今日のロシアニュース(2022年11月23日分)

「露ミサイル、ポーランドに着弾」と報じた記者を解雇 AP通信、言語道断の誤報 - 産経ニュース

 APは匿名の米情報機関高官の話として「ロシアのミサイル」と速報。

 勿論、ウクライナのミサイルだったわけですが、当たり前ですが人間は「神ではない」ので誤報自体はあり得ます。当然、誤報自体は解雇理由にはならない。
 誤報が「正当な解雇理由」になるとしたら1)故意の捏造(例えばそんな発言をした高官はおらず記者の捏造、匿名にしたのも捏造を隠すための不正行為:ニューヨークタイムズ『ジミーの世界』事件(ジャネット・クック*1)、朝日新聞伊藤律単独記者会見』事件のようなケース)、2)故意の捏造を疑われてもおかしくないほどの杜撰な取材による誤報(産経の『ミンダナオ島日本兵発見』報道(そんな日本兵は存在せず)、『江沢民死去』報道(実際には存命)など)のどちらかでしょう。ただし「APが詳しい説明をしないで逃げているのか」この産経記事だけではその辺りは全く分かりません。
 それにしても今日の「TBSラジオ森本毅郎スタンバイ」で森本氏が「解雇の経緯がよく分からない、APはもっと詳しく説明すべきだ」と言ったのには同感ですが、「そもそもウクライナ誤爆か分からない、米国やNATOがそう言ってるだけでゼレンスキーは否定している」と言いだしたのには絶句しました。どうみてもこの事件は「ウクライナ誤爆(しかしゼレンスキーが素直に認めないだけ)」で決定でしょうに。
 米国やNATOが故意に嘘をついてる、あるいはあやふやな根拠で断定したとでも森本氏は強弁する気でしょうか?。TBSラジオなり、森本氏なりに詭弁を吐いてまでゼレンスキーをかばいたい理由でもあるのか。とはいえそれでも、コメンテーターに「デマ右翼」「安倍信者」上念司や田中秀臣を登場させる文化放送「おはよう寺ちゃん」等、「他局の朝の番組」に比べればTBSの方がずっとマシですが。吉田照美福井謙二文化放送の朝のMCだった時代は上念や田中などは出ず、むしろ「安倍に批判的なルポライター森功*2」が出て「モリカケ疑惑など安倍批判を話す」などして「今の寺島時代ほど酷くなかった」んですがね(その頃は今と違い、俺もたまには文化放送を聞くこともあった)。
 安倍に批判的な森氏をコメンテーターから外して「安倍信者の上念や田中」をコメンテーターに呼んでくる(その結果、MCもある程度安倍に批判的で、それなりにまともな吉田や福井から、上念や田中に調子を合わせて恥じないバカ右翼の寺島に代わる)とは、文化放送は会社の体質が完全におかしいですね。だからこそ俺は朝のラジオは今はTBSしか聞きませんが(勿論フジサンケイのニッポン放送は論外です)。


「ロシアの残虐性変わらぬ」 識者3人がトークライブ 大阪正論プレミアムサロン - 産経ニュース
 産経なら予想の範囲内ですが江崎道朗*3、グレンコ・アンドリー*4、大高未貴*5と、1)誰一人ウクライナやロシアの専門家ではない、2)それ以前に識者と呼べるようなまともな人間ではない点が失笑物です。

 第1部では映画「樺太1945年夏・氷雪の門」を上映。

 スターリンソ連プーチンロシアを同一視するのは「秀吉の朝鮮侵略」と「明治新政府朝鮮侵略」を同一視するくらい無茶苦茶でしょう。

 江崎氏は「ロシアのような専制主義国家では経済が発展しない。だから他国を侵略するしかない」と指摘。

 この理屈だと【1】「経済先進国」である欧米列強や日本の侵略(米国のフィリピン支配、英国のインド支配、フランスのベトナム支配、オランダのインドネシア支配、日本の韓国支配、ナチドイツのポーランド侵略など)、【2】米国のベトナム戦争イラク戦争はどう評価されるのか?。江崎は「これらの行為は全て侵略ではない」だの「これらの国々は全て専制主義国家で経済が遅れてる」とでも言うのか。
 あるいは「経済が発展し、対外侵略もしていない中国」は江崎的には「専制主義国家ではない」のか?(反中国の江崎がそんな認識とはとても思えませんが)。
 「専制主義国家であるかどうか」と「経済の発展」は全く関係ないでしょう。
 そもそも本当に経済がどん底だったら「武器の自主開発も外部からの購入」もできないのでむしろ戦争なんかできません。
 矛盾だらけの珍論と言っていいでしょう。

*1:1981年に『ワシントン・ポスト』に書いた記事『ジミーの世界』でピューリッツァー賞を受賞したが、後にこれは捏造記事であり、ジミーと言う少年は存在しないことが判明した。クックは記事の捏造を認め、ワシントン・ポストを退社し、ピューリッツァー賞を返上した(ジャネット・クック - Wikipedia参照)。

*2:著書『「アベ友」トンデモ列伝』(共著、2018年、宝島社)、『官邸官僚:安倍一強を支えた側近政治の罪』(2019年、文藝春秋)、『悪だくみ:「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』(2019年、文春文庫)、『菅義偉の正体』(2021年、小学館新書)、『墜落:「官邸一強支配」はなぜ崩れたのか』(2021年、文藝春秋)、『国商:最後のフィクサー葛西敬之』(2022年、講談社)など

*3:日本会議専任研究員。2018年にアパ日本再興大賞を、2019年に正論新風賞を受賞。2020年に右翼団体『救国シンクタンク』を設立し理事に就任。著書『コミンテルンルーズヴェルトの時限爆弾:迫り来る反日包囲網の正体を暴く』(2012年、展転社)、『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(2016年、祥伝社新書)、『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(2017年、PHP新書)、『日本占領と「敗戦革命」の危機』(2018年、PHP新書)、『朝鮮戦争と日本・台湾「侵略」工作』(2019年、PHP新書)、『日本は誰と戦ったのか:コミンテルンの秘密工作を追及するアメリカ』(2019年、ワニブックスPLUS新書)、『緒方竹虎と日本のインテリジェンス』(2021年、PHP新書)、『米国共産党調書』(2021年、扶桑社)、『幕末・明治日本のインテリジェンス(仮)』(2023年刊行予定、PHP新書)など

*4:2016年にアパ日本再興財団が主催する「真の近現代史観」懸賞論文に投稿し、学生部門優秀賞を受賞。著書『プーチン幻想』(2019年、PHP新書)、『ウクライナ人だから気づいた日本の危機』(2019年、扶桑社)、『NATOの教訓』(2021年、PHP新書)など

*5:2004年4月の日本文化チャンネル桜開局以降から、2017年3月迄、番組キャスター。著書『日韓「円満」断交はいかが?:女性キャスターが見た慰安婦問題の真実』(2014年、ワニブックスPLUS新書)、『日本を貶める:「反日謝罪男と捏造メディア」の正体』(2020年、ワック文庫)、『習近平のジェノサイド』(2021年、ワック文庫)、『「日本」を「ウクライナ」にさせない!』(2022年、ワック文庫)など