今日のロシアニュース(2023年1月1日分)

ウクライナの戦後復興計画は労働組合の破壊?: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
 弱体化するオリガルヒ ロシア侵攻で社会構造変化―ウクライナ(時事通信, 2022/12/20) - kojitakenの日記コメント欄*1で知った記事です。

 (ボーガス注:ロシアの)侵略に抵抗しているからと言ってウクライナ政府のやっていること、やろうとしていることが(ボーガス注:例外無く全て)立派だとほめるべき筋合いはない*2し、とりわけ労働関係では(ボーガス注:濱口氏等、労働者の権利保護を重視する論者の視点では、労働者の権利保護の面で)極めて問題の多い(ボーガス注:新自由主義的)政策をかなり強引に推し進めているようです。

 「ウクライナ政府(ゼレンスキー政権)を何でもかんでも手放しで礼賛していいのか?」「ウクライナについて戦争以外のこと(国内政治等)も報じてはどうか?」という濱口氏*3の問題意識には同感です。
 なお、

 プーチンのロシアによるウクライナ侵略は全面的に批判されるべきであり、さっさと降伏せずに抵抗するから殺されるんや*4みたいなことを口走る「平和主義」者の皆さんは、日本の侵略に抵抗した中国の蒋介石*5に対しても全く同じように「日本軍に抵抗したから多くの中国人が殺されたじゃないか!」と糾弾し、中国人の命を救うために侵略者との協調に転じた汪兆銘を口を極めて賞賛すべき道徳的義務がありますが、その義務を果たす立派な「平和主義」者を見たことがありません*6

という批判ですが「誰がそれに該当するのか」具体名(俺の認識だと橋下や鈴木宗男山本太郎など)を出して欲しいところです。濱口氏はそんな誹謗はしないと思いたいところですが、「社民、共産がそうだ」とデマを飛ばす輩がいるし、具体名を出さないのでは批判としても弱い。なお、こうした「侵略免罪としか思えない」物言いに俺は基本的、原則的に賛同しませんが、ただし「降伏するしか無い状況」で「降伏することで存命できる可能性がある」なら「やむを得ない決断」として降伏することは否定しません(その場合に抗戦することは確かに犠牲を増やすだけでしょう)。ただし橋下らの物言いはそういう代物では無いでしょう。
 また、汪兆銘を賞賛する気は無いですが、一方で彼が「欲得で日本に転んだ」わけではなく主観的には「中国人の命を救うために侵略者との協調に転じた」こともまた事実でしょう。
 また有名な「安内攘外(中国共産党を打倒してから日本軍と対決するという蒋介石の当初方針、しかし西安事件による第二次国共合作で修正される)」という言葉で分かるように蒋介石はいたずらに日本と対決したわけでも無い。日本が「蒋介石全面否定」の方向に動いたので妥協が成立しなかったと言う話です。


ウクライナに武器支援で在庫が逼迫 NATO「盆栽軍」の備えに懸念 [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル
 有料記事なので途中までしか読めません*7が、ロシア側が「(欧米の制裁もあって)武器供給に苦しんでる」と言う記事はよく見ますが、こうした記事は滅多に見ないので興味深い。
 有料部分が読めないので評価が困難ですが「在庫が逼迫」とは、米国やNATOの方も「ここまでの戦争長期化を予想してなかった(ロシアが早期に白旗を上げるとみていた)」ということでしょうか。

*1:ウクライナの戦後復興計画は労働組合の破壊?: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)を紹介し、「kojitakenはゼレンスキーに甘すぎる」とする批判コメントを掲載許可したと言うことは俺に「id:kojitakenはゼレンスキー礼賛しかしない」と悪口されたことを、kojitakenも気にしているのでしょう。

*2:この点は例えばチベットウイグルも同じですが「ダライ・ラマオウム真理教からの献金受領、安倍らウヨとの面会」「ペマ・ギャルポのデマ垂れ流し(例えばペマ・ギャルポの本がひどい(こういうデタラメを書かれるとやはり痛い気がする) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)」「ウイグル活動家の靖国参拝尖閣募金などウヨへの迎合」といった問題行為を俺が批判したら「中国を利するのか」と無茶苦茶な非難を俺に対して始めたのがid:Mukkeというバカです。

*3:厚労官僚(労働研究者)。労働省労働基準局賃金時間部労働時間課長補佐、職業安定局高齢・障害者対策部企画課長補佐、埼玉県労働商工部職業安定課長等を経て、労働政策研究・研修機構労働政策研究所長。著書『新しい労働社会:雇用システムの再構築へ』(2009年、岩波新書)、『若者と労働』(2013年、中公新書ラクレ)、『日本の雇用と中高年』(2014年、ちくま新書)、『働く女子の運命』(2015年、文春新書)、『働き方改革の世界史』(共著、2020年、ちくま新書)、『ジョブ型雇用社会とは何か:正社員体制の矛盾と転機』(2021年、岩波新書)など(濱口桂一郎 - Wikipedia参照)

*4:大阪弁ぽく書いてるのは橋下を想定しているのか?。まあ、「反露の大阪人」からすれば「大阪弁ぽく書くな」ではないか?

*5:ここで毛沢東を挙げないのは当時の正統政府が中華民国だからか、はたまた、濱口氏が反共ウヨだからか?

*6:汪兆銘や日本軍を非難しながら一方でロシアを免罪する論者」の名前を挙げた上でそうした論者に対してのこうした批判は有効ですが「日本軍もロシアも免罪する論者」には無効(かつそうした論者はいるか知りませんがいたとしてもおかしくない)ですので「何だかなあ」な批判です。まさかとは思いますが、鈴木や橋下は明らかに右派なのに、濱口氏は「ロシア擁護=左派、リベラル派」と勘違いしてないか。

*7:そのため記事タイトルの「盆栽軍」の意味は不明です。