強制連行徴用問題と尹錫悦政権|コラム|21世紀の日本と国際社会 浅井基文のページ
良くないのは、尹錫悦大統領が韓日関係を改善することに前のめりのあまり、日韓関係悪化の原因の中心的な問題である強制連行徴用問題について、問題の核心である、最重視されるべき強制動員被害者の人権回復というポイントをおざなりにする態度があまりにも露骨であるということです。
私はこのコラムでこの問題について書かねばと思っていたのですが、10月5日のハンギョレ・日本語WSが、被害者の代理人の一人でもあるイム・ジェソン弁護士が明確に問題の所在を明らかにした寄稿文「何のための「韓日首脳会談」なのか」を掲載しましたので、以下に全文を紹介します。
(ボーガス注:全文ではなく一部だけ俺が紹介します:強調部分は浅井先生の強調)
会談を実現させるために、最高政治指導者も客観的事実と合わない話を躊躇なくする。尹錫悦大統領は8月17日の就任100日記者会見で「日本が懸念する主権の問題の衝突なく」強制動員問題を解決すると述べた。耳を疑った。法律家出身の大統領が法的誤りの含まれている話をしたからだ。主権は「国家」の問題だ。強制動員最高裁判決は日本企業、すなわち「私人」に対する判決だ。執行手続きも日本企業の韓国領土内の資産に対して行われている。日本政府は当事者ではない。強制動員賠償問題の司法手続きが日本国の領土を侵害したり、日本の司法権を侵害したりした事実は全くなく、そうすることもできない。日本政府でさえ強制動員問題に言及してきたこの数年の間に「主権が侵害された」という主張をしたことはないが、韓国の大統領がこの問題を主権の問題に格上げしてしまったのだ。首脳会談のために最大限の低姿勢の立場を公表して失敗したとしか解釈できない。
何のための韓日首脳会談なのか。歴史的・客観的事実を犠牲にし、韓国の被害者までをも清算することでようやく実現する首脳会談において、我々が得るものは何なのか。明るく笑う両首脳の写真だろうか。
(中略)
「ともに民主党」の大統領候補がパッとしなかったとは言え、尹錫悦を選択した韓国主権者には愚痴を漏らしたくなります。
こうした浅井先生の主張には全く同感です。しかし、こうした正論を主張する浅井先生が「ウクライナ戦争」では「米国批判の意識の強さ(勿論、護憲派・浅井先生の「米国批判の理由の一つ」は【1】米国が九条改憲を自民党にけしかけてることや【2】日米韓同盟を重視するあまりに慰安婦問題に冷淡なこと)」のあまりにロシアに大甘なことにはげんなりします(確かにベトナムやイラクを侵略したり、CIA謀略でチリ・アジェンデ政権を転覆したりした無法国家・米国が良くも自分を棚上げしてロシアを非難できる(呆)、とは思いますが)。
やっぱり半藤一利氏ってトンデモじゃんとあらためて思った - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)
なまじ世間での評価が高い人がひどいトンデモなことをほざくこともあります。本多勝一氏の東洋医学の話*1などもご同様。
の一例ではあるのでしょう。勿論半藤であれ、本多氏であれ、浅井先生であれ、誰であれ「長所を理由に問題点を正当化はできません」が、一方で「問題点を理由に長所を否定すること」も適切ではない。そこは「是々非々」ですね。
(社説)北朝鮮ミサイル 脅威の暴走に歯止めを:朝日新聞デジタル
北朝鮮を一方的に非難する駄文です。そもそも「ミサイル発射実験して構わない」とは言いませんが、通常兵器は旧式の「軍事小国」北朝鮮が「周辺の軍事大国(日本、韓国)」を軍事攻撃するわけもない。「脅威」云々とは「朝日はアホか」と心底呆れます。
米軍と韓国軍が日本海に向けミサイル4発発射 北朝鮮をけん制 | NHK | 北朝鮮 ミサイル
こういう行為は軍事的緊張を高めるのでやめるべきでしょう。それにしても「共に民主党」が大統領選に勝利してればこんなことはなかったのではないかと思うと非常に残念です。
【主張】めぐみさん58歳 悲しい誕生日に終わりを - 産経ニュース
お涙頂戴の駄文です。拉致解決には全く関係ない。そもそも何故拉致被害者の中でめぐみ氏だけ特別扱いなのか。他の拉致被害者やその家族に失礼です。
勿論めぐみ氏だけ特別扱いは
◆三・一運動で朝鮮総督府に迫害され獄死した人間は他にもいるが柳寛順(1902~1920年)に注目が集まること
→1962年、韓国政府(朴正熙政権)がその功績を認めて建国勲章3等級「独立章」を授与。2019年、韓国政府(文在寅政権)が建国勲章一等級「大韓民国章」を追加で授与。2020年には韓国郵政が殉国100年の記念切手を発行
◆タリバンに迫害された人間は他にもいるがマララ・ユスフザイ(1997年生まれ)に注目が集まること
→2012年にタリバンに狙撃され重傷。2014年にノーベル平和賞受賞
と同様に「若い女性が酷い目に遭えば注目される」と言う話だとはよく分かりますが。
産経の駄文にも簡単に突っ込んでおきます。
早紀江さんはその日を前に「私たちの大切な娘を奪った悪には徹底的に立ち向かう」と強い口調で語った。
やるべきことは「めぐみ氏の帰国(生きてる場合)」や「遺骨の回収(死んでる場合)」であってこのような北朝鮮への悪口ではない。早紀江のバカさに心底呆れます。
めぐみさんの弟、拓也さんは「北朝鮮の人質外交は変わっていない。変わったのは最前線で戦った父らが他界したことだ。親世代が(めぐみさんらと)会えなければ拉致問題の解決はあり得ない」と話している。
早紀江が死んだら「めぐみ氏が帰国しなくても構わない」とでも言いたいらしい拓也には呆れます。それでも実弟なのか。
「両親が死んでも弟の俺が会うことには意味がある」と思ってないのか。そんなに姉に対する愛情がないのか。
そして「変わってない」のはむしろ2002年の小泉訪朝から20年経っても成果のない制裁路線に固執する「拓也ら家族会主流派」の愚劣さです。
むしろ話は逆で「国交正常化を先行させ、日朝間に一定の信頼関係を構築した後に拉致解決」ではないのか。
勿論産経ら「反北朝鮮右翼」の目的は「拉致解決を口実にした国交正常化妨害」だからこうなるわけですが。
しかも「拉致解決」が「政府認定拉致被害者限定ならまだしも」、産経ら右翼は「特定失踪者(日本国内で40人以上発見されほとんどが自発的失踪、犯罪被害の場合も犯人は北朝鮮とは無関係)」という「インチキ拉致被害者」を持ち出すから話になりません。
めぐみさん58歳誕生日、同級生が合唱 早紀江さんも耳傾け - 産経ニュース
馬鹿馬鹿しい。こんな合唱をしたところでめぐみ氏が帰国するわけでも何でもない。「めぐみ氏をダシにして同級での合唱会がやりたかっただけではないのか」と疑いたくもなります。
横田めぐみさん5日で58歳 「横田家の問題ではない」弟たちの思い - 産経ニュース
「横田家の個人的問題」に過ぎず「国民にとってはどうでもいい問題」なので「何様のつもりなのか」「神様、仏様、横田様か」「図に乗り、思い上がるのもいい加減にしろ」と心底呆れます。但しこのような傲慢な態度を取れば取るほど拉致は風化するでしょうが。