今日の産経ニュースほか(2022年9/29、30分)

立民も調査漏れ続々? 辻元清美氏、松木謙公氏ら - 産経ニュース
 勿論「第二次安倍政権時代に統一協会の改名許可」「安倍が統一協会票の差配」「岸信夫が選挙支援を受けたことを認めた」「萩生田政調会長参院選で生稲候補を連れて挨拶回り」の自民の方がずっと悪質ですが、とはいえ「こうした調査漏れ(?)」があることは褒められたことではない。立民党執行部と議員はきちんと釈明すべきです。


熊谷ひき逃げ事件から13年 八木橋百貨店前で情報提供呼び掛け - 産経ニュース
 遺族の気持ちは分かりますがもはや「13年経過」ではよほどの僥倖がない限り、犯人逮捕など無理であり、そうした僥倖は恐らくないでしょう。


公明熊野氏が参院議員辞職 セクハラ疑惑報道受け 臨時国会前に事態収拾 - 産経ニュース
 マスコミ報道に寄れば参院選後ではなく「参院選前に」公明党に対して被害者の訴えがあったにも関わらず、調査もせずに熊野氏を参院選候補にした疑惑がある以上、彼一人が辞任して済む話ではない。
 疑惑について山口代表ら党執行部がきちんと釈明すべきです。それができないのなら山口氏ら党執行部は役職を辞任すべきです。


「国賊」発言の村上氏 自民、10月12日に党紀委員会で審査 - 産経ニュース
 本気で懲戒処分をする気なんですかね。しかしそんなことをすればおそらく内閣支持率はもっと下がるでしょうし、村上氏も今更屈服はしないでしょう。


【主張】安倍氏の国葬 真心込めて故人を送れた - 産経ニュース
 産経なら予想の範囲内ですが「ここまで批判されるくらいなら従来通り自民党&内閣葬でよかった」とは意地でも言わないわけです。

 感動を呼んだのは、安倍氏を長く支えた菅義偉前首相による友人代表の弔辞だった。
 菅氏は、暗殺された伊藤博文を偲(しの)んだ山県有朋の歌を「私自身の思い」として、2度読み上げた。

 菅は「友人ではなく子分」でしょうが、それはさておき。
 以前も拙記事でコメントしましたが「安倍=伊藤」「菅=山県」に見立てた本当に気持ち悪い文章です。感動するどころかドン引きです。
 伊藤や山県に失礼でしょう。山県は「第一次伊藤内閣内務相、第二次伊藤内閣司法相」を務めたとは言え、「安倍の子分に過ぎない」菅(第一次安倍内閣総務相、第二~四次安倍内閣官房長官)と違い、伊藤の子分ではありません(伊藤死後も元老として政治力を振るった)。安倍がいなければおそらく出世できなかった菅と違い、山県は「伊藤がいなくても」政治家として大成したでしょう。

 (ボーガス注:国葬反対派は)国会が平成11年に、国葬の法的根拠である内閣府設置法を可決成立させたことを知らないのか。

 内閣府設置法

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC0000000089
(任務)
第三条
 内閣府は、(中略)栄典に関する事務(中略)の円滑な遂行を図ることを任務とする。

の「栄典(めでたい式典)」を「安倍国葬の根拠」とするのは相当に無理があります。

令和三年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法
令和七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律

など「安倍国葬以外の栄典」は法律が制定され、「内閣府設置法閣議決定だけで強行」などしないからです。


【政治デスクノート】「統一教会」逆風 地方選にも吹き荒れるのか - 産経ニュース
 自民にとっては逆風であっても、野党(特に統一協会との関係が報じられてない共産、れいわなど)にとっては追い風なので「逆風」と書く辺り、さすが、自民党応援団「産経」です(呆)。

 自民と旧統一教会の関係は、昨今に始まったわけではなく、それ自体は首相が自ら犯した「失策」とはいえない。

 まあ、統一協会の日本進出当時からの話ですからね。「岸信介元首相や福田赳夫元首相が統一協会イベントに出席」「文鮮明の入国(逮捕歴から入国禁止だった)に金丸元副総裁が便宜を図った」等いろいろあります。
 とはいえ「安倍が深刻化させたこと」は否定できないでしょう。そして「安倍による深刻化」には全く触れない産経です。

 「関係を断つ」などと言いながら、党所属議員に対する調査のずさんさ*1が目立ち、かえって疑惑を招いた点は多々あり、それも含めて首相の説明能力の低さ*2は否めない。各種調査での内閣支持率急落は「一喜一憂しない*3」どころか深刻といえる*4
 立民側も、枝野幸男*5前代表や岡田克也*6幹事長、安住淳*7国対委員長ら旧統一教会と関係のあった議員の存在が表面化した。ただ、自民に比べれば関与の度合いが低く、追及で「返り血」を浴びることは少ないと踏んでいる*8感がある。

 脚注をつけておきました。


『ジョブ型雇用社会とは何か』~ ジョブ型雇用の誤解とメンバーシップ型雇用の矛盾 ~ 濱口桂一郎・労働政策研究・研修機構研究所長 « ニュース « 公益財団法人 国家基本問題研究所
 濱口*9主張の是非はともかく、極右の集団「国基研」が労働問題に興味があるとは思えないし、濱口氏も「その主張の是非はともかく極右ではない」ので「?」ですね。


自民党安倍派「新体制、近々示す」 塩谷立元文科相: 日本経済新聞
安倍派新体制「近々示す」 塩谷会長代理 - 産経ニュース
 塩谷氏の最終目的は「次期会長就任」でしょうが、彼の会長就任を認めたくないであろう「次期会長狙いの下村*10や萩生田*11ら」を抑え込んで、今回の「新体制」とやらで、果たして、次期会長に就任し、「塩谷派」への変更ができるのかどうか。


安倍派、村上氏の処分要求 塩谷氏「離党すべきだ」:中日新聞Web
 安倍派の次期会長を狙う「会長代理」塩谷氏*12(安倍政権下で自民党選対委員長)としては「ある意味当然の発言」ではあります。


茂木自民幹事長、村上氏処分を党紀委諮問へ 「国賊」発言、安倍派猛反発:時事ドットコム
 安倍死後も「最大派閥である安倍派」を粗略に扱えなかったのでしょう。「処分→さらなる内閣支持率低下」のリスクを考えれば本当に処分をするかは疑問ですが、「検討する」に留まらず、「衛藤*13党紀律委員長に話をする」とまで言った点は全く安倍派に弱腰です。


松野官房長官「コメント控える」 細田衆院議長と旧統一教会の接点 - 産経ニュース
 自民幹部、特に清和会幹部(今回は細田*14衆院議長)の統一教会との癒着については何も言えないのが本当に情けない。これで「統一協会と縁切り」と言ったところで何の説得力もない。

*1:杜撰というより「党所属議員の自己申告にとどまる(自己申告が正しいかどうか、党としての調査はしない→あげくマスコミが自己申告の虚偽を指摘)」「特定項目の調査しかしておらず、自由記述項目がない(関係があっても、特定項目に該当しなければ統一協会との関係について回答の必要がない)」「献金があった、集会に出席した、と公表しても献金金額(献金金額が多い方が勿論悪質)や集会がどんな集会だったか(韓鶴子総裁が出席している、統一協会の教義を堂々と集会内で宣伝しているなど統一協会イベントであることを全く隠していない方が勿論悪質)など具体的説明はない」などの意味で明らかに「故意のインチキ調査」です。

*2:「岸田に説明能力があるかどうか」はともかく、これは説明能力の話ではありません

*3:岸田の発言

*4:産経はこれを契機に「岸田おろし→以前、総裁選出馬した高市など安倍寄りの総裁擁立」の考え(安倍寄りの連中はほとんどが統一協会とズブズブなので、実現可能かどうかはひとまず置く)でこんなことを書いてるのかもしれませんが、実際その通りでしょう。立民が大敗した「参院選直後」は「黄金の三年間(岸田が解散しない限り国政選挙はなく、また茂木幹事長など派閥ボスも岸田を脅かす存在では今のところない)」と言われたのが嘘のような事態です。岸田にとって「山上による安倍暗殺」は「山上が余計なことをしてくれた」でしょう。

*5:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)、民進党代表代行(前原代表時代)、立民党代表など歴任

*6:鳩山、菅内閣外相、民主党幹事長(菅代表時代)、野田内閣副総理・行革相、民主党代表代行(海江田代表時代)、代表、立民党常任顧問などを経て現在、立民党幹事長

*7:民主党国対委員長(菅代表時代)、野田内閣財務相民進党代表代行(蓮舫代表時代)などを経て現在立民党国対委員長

*8:「踏んでいる」も何も事実そうでしょう。「伊達元参院議長(自民)の北海道テレビ放送への証言で発覚した安倍による統一教会票の差配」「岸信夫が平然と認めて居直ろうとした(但し当然、世論の批判を浴びた)統一協会による選挙支援」「第二次安倍政権時代の統一協会改名許可疑惑(当時の文科相統一協会との関係が発覚した下村)」「参院選中の統一協会への萩生田政調会長の挨拶(参院選候補者である生稲が同行してるので明らかに選挙支援要請)」「国内ならまだしも、統一協会イベントに出席するためネパールまで出かけ「真(まこと)のお父様(教祖・文鮮明のこと)」とまで発言して統一協会に媚びたあげく、マスコミの追及に「記憶にない」と居直った山際経済財政担当相」「マザームーン(山本朋広議員発言)、真(まこと)のお母様(土井亨議員発言)(どちらも韓鶴子総裁のこと)」とまで統一協会に媚びへつらい」のような話は枝野らには出ていません。関係があっていいとは言いませんが明らかに自民ほど悪質ではない。

*9:著書『新しい労働社会:雇用システムの再構築へ』(2009年、岩波新書)、『若者と労働』(2013年、中公新書ラクレ)、『日本の雇用と中高年』(2014年、ちくま新書)、『働く女子の運命』(2015年、文春新書)、『働き方改革の世界史』(共著、2020年、ちくま新書)、『ジョブ型雇用社会とは何か:正社員体制の矛盾と転機』(2021年、岩波新書)など

*10:第二次安倍内閣文科相自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)、政調会長(菅総裁時代)など歴任

*11:第四次安倍、菅内閣文科相、岸田内閣経産相などを経て現在、自民党政調会長

*12:麻生内閣文科相自民党総務会長(谷垣総裁時代)など歴任

*13:第二~四次安倍内閣首相補佐官、第四次安倍内閣沖縄・北方等担当相を務めた安倍の側近の一人。

*14:小泉内閣官房長官自民党幹事長(麻生総裁時代)、総務会長(第二次安倍総裁時代)など歴任。安倍の前の「清和会会長」であり松野官房長官(第三次安倍内閣文科相)は清和会所属