今日の産経ニュースほか(2022年7/13、14日分)(副題:安倍暗殺続報など、そして今日もkojitakenに悪口する)

維新・松井代表、国葬に「『反安倍』たくさんいる」と懸念 - 産経ニュース
 「安倍批判派=国葬反対(安倍を評価しないので国葬に反対)」であっても「国葬反対派=安倍批判派、ではない」「安倍支持なら皆国葬賛成、ではない」ということ(どんなに偉大な政治家でも国葬などすべきでない(国葬全面反対論)、全国民に敬愛された政治家と言えるのならともかく「モリカケ桜疑惑」安倍氏のような賛否両論、毀誉褒貶ある政治家は国葬などすべきではない、コロナや物価高で生活苦にあえぐ人間がいる中、国葬に税金を使うのは適切ではない、戦後では過去に吉田茂氏しか前例がないことを果たしてやるべきか?、などの意見があり得るため)を無視する辺りはいつもの維新らしい。
 それにしても、こうした維新の「安倍べったりの言動」は維新が「野党などと呼べる代物」でないことを露呈していますが支持者は一体何を支持してるのか?。そして「国費を葬儀に出す国葬には『身を切る改革』の立場から反対」と言わない辺り維新の「身を切る改革」が「弱者切り捨ての正当化=インチキ」であることが改めてよく分かります。


【首相記者会見】首相「暴力に屈しない決意世界に示す」 「国葬」実施を表明 - 産経ニュース
 呆れて二の句が継げませんね。国葬にすることと「暴力との戦い」と何の関係があるのか?
 なお、マスコミ報道に寄れば「佐藤政権での吉田茂国葬」だけが「戦後唯一の元首相の国葬」だそうです(国葬 - Wikipediaによれば、多くの場合、内閣・自民党合同葬のようです)。
 また、国葬 - Wikipediaによれば「伊藤博文」「山県有朋」「松方正義」「西園寺公望」が「元首相の国葬」です(いずれもいわゆる元老でもある)。
 多くの元首相は国葬になどならなかったわけです。


安倍元首相の「国葬」を今秋実施へ - 産経ニュース
 安倍が死んでも「岸田は安倍(あるいは安倍派や安倍支持層)に義理立てするのか」と唖然ですね。
 国葬に強く反対し、実施阻止を目指すとともに、不幸にして実施された場合も「国葬の日に安倍批判(モリカケ桜など)を行う」「マスコミに国葬の日において安倍礼賛報道をしないよう申し入れる(産経、読売などのウヨマスコミは無視するのでしょうが)」などの批判を行う必要があります。
 岸田が「国葬」にしようとも国民個人はそんな価値観に従う義務はありません。


命奪った2発の銃弾 心臓到達、大量出血にすべなく - 産経ニュース
 「首の大動脈」「心臓」に被弾して即死状態で、病院も打つ手がなく事実上、ほとんど手がつけられなかったようです。不運だったと言えるでしょう。


安倍元首相追悼の記帳所に共産横浜市議団が中止要求 SNSで賛否両論 - 産経ニュース
【1】安倍の死が「公務」でなく「選挙演説」にすぎないこと
【2】横浜市と関係ないこと(暗殺現場は奈良市であり、安倍は横浜選出でもない:まあ安倍の子分、菅は横浜選出でありその関係でこういうことがされたのかもしれませんが)
を考えれば共産党の要請は全く当然だと思います。これは「死者が、共産が批判していた自民の安倍であること」とは全く関係ない。


安倍晋三の銃撃死は東電原発事故に似ている - kojitakenの日記

 安倍を生け捕り(言論で打倒した後の安倍の逮捕・収監)にできなかったことは残念至極であり、私はなんという取り返しのつかないことをしてくれたのかと山上を恨むばかりだ。山上を祭り上げることなどあってはならない。それは5.15事件の犯人の助命を嘆願したのと同様の愚行であり、戦前の歴史はその4年後の2.26事件やそのさらに翌年の「崩壊の時代」突入へとつながっていったのである。

 小生は彼に対してそういう恨みの念はあまりないですね。
 といって「安倍を殺してくれてありがとう」という話でもない。むしろ「安倍を殺すほどの絶望感を与えて申し訳ない」と言う感情がある。
 ちなみに「建前論的なところ、きれい事的な面はある」でしょうが、先日、紀藤*1弁護士がテレビ番組で

【うろ覚えによる俺の要約なので細部は違います】
 我々の社会が統一教会の悪事を撲滅していれば、彼の母が統一教会に多額の寄付をすることはなかった。だから彼の家庭も崩壊せず、彼も犯行に走らなかった。
 私も社会の一員としてそれ(統一教会の悪事を撲滅)が実現できなかったことについて彼に対し申し訳なさを感じている。
 そして犯行を犯す前に、統一教会被害について我々(被害者支援団体)の元へ相談に来て欲しかった。来てくれれば我々は彼のために全力を尽くしました。
 でも彼は我々について知らないのか、知った上で「役立たずだ」と評価してくれなかったのか、来てくれませんでしたが。

と語りましたが、そういう話です。どうしてもそういう「同情の念」を感じてしまう。
 「老老介護で、介護負担に耐えきれなくなって殺人」とかその種の話と同じです。「殺人は悪」ではあるものの「社会に問題があることが殺人を助長したこと」を考えると一方的に非難することは躊躇する。つうか「山上を祭り上げてる人間(kojitaken発言)」なんかどこにいるのか。むしろ「山上の暗殺は悪い」の一点張りで安倍の悪事「統一教会との癒着」から目をそらそうとしてるのが日本マスコミではないのか。
 それと「515事件の刑罰が軽く済んだこと(死刑が求刑された三上卓は懲役15年の判決)」はその後の「永田鉄山暗殺」「226事件」を助長したでしょうが、永田暗殺、226の実行犯である皇道派はそれによって撲滅された。実行犯のほとんど(永田暗殺の相沢三郎、226磯部浅一、村中孝次(計画の中心人物)、栗原安秀、林八郎(岡田首相襲撃)、坂井直、高橋太郎、安田優(斎藤内大臣暗殺:高橋、安田は渡邉陸軍教育総監暗殺にも関与)、中島莞爾、中橋基明(髙橋蔵相暗殺)、安藤輝三(鈴木侍従長襲撃)など)は死刑になったし、皇道派の荒木*2、真崎は予備役編入された(二・二六事件 - Wikipedia参照)。
 その後の陸軍の主流は統制派だし、戦争は「軍部の力」だけで進んだわけでもない。「515事件(1932年)」「永田鉄山暗殺(1935年)」「226事件(1936年)」がストレートに「盧溝橋事件による日中全面戦争(1937年)」や「太平洋戦争(1941年)」(いずれも皇道派崩壊後の出来事)につながってるわけではない。
 こういうkojitakenの「戦前についての物言い」は非常に問題が多い(はっきり言えば事実誤認)だと思いますね。なお、以上の文面のうちむしろ「山上の暗殺は悪い」の一点張りで安倍の悪事「統一教会との癒着」から目をそらそうとしてるのが日本マスコミではないのか。までをkojitaken記事に投稿しますがいつも通り掲載拒否なんでしょうね。
 そして【1】kojitaken自身が俺の意見に従うことを極度に嫌ってる、【2】犯人は統一教会被害者であり、統一教会を蔓延させたのは我々日本人、彼は我々日本社会の犠牲者という面があり、一方的に非難できないという「弱者への温かい思い」が「冷酷な人間である」id:kojitakenにかけらもない、と言う意味で俺や紀藤弁護士のような「犯人への同情の念」をkojitakenは絶対に書かないのでしょう。お断りしておきますが「犯人への同情の念」は「犯人の免罪、美化」ではありません。
 ちなみに226事件の目的が何かと言うと最大の目的は「真崎甚三郎内閣の樹立」ですが他にも

二・二六事件 - Wikipedia参照
皇道派の好待遇】
荒木貞夫の台湾軍司令官任命
【アンチ皇道派(統制派など)の粛清】
◆南次郎*3宇垣一成*4、小磯國昭*5、建川美次*6の保護検束
林銑十郎*7、橋本虎之助*8、根本博*9武藤章*10、片倉衷*11の即時罷免

などがありました。


【主張】安倍元首相 心込めた国葬で送りたい - 産経ニュース
 澤藤統一郎の憲法日記 » 安倍晋三を国葬? ご冗談もほどほどに。と言う指摘同様に、冗談も大概にしてくれとしか言い様がありませんね。非業の死を遂げようとも「モリカケ桜の腐敗政治家」を国葬などとんでもないことです。しかも暗殺者の犯行動機は「安倍と統一教会の不適切な関係」です。その上、国葬の目的は「安倍の追悼」と言うよりは「改憲につなげたい」という不純な物でしょう。むしろ「国葬論」は安倍に対して失礼ではないか。
 なお、ふと気づいたのですが暗殺者が安倍を殺害したのは「安倍への恨み」はもちろんあるでしょうが、「統一教会幹部を殺しても日本社会はろくに騒がないだろう*12。『宗教団体内部の内ゲバ扱い(革マル中核派の殺し合いや暴力団抗争のような扱い*13)』で終わりだろう。それでは俺の恨みは晴らせない。統一教会が騒がれてその非道さが世間に知られなければ暗殺の意味がない。統一教会が騒がれるようになるのに一番いい暗殺対象は安倍だ。安倍ほど統一教会と癒着している政治家はいないし、元首相が死ねば日本社会は騒ぐはずだ」と思ったからではないか。そこまで彼に思わせてしまった「統一協会への日本社会の無関心」を我々は恥じるべきでしょう。
 そして統一教会被害者の中には「大きな声では言えないが、暗殺犯に感謝している(統一教会に注目が集まったので)」「暗殺犯の気持ちがよくわかる」と言う人間も結構いるのではないか。

 世界259の国・地域、国際機関から2千件超もの弔意が寄せられた。バイデン米大統領マクロン仏大統領ら多くの首脳が追悼した。インド、ブラジル、キューバは国を挙げて喪に服してくれた。世界中で多くの人々がSNSなどで安倍氏を悼んだ。

 何度も書いていますがこんなことはただの社交辞令、外交儀礼に過ぎません。


日本とポーランドの関係ひもとく 「国基研 日本研究賞」エヴァ・パワシュ・ルトコフスカさん(69) - 産経ニュース

◆『【増補改訂】日本・ポーランド関係史:1904~1945年』(2020年、彩流社
◆『日本・ポーランド関係史Ⅱ:1945~2019年』(2022年、彩流社

は、まともな本ではあるようですが、国基研の賞なんかもらってうれしいんですかねえ。
 なお、今回の受賞についてコメント欄で「ウヨはポーランド親日扱いしてるから」と言う指摘がありますが

河添恵子『世界はこれほど日本が好き:No.1親日国・ポーランドが教えてくれた「美しい日本人」』(2015年、祥伝社

ということで確かにそのようですね。
 なお彩流社ですが

海渡雄一*14『東電刑事裁判 福島原発事故の責任を誰がとるのか』(2020年)
吉田敏浩*15日米安保と砂川判決の黒い霧:最高裁長官の情報漏洩を訴える国賠訴訟』(2020年)

などの著書もあり別に右翼出版社ではないことは指摘しておきます。


【産経抄】7月13日 - 産経ニュース

▼山上容疑者は、宗教団体「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の名前を挙げて、「信者である母親が多額の寄付をして恨みがあった」と供述している。安倍氏がこの宗教団体とつながりがあるから、狙ったというのだ。ただ宗教団体の会長は記者会見で、安倍氏との関係性を否定した。謎は残ったままだ。

 吹き出しました。「例は何でもいい」ですが、その産経の理屈なら例えば「北朝鮮が犯行を否定してる」から金正男暗殺事件には「北朝鮮の犯行か」分からず「謎があること」になるでしょう。まあ、確かに「状況証拠から北朝鮮の犯行らしい」とは言えても決定的根拠はないでしょうが。
 大体こういうときに統一教会が「自分の非を認める」わけもない。

 米国では訃報が届くとすぐに連邦政府施設で半旗が掲げられた。首相官邸よりも早かった。米国だけではない。弔意を示すメッセージは、259の国や地域、機関から、1700件以上が寄せられている。
▼国際社会でどれほど尊敬され、高い評価を受けてきたか。生前の安倍氏に批判的だった人たちも、認めざるをえないだろう。

 吹き出しました。それらの多くは勿論「外交儀礼」「社交辞令」でしょう。
 産経が口汚く罵倒する「習近平国家主席」などがなくなった場合も「各地から弔意が示される」でしょう。
 そして仮にそれらの「安倍への弔意」が本心だとしても「モリカケ桜」「レイプもみ消し」「河井の公選法違反」などの「安倍が関与した不正」は正当化されません。
 「政治家としての功績」に関係なく「ニクソン大統領(ウォーターゲート)」「田中首相ロッキード事件)」「竹下首相(リクルート疑惑)」などがその関与した不正、疑惑で非難されるのと同じ話です。

*1:著書『失敗しないネットショッピング』(2002年、岩波アクティブ新書)、『カルト宗教』(共著、2007年、アスコム)、『決定版マインド・コントロール』(2017年、アスコム)など

*2:但し予備役編入後に荒木は何故か第1次近衛、平沼内閣文相を務めていますが

*3:満州事変当時、第二次若槻内閣陸軍大臣。戦後、戦犯として終身刑になるが後に仮釈放

*4:清浦、加藤高明、第一次若槻、濱口内閣陸軍大臣朝鮮総督、第一次近衛内閣外相など歴任

*5:陸軍次官、関東軍参謀長、朝鮮軍司令官、平沼、米内内閣拓務大臣、朝鮮総督を経て首相。戦後、戦犯として終身刑で服役中に病死。後に靖国に合祀

*6:参謀本部第一部長、第10師団長(姫路)、第4師団長(大阪)など歴任

*7:朝鮮軍司令官、斎藤、岡田内閣陸軍大臣、首相を歴任

*8:陸軍次官、近衛師団長など歴任

*9:陸軍省新聞班長、駐蒙軍司令官、北支那方面軍司令官など歴任

*10:参謀本部作戦課長、中支那方面軍参謀副長、北支那方面軍参謀副長、陸軍省軍務局長兼調査部長、近衛師団長、第14方面軍参謀長など歴任。戦後、死刑判決。後に靖国に合祀

*11:歩兵第53連隊長、ビルマ方面軍作戦課長、第33軍(ビルマ)参謀長、第202師団長(群馬県高崎市)など歴任

*12:「何故統一教会幹部を殺さなかったのか」という人間がいますがそういうことだろうと俺は思います。

*13:これらははっきり言って『一部を除いて』ろくに騒がれてないでしょう

*14:脱原発弁護団全国連絡会共同代表、脱原発法制定全国ネットワーク事務局長。著書『原発訴訟』(2011年、岩波新書)、『反原発へのいやがらせ全記録:原子力ムラの品性を嗤う』(編著、2014年、明石書店)、『秘密保護法対策マニュアル』(2015年、岩波ブックレット)など

*15:著書『民間人も「戦地」へ:テロ対策特措法の現実』(2003年、岩波ブックレット)、『ルポ戦争協力拒否』(2005年、岩波新書)、『密約:日米地位協定と米兵犯罪』(2010年、毎日新聞社)、『沖縄:日本で最も戦場に近い場所』(2012年、毎日新聞社)、『 検証・法治国家崩壊:砂川裁判と日米密約交渉』(共著、2014年、創元社)、『日米合同委員会の研究』(2016年、創元社)、『横田空域:日米合同委員会でつくられた空の壁』(2019年、角川新書)、『日米戦争同盟:従米構造の真実と日米合同委員会』(2019年、河出書房新社)、『追跡!謎の日米合同委員会』(2021年、毎日新聞出版)など