークバラエティーメレンゲの気持ち」、二十二年のフジテレビ「とくダネ!」など十年以上続いた番組が相次いで終わった。木村さんは「終了が相次いだ最大の理由は、(ボーガス注:「高齢者を含む全体視聴率」の高さよりも若者視聴率の高さを重視する)視聴率調査のリニューアル」と解説する。
 スポンサーは、購買意欲が旺盛な十〜四十代の個人視聴率が高い番組を求めている。「長寿番組は視聴者層も高齢化し、どこで区切りを付けるのかが課題だった。そこにコロナによる広告収入の減少が追い打ちをかけたため、(番組終了が)加速度的に進んでいる」と分析する。
 視聴率は悪くはなかった「メレンゲ」の終了も「若者対策」といい、タレント指原莉乃らが出演する後継の大型生番組「ゼロイチ」(土曜午前十時半)などを引き合いに、「特に土日の日中や午後に金脈があるとみて、風穴を開けにきた」。TBSが、三十年以上続いた「噂の!東京マガジン」(日曜午後一時)をBS−TBSの同じ時間に移し、ジャニーズの若手グループなどが出演する番組に変えるのも同様の理由とみる。

などという記事も紹介しておきます。
 仮に「中高年層がターゲットとなっている番組」が長く続いているとしても、それは「春の嵐か 民放大改編 個人視聴率重視で競争激化:東京新聞 TOKYO Webが指摘するように昔から続く番組が結果的にそうなり、それなりに視聴率もあるので(新番組に変えてかえって低視聴率になるリスクを考えると)なかなか打ち切れない」というパターンがほとんどでしょう。
 「人生の楽園」のような最初から「明確に中高年を狙ってる番組は少ない」でしょう。もちろん「明確に中高年を狙ってる番組」だってあっていっこうにかまわない。世の中は若者だけで成立しているわけではない。

 先月、日本レコード協会は、「第35回日本ゴールドディスク大賞」の受賞作品・アーティストを発表した。
 この1年間に最も活躍した*1アーティストに授与される「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」の邦楽部門は、嵐が2年連続7度目の受賞、洋楽部門はクイーンが3年連続4度目の受賞。
 それにしても、相も変わらず「嵐」と「クイーン」が毎年トップになる日本の音楽シーンとはいったい何だ? この国は眠っているのか?(ボーガス注:1991年にボーカルのフレディ・マーキュリーが死去した)「クイーン」なんか買っているのは、おじさん、おばさんだろう。

 つまりは今の若者は音楽を聴かないと言うことなんですかね?。それとも意外なことに「若者がクイーンを支持してる」のか。

*1:というか「売り上げが一番多かった」ということですが。