「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年6/20日分:荒木和博の巻)(追記あり)

田中実さんと金田竜光さん【調査会NEWS3621】(R4.6.20): 荒木和博BLOG
 田中実さんと金田竜光さん(R4.6.21): 荒木和博BLOGと内容が大幅にかぶるので、田中実さんと金田竜光さん【調査会NEWS3621】(R4.6.20): 荒木和博BLOGを読めば田中実さんと金田竜光さん(R4.6.21): 荒木和博BLOGを見る必要は全くありません。

 私自身は有田さんとは思想的にはかなり違いがありますし、本書にも意見の異なる部分がいくつもある

 思想云々はどうでもいいとして「本書にも意見の異なる部分がいくつもある」というなら具体的に「何が異なる」のか書いたらどうなのか?

 特に気になったのは情報を隠蔽するときに菅官房長官(当時)が猛反対したというくだりです。

 「安倍に総務相官房長官に重用された」以外はほとんど要職に就いたことがない菅が安倍に反対意見を言えるとはとても思えませんね。そもそも有田氏はどこからそんな情報を得たのか?

 「全拉致被害者の即時一括帰国」というのが逆に政府の隠蔽・責任放棄の口実になっているのではないか

 荒木もついにここまで言うようになったかと感慨深い。


田中実さんと金田竜光さん(R4.6.21): 荒木和博BLOG
 7分50秒の動画です。タイトルだけで、高世仁のジャーナルな日々あるいは「俺のブログ(高世ブログへの批判記事を書いています)」をご愛読の方には内容が予想ついたでしょう。
 なぜ政府は2人の拉致被害者を見捨てるのか?(12・結) - 高世仁のジャーナルな日々で高世が取り上げた「政府が見捨てた二人の拉致被害者田中実さんと金田竜光さん」です。
 高世は

なぜ政府は2人の拉致被害者を見捨てるのか?(12・結) - 高世仁のジャーナルな日々
 岸田総理はまさに「何が何でも」の姿勢で、これまで政府が見捨ててきた2人の拉致被害者に向き合ってほしい。

としていますが、荒木の主張も「大同小異」です。荒木は「有田本刊行」についても動画内で語り「有田氏の所属する立民党とはいろいろ考えは違う*1(まあ、荒木は旧民社系の国民民主に近い立場ですので)」と断りながらも著書刊行については「共感するところが多い」として高く評価しています。
 なるほど高世の「方向転換」には有田氏だけではなく「荒木」も影響してるようです。
 荒木については未だに「高世&有田氏」は

岸田内閣で拉致問題の進展はあるのか5 - 高世仁のジャーナルな日々2021.12.12
 特定失踪者問題調査会」の荒木和博さんは(ボーガス注:田中実さんと金田竜光さんについて)自身のブログでこう書いている。
(中略)
 有田芳生参院議員は、去年10月26日の質問でこのあたりを直截に突っ込んでいる。
拉致問題解決への道筋のなかでの田中実さん、金田龍光さん個人の位置づけについて明確にお答えください。》

なぜ政府は2人の拉致被害者を見捨てるのか?(11) - 高世仁のジャーナルな日々2022.6.12
 有田芳生委員は、竹下さんが所属している「特定失踪者調査会」の荒木和博代表が「何年も前から、『(ボーガス注:北朝鮮が生存発表したという田中実さん、金田龍光さんなど)一人からでも取り戻すべきだ』という立場」であることを指摘

として未だに「好意的な関係」にあるようですしね。「国内で既に40人以上も発見されそのほとんどが自発的失踪」の特定失踪者なんて完全なデマなので「荒木なんかと未だに交遊してるのかよ?」と高世や有田氏には心底呆れますが。

問題作『北朝鮮 拉致問題』がきょう発売に - 高世仁のジャーナルな日々
 有田さんは21日(火)に記者会見を予定している。有田さんの他、救う会中央から排除された「救う会徳島」の陶久敏郎さんと「救う会神奈川」の川添友幸さん、そして本の「解説」を書いた私も出る。

という「陶久や川添」も「荒木の人脈」ではないか(「救う会事務局長」を首になって「特定失踪者問題調査会代表」「予備役ブルーリボンの会代表」になった荒木自身も救う会中央から排除された一人です)。
 こうした「俺の邪推」が「事実」ならば「有田氏&高世」は救う会、家族会批判を始めたとは言え「荒木(あるいは奴が代表を務める特定失踪者問題調査会)の太鼓持ち幇間」も同然で、とても手放しでは「有田氏&高世」は評価できません。
 しかし、こうなると「有田本の出版」を契機に荒木も「救う会や家族会の反発」を恐れずに「段階的帰国で何が悪いのか」という主張を強めていく可能性がありますね。
 実際、荒木は動画内で「金田さん、田中さんが日本に帰ればまた拉致が注目を集めます」「若い層にどうやって拉致問題を伝えるか(R4.6.20): 荒木和博BLOGで私が言っていた『小泉訪朝を知らない若い層』に拉致を伝えるための苦労も、もうしなくて済む。金田さん、田中さんの帰国によって、小泉訪朝を知らない今の若者にとって北朝鮮拉致はリアルな出来事に変わるんです!」と言ってますから「また拉致問題でテレビに出たい」という「ゲスなスケベ心」「私利私欲、党利党略」とは言え「段階的帰国(まずは、北朝鮮がいったんは生存を認めており、帰国可能性が高い金田氏、田中氏の帰国)を容認しよう」は荒木の本心なのでしょう。何せ救う会の西岡会長、島田副会長と違って荒木には「拉致問題」以外の持ちネタが事実上ないですからね。荒木にとって「拉致の風化」は深刻な問題の訳です。
 そして、高世の本心も実は「金田さん、田中さんが日本に帰ればまた拉致が注目を集めます→俺が拉致でまた注目を詰めることができる」程度の「荒木と同様のスケベ心」ではないのか?
【追記】

横田家の家族写真公開の背景(5) - 高世仁のジャーナルな日々2016.6.15
特定失踪者問題調査会」代表の荒木和博さんは、写真公開についてこう言う。
《(略)今大事なことは突破口を作ることであり、それには北朝鮮側が動くようにしなければなりません。今回の写真は世論喚起にはつながっており、すでに参院選モード*2拉致問題への関心がさらに低下している中ではそれなりに意味のあることだと思います。北朝鮮 の意図に巻き込まれるという心配もあるでしょうが、ある程度のリスクを負わなければ事態は前に進められません。ストックホルム合意以来の2年間の浪費を考えればなおさらです。》
 同感である。この意見は、運動にかかわる多くの人の共感を得ているようだ。

 有田氏の写真公開に好意的な荒木です。今気づいたのですが、「俺の邪推」であって根拠はありませんが、「有田本」への「今回の荒木の好意的な態度」と併せ考えれば、「例の写真公開」も「今回の有田本刊行」も「事前に荒木は知っていた」「それどころか、有田氏を動かした黒幕はどちらも実は荒木」ではないか。
【追記終わり】 


若い層にどうやって拉致問題を伝えるか(R4.6.20): 荒木和博BLOG
 6分50秒の動画です。
 タイトルだけで見る気が失せます。一応見ましたが見る価値は全くありません。

◆将棋の藤井聡太(2002年7月生まれ)
◆女優の芦田愛菜(2004年生まれ)

など「小泉訪朝(20年前の2002年9月11日)」をリアルタイムで知らない若い層(2002年9月11日以降に生まれた20歳以下、2002年9月11日当時は幼児だった20代前半など)に何のために「伝える」のか。
 「例は何でもいい」ですが、例えば「南京事件慰安婦などの戦前日本の戦争犯罪」を伝えようという場合は「二度とああいう蛮行を起こさない」「中韓との友好関係を築くにはああしたことについてある程度知っていて反省の意を示す必要がある」といった理由がある。
 一方「拉致解決に何一つ、つながらない。拉致は外交交渉でしか解決しない」という意味では「拉致を伝える必要はどこにもない」。
 ついでに言えば
【1】「即時一括全員帰国以外不可」など「解決する気がある」とはとても思えない「救う会、家族会」の無茶苦茶な方針で拉致が解決せず、結果として国民の拉致への関心が薄れ拉致が風化したこと
【2】「俺たちの望む記事、番組を作れ」という「救う会、家族会」の横柄な態度にマスコミ側が記事、番組作りを敬遠したこと
が「拉致を伝えづらくなったこと」の大きな理由です。
 「拉致が外交交渉で着実に解決していけば」あるいは「救う会や家族会がマスコミの自由な記事、番組作りを否定しなければ」、「拉致は風化しなかった」し「今よりは伝えやすかった」でしょう。
 そして今からでも「拉致被害者が一人でも帰ってくれば」拉致は「再び一定の関心を集め」伝えやすくなるでしょう(実際、荒木も動画内でそうした理由から「段階的帰国を認めるべきだ」と発言しています)。
 「プーチンウクライナ侵攻」で「クリミア併合(2014年)」や「旧ソ連時代の東欧への内政干渉プラハの春弾圧(1968年)など)」への注目がでているようなもんです。

なぜ政府は2人の拉致被害者を見捨てるのか?(11) - 高世仁のジャーナルな日々
 有田芳生委員は、竹下さんが所属している「特定失踪者調査会」の荒木和博代表が「何年も前から、『一人からでも取り戻すべきだ』という立場」であることを指摘

という記事で分かるように、荒木が最近「段階的帰国でもいい」かのようなことを言い出したのは

◆「段階的帰国でもいい。一人でも帰ってくれば拉致への関心がまた高まる。俺たち「救う会右翼」の『2002年の栄光の日々(テレビやラジオ誌などに出演)』がまた取り戻せるかもしれない。今のロシア専門家(小泉悠など)のようにマスコミからお呼びがかかるかもしれない。
◆ほとんどの国民が「拉致への関心を失った」今のままでは俺たち「救う会右翼」には上がり目はないんだ。即時一括全員帰国にこだわる奴ら(救う会の西岡会長など)には何故それがわからんのだ。

という思い(完全に私利私欲ですが(苦笑))に基づくもので「割と本心」かもしれない。
 ただし、荒木が仮にそういう考えでも家族会や救う会はそうした立場ではなく「段階的帰国はノー」のわけですが。
 なお、「2002年の小泉訪朝」を俺は勿論リアルタイムで知っていますが「普段、そんなことはほとんど意識しない」ですからねえ。
 「知っているから何?」つう問題はあります。「知ること」は最低条件であって「知っているだけで何も解決しません」。

*1:なお、この記事での「荒木発言」は要約であり、一言一句同じ訳ではありません

*2:単なる偶然でしょうが当時の写真公開も、今回の有田本刊行も参院選直前ですね。