「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2022年11/26日分:荒木和博の巻)

◆荒木ツイート

荒木和博 on Twitter: "金正恩「俺ってさあ、最高領導者じゃなかったっけ…」 と言っているかどうか分かりませんが労働新聞2018.11.16「敬愛する最高領導者金正恩同志におかれては新義州市建設総計画を指導された」+α。 https://t.co/hA5ByM0bMI" / Twitter

 パロディのつもりのようですが「拉致被害者帰国(荒木の建前上の目的)」に何ら関係ない「くだらないおふざけ」であり心底呆れます。もはや荒木も拉致問題でまともなことを語ろうとする意欲もないのか?

荒木和博 on Twitter: "令和4年11月26日土曜日「荒木和博のショートメッセージ」第956号。私など欲のかたまりみたいなものですが、それを肯定しないと運動も前にすすみません。 https://t.co/S3zef5zTTw @YouTubeより #拉致 #横田めぐみ #特定失踪者 #特定失踪者問題調査会 #北朝鮮" / Twitter
拉致被害者救出運動にも「欲」は必要です(R4.11.26) - YouTube

 5分17秒の動画です。主張が意味不明すぎて&拉致被害者救出と関係なさ過ぎて頭痛がします。
 第一に「拉致被害者を救出したい」というのは十分「欲望」でしょう。
 というか

◆九条改憲、護憲
◆軍事予算拡大(縮減)
核兵器廃絶
死刑廃止
◆消費税廃止

など何であれ、政治運動の目的拉致被害者救出に限らず全て「欲望」ですし「政治活動」に限らず

◆希望の学校(会社)に入りたい
◆結婚したい
◆(不妊の夫婦が)子どもが欲しい
◆趣味がもっとうまくなりたい
◆(アパートを出て)一戸建ての家に住みたい

など我々の人生は「欲望まみれ」です。それは悪い事ではないし、そもそも「欲望を全てなくすこと」ができるわけもない。
 問題は「欲望を持つこと」ではなく【1】「金が欲しいから泥棒する」「希望の学校に入るために裏口入学する」など「欲望によって倫理道徳や法に反する行為をすること」、【2】その欲望の実現(例えば軍事予算拡大)が本当に自分や社会のためになるのかどうかです。「倫理道徳や法に反しない欲望の追求」で「その欲望の実現が本当に自分や社会のためになる」なら何の問題もない。
 そもそも「欲望それ自体を否定する人間」がどこにいるのか。
 結局、荒木ら救う会が「拉致で利権を漁ってる、税金にたかってる(例えば「勧進帳」「大本営発表」「キャバクラの女への横領した金のつぎ込み」みたいなものだ - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)」「荒木らには拉致を解決する気はない。むしろ拉致が解決しない方が利権(税金たかり)が長く漁れていいのだ」と非難されてる事への居直りなんでしょう。そんな居直りをすること自体「荒木が自らの利権漁りを事実上認めてる」ことであり、そうした批判が荒木にとって無視できない存在になってると言うことでしょう。一方でこんなこと(欲望の何が悪い)を抜かす荒木が「バーター取引派」「国交早期正常化派」を「国交正常化で利権を漁ろうとしている」と「間違った欲望だ」と非難してるのだから何ともデタラメです。
 第二にそんなこと(欲望の肯定?)が拉致被害者の救出と何の関係があるのか。

荒木和博 on Twitter: "令和4年11月25日金曜日「荒木和博のショートメッセージ」第955号。昔は北朝鮮は「発展する社会主義国」韓国は「軍事独裁の暗い国」とされていました。まあ、昔々の話ですが。 https://t.co/0u5YhZ0p72 @YouTubeより" / Twitter
1970年代「北朝鮮の方が韓国より良い国」とされていた頃の話(R4.11.25) - YouTube

 6分20秒の動画です。タイトルと説明文だけで見る気が失せます。
 そんなことが拉致被害者帰国と何の関係があるのか。もはや「拉致解決の展望」を口先だけでも語れなくなった荒木が北朝鮮に悪口して憂さ晴らししてるだけのくだらない話でしょう。
 そして朴正熙をそんなに美化するなら、荒木和博も、朴正煕や全斗煥をそんなに高く評価するのなら、拓殖大学の紀要や極右雑誌でないまともな学術誌に彼らの時代制約もふくめて論じる論文でも投稿したらどうか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でしょう。まあそんな能力どころか、意思すら荒木にはないでしょうが。右翼大学・拓殖だから教員にしてくれるのであってまともな大学ならこんな男は教員にはしないでしょう。
 さて荒木動画と関係ない俺の感想を適当に書いておきます。
 北朝鮮をどう評価するかに関係なく1970年代当時の韓国は「貧乏な独裁国家」でしょう。
 例えば金大中拉致事件があったのが1973年です。韓国の経済発展にしても「1965年の日韓国交正常化」とそのときの「経済支援」の影響が大きい。
 なお、1970年代は貧乏国家扱いされたが今や経済大国と言えば俺的には「韓国」より「中国」ですね。
 1972年(50年前)が「田中首相訪中による日中国交正常化」で今年は日中両国の各地で「日中国交正常化50周年イベント」がありました。
 文革を引き起こした中国共産党主席・毛沢東の死去が1976年(46年前)9月(当時は三木内閣)で、四人組逮捕による文革終了が1976年(46年前)10月(当時は福田赳夫内閣)です。
 1977年(45年前:当時は福田赳夫内閣)に四人組が党から永久追放(永久除名)。
 1980年(42年前:当時は大平内閣)に四人組裁判が開始(1981年(41年前:当時は鈴木内閣)に有罪判決)されるともに、文革時代「反革命分子」として党を永久追放(永久除名)されていた劉少奇国家主席が正式に「永久追放」を取り消され名誉回復しました。
 この過程で「四人組逮捕に協力した」とはいえ「文革期(毛沢東存命期)」に毛に後継者指名された「文革派」華国鋒が「文革期は迫害されていた」鄧小平との権力闘争に敗れ、1980年(42年前)に首相を、1981年(41年前)に党主席を辞任に追い込まれ、鄧が実権を掌握します。
 「華国鋒の完全失脚」「四人組の有罪判決」があった1981年(41年前)を「文革の完全終了」と見なすならば、それは「1976年(46年前)の四人組逮捕」から何と5年もかかったわけです。1979年(43年前、当時は大平内閣)に「カンボジアポルポト派(文革の影響があったとされる)」を支援する中越戦争(但し、ベトナム戦争の経験があったベトナムが中国に勝利したとされる)が起こったのも「文革に完全にけりがついていなかった後遺症」でしょう。
 最高幹部・毛沢東がやらかした文革にけりをつけるにはそれだけの時間がかかった。
 そして実権を掌握した鄧小平が改革開放を進めていくわけですが「1980年代」どころか「宮沢内閣による天皇訪中」のあった「1992年(30年前)」ですら今ほどの「中国の経済大国化」は誰も予想してなかったでしょう。
 経済大国化した中国は「2008年、北京夏季五輪(当時は福田康夫内閣、胡錦濤主席)」「2010年、上海万博(当時は鳩山内閣胡錦濤主席)」「2015年、AIIB設立(当時は第三次安倍内閣習近平主席)」等とその力を「遺憾なく発揮(?)」していきます。
 なお、「韓国の経済発展」で朴正熙を美化する荒木ら日本ウヨが「中国の経済発展」で鄧小平を美化しないのは言うまでもない。実にデタラメな連中です。

【参考:中国の経済発展】

鄧小平 - Wikipedia
 1978年の日本視察(松下電器日産自動車)、1979年1月の米国視察で鄧は科学技術において立ち遅れた中国という現実を痛感し、1979年7月に「香港に隣接する広東省の深圳」等に経済特区を設置した。この外資導入による輸出志向型工業化政策はその後極めて大きな成果を収めた。この彼の現実主義は「黄色い猫であれ黒い猫であれ、鼠を捕るのが良い猫である」という「黄猫黒猫論」に表れている。
 鄧は、1992年の春節の頃の1月18日から2月21日にかけて、深圳や上海などを視察し、南巡講話を発表した。
 南巡講話では「中東には石油があるが、中国にはレアアースがある。中国はレアアースで優位性を発揮できるだろう」と述べてハイテク産業や軍需産業に重要なレアアース戦略的価値を重視し、当時世界の埋蔵量の8割も中国に存在していたとされるレアアースの大規模な生産を行って後に世界の9割も独占的に供給することになる路線を決定づけたとされる。

江沢民 - Wikipedia
 総書記就任後は鄧小平の後継者として改革開放政策を概ね継承し、経済発展を推進した。その結果、総書記就任直後の1990年の中国のGDP国内総生産)が3888億ドルだったのに対し、2000年のGDPが1兆71億ドルになるなど、1990年から2004年にかけて平均約10%近くの世界最高の経済成長率を記録して中国の高度経済成長は進展した。2001年11月には中国のWTO世界貿易機関)への加盟を実現。天児慧*1早稲田大学名誉教授)は著書『毛沢東vs.鄧小平』(2004年、講談社→2021年、講談社学術文庫)において江を「中国の大国化に貢献した」と評価している。

胡錦濤 - Wikipedia
 胡錦濤体制で中国のGDP国内総生産)は世界2位となり、2008年の世界金融危機の際は、金融緩和と共に高速鉄道網の建設など4兆元の大規模な財政出動を断行して世界最速のV字回復で金融危機を脱出させ、中国は当時の世界のGDP増加の過半数に関連したことからリーマンショック後の世界経済を救済したと評される。一方、この投資主導の政策はバブル経済を加速させてバラマキ財政や箱物行政のような無駄な公共投資不良債権などの課題も残したと批判する見方もある。

*1:著書『中国改革最前線:鄧小平政治のゆくえ』(1988年、岩波新書)、『鄧小平』(1996年、岩波書店)、『中華人民共和国史』(1999年、岩波新書→新版、2013年)、『中国とどう付き合うか』(2003年、NHKブックス)、『中国・アジア・日本』(2006年、ちくま新書)、『日中対立:習近平の中国をよむ』(2013年、ちくま新書)、『「中国共産党」論:習近平の野望と民主化のシナリオ』(2015年、NHK出版新書)、『中国政治の社会態制』(2018年、岩波書店)、『中国のロジックと欧米思考』(2021年、青灯社)など