【書評】『台湾の日本人 証言と史料が示す「親日」のルーツ』喜多由浩著 歴史的事実を克明に発掘 - 産経ニュース
産経らしい馬鹿馬鹿しさです。
「産経ら日本ウヨ」や「産経ら日本ウヨに迎合する台湾の自称親日派(蔡英文など)」の「親日(『八田與一のダム建設』など、戦前の日本植民地統治を全面美化)」とは「中国に対抗するための政治的方便(日本の台湾ロビー(日本の反中国ウヨ)へのこびへつらい)」でしかない。
「朴正熙時代の親日(戦前の日本植民地統治を全面美化)」のようなもんです。「北朝鮮がもはや韓国の脅威でなくなる」とそうした「韓国の親日」は「ただの方便」だったので、次第に衰退*1し、今や産経などが韓国を「反日」と罵倒しています。
台湾の「親日」もいずれは同じ道をたどるでしょう(というか、たどるべきですが)。
つまりは【1】中国が経済的に衰退して台湾の脅威でなくなる、つまり「今の韓国」にとっての北朝鮮のようになる(遠い将来はともかく、当面ありそうにありませんが)ので「日本ウヨに媚びるタイプの親日」が衰退、【2】「いくら中国への対抗目的とは言え、『嘘の親日』は健全ではない、そんなことをしなくても中国との対抗は可能なはずだ」「戦前日本の全面美化など台湾人慰安婦など戦争被害者に失礼だ」などという批判でこの種の「親日」が次第に衰退*2する(こちらの方が可能性が高そうです)か、どちらかの道に行くのではないか。
正直「嘘の親日」をいつまでも続けるのは健全ではない。
【参考】
八田與一 - Wikipedia
1886~1942年。烏山頭ダム(1930年に完成)の建設に従事したことで知られる。烏山頭ダムは「アメリカのフーバー・ダム」が1936年に完成するまでは世界最大のダムであった。
1942年(昭和17年)5月8日、八田は、陸軍の命令によって客船「大洋丸」に乗船し、フィリピンの綿作灌漑調査に赴こうとしたが、その途中、「大洋丸」は五島列島付近でアメリカ海軍の潜水艦の攻撃で撃沈され、八田は死亡した。日本敗戦後の1945年(昭和20年)9月1日、妻の八田外代樹(はった・とよき)も夫の八田の後を追うように烏山頭ダムの放水口に投身自殺を遂げた。
【八田の顕彰】
2004年(平成16年)末に訪日した李登輝*3総統(役職は以下、全て当時)は、八田の故郷・石川県金沢市を訪問した。
2007年5月21日、陳水扁*4総統は八田に対して褒章令を出した。
馬英九*5総統も2008年5月8日の烏山頭ダムでの八田の慰霊祭に参加した。翌2009年の慰霊祭にも参加し、八田がダム建設時に住んでいた宿舎跡地を復元・整備して「八田與一記念公園」を建設すると語り、2010年2月10日に着工式が行われ、2011年5月8日に完成した。
完成式典には、馬総統や八田の故郷・石川県出身の森喜朗元首相が参加した。
2011年には台南市の主要道路のひとつが「八田路」と命名された。
妻の外代樹も顕彰の対象となり、2013年9月1日には八田與一記念公園内に外代樹の銅像が建立された。
2022年5月8日は没後80年にあたる。烏山頭ダム付近にある墓で慰霊祭が行われた。頼清徳*6副総統は慰霊祭において八田の偉業を広めてきたことで日台の交流が深まったと語った。
【新聞に喝!】日中「正常化」50年の得失とは 京都府立大教授・岡本隆司 - 産経ニュース
「日中国交樹立を国交正常化というのには納得がいかない。田中訪中以前の日本は異常だったのか?。台湾と今も国交がある国*7は異常なのか?」云々という非常識な反中国論が展開されるだけで正直読む価値はありません。これが「自称・中国研究者」で大学教授というのだから絶句します。
なお「日中国交正常化」でググると
【刊行年順】
◆友田錫*8『入門・現代日本外交:日中国交正常化以後』(1988年、中公新書)
◆井上正也*9『日中国交正常化の政治史』(2010年、名古屋大学出版会)
◆丹羽文生*10『日中国交正常化と台湾』(2012年、北樹出版)
◆服部龍二*11『日中国交正常化』(2014年、中公新書)
などの著書がヒットします。
産経と類友が何を言おうとも「日中国交正常化」という言葉はもはや「一般的な用語」として定着したと言っていいでしょう。
上記の筆者もどう見ても「親中国」ではない(そもそも服部氏に至っては「戦後日本政治の研究者」ではあっても中国研究者とは言いがたい)。
*1:勿論、そうした「日本ウヨにとっての親日(戦前の日本植民地統治を全面美化)」は衰退しても「日本製品や日本文化の愛好」といった親日は衰退していませんが。
*2:勿論、そうした「日本ウヨにとっての親日(戦前の日本植民地統治を全面美化)」は衰退しても「日本製品や日本文化の愛好」といった親日は衰退しないでしょうが。
*7:中華民国 - Wikipediaによれば、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ツバル、バチカン、エスワティニ(旧称はスワジランド)、ソマリランド(ソマリアからの分離独立を宣言したが、ソマリア側は独立を認めておらず国連にも非加盟)、ベリーズ、グアテマラ、ホンジュラス、ハイチ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、パラグアイの15カ国
*8:1935~2018年。産経新聞サイゴン特派員、プノンペン特派員、パリ支局長、国際報道部長、編集局次長、論説委員、亜細亜大学アジア研究所所長など歴任。著書『裏切られたベトナム革命:チュン・ニュー・タンの証言』(1986年、中公文庫)など
*11:中央大学教授。著書『広田弘毅』(2008年、中公新書)、『大平正芳』(2014年、岩波現代全書→増補版、2019年、文春学藝ライブラリー)、『外交ドキュメント・歴史認識』(2015年、岩波新書)、『中曽根康弘』(2015年、中公新書)、『田中角栄』(2016年、講談社現代新書)、『佐藤栄作』(2017年、朝日選書)、『高坂正堯』(2018年、中公新書)など