今日の中国ニュース(2023年9月13日分)

中国・王毅氏と米大統領補佐官がマルタで会談 「建設的な対話」:朝日新聞デジタル
ブリンケン国務長官が中国副主席と会談 「建設的な議論」行う - 産経ニュース
米特使、中国副主席と会談 気候変動での連携協議 - 産経ニュース
 結局、米国には「完全に中国と対立する道」はないわけです。


社説:米越関係 中国の脅威が格上げを導いた : 読売新聞

 米国がベトナム半導体産業を支援することでも合意した。

 といってもベトナムは「ベトナム戦争支援」等で長い付き合いのある中露との関係も重視しています。過去に戦争を行った米国に傾倒するほどベトナムも甘くはないでしょう。


中国で高級食材のナマコ漁当面見送り…輸入停止で「買い取り先ない」 : 読売新聞
 中国以外(日本その他)では全く食べられてないと言うことでしょう。


【突破する日本】朝日新聞の注目インタビュー「台湾有事は起こらない」との言質掲載 八木秀次 - 産経ニュース

 宮本氏*1は台湾有事について、「そこまで心配する必要はない」とし、理由を述べる。
「台湾が独立に動かなければ、習政権が台湾を攻撃する内政上の必要性はない」
 拓殖大学海外事情研究所客員教授武貞秀士*2
 いわく、「中国は世界の覇権を握るためにグランドデザインを描き、(ボーガス注:一帯一路等)様々な布石を打ってきたにもかかわらず、台湾侵攻で国際的に孤立し、その野望がついえてしまうことはまっぴらごめんだと考えている。中国の習近平国家主席はそれをウクライナ戦争を始めたロシアのプーチン大統領から学んでいる」。

 中国の主張は「独立に動かない限り侵攻しないが、独立に動けば侵攻してでも独立を阻止する」ですからね。
 独立に動かない(現状維持に留まる)のに侵攻したら「嘘つき」の批判は避けられない。その一方で独立に動いても侵攻しないのでは「ハッタリ」と見なされ面子が潰れてしまう。宮本、武貞主張は当然の予想です。 
 但し、武貞氏の言う「世界覇権」については俺は同意しません。中国は「中国にとっての国益」を増進するため、時に「米国と対決すること」も回避しないでしょうが、それは「世界覇権」という話ではない。遠い将来(50年後等)はともかく、当面は、そんな力が握れるとは中国も思ってないでしょう。


なにが彼女を死に追いやったのか? 元記者の中国人女性、来日中の死が母国で巻き起こした物議:東京新聞 TOKYO Web2023.9.16

 王さんの複数の知人によると、王さんは2016年頃から急速にやせはじめた。拒食症とみられ、うつ病も抱えていたとされる。
 9月上旬、王さんの死を悼む文章が中国のネット上で拡散した。拒食症やうつ病の背景には「極端に厳格な社会統制」があると示唆した。直接的な表現を避けつつ、中国の抑圧的な社会で生きる息苦しさが王さんの精神をむしばみ、死につながったと指摘する内容だ。
 王さんの知人の一人は「寛容で自由な社会であれば、彼女は全く異なった人生を送ったはずだ」と話す。
 しかし、この文章に中国の民族主義的なネット世論が激しく反応した。孤独死が少なくない日本社会の冷たさなどにも批判の矛先が向いた。
 こうした論調が根拠にしていたのは、やはり王さんのXへの投稿だ。王さんは再三にわたって「金をくれ」「学費が払えない」「鰻丼を食べたい」などと自身の貧困に言及していた。経済的に豊かでなかったのは間違いないようだ。なお、警察は刑事事件ではないとして死因を公表していない。捜査関係者は「死因は低栄養。拒食症でガリガリだった。メンタルも病んでいたようだ」と話す。
 日本での交友関係は広くなかったようだ。同じ学校に通う複数の学生は王さんの死去を知らなかった。知人の一人は「王さんの生前の生活状況を詳しく知る人はいないのでは」と推測する。
◆デスクメモ
 王さんは日本で客死した。彼女に自由を満喫させて、心をいやす力が、日本社会にはなかった。(歩)

 中国国内ではなく日本で死去した以上、「政府批判で中国から亡命した」→「中国社会の問題で死去」とするのはこじつけも甚だしいでしょう。
 デスクメモも書くとおり「亡命をどう評価するか」に関係なく「日本社会が彼女をきちんと受け入れられなかった→死を招いた」と見るのが適切です。
 むしろ「日本ではなく欧米に行くべきだった」のかもしれない。


リベラル21 滅びゆく内モンゴルの民族産業‐―牧畜テスクバヤル(内モンゴル大学教授)
 「近代的な牧畜業」ならともかく「遊牧」が「滅びる」のはある意味当然でしょう。

*1:ミャンマー大使、中国大使等を歴任。著書『習近平の中国』(2015年、新潮新書)、『強硬外交を反省する中国』(2017年、PHP新書)、『日中の失敗の本質』(2019年、中公新書ラクレ)、『2035年の中国』(2023年、新潮新書)等

*2:著書『東アジア動乱』(2015年、角川ワンテーマ21)、『なぜ韓国外交は日本に敗れたのか』(2016年、PHP新書)等