「9月17日は小泉訪朝の日」ほか(追記あり)

【追記】
 この記事をほれみろ、米国とイランだって、けっきょく対価じゃねえかよ(こういうことを拒否しまくっているから、9月17日に拉致問題がろくに話題にならないという事態になるのだ) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)で紹介頂きました。いつもありがとうございます。
【追記終わり】
「人権問題ではない」のか 朝鮮学校への補助金不支給 [安田菜津紀エッセイ] | 安田菜津紀エッセイ | 沖縄タイムス+プラス
子どもへの差別を無くしたい 朝鮮学校支援する弁護士らシンポ:朝日新聞デジタル
 こうした記事には大いに共感するので紹介しておきます。


日朝首脳会談から21年 被害者家族が1日も早い解決訴える | NHK | 拉致
 とはいえ全く注目されてませんよね。俺もこの記事に気づくまで「9/17=小泉訪朝」を完全に忘れてました。
 但し「言い訳すれば」ググってもこのNHK記事以外では「今年の9/17で小泉訪朝から21年」という記事は
首相、拉致問題解決へ対話探る 「日朝平壌宣言」から21年:北海道新聞デジタル
拉致被害家族「生きている間に結果を」 岸田首相は首脳会談模索するが… 「日朝平壌宣言」から21年 解決へ道筋見えず:東京新聞 TOKYO Web
などわずかな記事しかヒットしません。
 また過去においては

和田中で拉致問題の公開授業 - 高世仁のジャーナルな日々2013.9.17
 きょうは9.17小泉訪朝から11年になる。

日朝首脳会談20年を迎えて - 高世仁のジャーナルな日々2022.9.17
 北朝鮮が日本人の拉致を認めた日朝首脳会談から20年。

と小泉訪朝を触れていた高世仁も今回はそうした記事は書いていません。
 2023.9.17付けの記事はなく、2023.9.16付け記事関東大震災の虐殺100年によせて8 - 高世仁のジャーナルな日々でも小泉訪朝への言及はなし。 
 まあ、2023.9.18付け記事で触れる可能性はありますが、多分触れないでしょう。
 過去の9/17社説では

【主張】小泉訪朝15年 長く残酷な日々に決着を(1/2ページ) - 産経ニュース2017.9.17
 2002年9月17日、当時の小泉純一郎首相が訪朝して首脳会談を行い、北朝鮮金正日国防委員長が初めて日本人の拉致を認め謝罪した。

【主張】日朝首脳会談20年 拉致問題膠着を打開せよ 理不尽への怒り共有したい - 産経ニュース2022.9.17
 北朝鮮金正日総書記が日本人拉致の非を認めた平成14年9月17日の日朝首脳会談から20年となった。

と小泉訪朝に触れていたあの産経ですら今年の9/17社説は

【主張】10月に経済対策 「規模ありき」には陥るな - 産経ニュース
 岸田文雄政権の第2次再改造内閣がまず取り組もうとしているのが、物価高を踏まえた経済対策である。
 首相は先の記者会見で、9月中にその柱立てを閣僚に指示し、10月中をめどに対策を取りまとめる意向を表明した。併せて、財源を裏付けるための令和5年度補正予算案も編成する考えだ。
 注意したいのは、規模ありきの大盤振る舞いで対策の規模を膨張させることだ。
 そんな中で無節操に歳出を拡大すれば、インフレを助長することにもなりかねない。
 問われているのは対策の中身だ。想定されているのは、ガソリン価格の高騰を抑制する補助金の継続のほか、構造的な賃上げや投資拡大の強化、人口減少や災害の対策である。
 具体化する際には、やみくもに財政資金をばらまくのではなく、低所得世帯や中小・零細企業などを重点的に支える工夫が求められる。賃上げ機運をさらに広げるため、税制を含む政策の強化で中小企業を後押しする取り組みも万全にしたい。

【主張】eスポーツと五輪 競技の将来像語るべきだ - 産経ニュース
 コンピューターゲームの腕を競う「eスポーツ」が、23日開幕の杭州*1アジア大会(中国)で初めて正式競技となる。
 国際オリンピック委員会IOC)は、将来の実施競技として採用に前向きだ。五輪のあるべき姿を含めて、建設的な議論が行われることを期待したい。eスポーツ界が五輪競技を目指すなら、将来像を含めた価値を提示してほしい。選手は若者の模範となれるのか。教育的価値や社会的責任を示せるのか。その視点を忘れてはならない。

ということで「タイトルだけで分かる」ように拉致問題ではない。
 ちなみに朝日、読売、毎日の9/17社説も以下の通り、拉致には触れません(まあ、朝日、読売、毎日、産経が9/18社説で触れる可能性はありますが、多分触れないでしょう)。
(社説)私大定員割れ 地方の進学機会確保を:朝日新聞デジタル
社説:コロナ支援縮小 一定の患者負担はやむを得ぬ : 読売新聞
社説:農産物の価格 コスト上昇を反映できるよう : 読売新聞
社説:臨時国会の召集手続き 憲法理念に沿う法整備を | 毎日新聞
社説:日本のウクライナ支援 生活再建で役割果たす時 | 毎日新聞
 荒木和博のツイートも

荒木和博
 令和5年9月17日日曜日「荒木和博のショートメッセージ」第1251号。非常にマイナーな車ですが昭和の時代に廃車になっている近鉄1450系の写真が出てきたのでそれにからめてお話ししました。

で小泉訪朝には触れません(5分47秒の動画)。
 いくら荒木が「日曜日は鉄道の話をすることにしている」というマイルールがあるとは言え、あまりに酷くないか。
 島田洋一救う会副会長)のツイートも小泉訪朝には触れず

島田洋一
 二つの会合で「それぞれ1分半のスピーチを行う」という。
 どこまでふざけた阿呆なのか。
玉城デニー沖縄県知事、18日から国連人権理事会出席へ 日本政府批判に懸念の声も - 産経ニュース

ということで『産経と同レベルの玉木知事への悪口』です。
 拉致の風化を改めて実感します。
 ちなみに「単なる偶然かもしれません*2」が9月17日は

9月17日 - Wikipedia
◆1991年
 韓国、北朝鮮が国連加盟

の日でもあります。

 この間、(ボーガス注:政府認定拉致被害者の)子どもとの再会を果たせないまま亡くなった親は8人*3となり、健在な親は横田めぐみさんの母親で87歳の早紀江さんと有本恵子さんの父親で95歳の明弘さんの2人だけとなっています。

 このままでは「拉致解決しない」まま、横田早紀江や有本明弘も亡くなるでしょう。
 特に

1936年 - Wikipedia
◆2月20日
 長嶋茂雄:巨人軍終身名誉監督
◆7月16日
 福田康夫:元首相
◆12月3日
 川淵三郎日本サッカー協会名誉会長

と存命者がまだ多い「1936年生まれの早紀江(87歳)」はともかく、存命者が少ない「1928年生まれの明弘(95歳)」は何時なくなってもおかしくないのではないか。

 家族会はことし新しい活動方針に「親世代が存命のうちに被害者全員の帰国が実現するなら、北朝鮮人道支援を行うことに反対しない」と明記しました。

 前も書きましたが何で「親世代が存命」という意味不明な条件をつけるのか。
 例えば「早紀江が死んでもめぐみ氏の弟たちが存命なら」めぐみ氏の帰国には十分意味があるでしょう。
 いや親族が全員死亡していても拉致被害者の帰国には「それ自体に意味がある」でしょう。
 まあ、そもそも家族会の言う「被害者全員」に「日本国内で40人以上発見されており、失踪に全て北朝鮮は無関係(自発的失踪や事故がほとんどで犯罪被害の場合も犯人は北朝鮮と無関係)、救う会がまともな根拠で認定してると思えない」という「特定失踪者が入ってる」時点で「新しい活動方針」は全くお話になりませんが。
 また人道支援は「困ってる人がいるなら無条件で行うべき物」であり、条件をつけていいのは「人道支援でない経済支援」と俺は理解しています。


日朝首脳会談から21年 拉致被害者家族「残された時間ない」|NHK 新潟県のニュース

 横田めぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さんが取材に応じました。
 拓也さんは46年前に拉致された4つ年上の姉、めぐみさんとの思い出について、「すごくしっかりしたお姉さんでした。拉致される前は広島に住んでいましたが、弟の哲也と3人で、プールに行って、終わった後にはデパートの下にあるパン屋さんでコーヒー牛乳を飲みながら一緒にワイワイ楽しんだりとか浴衣を着てお祭りに行ったりとか、そういった楽しい時代の記憶もたくさんあります。一緒にお風呂に入ってワイワイ楽しんだことも覚えています。あるとき姉の持っていた大切なおもちゃの人形を私が投げて壊してしまって、けんかをしてるけれども、めぐみは私のことをどなったりせず、唇をかみしめながら食いしばって我慢をして、私が投げたことを、黙って許してくれました」と語りました。
 その上で、(ボーガス注:存命*4ならば)現在58歳のめぐみさんについて「全く58歳のめぐみは想像できないです。私たちがよく目にするかわいい赤色とか明るい色の服を着たませた小さいめぐみちゃんしか思い出せないし、拉致される前の幸せな明るいめぐみと、もう一度会いたいなと、本当にあの頃の楽しい時間を返してほしいなということだけです」と話しました。
 また、救出活動の先頭に立ち続け、3年前に亡くなった父親の滋さんについて「父は、私が子どものころ*5、一度、お風呂に入ろうとした際にお湯を頭にかけて、息を押し殺して声を押し殺して泣いていた時に1回だけ遭遇したことがあるんです。子どもに自分の涙を見せられない、動揺した姿は見せられないということで毅然とした振る舞いでしたけども、お湯を頭にかけて『泣いていない』と自分に言い聞かせて見せかけて必死に声を押し殺して泣いていました。大人に使う言葉ではないけれども、本当に悲しくてかわいそうでした。父の強い願い、思いは絶対に忘れることはないし、形にしてあげたいと思っています」と語りました。
 さらにことし春に体調を崩して、一時、入院した母親の早紀江さんについて、「『目まいがするような形で、苦しくなって、もしかしたらこのまま死んじゃうのかなって思った』ということを母自身から聞きましたが、そういう言葉を直接聞くと、やはり残された時間は本当に限られてるんだなと感じるし、言葉だけではなくて、現実の問題としてそういうことに今直面してるということを肌で感じました。日本政府には時間的制約があるから早く解決してほしいといつも言っていますが、母の話を聞いたときには本当に悠長なこと*6は言ってられないんだと感じました」と述べました。
 そして、「母の本当にシンプルな希望は、めぐみが帰ってきたら、草原の上でめぐみと寝転がって青い空に浮かぶ白い雲を見て、『やっと自由な時間ができたね』と話をしたいだけなんです。何のぜいたくもない。誰にでもいつでもどこでもできる、そんなことが46年間できていない。その小さな希望を、母には叶えてあげたいなというふうに思っています」と話しました。

 内容に乏しい「お涙頂戴」で横田拓也とNHKのバカさに心底呆れます。

*1:浙江省省都

*2:一方で、北朝鮮が縁起担ぎで「9/17」にした可能性もあるのではないか。

*3:「早紀江の夫」「明弘の妻」が該当することは分かりますが、他はよく知りません。

*4:勿論生きてる保障はどこにもない。

*5:明確に書かれていませんが文脈から見て「めぐみ氏拉致以降」に「めぐみ氏の謎の失踪」を苦に思っての「涙」か?

*6:といいながら小泉訪朝から20年以上経っても「即時一括全員帰国以外は不可」「一部帰国は認めない、一部帰国なら制裁解除はするな」と「悠長なことをいう拓也」には「お前はアホか(横山ホットブラザーズ)」と呆れます。俺が拓也の立場(拉致被害者家族)なら「とにかく一人でも帰ってくるなら手段は選ばない、制裁解除も選択肢にしてほしい」といいますが。