「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年9/2日分:荒木和博の巻)

関連書籍一覧を作成【調査会NEWS3648】(R4.9.2): 荒木和博BLOG
 「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年8/31日分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログで批判した文科省から自治体に図書館の拉致問題関連図書充実について要請【調査会NEWS3645】(R4.8.31): 荒木和博BLOGの続きです。

 8月31日付3645号でお知らせしたように、文科省から都道府県・政令市に対し拉致問題に関する書籍を図書館に充実させるよう要請文書が発出されました。これにあわせて特定失踪者家族会作成・特定失踪者問題調査会監修の拉致問題北朝鮮人権問題関連書籍一覧を作成しました。

 やれやれですね。やはり文科省の通達(そもそも荒木らがウヨ政治家を使って恫喝し、文科省に出させた「モリカケ桜での利益誘導」と同様の代物、「自作自演」「マッチポンプ」でしょうが)を口実に自分らの本を自治体(公立図書館、学校図書館)に押し売りする気のようです。
 自分たちの政治活動に公金が堂々と支出されるのだから、連中が活動をやめないのも道理だ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)と言う話ですね。どこまで下劣なのか。家族会もよくこんな連中と付き合い続けるもんです。

 掲載されている書籍には私たちと意見の異なるものもできるだけ掲載しました
拉致問題・北朝鮮人権問題関連書籍一覧と文科省・拉致対文書: 荒木和博BLOG

 語るに落ちてますね。ここで「利権あさりと誤解されたくないので我々の本は除外しました」にならない辺りが実に下劣です。
 しかも「できるだけ」て。ここで「拉致に関する本は基本的に全て掲載しました」にならないあたりも実にくだらない。
 さて「私たちと意見の異なるもの」というのが

【図書(刊行年順)】
◆和田春樹『朝鮮有事を望むのか:不審船・拉致疑惑・有事立法を考える』(2002年、彩流社
◆和田春樹『同時代批評:日朝関係と拉致問題 2002年9月~05年1月』(2005年、彩流社
◆太田昌国、蓮池透『拉致対論』(2009年、太田出版
蓮池透『拉致:左右の垣根を超えた闘いへ』(2009年、かもがわ出版
青木理蓮池透、和田春樹ほか『拉致問題を考えなおす』(2010年、青灯社)
青木理『ルポ 拉致と人々:救う会公安警察朝鮮総連』(2011年、岩波書店
蓮池透『13歳からの拉致問題』(2013年、かもがわ出版
蓮池透拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(2015年、講談社
蓮池透辛淑玉『拉致と日本人』(2017年、岩波書店
◆太田昌国『【増補決定版】「拉致」異論』(2018年、現代書館
◆和田春樹『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)
有田芳生北朝鮮拉致問題:極秘文書から見える真実』(2022年、集英社新書)

なのかを一応確認してみます。拉致問題・北朝鮮人権問題関連書籍一覧と文科省・拉致対文書: 荒木和博BLOGを見たところ、「赤字の著書は、荒木作成のリストにありました」。正直「一冊も紹介しないか」と思っていたので意外です。しかし「赤字(リスト掲載)」と「それ以外(不掲載)」は荒木にとって何が違うんですかね?。但し「アリバイ作り」のために「リストに挙げただけ」で押し売りするのは専ら後で紹介する「荒木らウヨの著書」でしょうが。
 とはいえ、やはり、リストのほとんどが

【図書(刊行年順:刊行年が同じ場合は著者名順)】
◆荒木和博『拉致救出運動の2000日』(2002年、草思社
◆荒木和博『拉致』(2005年、勉誠出版
◆荒木和博『日本が拉致問題を解決できない本当の理由』(2009年、草思社
◆荒木和博『山本美保さん失踪事件の謎を追う:拉致問題の闇』(2012年、草思社
◆荒木和博『北朝鮮拉致と「特定失踪者」』(2015年、展転社
西岡力横田めぐみさんたちを取り戻すのは今しかない』(2015年、PHP研究所
◆荒木和博ほか『自衛隊幻想:拉致問題から考える安全保障と憲法改正』(2016年、産経新聞出版
◆阿部雅美『メディアは死んでいた:検証・北朝鮮拉致報道』(2018年、産経新聞出版
◆篠原常一郎『北朝鮮拉致問題を正しく理解するためのチュチェ思想入門』(2021年、扶桑社)
◆村主道美『拉致問題と日朝関係』(2021年、集広舎)
◆藤田隆司『北朝鮮よ、兄を返せ:「特定失踪者」実弟による手記』(2022年、ハート出版)

といった荒木と「荒木のウヨ仲間」の本です。予想の範囲内ですが荒木が自分の本を「上記だけ」でも6冊(うち1冊は共著)*1も入れていること、そのうちの一つが「山本美保さんDNA鑑定捏造疑惑」などという明らかなデマがネタである◆荒木和博『山本美保さん失踪事件の謎を追う:拉致問題の闇』(2012年、草思社であることには心底呆れます。
 なお、荒木のリストには

【拉致がネタとは言え、ただの小説】
志茂田景樹*2北朝鮮崩壊す』(1994年、飛天出版)
◆喜多由浩*3『アキとカズ』(2015年、集広舎)
月村了衛*4『脱北航路』(2022年、幻冬舎
 いずれも書き手が「自分に都合のいい設定をしてるだけ」なのでお話にならない。そもそも志茂田も月村も拉致の専門家ではなくただの「娯楽小説作家」でしかない。
 こんなのは
◆『ランボー3・怒りのアフガン』(1988年)でアフガン問題を論じる
かわぐちかいじのウヨマンガ(『沈黙の艦隊』など)で防衛問題を論じる
◆『ゴルゴ13』で国際政治を論じる
くらい馬鹿げています。
 それはともかく、今の志茂田は明らかにこの種の反北朝鮮言説は『俺の知る限り』してないので「北朝鮮言論から撤退した関川夏央*5」同様、こんなもんは志茂田本人にとって黒歴史でしかないでしょう。
 志茂田は一時期『激烈!帝国大戦』、『激烈!第二次帝国大戦』(以上、徳間文庫)など「架空戦記物」を多数書いてるのでこれも恐らくはそれの「ワンオブゼム」でしかない。
 志茂田景樹 - Wikipediaにも実は「荒木がリストに挙げた著書『北朝鮮崩壊す』はない」ので「荒木も良くこんな珍本を見つけ出したもんだ(苦笑)」ですね。つうか、失礼ながら志茂田って世間の扱いは「タレント」であって「小説家として成功した」とはとても言えないと思いますね。その点では「漫画家よりもタレント扱いされることが多い蛭子能収」などに似ている気がします。「北朝鮮よりむしろ志茂田の方が物書きとして崩壊してる(要するに売れてない)」ではないか?。恐らくそう言ったら志茂田本人は激怒するのでしょうが(苦笑)。
北朝鮮とは関係があるが拉致とは関係がない】
朝鮮人強制連行真相調査団編『朝鮮人強制連行調査の記録』(柏書房:<四国編>1992年、<大阪編><兵庫編>1993年、<中部・東海編>1997年、<中国*6編>2001年、<関東編>2002年)
 日本軍の朝鮮人強制連行(勿論連行場所の一部は今の北朝鮮ですが)と北朝鮮拉致と何の関係があるのか?。何の関係もない。荒木のようなウヨがこうした著書を好意的評価してるとも思えません。まあ、本自体は「良い本」と思いますが。
萩原遼朝鮮戦争』(1997年、文春文庫)
李英和北朝鮮秘密集会の夜』(1994年、文春文庫)
◆五味洋治『父・金正日と私:金正男独占告白』(2012年、文春文庫)
産経新聞取材班『朝鮮大学校研究』(2017年、産経新聞出版

という「拉致解決に何の関係が(呆)」と言わざるを得ない酷い代物が混入しています。まあ拉致と関係がある物だって荒木や西岡らの著書はまともではありませんが。

 地方議員の皆さんは関連書籍の図書館への収蔵状況についてご確認いただき、少ない場合はぜひ増やしていただくようお願いします。

 ウヨ政治家に図書館への恫喝を唆してるのだから呆れたクズです。


◆荒木ツイート

荒木和博 on Twitter: "令和4年9月3日土曜日「荒木和博のショートメッセージ」第872号。ぜひ各図書館に拉致問題・北朝鮮人権問題関連書籍が入るよう御協力をお願いします。 https://t.co/mx4bkwCFcV @YouTubeより" / Twitter
図書館の拉致関係書籍充実に御協力をお願いします(R4.9.3 ) - YouTube

 5分38秒の動画です。公立図書館を悪用した利権あさりでしかなく心底反吐が出ます。

荒木和博 on Twitter: "令和4年9月1日木曜日「荒木和博のショートメッセージ」第870号。コメントで海自哨戒機が工作船を発見していたとのお話しがありました。実はこのような話は相当あったのです。問題はその情報が共有されていなかったことにあります。https://t.co/7nK87JGPOP @YouTubeより" / Twitter
工作船などの情報共有ができていなかった話(R4.9.1) - YouTube

 7分24秒の動画です。明らかに「拉致被害者帰国」と関係ないので見る気が失せます。馬鹿馬鹿しいので説明する気にも批判する気にもなりません。興味のある方は視聴して下さい。馬鹿馬鹿しいので視聴することをおすすめはしませんが。

*1:実は他にも荒木『靖国の宴:戦って散った男たちのおとぎ話』(2016年、高木書房)という「どう見ても拉致と関係ない代物」も荒木著書としてリストに入っています。荒木のクズさには心底呆れます。

*2:1980年、『黄色い牙』で直木賞を受賞

*3:産経新聞編集委員。著書『旧制高校物語:真のエリートのつくり方』(2019年、産経NF文庫)、『韓国でも日本人は立派だった:証言と史料が示す朝鮮統治の偉業』(2020年、産経NF文庫)、『台湾の日本人:証言と史料が示す「親日」のルーツ』(2022年、産経新聞出版)など

*4:1988年、テレビアニメ『ミスター味っ子』で、脚本家としてデビュー。1997年に放映されたアニメ『少女革命ウテナ』、2001年に放映されたアニメ『ノワール』でも脚本を担当。しかし、もともと小説家志望であったため、40歳を過ぎたころから再び小説を書き始め、「脚本家は廃業」と後年記している。2010年、早川書房から『機龍警察』で小説家としてデビュー。2013年、機龍警察シリーズ3作目『機龍警察・暗黒市場』で吉川英治文学新人賞受賞。2015年に時代小説『コルトM1851残月』で大藪春彦賞を、冒険小説『土漠の花』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。2019年、『欺す衆生』で山田風太郎賞受賞(月村了衛 - Wikipedia参照)。

*5:紹介はしませんが関川の本も荒木リストに入っています。

*6:中国大陸ではなく「中国地方(山口・広島・岡山・島根・鳥取)」のことです。