珍右翼・黒坂真に突っ込む(2022年1月23日分)

◆黒坂のツイート

黒坂真
 日本共産党で長く平和問題を担当している川田忠明さん*1は、北朝鮮と話し合うために国交を樹立すべきと主張しています。朝鮮労働党は日本政府と話し合いなどしません。日本人と話し合いをする集団なら、被拉致日本人はとっくに帰国できています。

 思わず脱力しました。
 まず第一に黒坂は「金丸訪朝による第18富士山丸船長帰国」「小泉訪朝による拉致被害者帰国」をどう理解しているのか。
 第二に「話し合いによる拉致被害者帰国」は共産党の独自見解ではなく「小泉訪朝以降、現在の岸田政権に至る歴代政権」の方針でもある。黒坂は歴代首相にも「間違っている」というのか。
 第三に「話し合いによる解決」を否定したら事実上「拉致被害者救出断念」ということにしかなりません。
 荒木和博が放言する「自衛隊での救出」など拉致被害者の居場所が分からない以上出来る話ではない。
 さて、黒坂の主張を信じるならば、「拉致解決なくして国交正常化なし(歴代与党や外務省、家族会、救う会拉致議連)」ではなく「国交正常化なくして拉致解決なし(交渉ルートを確立するためにも国交正常化を先行すべき)」が川田氏の考えのようです。
 黒坂はデマ常習なのでうかつに信用できませんが、「話を進める都合上」ひとまず「事実である」と前提します。ちなみに和田春樹氏も著書『安倍首相は拉致問題を解決できない』(2018年、青灯社)で国交正常化先行を主張しています。
 俺も全く同感ですね。
 前も別記事珍右翼・高世仁に突っ込む(2022年1/22日分)(副題:今日も高世に悪口する) - bogus-simotukareのブログで指摘しましたが、「シベリア抑留」について「遺骨の回収」などが終わらなくても日本はソ連と国交を回復しました。
 勿論それは「日ソ国交正常化が出来ないと、ソ連の拒否権発動で日本の国連加盟が出来ない」という特殊事情もありましたが、「国交正常化がむしろ抑留問題解決に資する」という判断もあった。北朝鮮拉致問題も全く同じではないのか。
 川田氏のこうした主張が「彼の私見」にとどまらず、彼の所属政党である日本共産党の公式方針となり、「国会の場で志位委員長らがそのように主張すること」を期待してやみません。
 まあ、国交正常化はすぐにはできないにしても、「日中国交正常化前に中国に常駐事務所を設置した」ように、日本政府は早急に「常駐事務所は設置すべき」でしょう。日本共産党もまずは「国会論戦」で志位委員長自ら「常駐事務所の設置」を質問してほしい。
 家族会や救う会の攻撃はすさまじいものになるでしょうが、失礼ながら「その程度の攻撃は覚悟して正論(常駐事務所の設置)を言う」のが「小林多喜二(特攻による虐殺)」「野呂栄太郎(獄中で肺結核を悪化させ病死)」などの「精神を受け継ぐ」と主張する「共産党のやるべき事」でしょう。
 俺的には石破元幹事長が総裁選で「常駐事務所設置論」を主張した際に「石破氏の主張のうち、常駐事務所設置論については我々も同意見だ」と志位委員長に言ってほしかったところですが。
 俺も「党員でも後援会員でもない人間(支持者とはいえ、党外のソフトな支持者にすぎない)」がこんなことを言うのは正直「越権行為ではないか」と「心苦しい面がある」のですが、そうした行為を共産党には期待しています。勿論「そうした期待が実現しなくても」、『残念だ』とは思っても、その程度で共産党支持を辞めたりはしませんが。

黒坂真
 日本共産党で平和問題を担当なさっている川田忠明さんのお話は、金正恩に核ミサイル攻撃をされても日本は一切反撃するな論です。

 勿論、「川田氏の主張の是非」はともかく、彼はそんなバカなことは何一つ言っておらずデマ中傷にもほどがある。信憑性皆無の『明らかなデマ』なので、むしろ実害は少ないですが、共産党側も「名誉毀損での刑事告発や民事提訴」「大学への懲戒処分要求」など、法的措置を執るべきではないか。
 川田氏の主張は
1)大義名分と勝ち目がなければどこの国も戦争などしない→だから北朝鮮による核ミサイル攻撃など、まずあり得ない
2)北朝鮮に暴発させないようにするには軍事対応よりもむしろ外交対応(例:韓国の太陽政策)が重要
と言うだけの話です。「北朝鮮による核ミサイル攻撃」のどこに北朝鮮の「大義名分と勝ち目」があるのか。
 そもそも歴史上「核兵器の実戦使用」は「米国による広島と長崎」しかありません。核保有国は「五大国(米英仏中露)」「インド」「パキスタン」がありますが、国際的批判を考えたら「核兵器の実戦使用」など出来る話ではない。
 朝鮮戦争ベトナム戦争では「戦争の泥沼化」から「核兵器使用論」が米軍の一部から出ましたが、結局「国際的批判」を恐れてやりませんでした。
 黒坂も「大学教授」の看板を掲げながら「まともな批判」ならまだしも、良くもデマの流布が出来るもんです。

黒坂真
 秋間洋議員。女性が家に支配される社会構造が戦争遂行と一体、というお話ですがそれなら(中略)米国には家制度などありませんから、戦争と無縁という話になる。
◆秋間洋*2
 日本共産党台東区議を4期務めた五十川チトセさんが本日亡くなった。台東区男女平等推進プラザの発足に貢献。
 「女性の地位向上をめざす私の原点は戦争体験」。
 女性が家に支配される社会構造と戦争遂行は一体と、体験に裏付けられた思想が戦争に反対した共産党とつながったのではないか。合掌。

 黒坂にはいつもながら「はあ?」ですね。
 言うのも馬鹿馬鹿しいですが、「戦前日本が女性の権利をないがしろにしたことが戦争につながった」という指摘は、その主張の是非*3はともかく「男女平等にすればそれだけで戦争がなくなる」つう単純な話ではない。
 従って「女性のサッチャーフォークランド戦争を始めた」「『戦争国家』と日本共産党が批判する米国のライス国務長官クリントン国務長官、カマラ副大統領などは女性」云々と黒坂のようなことを言い出すのは「レベルの低い詭弁」でしかない。

*1:日本共産党平和運動局長(中央委員兼務)。日本平和委員会常任理事。原水爆禁止日本協議会原水協)常任理事。著書『それぞれの「戦争論」』(2004年、唯学書房)、『名作の戦争論』(2008年、新日本出版社)、『社会を変える23章』(2015年、新日本出版社)、『市民とジェンダーの核軍縮』(2020年、新日本出版社)、『アート×ジェンダー×世界』(2022年、新日本出版社

*2:台東区議(日本共産党

*3:俺は是の立場ですが。