「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2021年9/25日:荒木和博の巻)(注:鮎川哲也『黒い白鳥』『憎悪の化石』、松本清張『ゼロの焦点』の一部ネタばらしがあります)

時刻表の話(R3.9.26): 荒木和博BLOG
 7分50秒の動画です。拉致問題と関係ねえだろ、と見る気が失せます。そもそも荒木は「鉄道写真と鉄道模型が趣味」といっており「時刻表について詳しい知識があるとは思えない」という意味でも見る気が失せますが一応視聴します。
 「時刻表なしの行き当たりばったりの旅が好きだ」と言い出すのだから「おいおい」ですね。「時刻表の話」というから「マニアにとっては常識的な浅い知識」にすぎないにしても何か「時刻表うんちく」が出るのかと思いきや全然違う(苦笑)。後は「北朝鮮にはろくな時刻表がないが日本はきちんとした時刻表がある」つう「日本美化&北朝鮮への悪口」。素人の俺ですら呆れるほど、中身がなさ過ぎて「やれやれ」ですね。
 さて荒木の動画と関係ないことを適当に書くと
1)時刻表と言えば宮脇俊三

宮脇俊三 - Wikipedia参照
◆『時刻表2万キロ』(1980年、河出文庫1984年、角川文庫)
◆『時刻表ひとり旅』(1981年、講談社現代新書)
◆『時刻表おくのほそ道』(1982年、文春文庫)
◆『時刻表昭和史』(1987年、角川文庫→2015年、角川ソフィア文庫
◆『線路のない時刻表』(1989年、新潮文庫→1998年、講談社文庫→2014年、講談社学術文庫)

等の著書があります。
2)時刻表と言えば鉄道ミステリ(時刻表アリバイトリック)
 まあ、日本では

松本清張『点と線』
鮎川哲也の鬼貫*1警部シリーズ
 1960年には、鬼貫シリーズの『憎悪の化石』、『黒い白鳥*2』により、鮎川が第13回日本探偵作家クラブ賞(現在の日本推理作家協会賞)を受賞。
◆西村京太郎の十津川警部シリーズ

あたりが比較的有名ですかね。

参考

【本の感想】鮎川哲也『黒い白鳥』 | WebあれこれLepee
 犯人の目星が付いてからは、鬼貫警部のアリバイ崩しを中心に、物語が展開します。
 時刻表を使ったオーソドックスなトリックがあるものの、鬼貫警部の論理的な思考の冴えが際立つほどに難解です。そんな偶然があるの?という腑に落ちない点が途中見られるのですが、終わってみればきっちりと落とし前がつきます。

鮎川哲也『憎悪の化石』 ネタバレあり : ふなずしっのblog
 時刻表トリック。犯行当日はダイヤ改正時にあたり、時刻表と実運行状況の違いを利用。
 「大幅改正の場合はだね、長距離列車にかぎって三、四日以前から新ダイヤで運行されるんだ(鬼貫)」
 犯人は旧ダイヤをもとにアリバイを主張、実際は、新ダイヤで運行された列車に乗って移動していた…。
 時刻表トリックは…正直、何じゃそれ?そんなの普通に裏取り調査すれば(国鉄に確認すれば)すぐわかるんでは?と思ったが、そこは探偵小説、ってものなんだろう。


中国は北朝鮮が嫌いだが切るに切れないという話(R3.9.25): 荒木和博BLOG

 令和3年9月25日土曜日のショートメッセージ(Vol.539)。中国と北朝鮮は「血で結ばれた同盟関係」とか言いますが真っ赤な嘘です。

 7分18秒の動画です。動画タイトルと説明文だけで見る気が失せます。見なくても説明文だけで批判可能ですが「一応視聴」しました。
 いつもながら荒木が実にくだらない。何がくだらないか。
 まず第一にそんなことが拉致解決(拉致被害者の帰国)と何の関係があるのか?。何の関係もない。
 第二に

「血*3で結ばれた同盟関係」

というのは「言葉の綾」「リップサービス」で「本心ではない」「中朝関係に限らず国家間関係とはもっとシビアなもんだ」なんてことは今更荒木が言わなくても皆解っている。
 まあ「中国が北朝鮮を嫌ってるかどうか(荒木の主張)」はともかく「北朝鮮のためなら死んでもいい」なんて関係ではないでしょう。
 「中国と北朝鮮」の関係は勿論

【深い友情関係】
刎頸の交わり - Wikipedia
◆『走れメロス』のメロスとセリヌンティウス
マルクスエンゲルス
【男女の恋愛関係】
愛と死をみつめて - Wikipediaのマコとミコ
◆TBS赤いシリーズ - Wikipedia三浦友和山口百恵
【強い政治的信念(?)】
徳川慶喜が降伏しても、箱館戦争に参加して戦死した土方歳三(幕府への強い忠誠心と明治新政府への強い反感?)
伊藤博文を暗殺し、死刑となった安重根(朝鮮王朝への強い忠誠心と日本政府への強い反感?)

のような「時に命すら賭ける」ような「ウェット(?)な関係」ではない。
 まあ、「自民党公明党(小渕自自公連立政権(1998年)から20年以上に及ぶ関係)」「連合と立憲民主党」などのような関係(本来、別団体なので関係を切ってもいいのだがしがらみで切れない)だろうとは思います。
 いずれにせよ、「中国と北朝鮮」が密接な関係であり

ニクソン米国】
◆軍を南ベトナムから撤退(撤退後に北ベトナムによって南ベトナム政権崩壊。ベトナムの南北統一実現)
ゴルバチョフソ連
◆東欧の共産体制崩壊を容認した
◆軍をアフガンから撤退(撤退後にアフガンゲリラによって親ソ連政権が崩壊)
【バイデン米国】
◆軍をアフガンから撤退(撤退後にタリバンが政権奪取)

ようなことはあり得ないことは明らかなわけです。
 であるのなら「中国は北朝鮮を支援し続ける」つう前提で話を考えるしかない。「本当は中国は北朝鮮を嫌ってる」なんて言っても、仮にそれが事実でも何の意味もない。
 さて「統計データ上、北朝鮮を最も支援しているのは中国」ですが「ロシアも支援していること」を忘れてはいけないでしょう。
 荒木は「中国の北朝鮮支援」についてはこのように語っても、「ロシアの北朝鮮支援」についてはほとんど何も言いませんが。
 それは「中国>ロシア(北朝鮮支援の金額)」というよりは「反共右翼の荒木」が「中国>ロシア(荒木の持つ敵意や反感)」ということでしょう。

*1:江戸時代の俳人上島鬼貫 - Wikipediaからヒントを得て命名されたと言われる。

*2:松本清張ゼロの焦点』と、1)発表時期がほぼ同時期、2)犯行動機が同じ(犯人には売春婦という隠したい過去があった)ということでも有名な作品(例えば<「ゼロの焦点」 その9> : のすたる爺の書斎からyuブログ 鮎川哲也「黒い白鳥」参照)。

*3:朝鮮戦争で共に米軍と戦い血を流したことを意味する。