澤藤統一郎に突っ込む(2022年11/8日分)(追記あり)

澤藤統一郎の憲法日記 » DHCテレビの『虎ノ門ニュース』は、間もなく放送を終了いたします。
 「月刊正論休刊」のような経営不振でしょうか?。いずれにせよ嬉しいニュースです。
【追記】
オリックスがDHC買収 3000億円、事業承継で最大規模: 日本経済新聞
 「虎ノ門ニュース」どころか、DHC本体の経営がダメダメだったという話のようですね。オリックスが購入すればいずれ「虎ノ門ニュースは中止(まさかオリックスはあんな右翼路線を継続しないでしょう)」なのでそれまでに打ち切って、DHCが面目を保ったという事でしょう。
 オリックスが購入と言うことは「DHC社長の趣味でしかない右翼路線」をやめ、経営立て直しに全力を入れれば、DHCのブランド力はそれなりにあるというオリックスの判断なんでしょうが果たしてどうなるか。しかしもともとはリース会社だったオリックスも随分と多角経営です。


澤藤統一郎の憲法日記 » 前川喜平さんを次期NHK会長に!
 こんな話は澤藤記事を読むまで知らなかったのですが、タイトルだけでずっこけました。
 第一に「是非や実現可能性はともかく」として例えば「前川喜平氏を野党共闘東京都知事に!。もう我々は極右知事・小池を容認できない!」「前川氏を野党共闘で国会へ!、そして教育問題を国会で追及してもらおう」つうなら分かる。
 選挙で勝利さえすればそれは可能だからです。
 しかし

◆安倍の加計疑惑隠蔽の共犯者である麻生副総理・財務相(現・副総裁)、岸田外相(現・首相)

が支配する政権において「加計告発」の前川氏がNHK会長になることは現実問題あり得ない。NHK会長は知事や国会議員のような公選ではなく「自民党政権の任命」です。
 第二に「是非や実現可能性はともかく」として「前川氏を日大総長へ、そして不正をただしてもらおう」ならまだわかる。
 彼は教育の専門家だからです。
 しかし、彼は「ジャーナリスト」ではない。
 勿論歴代NHK会長は

Template:日本放送協会歴代会長 - Wikipedia
◆岩原謙三(会長在位:1926~1936年)
 初代会長。財界出身。三井物産常務、芝浦製作所東芝の前身)社長など歴任。
◆大橋八郎(会長在位:1945~1946年)
 逓信官僚出身。逓信次官、岡田、林内閣書記官長、国際電気通信(現在のKDDI)社長、日本電信電話公社(現在のNTT)総裁など歴任
高野岩三郎(会長在位:1946~1949年)
 学者出身。大原社会問題研究所初代所長。日本社会党顧問で、天皇制廃止論者でもあったNHK会長としては異色の存在。
 片山社会党内閣(1947~1948年)が誕生した時期の会長らしいとは言えます。
◆永田清(会長在位:1956~1957年)
 財界出身。日本ゴム社長、福岡製紙社長、日新製糖社長など歴任
◆小野吉郎(会長在位:1973~1976年)
 郵政官僚出身。元郵政事務次官
◆池田芳蔵(会長在位:1988~1989年)
 財界出身。三井物産常務、副社長、社長、会長を歴任
◆福地茂雄(会長在位:2008~2011年)
 財界出身。アサヒビール社長、会長、相談役を歴任
松本正之(会長在位:2011~2014年)
 財界出身。JR東海常務、専務、副社長、社長、副会長を歴任
籾井勝人(会長在位:2014~2017年)
 財界出身。三井物産専務、副社長、日本ユニシス社長など歴任。慰安婦暴言で「安倍政権時代のNHK会長」で最も悪名高い人物(例えば赤旗事実をゆがめる籾井氏発言/「慰安婦」は「どこの国にもあった」?/軍による制度は日・独だけ(2014.1.28)、“「慰安婦」制度どこでも”は本当か 籾井NHK会長の暴言/軍の組織的管理 日独だけ(2014.3.3)、“政府の姿勢見てから”/「慰安婦」番組制作で NHK会長/放送の自律性・自由否定(2015.2.7)参照)。
◆上田良一(会長在位:2017~2020年)
 財界出身。三菱商事常務、副社長など歴任
前田晃伸(会長在位:2020年~)
 財界出身。富士銀行副頭取、みずほホールディングス社長など歴任

ということで必ずしもジャーナリストではないですが、「ジャーナリストが会長であるべきだろう」と俺は思っています。
 実際

◆古垣鉄郎(会長在位:1949~1956年)
 朝日新聞社ロンドン支局長、欧米部長、ヨーロッパ支局長などを歴任。
 とはいえ古垣は在任中、「NHKでのレッドパージへの加担(例:従業員組合初代委員長で、後に日本電波ニュース社初代社長となる柳澤恭雄を解雇)」をしていますが。
◆野村秀雄(会長在位:1958~1960年)
 朝日新聞政治部長、編集局長、熊本日日新聞社社長など歴任。1960年の安保闘争時には「NHKの安保を巡る番組内容が左偏向だ」と会長室に抗議に来た10人の自民党議員を相手に、啖呵を切って追い返したという。
◆阿部眞之助(会長在位:1960~1964年)
 東京日日新聞(現在の毎日新聞)名古屋支局長、京都支局長、社会部長、政治部長、学芸部長、編集局主幹、取締役主筆など歴任。
◆前田義徳(会長在位:1964~1973年)
 1936年、朝日新聞ローマ支局に現地入社、1947年大阪本社外報部長を最後に退社。1950年、NHKに解説委員として入局。その後報道局長、編成局長、専務理事、副会長などを経て1964年、会長に就任。佐藤栄作ら保守政界との深い結びつきに対しての批判も多かった。

といったジャーナリスト出身の会長も一応います。
 「前川氏に無断でこんなことはしないだろう」と思ったのですが、澤藤記事に寄れば

 昨日(11月4日)、「会」と前川さんの記者会見が行われた。

ということで「本気と言うよりは周囲とのしがらみで断り切れず」、「NHK問題に注目が集まれば御の字」程度の話だと「善意に理解したい(まさか前川氏もこんなことが可能とは思ってないでしょう)のですが、前川氏も一応、こうした運動を了解してるようです。
 前川氏には「気持ちは分かるがそんなことができるわけないでしょう。これが私、前川を国会に送ろうならまだ分かるが」「加計告発だけでそこまで評価するのは辞めて欲しい。こういう運動をするならせめて会長にはジャーナリストの名を上げて下さい」位言って欲しいところです。
 まあ、彼を担ぎ上げる方も頭がどうかしていますが。そして澤藤氏がこうした運動に賛同してるらしいことも「おいおい」ですね。
 俺も「加計告発」「朝鮮学校無償化主張」等で前川氏を高評価していますが、それとこれとは話が違う。