高世仁に悪口する(2022年9/5日分)

統一教会と日本会議 なぜ「共闘」できるのか? - 高世仁のジャーナルな日々
 本文を読まなくてもタイトルだけで高世の主張は

霊感商法、高額寄付、合同結婚式の反社会カルト
◆「文教祖は天皇より偉い」「エバ国家(またはサタン国家)日本、アダム国家韓国(韓国の方が日本より格上)」「戦前日本による慰安婦や徴用工の罪を償うため統一教会献金を」というウヨにとって容認できそうにない信者相手のトーク

と言った点を無視して日本会議は何故統一教会と共闘できるのか、つうことだと理解できますが勿論

◆「反共」「九条改憲」「同性婚反対」など右翼的意見の共有
統一教会の持つ資金(信者からの献金など)やマンパワー(信者)が欲しいという損得勘定

日本会議統一教会と共闘し

統一教会の被害は深刻とは言え、日本人全体の数から見れば勿論被害者数は少ない
◆「文教祖は天皇より偉い」等は信者限定の「内部トーク」であって外部にはそんなことは何一つ言ってない(とはいえ「元信者による暴露」によってもはや「公然の秘密」ですが、日本会議は気づかないふりをするわけです)

こともあって「統一教会の問題点を平然と無視」してるわけです(この高世記事では(つづく)となってそうした結論はまだ書かれていませんが、結局そういう結論を書くのでしょう)。要するに「日本会議が党利党略のクズだ」と言う話です。

青木理*1日本会議の正体*2*3平凡社新書)は日本会議の運動のノウハウをこう指摘している。
神社本庁や神社界*4、(ボーガス注:モラロジーなど)新興宗教団体といった動員力、資金力のバックアップを受けつつ、全国各地に“キャラバン隊”などと称するオルグ部隊を次々に送り込み、“草の根の運動”で大量の署名集めや地方組織づくり、または地方議会での決議や意見書の採択を推し進めて“世論”を醸成していく」(P212-213)
 その結果、次のような成果をあげたという。
 元号の法制化、建国記念日の祝日化、「愛国的」な歴史教科書*5の編纂、国旗国歌法の制定、皇室尊崇意識の滋養*6、「憲法改正の前哨戦」としての教育基本法改正など*7
 あらためて近年の右傾化はすごいなと驚く。

 「国旗国歌法(1999年、小渕内閣)」「教基法改正(2006年、第一次安倍内閣*8」はともかく「建国記念日の祝日化(1966年、佐藤内閣)」「元号の法制化(1979年、大平内閣)」は「50年前」「40年前」なので明らかに近年じゃないですね。高世ってなんでこういう「はあ?」な文章を書くのか。
 また「日本会議ができたのは1997年」でありそれ以前の「右翼的施策」は前身の「日本を守る会神社本庁生長の家モラロジーなど右翼宗教団体で構成)」「日本を守る国民会議(前身は元号法制化実現国民会議)」になります。「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が合体して日本会議になったわけです(日本会議 - Wikipedia参照)

*1:著書『日本の公安警察』(2000年、講談社現代新書)、『北朝鮮に潜入せよ』(2006年、講談社現代新書)、『ルポ拉致と人々:救う会公安警察朝鮮総連』(2011年、岩波書店)、『トラオ:徳田虎雄・不随の病院王』(2013年、小学館文庫)、『抵抗の拠点から:朝日新聞慰安婦報道」の核心』(2014年、講談社)、『安倍三代』(2019年、朝日文庫)、『暗黒のスキャンダル国家』(2019年、河出書房新社)、『情報隠蔽国家』(2021年、河出文庫)など

*2:なお、日本会議については他にも以下の著書があります(刊行年順:刊行年が同じ場合は著者名順)。上杉聡日本会議とは何か』(2016年、合同出版)、菅野完『日本会議の研究』(2016年、扶桑社新書) 、俵義文『日本会議の全貌』(2016年、花伝社)、山崎雅弘『日本会議』(2016年、集英社新書)、藤生明『ドキュメント日本会議』(2017年、ちくま新書)、俵義文『日本会議の野望』(2018年、花伝社)、具裕珍『保守市民社会と日本政治:日本会議の動員とアドボカシー(1990~2012)』(2022年、青弓社

*3:2016年刊行

*4:明治神宮靖国神社など一部、「神社本庁に加入してない神社」があります。

*5:1987年(中曽根内閣)の新編日本史、1997年(橋本内閣)の「新しい歴史教科書をつくる会」結成など。なお、こうした右翼教科書に引きずられて「他の教科書が右傾化」と言う問題はともかく、こうした右翼教科書の採択自体は「非常に少ないこと」を指摘しておきます。

*6:右翼運動としては「在位20周年記念式典」(2009年、鳩山内閣)、「在位30周年記念式典」(2019年、第四次安倍内閣)など。但し、これについて言えば「近年の皇室尊崇意識」はおそらく「上皇夫婦のいわゆる『開かれた皇室路線』」によって形成されたが「日本会議のようなウヨ団体はそれに否定的」ということでやや複雑な話になります。

*7:「など」としては例えば「昭和の日」制定(2005年、小泉内閣)。

*8:まあ、16年前の話(高世が挙げた例の中で一番時期が新しい教基法改正)だって「近年」と言っていいのか疑問を感じますが