ジャニー喜多川の死(2019年7月)から3年たって「日本の言論の自由なんてしれたものだ」と痛感する(追記:ジャニーズ事務所がついに謝罪)

 安倍晋三の死からしばらくたって、あらためて「日本の言論の自由なんてしれたものだ」と痛感する - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)のコメント欄にもコメントしましたが。

山口智
 共同通信ジャニー喜多川の性暴力問題について報じ始めたようだが、記者会見があっても日本の全国紙やテレビはジャニーズ事務所に忖度を続けて報道していないようであり、とんでもないな。安倍政権時代の政府の圧力に抵抗をろくにできなかったこともこれでは当然で体質は全く変わってないのが明らか。(ボーガス注:ジャニーズ事務所という)私企業に忖度しまくりの大メディアでは、東京オリパラのスポンサーに雪崩をうって参加してろくに批判もできなかったのも当然だし、とにかく酷いと思う
元ジャニーズ「性的被害受けた」 カウアン・オカモトさんが会見 | 共同通信
 ジャニーズJr.として活動していた歌手のカウアン・オカモトさん(26)が12日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、ジャニーズ事務所に所属当時、ジャニー喜多川前社長(2019年死去)から「12~16年に15~20回ほど性的被害を受けた」と主張した。

 山口氏のツイートですが全くその通りで安倍以外にも「メディアタブー(今回はジャニー喜多川)が沢山ある」現状には心底呆れます。

NHK紅白歌合戦」(2022年)に出場したSixTONESストーンズ)、なにわ男子、Snow ManKing & Prince関ジャニ∞KinKi Kids
NHK大河「どうする家康」(2023年)主演の松本潤

などメディア(特にテレビ局)がジャニーズタレントに依存してることでこうなるわけですが。

「ジャニーさんから性被害」元ジャニーズJr.会見 「未遂」証言も:朝日新聞デジタル編集委員・大久保真紀*1
 愛知県から通っていたため、仕事が遅くなると都内の喜多川氏の自宅マンションに泊まることが増えた。初めて被害に遭ったのは、同年3月、マンションに泊まった何度目かの夜。
 ベッドで寝ていると、部屋に入ってきた喜多川氏が足のマッサージを始めた。「手がだんだん上がっていき、性器を触られ、口淫された」と証言した。翌日、エレベーターで1万円を渡されたという。
 「少年たちが我慢しているのはなぜか」と問われると、「そもそもジャニーズは、ジャニーさんが気に入っている子がデビューしていて、ジャニーさんの一言で全てが決まるという認識をみんなが持っている。ジュニアの間では『マンションに行かないと売れない*2よね』ということは言われていた」などと語った。
 喜多川氏をめぐっては、「週刊文春」が1999年に少年たちへの性加害を「セクハラ」として報じた。
 喜多川氏らは文春側を名誉毀損で提訴。しかし、(中略)東京高裁は「セクハラ」について記事の重要部分は真実と認定した。
 今年3月、英公共放送BBCが「プレデター:J-POPの秘密のスキャンダル」と題した約1時間のドキュメンタリーを放映。喜多川氏の未成年者への性的虐待疑惑と、この疑惑に向き合ってこなかった報道機関など日本社会の姿を取り上げた。
 12日に記者会見を開いたオカモトさんとは別に、喜多川氏から性被害を受けそうになったと朝日新聞に証言する人もいる。
 埼玉県在住の高橋竜さん(31)は10歳のころからジュニアに入り、16歳のころ、喜多川氏から「よかったら家に泊まりにくれば」と自宅の鍵を渡されたという。
 ある日、喜多川氏の自宅で1人で寝ていると、喜多川氏が寝室に入ってきて「マッサージしてあげる」と言われた。断ったが、「忙しいだろうから」と肩をもまれ、手が下半身に伸びてきたという。
 「それ以上ダメだよ」「ダメって言ったでしょ」などと強く言うと、「ごめん、そうだよね」と言って部屋を出て行ったという。
 20歳で辞め、いまは居酒屋を経営する。

元ジャニーズの男性「ジャニー喜多川さんから性的行為」 | NHK
 ということで今後徐々にジャニー批判報道が増えるのかもしれません。
 とはいえ「生前から噂されていた同性愛セクハラ疑惑」をジャニーの死後、3年以上も経ってやっと「恐る恐る報じる」と言う態度は「松竹をネタにした共産党非難」等と比較して実に醜悪ですが。
 「安全パイしか叩けないのか」とマスゴミにはいつもながら呆れます。

【2023.5.14追記】

ジャニーズ社長が謝罪 前社長性加害問題で、被害者対策を検討 - 産経ニュース
 ジャニーズ事務所の創業者、ジャニー喜多川前社長(令和元年死去)が性加害をしていたと元所属タレントが記者会見で訴えたことを受け、藤島ジュリー景子社長は14日、「何よりも被害を訴えられている方々に対して深くおわび申し上げます」と謝罪する動画と文書を発表した。
 書面で、告発の真偽について「当然のことながら、問題がなかったとは一切思っておりません」とする一方、前社長に確認できないことから、個別の告発内容について「事実」と認める、認めないと一言で言い切ることは難しい、とした。
 また、被害を訴えている人々に対しては「カウンセラーをはじめ、専門家の力もお借りしつつ、誠実に向き合ってまいります」とした。
 この問題をめぐっては、元ジャニーズJr.の歌手、カウアン・オカモトさん(26)が4月12日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見。同事務所に所属当時、前社長から、平成24~28年に15~20回ほど性被害を受けたと主張した。
 オカモトさんの会見後、同事務所に所属するタレントのファン有志が、署名約1万6千筆を同事務所に郵送し、性加害の検証などを求めていた。
 また先立って3月には、英放送局BBCが前社長の性加害についてドキュメンタリー番組を放送。同事務所の創業以降、何人もの所属タレントが被害を訴えていたことや、東京高裁で性加害の事実が認定されたことなどを報じていた。

 ジャニー喜多川死後も長く逃げ続けたとは言え、謝罪したことはそれなりに評価したい。もはや「逃げ切れない」という判断に至ったのでしょう。

*1:著書『買われる子どもたち』(1997年、明石書店)、『ああわが祖国よ:国を訴えた中国残留日本人孤児たち』(2004年、八朔社)、『中国残留日本人』(2006年、高文研)、『児童養護施設の子どもたち』(2011年、高文研)、『献身:遺伝病FAP患者と志多田正子たちのたたかい』(2014年、高文研)、『ルポ 児童相談所』(2018年、朝日新書

*2:勿論「マンションに行かないと売れない=マンションでジャニーの同性愛セクハラを受け入れないとデビューさせてもらえない」の意味