今日の産経ニュース(2023年8/16、17日分)

東大阪市長、維新公認で出馬へ 自公から〝転身〟 - 産経ニュース
維新 東大阪市長選で現職の野田義和氏を公認 - 産経ニュース
 「自民から維新に鞍替え」とは大阪自民の支持基盤もガタガタではないか?。やはり「大阪維新の支持基盤」のかなりの部分は「自民党支持層だった層」なのでしょう。裏返せば大阪以外では維新がそれほどの力がないのは「まだ自民の基盤がそれなりに強固だから」でしょう。


ビッグモーター都内9店舗で除草剤 都に謝罪、原状回復の意向 - 産経ニュース
 そんなことよりゴルフボールや紙やすりなどで故意に傷つけた車のオーナーに謝罪して欲しいですね。謝罪したというニュースを聞きませんので。


小池知事、今年も追悼文送らない意向 朝鮮人虐殺悼む式典 - 産経ニュース
 どれほど恥知らずなのかと心底呆れます。


民間法人移行案を議論へ 学術会議、月内にも有識者会議初会合 - 産経ニュース
 おいおいですね。呆れて二の句が継げません。


安倍派、塩谷新体制は乱闘の幕開けか 総裁候補争いも - 産経ニュース
 「世話人会代表(塩谷)」が「幹事会座長(塩谷)」になったことがどれほど意味があるのかは疑問です。いずれにせよ「事実上の会長=塩谷*1」が続くことで「塩谷会長」が事実上「既成事実化してる」とは言えるでしょう。
 但し「事実上の会長」塩谷は「安倍派の役職には就いていても、政府、党の役職については無役」であり、その点が「麻生*2副総裁」「茂木*3幹事長」「森山*4選対委員長」など「他派閥のボスと比べた場合の弱み」です。とはいえ「党、政府の役職に就いてる5人衆(世耕*5参院幹事長、高木*6国対委員長、西村*7経産相、萩生田*8政調会長、松野*9官房長官)」には塩谷に代わって会長になるだけの力がないわけです。
 今度の党、閣僚人事で塩谷が果たして役職に就くのかどうか。

 下村博文*10会長代理ら*11が人事での交渉力確保を念頭に「座長では弱い。代表になるべきだ」などと訴えて反対した

 この辺りは「何処まで本心なのか?(下村は今も会長狙いではないのか?)」ですね。下村は本心では「幹事会メンバーにいわゆる5人衆が内定していること(下村は恐らく幹事会メンバーから外される見込み)」で「5人衆と塩谷の野合によって、下村が派閥の中枢から排除されること」を恐れて「塩谷会長」をぶち上げて「塩谷と5人衆を分断したかった(事実上の会長なら認めても、正式な会長就任は認めないのが5人衆の立場)」だけではないのか。
 但し、そうした下村の考えが見え透いていたからこそ、塩谷はその主張に乗りませんでした。
 いずれにせよ、まずは下村が派閥中枢から外され、次はどうなるかと言ったところでしょう。
 「下村を干す」ということでは利害が一致しても「その他の点」ではいろいろと考えが違うでしょうし。


自民と連立で立場の違い浮き彫り 国民民主の玉木、前原氏 - 産経ニュース
自民と距離感で隔たり 国民代表選、玉木氏と前原氏 - 産経ニュース
 玉木*12が勝利するでしょうし、前原*13が勝利したところで国民民主党の支持が上がるとも思えない。
 既に「民主党代表(ガセネタメール問題で引責辞任)、民進党代表(小池都知事を担いだ希望の党が失敗)」としてろくな成果も上げられず、辞任した前原です。
 なお「自公との連立を否定しない玉木」「距離を置く前原」と描く産経ですが、前原も立民党との連立政権を展望しているわけでもなければ「自公との連立を全否定もしていない」。前原を「自公との連立否定派」と考えたら大きな間違いでしょう。
 なお、「役職だけ」なら党三役等の幹部である「榛葉*14幹事長(選対委員長兼務)」「大塚*15政調会長(代表代行、社会保障調査会長等兼務)」「古川*16国対委員長憲法調査会長兼務)」等が代表選に出馬してもおかしくないですが「それだけの力がない」のでしょう。まあ、彼らが新代表になったところで低迷する国民民主党の支持率が上がるとは思えませんが。


【産経抄】8月17日 「コロンブスの卵」どこに - 産経ニュース

 (ボーガス注:日本では『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリー・フィンの冒険』『王子と乞食』で知られる)作家、マーク・トウェーンのジョークという。
ハバナの博物館にはコロンブスの頭蓋骨が2つある。1つは少年時代、もう1つは大人になってからのものだ」。

 後で紹介しますが類似の冗談に「源頼朝の子ども時代の頭蓋骨」というのがありますね。

(ボーガス注:博物館と言えば)「光熱費が払えない」という東京・国立科学博物館(科博)からのSOSである。
 窮余の一策が目標額1億円のクラウドファンディング(CF)である。
▼科博の関係者いわく、数多ある博物館の生存競争は激しい。
▼国に文句を言っても「無い袖は振れぬ」と返されるのがオチだろう。先細りする科学の行く末を見るようで切ないが、ここは展示の企画力*17など稼ぐ力を身につけるほかない。はたと膝を打つ「コロンブスの卵」的な解決策は、どこかに転がっているのだろうか。

 「稼ぐ力=コロンブスの卵」も何も「税金できちんと措置すればいい」だけの話です。軍事費ではそう言ってるのが産経なのに随分と学術文化には冷淡です。
 私立博物館ならともかく、何で国立博物館で「稼ぐ力=入場料収入など事業収入で解決しよう」とするのか。何のための国営なのか?。

内田樹リツイート
ラサール石井
 (ボーガス注:国の予算から)吉本に100億、議員の外遊に5億3千万。
 国立科学博物館は1億のクラウドファンディングって。
 「国立」だよね。国は立てるだけって意味?

内田樹リツイート
◆山崎雅弘*18
 子どもに「国立博物館の『国立』ってどういう意味?」と子どもに聞かれた時、大人は何と答えたらいいのか。

内田樹リツイート
◆白央篤司*19
 国立博物館*20や藝大*21に充分な予算もつけられない国が、それを恥とも思わず、そこには「威信」という言葉など絶対に使わず、(ボーガス注:大阪)万博や(ボーガス注:東京)オリンピックをやりたがるというの、私は本当におかしいと思いますよ。いかに利権だけで政府与党が動いているか

等の批判には全く同感です(ちなみに松竹本の推薦帯を書いた内田ですが、「反党裏切り分子」松竹伸幸に今日も悪口する(2023年8/16日分) - bogus-simotukareのブログでも触れましたが、松竹については全くリツイートしていません(苦笑))。
 とりあえずは「無駄な軍事費(岸田内閣で大幅に拡大)を大幅に削減」してはどうか?
【参考:頼朝公の髑髏】

蝦蟇の油 (落語) - Wikipedia
「あの鎌倉幕府を興した、源頼朝公の骸骨だよ」
「偽物ですな、これ」
「どうしてです?」
「頼朝って、頭が大きかったんでしょう?。川柳にも『拝領の頭巾を梶原縫い縮め』とある」
「ああ、これは幼少のみぎりの骸骨でして」

古今亭志ん生 | 粗忽長屋から一部引用
 頼朝という人の頭は大きかったそうですな。「拝領の頭巾梶原縫い縮め」なんて。むかし頼朝公の髑髏骨(しゃれこつ)を見せてた時代がありまして。
「これは頼朝公のしゃれこうべ。近う寄って御拝遂げられましょう」
「これは何?。頼朝さんの髑髏骨?。頼朝って人は頭大きいってぇがずいぶんこれは小さいね」
「これは幼少のときの」
って、そんなのはねえんだけど。

ご幼少の頃のしゃれこうべ: 伊那谷牧師の雑考
「これは頼朝公のしゃれこうべ。近う寄って御拝遂げられましょう。」
「ほう、頼朝公のしゃれこうべ。それは本物かい?」
「本物にござります。」
「ござりますと来たよ。えー拝見しましょう。こういうのは、なかなかありませんからね。あのね。本物だろうね、これ?。古い川柳にね、『拝領の頭巾梶原縫い縮め』という川柳がある。それに頼朝公っていう人は俗に大頭と言われるぐらいでね。頭の鉢のでかい人だったらしいね。このしゃれこうべ、ずいぶん小さいね?」
「ご幼少の折のしゃれこうべ。」
金原亭馬生*22、『がまの油』の枕)
 「がまの油」は古典落語の演目の一つ。がまの油売りが酔って口上をしゃべったために失敗するという噺。噺が短いためにインチキ見世物を枕にすることがある。その一つが上述の「頼朝のしゃれこうべ」。ヨーロッパにも「ナポレオンの幼少の頃の頭蓋骨」というジョークがあるらしい。こういう笑いは普遍的なのだろう。
 「拝領の頭巾梶原縫い縮め」
 源頼朝の腹心の梶原源太は、頼朝から頭巾を拝領したが、頭巾のあまりの大きさに縫い縮めないと使えなかったとか。それほど頼朝の頭は大きかった、という江戸時代の川柳。
追記
 笑いを解説することほど詰まらないが、この落語の笑い、分からない方がおられるので解説したい。
 くだらない物で見物料をせしめる見世物小屋の噺。客から「インチキじゃないか。金返せ!」とクレームが来ても、見世物小屋は金を返したくないからテキトーな逃げ口上を出す。それがくだらなくて面白いというのがこの噺のミソと言えよう。
 ある見物小屋の前で呼び子が「源頼朝の頭蓋骨」を見ていけと誘う。客は「本当だろうね?」と尋ねると呼び子は「本当だ」という。客は半信半疑で見物料を払ってのぞき見る。だが何の変哲もない頭蓋骨。頼朝は頭の大きい人物で有名なのに、この頭蓋骨はちっとも大きくない。それで客は「頼朝にしちゃあずいぶん小さいね」と指摘すると、呼び子はいけしゃあしゃあと「頼朝が幼少の頃の頭蓋骨だ」と逃げ口上を言う。その頭蓋骨が本当に頼朝の幼少期の物だとすれば、頼朝は幼少期に死んでいたことになる。じゃあ大人になって死んだはずの頼朝は一体誰だということになる。もちろん頼朝の幼少の頃の頭蓋骨なんてものがあるはずがない。蝉の抜け殻じゃああるまいし。

*1:麻生内閣文科相自民党総務会長(谷垣総裁時代)、選対委員長(第二次安倍総裁時代)等を歴任

*2:橋本内閣経企庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)、首相、第二~四次安倍、菅内閣副総理・財務相を経て自民党副総裁

*3:小泉内閣沖縄・北方等担当相、福田内閣金融担当相等を経て自民党幹事長

*4:第三次安倍内閣農水相自民党国対委員長(第二次安倍、菅総裁時代)、自民党政調会長(谷垣、第二次安倍総裁時代)、第二次安倍内閣経産相、第四次安倍内閣経済財政担当相、第四次安倍、菅、岸田内閣外相等を経て選対委員長

*5:第一次安倍内閣首相補佐官(広報担当)、第二次、第三次安倍内閣官房副長官、第四次安倍内閣経産相等を歴任

*6:第三次安倍内閣で復興相

*7:第四次安倍内閣官房副長官、第四次安倍、菅内閣経済財政担当相を経て岸田内閣経産相

*8:第四次安倍、菅内閣文科相、岸田内閣経産相を経て自民党政調会長

*9:第三次安倍内閣文科相

*10:第一次安倍内閣官房副長官、第二次、第三次安倍内閣文科相自民党選対委員長(第二次安倍総裁時代)、政調会長(菅総裁時代)等を歴任

*11:「安倍派における下村の子分」でしょうが「ら」が誰なのか気になるところです。

*12:民主党政調副会長、幹事長代理、希望の党代表等を経て国民民主党代表

*13:鳩山内閣国交相菅内閣外相、野田内閣国家戦略担当相、民主党政調会長(野田代表時代)、民進党代表等を経て国民民主党代表代行(安保調査会長兼務)

*14:鳩山、菅内閣防衛副大臣、野田内閣外務副大臣民主党参院議員会長、国民民主党参院幹事長等を経て国民民主党幹事長

*15:菅内閣厚労副大臣民進党代表、国民民主党共同代表、代表代行等を経て国民民主党政調会長

*16:菅内閣官房副長官、野田内閣国家戦略担当相、希望の党、国民民主党幹事長、代表代行等を経て国民民主党国対委員長

*17:「稼ぐ力」と言う表現で分かるとおり、ここで産経が問題にしてる「企画力」は「集客力」でしかない。しかし「集客できる企画=学問的に意義がある」とは限らない。例えば「例外(それなりの高視聴率を取ったとされる三谷幸喜『鎌倉殿の13人(北条義時が主人公)』等)はあるもの」の大河ドラマではやはりどうしても「戦国時代の三英傑(信長、秀吉、家康)」「明治維新の英雄(大久保、西郷)」等、有名人を扱った方が視聴率が取れるわけです。美術展もどうしても「ゴッホ」「フェルメール」など「昔から有名なビッグネームの方(特に日本の画家ではなく海外の画家)」の方が客が集まる。

*18:著書『日本会議』(2016年、集英社新書)、『「天皇機関説」事件』(2017年、集英社新書)、『増補版・戦前回帰』(2018年、朝日文庫)、『歴史戦と思想戦』 (2019年、集英社新書)、『中国共産党人民解放軍』(2019年、朝日新書)、『第二次世界大戦秘史』、『太平洋戦争秘史』(以上、2022年、朝日新書)、『未完の敗戦』(2022年、集英社新書)、『この国の同調圧力』(2023年、SB新書)、『アイヒマンと日本人』(2023年、祥伝社新書)等

*19:著書『自炊力:料理以前の食生活改善スキル』(2018年、光文社新書)、『たまごかけご飯だって、立派な自炊です。:たまごで養う自炊力』(2020年、家の光協会)、『台所をひらく:料理の「こうあるべき」から自分をほどくヒント集』(2023年、大和書房)等

*20:勿論、科博のクラファンのこと

*21:これについては例えば東京芸大の練習室ピアノ撤去へ 光熱費高騰で経費削減 学生は学業への影響を不安視 - 産経ニュース神戸新聞NEXT|連載・特集|話題|東京藝大が練習ピアノ売却 「本当にやばいかもしれない…」学生に動揺広がる 学費、学食値上げしても予算不足(2023.2.14)、電気代の高騰で大学が苦境 東京芸大、ピアノ5台を24万円で売却:朝日新聞デジタル(2023.2.20)参照

*22:代数が書いてありませんがやはり「五代目古今亭志ん生(一時期、七代目金原亭馬生を名乗った)の長男で、三代目 古今亭志ん朝の兄」「女優・池波志乃(馬生の長女)の父」「俳優・中尾彬(池波の夫)の義父」である十代目(馬生として恐らく一番有名)のことか?(金原亭馬生 - Wikipedia参照)。なお、馬生の孫(馬生の次女の息子)が金原亭小駒 - Wikipediaとして落語家だそうです。