今日の中国ニュース(2022年10月27日分)(副題:ドイツと中国の友好関係を喜ぶ、ほか)

台湾人はなぜ地方選で親中政党を支持するのか | 特集 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

◆記者
 11月の地方選の結果をどう予想していますか。
◆小笠原欣幸*1・東京外語大教授
 現時点では国民党が大勝し、民進党が大敗する可能性が高い。国民党が全般的に優勢なのは再選を目指す国民党の現職首長が安定しているからだ。
 前回の2018年地方選では、(中略)国民党が(ボーガス注:首長選挙で)22県市のうち15県市を獲得した。南部最大都市・高雄市長のポストに就いた韓国瑜氏はその後、(ボーガス注:議会の不信任案可決で)罷免されたが、国民党は現有14県市を維持する勢いで上乗せの可能性もある。一方の民進党は前回の惨敗並みかそれを下回る敗北を喫する可能性がある。

 有料記事なので途中までしか読めませんが、「国政選挙(総統選挙や国会議員選挙)で勝利した民進党が地方選で苦戦」とは「国政とは違い、地域に密着した問題が地方選挙の争点だから」でしょうね。「基地問題の沖縄」等、「国政の争点が地方選挙においても争点となった一部」を除き日本でもよくある話です。
 「一般的に現職の方が強い」というのも日本でも該当する話です。
 なお、親中国と言っても「反中国を強める民進党と比べれば」という相対的な話に過ぎず、国民党は勿論「中国共産党の傀儡」ではありません。


【正論12月号】チャイナ監視台「日台友好の裏に対日不信感」 産経新聞台北支局長 矢板明夫 - 産経ニュース
 「台湾ロビー」産経らしいですが「一部の反中国派」を除いて、日本にも台湾にも「親台湾派」「親日派」といえるような人間はほとんどいないでしょう。「日本文化(台湾文化)愛好」レベルは到底産経の言う「親台湾、親日」には該当しないでしょう。


◆ドイツと中国

ショルツ独首相、習近平氏と会談へ 中国を公式訪問: 日本経済新聞
 中国外務省は28日、ドイツのショルツ*2首相が11月4日に中国を公式訪問すると発表した。ドイツ政府によると、ショルツ氏は同日、習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談する。ロシアの侵攻が続くウクライナの情勢も話し合う予定だ。
 李克強(リー・クォーチャン)首相の招待に応じた。2020年に新型コロナウイルスが世界的に流行して以来、主要7カ国(G7)*3の首脳が訪中するのは初めてとなる。
 ショルツ氏には独国内の企業幹部らも同行する見通しだ。ドイツにとって中国は最大の貿易相手国で、中国で自動車の販売などを通じて経済的な結びつきが強い。

ドイツ首相 来月 中国訪問 習主席と会談へ 経済優先との批判も | NHK | ドイツ
 ドイツのショルツ首相が来月4日に中国を訪問し、共産党のトップとして異例の3期目に入った習近平国家主席と会談することになりました。
 ドイツ政府の報道官は28日の記者会見で、来月4日にショルツ首相が中国を訪問し習主席などと会談すると発表しました。
 ショルツ首相は共産党のトップとして異例の3期目に入った習主席に会うG7=主要7か国の最初の首脳になる見通しです。
 ドイツにとって中国は最大の貿易相手国で、政府は今月26日、中国の国有企業が北部ハンブルクの港に出資することを条件付きで認めました。
 今回の訪問にドイツ企業の幹部も同行する予定で、ショルツ首相が習主席との会談でどのような姿勢を示すか関心が集まっています。

ショルツ政権、独ハンブルク港への中国出資を容認: 日本経済新聞
 ドイツのショルツ政権は28日までに、中国の国有海運大手によるハンブルク港のターミナルへの出資を認めると決めた。
 出資するのは中国の国有海運大手「中国遠洋運輸(COSCO)」。当初は35%の出資を計画していたものの、25%未満に制限する。出資は認めるものの上限を設けることで、人事などの重要な決定事項に関与できなくなる*4という。
 ドイツにとって中国は最大の貿易相手国で、自動車の販売などを通じて経済的な結びつきが強い。ハンブルク港は独最大の港湾で、中国側も欧州の貿易拠点として重視しているとみられる。

 ということで産経など反中国ウヨが放言する「孤立する中国」が全くの嘘だとよく分かります。
 いずれにせよドイツがいたずらに中国を敵視するような「反共右翼国家」でなく「一定の合理性があること」は素直に喜びたい。
 日本も早急に習主席との首脳会談を行うべきです。


ベトナム共産党書記長、習主席と会談へ 中国訪問を発表: 日本経済新聞
ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長が訪中へ--人民網日本語版--人民日報
 「過去に中越戦争(1979年)での激突があった」「今は南沙諸島問題で対立」とはいえ「同じ共産国(今や共産国ソ連・東欧崩壊により、中国、ベトナム以外は北朝鮮ラオスキューバに激減)で重要な貿易相手国でもある」ので「習総書記の三期目突入」後のグエン・フー・チョン*5書記長の「早期の訪中」は当然の行為でしょう。まあ、「非共産国のドイツ」だって「中国市場を重視して首相が早期の訪中」ですしね。

*1:著書『ハロルド・ラスキ』(1987年、勁草書房)、『衰退国家の政治経済学』(1993年、勁草書房)、『台湾総統選挙』(2019年、晃洋書房)。小笠原欣幸 - Wikipedia によれば都築忠七(一橋大学名誉教授、『エリノア・マルクス』(1984年、みすず書房)、『エドワード・カーペンター伝』(1985年、晶文社)などの著書がある英国政治(特に社会主義思想)研究者)が指導教官で元々は英国政治史研究が専門(1987年の小笠原著書で取り上げたラスキは労働党ブレーンを務めた英国の政治学者、1993年の小笠原著書の『衰退国家』とはいわゆる英国病のこと)だったところ、台湾政治史研究に切り替えたという面白い御仁のようです。

*2:社民党幹事長、ハンブルグ市長、メルケル内閣労働相、副首相・財務相等を経て首相

*3:日米英仏独伊カナダ

*4:ショルツ首相が本気で「中国を脅威に思ってる」と言うよりは「出資反対派への言い訳」ではないか。

*5:ハノイ市党委員会書記、国会議長、国家主席など歴任。現在、ベトナム共産党書記長