「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年7/4分:荒木和博の巻)

夜行列車の話(R3.7.4): 荒木和博BLOG

 令和3年7月4日日曜日のショートメッセージ(Vol.457)。もう絶滅危惧種に近い夜行列車のお話しです。

 6分程度の動画です。荒木は土日は「肩のこらない話題を」といって拉致と何一つ関係ない「荒木の鉄道趣味」をやりますが今日もそれです。
 荒木が言うように「夜行列車」は確かに「絶滅危惧種に近い」でしょう。
 昔は

津軽海峡・冬景色*1(1977年発売。三木たかし作曲、阿久悠作詞)
 上野発の夜行列車降りたときから青森駅は雪の中

なんて歌もありましたが。
 何せ、「早く目的地に行きたい」なら飛行機や新幹線があります。費用を安くあげたいなら「夜行バス」がある(追記:とはいえフランスで夜行列車復活 温暖化対策で航空機避ける動き | 環境 | NHKニュース【国際情勢分析】欧州で復活する夜行列車、仏蘭など「飛び恥」影響 - 産経ニュースによれば欧州では夜行列車復権の機運があるそうですが)。
 まあ、「都内で夜遅くまで残業してる(あるいは飲み屋で飲んでる)人間相手」に「夜間もずっと列車を走らせる」なんてことは考えられますが、ここで荒木が言う夜行列車はそういうものを想定してない。そして実際問題、そういう夜行列車は「大晦日の初詣客相手」等の一部例外を除いて走らせてないわけです(夜行列車 - Wikipedia参照)。
 そして夜行列車 - Wikipediaを見れば解るように現在、走ってる夜行列車のかなりの部分は

TRAIN SUITE 四季島 - Wikipedia
TWILIGHT EXPRESS 瑞風 - Wikipedia
ななつ星in九州 - Wikipedia
といった「観光客向けの高級寝台列車

東武鉄道夜行列車 - Wikipedia
東武鉄道尾瀬夜行』(夏の尾瀬観光シーズン(5~10月)の金土及び休日前日のみ運行)
東武鉄道『スノーパル』(冬のスキーシーズン(12~3月)の金土及び休日前日のみ運行)
といった「観光客向けの期間限定列車」

です。昔とは性格がかなり違う。
 さて荒木も動画で話してますが

東北新幹線、臨時で「夜行」 東京五輪の観客を未明まで輸送 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
 JR東日本は、7月下旬に宮城県利府町宮城スタジアムで開催される東京五輪男女サッカー競技の観客を輸送するため、試合開催日の翌日未明にかけ、東北新幹線に臨時列車を走らせる。東北新幹線の「夜行」は初めてとみられる。

なんて話が出てるようです。
 荒木曰く「新幹線の夜行は過去に前例がなく、今後もあるか解らないので私のような鉄道ファンが結構乗るのではないか」。

【参考:夜行列車ニュースいろいろ】

夜行快速「ムーンライトながら」なぜ廃止になったのか? 仕方がないことなのか? | 乗りものニュース- (2)2021.1.24
 「大垣夜行」の流れを汲む臨時夜行快速「ムーンライトながら」。その廃止理由は、やはりJRが合わせて挙げている「お客さまの行動様式の変化により列車の使命が薄れてきたこと」が大きいのでしょう。
 新幹線はもちろん、高速バスやLCCなど、東海道の移動手段は21世紀に入っていっそう豊かになりました。夜を明かすにしても、ホテルからネットカフェまで、いろいろある時代です。
 「ムーンライトながら」は、2009(平成21)年まで毎日運転の列車でしたが、当時、期間限定で販売される「青春18きっぷ」のシーズン以外は空いていました。すでにそのとき「『青春18きっぷ』と500円ほどの指定席券で東海道を安価に、宿代も浮かして移動できる」という列車になっていた、と言えるかもしれません。
 JRが「ムーンライトながら」を積極的に運行する理由は、見つかりにくいところです。

「救いの神」の廃止が象徴する夜行列車の衰退 : 東洋経済オンライン : 深読み : 読売新聞オンライン2021.2.15
 鉄道ファンの間で大きな関心がもたれているのが、(ボーガス注:夜行の)快速列車「ムーンライトながら」の運行停止、つまり廃止のニュースだ。
 この列車は「青春18きっぷ」に代表されるような安い鉄道旅を指向する旅行者にとって、格安で東海道を移動できる、「救いの神」のような存在の特別な列車であった。
 深夜、東京駅を出発したこの列車は早朝、大垣駅に着くと、特別料金の要らない快速列車や普通列車を乗り継ぐことで、その日のうちに山陽路から九州方面まで足を延ばすことができる。
 日単位で使う「青春18きっぷ」であれば、2000円少々にわずかの追加料金(日付が変わるまでの前日分の短い区間の運賃と指定席料金)で東京から九州まで移動できてしまうという、破格の節約旅を提供してくれていたのだ。
 JRが発表した「ムーンライトながら」廃止の理由には、「お客さまの行動様式の変化により列車の使命が薄れてきた……」とある。たしかに、新幹線網が全国に広がり航空路線も充実したうえ、LCCの台頭で運賃も下がっているなど、夜行列車のニーズが減っているのは間違いない。
 しかし、人々が“夜間の移動”をしなくなったのかというと、そうではない。深夜、高速道路を疾走し、都市と都市を結ぶ夜行高速バスは「花盛り」といってよい盛況だ。
 かつて夜行バスといえば、フルフラットで眠ることができる鉄道の寝台車と比べると「狭い」「寝られない」「疲れる」といったマイナスイメージが強かったが、「独立3列シート」「女性専用車」「深いリクライニングシート」に、半個室仕様の豪華車両も登場するなど進化を続け、若い女性1人でも気軽に利用できるようになった。
 筆者の教え子である関西の女子大学生たちも、「東京ディズニーリゾートに行ってきました」と報告してくれた際に、「どんな乗り物で?」と尋ねると、かなりの割合で、「夜行バス」という答えが返ってくる。「ムーンライトながらで」という答えは決して聞くことはない。
 夜行列車の衰退は、「お客さまの行動様式の変化」というよりも、「高速バスの利便性に負けて……」といったほうが実態に近いといえそうだ。
 「ムーンライトながら」の廃止に限らず、そもそも現在、JRで定期的に運行されている夜行列車は、現在、東京駅を夜10時に出発し、高松と出雲市に向かう特急「サンライズ瀬戸・出雲」(岡山駅で2方向に分割)のみという衰退ぶりである。

フランスで夜行列車復活 温暖化対策で航空機避ける動き | 環境 | NHKニュース2021.5.21
 フランス政府が地球温暖化対策の一環で夜行列車を復活させる計画を進める中、20日夜、首都パリと南部を結ぶ路線で最初の列車が出発しました。
 フランス政府は温室効果ガスの排出量が航空機より少ないとされ、長距離を安く移動できる夜行列車を復活させる計画を進めていて、首都パリでは20日夜、南部のニースとを結ぶ路線で、最初の列車が駅を出発しました。
 出発を前にカステックス首相が「夜行列車の再開をとてもうれしく思う」などと述べて、利用を呼びかけたあと、鉄道会社のトップらとともに列車に乗り込みました。
 フランスでは、かつてパリと地方都市を結ぶ夜行列車が数多く運行されていましたが、高速鉄道の整備が進んだことや、格安航空会社の台頭で利用者が減ったことから次々と廃止され、現在、国内の都市を結ぶ路線は2つだけになっています。
 パリとニースを結ぶ路線は3年半ぶりの運行再開で、東京ー博多間とほぼ同じおよそ1090キロを12時間近くかけて走ります。
 高速鉄道に比べて、所要時間は6時間ほど長くなりますが、料金は最も安い座席で日本円で2500円ほどに抑えられています。
 ヨーロッパでは、温室効果ガスの排出量が多いとして、航空機の利用を避ける動きも広がっていて、フランス政府も国内の短距離路線について、鉄道で代替できる場合は運航を認めない方針を決めています。

【国際情勢分析】欧州で復活する夜行列車、仏蘭など「飛び恥」影響 - 産経ニュース2021.6.29
 日本で惜しまれつつも次々と姿を消している夜行(寝台)列車が、欧州で今、再び脚光を浴びて復活し始めている。背景には、大量の温室効果ガスを排出する航空機での移動をなるべく避けようと呼びかける「飛び恥」運動の浸透があり、各国政府も夜行列車の復活を後押ししている。フランスでは、高速鉄道で2時間半以内に到着する距離の航空路線は、国際線の乗継便を除き全面的に廃止される見通しだ。

*1:石川さゆりNHKNHK紅白歌合戦』で、紅白初出場となった1977年(第28回)をはじめ、1982年(第33回)、1993年(第44回)、2000年(第51回)、2007年(第58回)、2009年(第60回)、2011年(第62回)、2013年(第64回)、2015年(第66回)、2017年(第68回)、2019年(第70回)と11回歌唱している(津軽海峡・冬景色 - Wikipedia参照)。