常岡浩介に悪口する(2022年8月14日分)

常岡浩介がリツイート
◆水沢美架
 ソ連は対日侵攻の際、南樺太、千島列島、北方四島、北海道全島だけでなく、対馬の占領をも目論んでいたそうです。現在のロシアは本質的にソ連時代から何も変わっておらず、相変わらず北海道に強い領土的野心を持ち続けています。ロシアのことは絶対に信用してはいけません。
ソ連軍、北海道全体の占領を検討・対馬や済州島にも野心…ロシアの公文書に記録(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

 馬鹿馬鹿しくて吹き出しました。
 まず第一に「北海道侵攻、対馬侵攻」だの明らかな与太でしょう。

ソ連軍、北海道全体の占領を検討・対馬や済州島にも野心…ロシアの公文書に記録(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース
 第2次世界大戦の日本の敗戦を機に、当時のソ連軍が北海道全島をはじめ、対馬朝鮮半島南部の港など広範囲の占領を検討していたことが、ロシア連邦外交政策文書館がオンラインで公開している公文書*1に記録されていた。
 同8月27日、海軍軍令部国際法部長ニコライ・ボロゴフが作成した文書では、「海軍としては日本の以下の地域の管理に関心を抱く」として南樺太、千島列島、北海道、朝鮮半島北部、釜山港対馬が挙がっていた。
 赤軍参謀本部特別部長ニコライ・スラヴィンが同8月29日に作成した報告書は、朝鮮半島ソ連が北緯38度から北を占領する形で連合国で二分し、個別の占領地域として対馬済州島も含めるべきだと提言していた。

という読売記事は果たして鵜呑みにできるかどうか。それが捏造文書ではなく本物だとしても「北方領土領有」を「小さく見せる」ためのスターリンの「ハッタリ」「フカシ」ではないのか(まるで間違いない事実でスターリンの本心であるかのように書き、反ソ連を煽りたいらしい読売もさすが「安倍のいいなりに出会い系バー云々で前川攻撃したゲス新聞」だけのことはあります)。
 勿論「フカシ」「ハッタリ」であれ、「本物文書」なら興味深い文書ですし「ハッタリにしても日本や韓国に対して酷い」ですがまさか本気で北方領土に留まらず「北海道全島」「対馬」「済州島」の支配まで狙っていたとはとても思えない。そんなことを英米が認めるわけがないことくらいスターリンらにも分かっていたでしょう。
 第二に「プーチンロシアとスターリンソ連はイコールではない」。
 第三にプーチンロシアのウクライナ侵攻や読売記事の「スターリン対馬への野心」云々はともかく、スターリンソ連北方領土侵攻はヤルタ密約で米英が黙認していた。ソ連のみが悪いわけではない。
 第四に今のロシアに北海道への野心なんかないでしょう。ないからこそウクライナに侵攻した。 

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◆石田昌隆
 ウクライナコンゴを軽視して、どや顔のおっさん。残念なのはToshi Ogata (尾形聡彦)だ。
◆Toshi Ogata (尾形聡彦*2
 この数日の朝日新聞の朝刊は、連日、不急の国際ニュースが1面トップで、日本の新聞の価値判断として、ひどいと思います。安倍元首相の暗殺という日本の近代史に刻まれる大事件が起こってまだ1ヶ月なのに、統一教会問題などの背景に何ら踏み込もうとせず、国際ニュースへの逃避があまりに顕著。残念です
(アフリカはいま TICAD8)コバルト源流、危険な採掘 スマホ電池原料、コンゴで7割生産:朝日新聞デジタル

 俺個人はむしろ尾方氏に賛同しますね。コンゴウクライナなんてのは国際面トップで取り上げれば十分であって、一面トップはむしろ連日「統一教会と自民の疑惑」を取り上げるべきではないのか。尾形氏も「一面トップは統一教会疑惑であるべき。日本社会にとってはそちらの方が大事ではないのか?」としているのであって「コンゴウクライナを一切扱うな」とは一言も言っていない。どや顔してる残念なバカは

【1】「統一協会疑惑」を軽視してる(下手したら産経のように安倍や自民を擁護したがってる)
【2】ウクライナコンゴへの思い入れが異常
【3】なぜそこまで朝日を擁護するのか、理由はともかく、とにかく朝日新聞を擁護したい朝日信者
【4】なぜそこまで尾形氏を敵視するのか、理由はともかく、とにかく尾形氏を罵倒したいアンチ尾形

のどれかとしか思えない石田や常岡の方でしょう。幸い、石田や常岡には社会的影響力は皆無*3ですが。常岡に至っては「事実上、廃業」ですし。

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◆谷津憲郎*4
 政治学者の豊永郁子さん*5は、沖縄をあげながら地上戦の凄惨さを説き、「ウクライナで地上戦が行われることを(民主主義の防波堤*6といった論理で)容認するのは、何かとても非人道的なことに思える。ウクライナに住む人々の人権はどこに行ってしまったのだろう」と。

 豊永氏や谷津氏の主張についてはひとまず無視します(彼らは勿論「ロシア擁護などしていない」と反論していますし、彼らの主張を適切に理解するのは楽なことではないので)。
 実際「ロシアの侵攻」に批判的な人間(俺もその一人です)でもこうまで戦争が長期化すると「このままでいいのか?」「停戦すべきでは?」「継戦する場合も、NATOの軍事支援強化とか、ロシア経済制裁強化とか何か打開策が必要ではないか?」という悩みはあるでしょう。
 そうした悩みについて「停戦すべきでは?」という豊永氏や谷津氏の片言をあげつらい「ロシアを利するのか?」と悪口する常岡とその類友には「救う会北朝鮮叩きと同じでウクライナをロシア叩きに使ってるだけではないのか」という不快感や違和感を禁じ得ません。なお「停戦」と「降伏」は勿論イコールではありません。朝鮮戦争は現在「停戦状態」ですがそれは勿論、韓国なり北朝鮮なりの降伏を意味しない(勿論「停戦ではなく、ウクライナの降伏*7まで主張している人間」も少数ながら一部いますが)。

*1:オンライン公開だからそもそも隠してないわけです。当然、日本で分かる話であってロシアに行かないと分からないわけでもない。新事実発見のように書く読売ですがもしかしたらロシア研究者にとっては「読売はアホか」「何を今更」「ソ連研究のプロなら皆知ってる。こんなことで騒ぐのは素人」なのかもしれない。

*2:朝日新聞ロンドン特派員、ワシントン特派員などを経て、Arc Times編集長。著書『乱流のホワイトハウス:トランプvs.オバマ』(2017年、岩波書店

*3:にもかかわらずこの二人とも態度が尊大であるところが滑稽です。

*4:朝日新聞論説委員編集委員

*5:早稲田大教授。著書『新保守主義の作用:中曽根・ブレア・ブッシュと政治の変容』(2008年、勁草書房)、『新版・サッチャリズムの世紀』(2010年、勁草書房

*6:民主主義が「ウクライナの民主主義」なら問題はないでしょうが「ウクライナが敗れたら世界の民主主義ガー」という意味ならそれこそ「ウクライナに余計な義務を負わせてる愚挙」でしょう。

*7:なお、「ウクライナ政府の国家としての降伏」ならともかく「一部地域の降伏」まで「どんな状況でも」否定するのは不適切でしょう。ロシア軍に包囲され、抗戦しても敗戦必至の状況ではいやでも「降伏」せざるを得ません。まさか「玉砕しろ」とはいえないでしょう。