ロシアの入国禁止対象「日本人」選定基準が謎すぎる(副題:常岡浩介に突っ込む)(2022年5月4日記載)

常岡浩介がリツイート
ゲーテ&ワーグナー支持者
 産経と読売、日経、文春*1の関係者がロシア入国禁止措置リストに入ってるけど朝日新聞毎日新聞が入ってない

 ロシア入国禁止の対象者リスト: 日本経済新聞ロシア外務省が発表した入国禁止対象者 - 産経ニュースなどで名前が全て確認できます。日本の「ロシア大使館職員追放」「ロシア政府関係者の入国禁止措置」などへの対抗措置の「つもり」のようです。
 勿論、『ロシア 語られない戦争:チェチェンゲリラ従軍記』(2011年、アスキー新書)という著書が過去にあり、ロシア批判派を自称してるとは言え、「ジャーナリスト廃業」常岡は対象外です(失笑)。
 なお、朝日や毎日に親ロシア記事が多い事実はありません。
 それどころか、朝日、毎日の記者からは

◆駒木明義ほか『プーチンの実像:孤高の「皇帝」の知られざる真実』(2019年、朝日文庫)
◆駒木明義『安倍vs.プーチン:日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか?』(2020年、筑摩選書)
◆真野森作『ルポ・プーチンの戦争:「皇帝」はなぜウクライナを狙ったのか』(2018年、筑摩選書)、『ポスト・プーチン論序説:「チェチェン化」するロシア』(2021年、東洋書店新社)

というプーチン批判本が出ているほどです。
 なお、駒木記者(朝日新聞論説委員、元モスクワ支局長)、真野記者(毎日新聞カイロ特派員、元モスクワ特派員)は上記ツイート(朝日と毎日は対象外)が指摘するように勿論入国禁止対象には今回なっていません。
 まあ、毎日と朝日も「我々をある意味評価していることは光栄(?)だが、ロシアに利用される気はない」と複雑な心境でしょう。
 なお、

◆岸田首相、林外相、松野官房長官
 外交に関係する岸田政権幹部
高市政調会長
 自民党三役にしてアンチロシアのウヨ
細田*2衆院議長、山東*3参院議長
 「衆参両院がロシア非難決議をした」からか?
森英介*4自民党代議士
 ウクライナ友好議連会長とのこと
阿部知子*5立憲民主党代議士(衆院沖縄・北方問題特別委員会委員長)、青木一彦*6自民党参院議員(参院沖縄・北方問題特別委員会委員長)
 「北方領土問題」を扱うこの委員会がロシアに批判的と言うことか?
◆志位日本共産党委員長
 以前からプーチンロシアに批判的。しかしこれでも一部ウヨの「プーチンロシア」をネタにした共産党への誹謗は「減るとしても」完全にはなくならないのでしょう。
◆飯塚産経社長
 木村汎*7プーチンとロシア人』(2020年、産経NF文庫)、斎藤勉*8スターリン秘録』(2001年、産経新聞社:元々は産経新聞の連載記事)、産経新聞モスクワ支局『誰がメドベージェフを不法入国*9させたのか:国賊たちの北方領土外交』(2011年、産経新聞出版)などへの反感か?
 なお、斎藤(産経記者)は入国禁止対象です。木村(2019年死去、北大名誉教授)は既に故人ですので対象ではありません。存命だったら果たしてどうなったか?
◆遠藤良介産経外信部次長兼論説委員(元産経新聞モスクワ支局長)
 産経社長自体が入国禁止対象の上、遠藤の著書『プーチンロシア革命:百年の蹉跌』(2018年、河出書房新社)の影響か?

は何となく理解できますが

石井苗子
 日本維新の会参院議員(元女優)。北方領土問題を扱う「参院政府開発援助・沖縄北方特別委員会委員」とはいえ、何故維新トップである松井・大阪市長でないのか意味不明。国会議員限定でも石井が「維新の重要幹部」とは思えない。「北方領土問題を扱う国会特別委員会の委員は全て入国禁止」なのか?
◆熊野正士
 公明党参院議員。何故「公明党トップである山口代表」や「公明出身の斎藤国交相(福田、麻生内閣環境相公明党政調会長など要職を歴任)」でないのか意味不明。石井と違い「参院政府開発援助・沖縄北方特別委員会委員ではない」ようですし。
桜田謙悟
 経済同友会代表幹事。SOMPOホールディングスグループCEO・社長。財界人では彼だけが対象なのが意味不明。
 「経済同友会代表幹事」としての入国禁止対象なのか、彼個人への入国禁止対象なのかも不明です。経済同友会経団連日商に比べてロシアに厳しいと言うこともないと思いますが。
桜田
 コメント欄でのご指摘(東洋学園大学教授です)。確かに「アンチロシアのウヨ」ではあるでしょうが、今回、入国禁止対象となった岡部芳彦*10神戸学院大学教授、ウクライナ研究会(国際ウクライナ学会日本支部)会長)、中村逸郎*11筑波大学教授)、袴田茂樹*12青山大学名誉教授)と違い彼の専門はロシアやウクライナではありません。また、今回、入国禁止対象となった神谷万丈(防衛大教授)、鈴木一人*13(東大教授)と違い国際政治が専門とも言いがたい。  
 櫻田淳 - Wikipediaは「国際政治が専門」と書きますが、『「福祉」の呪縛:自助努力支援型政策の構想』(1997年、日本経済新聞社)、『国家への意志』(2000年、中公叢書)、『「弱者救済」の幻影:福祉に構造改革を』(2002年、春秋社)、『国家の役割とは何か』(2004年、ちくま新書)、『漢書に学ぶ「正しい戦争」』(2008年、朝日新書)、『「常識」としての保守主義』(2012年、新潮新書)なんて著書の「どこ」が国際政治なんですかね?
 それにしても入国禁止リスト対象外の「ロシア(またはウクライナ)研究者」「国際政治研究者」が「ロシアに甘い」ということもないでしょうし、どういう選択基準なのか?
 まあロシア研究者でも、例えば『亀山郁夫*14名古屋外国語大学学長、東京外国語大学名誉教授:ドストエフスキー研究)』など「非政治分野のロシア研究者」はさすがにどんなにロシア批判しようとも対象にはしないのでしょうが。それとも「するのか?」。何せ「スポーツ分野(ソチ五輪など)でロシアに言及したことがあるにしてもロシア専門家では全くない」二宮清純が対象ですしね。
二宮清純 *15
 当初「清順」と誤記していましたが、コメント欄のご指摘に従い修正。「俺的には」一番意味不明な対象者です。一般的な日本人レベルではロシアに批判的だろうし、スポーツ分野でのロシア選手排除に賛同してロシアの反感を買ったのかもしれないが、スポーツライターであって政治ライターではない。むしろ国際政治などの分野でいくらでも「入国禁止対象」になってもおかしくないライターは他にいるのでは?。スポーツライター限定ですら二宮が特にロシアに厳しいとも思えない。
◆湯浅次郎・月刊『選択』編集長
 会員制のマイナー雑誌(書店では購入できない)。選択は『政財界人を対象にしたオピニオン誌』を自称しているものの、それほどの社会的影響力があるとも思えない。むしろロシアの入国禁止行為が宣伝になってるのではないか。今回初めて『選択を知った』人間も多いのではないか。

とか、「?」つう入国禁止対象もあります。
 また、既に指摘がありますが「小泉悠*16」など「昨今、ロシア批判派としてテレビなどに出演する輩」が外れてることも「?」ですね。

常岡浩介がリツイート
◆Aceface
 袴田先生、妹のイリーナさん*17に会えなくなっちゃったな

 今の袴田(勿論、ロシア研究者の肩書きでプーチンを批判)がロシアに入国したがるとも思えませんし、「入国禁止対象になる可能性」も分かってたでしょう。つうか、そもそも袴田と妹は果たして親密な関係なのか?

常岡浩介がリツイート
◆Aceface
 今井絵里子がロシアの敵(ボーガス注:で入国禁止)、と言うのも面白すぎる。SPEEDのメンバーというだけで?

 「外務三役でもない今井が何で入国禁止措置なのか?」「今井ってロシア批判を積極的にしてたとも思えないが?」とは思いますが「自民党参院政府開発援助・沖縄北方特別委員会理事(この委員会は北方領土が担当分野の一つ)」ではあるので、「そういう対象になっても不思議ではない」でしょう。維新幹部でもない「維新所属」石井苗子参院政府開発援助・沖縄北方特別委員会委員)も「対象」だし「北方領土問題を扱う国会特別委員会の委員は全て入国禁止」なのか?。勿論「スピードの元メンバー」云々は関係ない(ふざけてるのでしょうが不謹慎なだけで全く面白くない)。

*1:何故か週刊誌では文春(編集長が対象)が唯一、対象らしい。

*2:小泉内閣官房長官自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)など歴任。大平内閣防衛庁長官、中曽根内閣運輸相などを歴任した細田吉蔵代議士の息子(しかし自民も世襲議員ばかりですね)

*3:元タレント。海部内閣科技庁長官、自民党両院議員総会長など歴任

*4:麻生内閣で法相。中曽根内閣環境庁長官を務めた森美秀代議士の息子(しかし自民も世襲議員ばかりですね)

*5:社民党政策審議会長、日本未来の党代表兼幹事長、みどりの風代表代行、民進党副代表などを経て立憲民主党両院議員総会長。立憲民主党神奈川県連代表。

*6:小渕、森内閣官房長官自民党参院議員会長を歴任した青木幹雄の息子(しかし自民も世襲議員ばかりですね)。第四次安倍内閣で国交副大臣

*7:著書『ボリス・エリツィン』(1997年、丸善ライブラリー)、『新版・日露国境交渉史』(2005年、角川選書)、『現代ロシア国家論:プーチン型外交とは何か』(2009年、中公叢書)、『メドベージェフvsプーチン』(2012年、藤原書店)、『プーチン〔人間的考察〕』(2015年、藤原書店)、『プーチン〔内政的考察〕』(2016年、藤原書店)、『プーチン〔外交的考察〕』(2018年、藤原書店)、『対ロ交渉学』(2019年、藤原書店)など

*8:産経新聞モスクワ支局長。現在、産経新聞論説顧問

*9:アマゾン紹介に寄れば「不法入国」とは、2010年にメドベージェフ大統領(当時)が北方領土に上陸したこと

*10:著書『マイダン革命はなぜ起こったか』(2016年、ドニエプル出版)、『日本・ウクライナ交流史 1915-1937』(2021年、神戸学院大学出版会)、『日本・ウクライナ交流史1937-1953』(2022年、神戸学院大学出版会)

*11:著書『東京発モスクワ秘密文書』(1995年、新潮社)、『ロシア市民:体制転換を生きる』(1999年、岩波新書)、『帝政民主主義国家ロシア:プーチンの時代』(2005年、岩波書店)、『虚栄の帝国ロシア』(2007年、岩波書店)、『ロシアはどこに行くのか』(2008年、講談社現代新書)、『ろくでなしのロシア:プーチンロシア正教』(2013年、講談社)、『シベリア最深紀行』(2016年、岩波書店→2018年、文春学藝ライブラリー)、『ロシアを決して信じるな』(2021年、新潮新書

*12:著書『現代ロシアを読み解く』(2002年、ちくま新書)など

*13:著書『宇宙開発と国際政治』(2011年、岩波書店

*14:著書『ドストエフスキー・父殺しの文学』(2004年、NHK出版)、『『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する』(2007年、光文社新書)、『ドストエフスキー』(2007年、文春新書)、『『罪と罰』ノート』(2009年、平凡社新書)、『謎とき『悪霊』』(2012年、新潮選書)、『ドストエフスキーとの旅』(2021年、岩波現代文庫)、『ドストエフスキー・黒い言葉』(2021年、集英社新書)など

*15:著書『スポーツ名勝負物語』(1997年、講談社現代新書)、『最強のプロ野球論』(2000年、講談社現代新書)、『プロ野球の一流たち』(2008年、講談社現代新書)、『プロ野球の職人たち』(2012年、光文社新書)、『プロ野球「衝撃の昭和史」』(2012年、文春新書)、『プロ野球・名人たちの証言』(2014年、講談社現代新書)、『プロ野球名脇役』(2014年、光文社新書)、『広島カープ最強のベストナイン』(2016年、光文社新書)、『プロ野球・人生の選択』(2018年、廣済堂新書)、『証言・昭和平成プロ野球』(2021年、廣済堂新書)など

*16:東大専任講師。著書『現代ロシアの軍事戦略』(2021年、ちくま新書)、『ロシア点描:まちかどから見るプーチン帝国の素顔』(2022年、PHP研究所)など

*17:イリーナ・ハカマダ - Wikipediaによれば元下院議員で、反政府団体『もう一つのロシア』のメンバー