今日の産経ニュース(2023年7/1日分)

【安倍氏銃撃1年】「別に真犯人」論理飛躍、根強い陰謀論 - 産経ニュース

 奈良県警の発表では、山上被告が発砲した銃弾のうちの2発が安倍氏の左腕部と右前頸部に当たったとしている。
 安倍氏の体内には2発の銃弾が入ったとみられるが、県警の司法解剖で実際に体内から見つかったのは1発のみ。「警察は不都合な事実を隠蔽しているのでは」との憶測も飛び交った。これについては、銃撃直後の救命活動が影響したというのが現場の見立てだ。当時、胸を切り開いての心臓マッサージや大量の輸血に加え、とめどない出血を吸収し続ける必要があり、捜査関係者は「救命活動中に体内の銃弾が失われた可能性は高い」と指摘する。

 産経ですらさすがに陰謀論と批判しています。何せ陰謀論の立場に立てば「警察、検察、マスコミが黒幕を見逃してる」と言うことにならざるを得ず「何のために?」となるし、(警察、検察、マスコミを恫喝、懐柔したのだとして)それほどの大物黒幕は「岸田現首相」「米国政府」位しかあり得ませんが常識的に考えてあり得ない。
 まだ

(ボーガス注:「自衛隊訓練中の事故である、昭和46年の全日空機と自衛隊機の雫石衝突事故(当時の増原防衛庁長官(佐藤内閣)が引責辞任)」「昭和58年のソ連による大韓機撃墜事件」からヒントを得たとみられる)日航ジャンボ機墜落事故(昭和60年)を巡る(ボーガス注:米軍が訓練中に誤って撃墜したとする)「米軍撃墜説*1

の方が「米国からそうした隠蔽が可能かもしれない」と言う意味で「安倍暗殺真犯人説」より説得力があります(勿論、日航機の方もガセですが)。
 こうした記事を産経が書いたことは一定程度評価しますが、とはいえ

[B! きれいな産経] 【安倍氏銃撃1年】「別に真犯人」論理飛躍、根強い陰謀論
◆July1st2017
 「教団とつながりがあるとみた安倍氏を銃撃したとされる(産経記事)」思いっきり繋がってて多数の議員の経歴を汚しただろ…
◆ackey1973
 見出しは「論理飛躍」してるのは陰謀論者という意味に読めるのだが、本文にしれっと「(山上容疑者が安倍氏を狙った)動機には論理の飛躍も」と書かれていて、なかなか凝ったことしてるな産経、とか思ってしまった。
◆toro-chan
 三流雑誌産経はそんな事を言ってないで、まずは(月刊Hanadaなど)ネトウヨに売文してる自らの「記者もどき」をクビにしてから言うべきだろう。そのままだとマッチポンプとして陰謀論に加担してるようにしか見えない。
◆moodyzfcd
  ( 記者の名前*2リンクから過去記事一覧*3見れるけど、タイトル見る限り政治とはほど遠い系(ボーガス注:だからこの記事が書けた)?
◆akutsu-koumi
 陰謀論に警鐘を鳴らすのは良いが、産経は事件当初から(ボーガス注:モリカケ桜疑惑批判など)反安倍に原因があるかのような論調の記事を量産し、容疑者の供述から旧統一教会がクローズアップされても真正面からの批判を避けた。偉そうな事は言えない。

と言った指摘「この記事の記者自体は政治部ではなく産経政治部は未だ安倍べったり」「記事内で未だに『動機が飛躍』とほざいてる」「産経本紙では陰謀論掲載しなくても、一部の産経記者がHanadaなど社外ウヨメディアで陰謀論に加担」を考えればこの産経記事を過大評価もできませんが。
 なお、こうした陰謀論の背景は要するに「犯行動機は、山上被告の統一協会への反発ではない」として「統一協会と安倍の癒着関係」を否定したいのでしょう。


【産経抄】7月1日 - 産経ニュース

 通常国会LGBT理解増進法*4を、十分な審議時間も取らずに無理やり成立させた背景*5にも、バイデン政権の意向があったことは隠しようがない。

 赤旗日本の軍事費増「私が説得した」/バイデン米大統領(2023.6.23)といった「産経に都合がいい内政干渉」は批判しないくせに良くも言ったもんです。
 なお、

LGBT法成立に期待 「憲法の枠内、難しくない」―駐日米大使:時事ドットコム2023.4.10
エマニュエル駐日米大使 同性婚「早期に法制化を」本紙に強調「排除する社会は未来を築けない」:東京新聞 TOKYO Web2023.5.1
エマニュエル米駐日大使、LGBT法案巡り自公の「修正案」に「賛辞」 - 産経ニュース2023.5.18

といった米国のエマニュエル駐日大使の言動が「岸田政権や自民、公明の態度に影響しなかった」とは言いません。
 また彼の言動は当然「彼個人の意思」ではなくバイデン政権の意思でしょうが、世論調査において「自民支持層ですらLGBT法支持多数」であることを考えれば「米国の内政干渉」で全てを説明しようとする産経はデマにも程があります。

 オバマ政権の副大統領時代の2013年には、当時の安倍晋三首相に靖国神社に参拝しないよう圧力をかけ、安倍氏が「国民との約束だ」と参拝すると在日米大使館を通じ「失望」を表明させたのだった。
▼このときは安倍氏が烈火のごとく怒り、米要人との会談拒否などをほのめかすと、慌てたのは米側だった。失望の表現は強すぎたと伝えてきたほか、会談では参拝批判はしないと約束した。当時、外相だった岸田首相は経緯を重々ご存じのはず

 その後、安倍が首相在任中は一切靖国参拝しなくなったこと(参拝は首相退任後。例えば安倍晋三というのも、まったくわかりやすい野郎だと思う(苦笑) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)参照)を考えれば明らかにデマでしょう。
 岸田も正直に話をすれば「経緯を重々ご存じのはずも何もそんな話、知らんがな」「安倍からもバイデンからも誰からも聞いたことがない」でしょう(安倍派や産経ら安倍シンパ右翼を恐れて言えないかもしれませんが)。
 そもそも

ここまで白を黒というレベルの嘘をついてどういうつもりなのか(苦笑)(日本に国籍をかえた楊海英静岡大学教授) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
 単に安倍が谷内氏*6を呼んで大要「谷内さんには大変申し訳ないが、総合的に物事を考えてここは中国側と協力することが国益になると考えた」とでもいえばいい話じゃないですか。そうすれば谷内氏だって(それなりには)納得するんじゃないんですかね。
 事前にそういう話をすれば、一応の「仁義」にはなるでしょう。
 でも・・・安倍はそれをしなかったということですね。谷内氏からすれば「はしごを外された」「いくらなんでもひどい」ってことになりますね。安倍としては安倍が三顧の礼で起用した(かどうか知りませんが、まあそんなに外れてもいないでしょう)谷内氏にそのような態度をとれなかったということなのでしょうが、そんな人物がプーチン大統領とか習近平国家主席、もちろん同盟国の米国のトランプ大統領(当時)あたりとまともに渡り合えますかね(笑)。できない相談でしょ、悪いけど。

という「いかに三顧の礼国家安全保障局長に迎えた元大物官僚(元外務事務次官)」とはいえ部下に物が言えない安倍ごときが米国相手(当時のバイデン副大統領など)にそんな態度を取れるとはとても思えません。
 安倍が産経などウヨ仲間にそのようにデマを放言し、産経などが信じたふりをしてる(さすがに本気で信じてないでしょう)のか、実は安倍はそんなことは一度も言ったことがなく、産経が勝手に捏造してるのか知りませんが、呆れます。

*1:この陰謀論を助長してしまったのが、事故発生現場をすぐに特定できず、時間がかかったこと(陰謀論では証拠隠滅の時間稼ぎ)です。

*2:荒木利宏、堀口明里

*3:荒木利宏 - 産経ニュース【一聞百見】松本清張を考古学からアプローチ 橿考研の絹畠歩さん - 産経ニュース(2022.11.18)、【関西 新春の味】山間部に伝わった貴重な海の幸 奈良・十津川村の「さんまずし」 - 産経ニュース(2022.12.26)、 【在宅死考】生と死支える医療描く映画「明日香に生きる」 京阪神で公開 - 産経ニュース(2023.3.25)、「近鉄王国」に残る孤高の田原本線 今はなき大和鉄道の意地 - 産経ニュース(2023.5.28)など、堀口 明里 - 産経ニュース男性トイレにサニタリーボックス 設置の動き広まる - 産経ニュース(2022.9.27)、「生まれ育った暗峠の風景守りたい」 老夫婦の茶屋は約30年間愛され続ける憩いの場に - 産経ニュース(2023.6.14) ベトナム人の「闇バイト」急増 円安で技能実習生が小遣い稼ぎか - 産経ニュース(2023.6.23)など

*4:なお、「理解増進ではなく差別禁止法を」 LGBTQ当事者団体が声明 | 毎日新聞(2023.2.14)、 LGBT理解増進法案、「差別禁止を明記し、成立を」 当事者ら訴え:朝日新聞デジタル(2023.4.28)、「LGBT差別、禁止する法律を」 連合が緊急集会 与党案を批判:朝日新聞デジタル(2023.5.25)、赤旗差別禁止法こそ/LGBT法案後退抗議 国会前(2023.6.13)でわかるように「理解増進法ではなく差別禁止法にすべき」と言う批判(但し、批判派の多くは「ないよりはまし」との判断から増進法成立を容認)もあり、話は産経が「産経らウヨ(増進法反対派)VS増進法賛成派」と描き出すほど単純ではありません。

*5:野党の反対を無視して自公が強行採決した法案をいつも「議論は済んだ」「悔しければ与党になればいい」で済ませてきた産経が良くも言ったもんです。今回産経の意向「LGBT理解増進法は成立させずに廃案」が公然と主要な国政政党(自民、公明、立民、維新、国民民主、共産、社民、れいわ)に無視されたことがよほど悔しかったのでしょう。

*6:フィリピン大使館一等書記官、外務省条約局法規課長、大臣官房人事課長、ロサンゼルス総領事、外務省条約局長、総合外交政策局長、外務事務次官内閣官房参与内閣特別顧問国家安全保障局長など歴任