西岡力の統一教会擁護に呆れる(2023年10月17日分)【追記あり】

【追記】
1) この期に及んで統一協会解散請求を批判するのだから、どれだけ非常識なのか(西岡力―さすがに拉致被害者家族会もいつまでこのような人物についていくつもりなのか) - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)でこの記事をご紹介頂きました。いつもありがとうございます。
2)

【第1121回】宗教者は信教の自由侵害に沈黙するな « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所
主の羊クリスチャン教会牧師・東京キリスト教神学研究所幹事 中川晴久
 いま政府は一つの宗教をターゲットに信教の自由を侵害し、政治に参加する権利をも奪わんとしている(ボーガス注:勿論、統一協会に対する解散命令請求のこと)。にもかかわらず、日本の宗教界は抗議の声を上げていない。これを許せば直ちに宗教界は萎縮し、宗教が廃れれば日本の良き精神性も文化も失われていくだろう(ボーガス注:統一協会の解散命令請求は『児童虐待が疑われるエホバの証人』など一部を除き他の宗教へ拡散する可能性はほとんどないでしょう)。それではいけない。

 その後も統一協会擁護する国家基本問題研究所には心底呆れます。
【追記終わり】
 最初は今日の朝鮮・韓国ニュース(2023年10月16日分)(追記あり) - bogus-simotukareのブログに書いてましたがかなり長くなったので別の記事にすることにしました。
【第1081回】なぜ今なのかが不可解な旧統一協会解散請求 « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所西岡力

 私は昨年10月31日付の本欄【第980回】キリスト教信者から見た旧統一協会問題 « 今週の直言 « 公益財団法人 国家基本問題研究所で、福音派キリスト教信者として「政府と国会が現在進めている旧統一協会への対応に恐怖を感じている。なぜなら、信教の自由という憲法で保障されている大原則によってこれまでできないとされてきたことが、次々とできることにされているからだ」と書いた。その恐怖はより強くなっている。特に、キリスト教、仏教、神道などのリーダーを含む宗教法人審議会が解散命令請求に全会一致で賛成したことに戦慄を覚えた。

 呆れて二の句が継げません。「長い付き合いのある反共ウヨ仲間」ということなのでしょうが、統一協会を未だに擁護する西岡(救う会会長)らウヨ連中には心底呆れます。そしてこんな西岡と未だに付き合い続ける拉致被害者家族会にも呆れます。
 それにしても「福音派キリスト教信者として」とは、勝手に「福音派キリスト教信者」の代表面してることには呆れます。
 そして確か、横田早紀江も「福音派キリスト教信者」なんですがこんな発言を容認していいのか。まともな福音派キリスト教信者なら西岡に激怒でしょう。それとも「まともな福音派キリスト教信者」とは存在しないで、福音派キリスト教信者は皆「人間のくず」なのか。
 なお、キリスト教、仏教、神道などのリーダーを含む宗教法人審議会ですが「宗教団体出身の委員」は以下の通りです(但し、刑法学の井田良*1(いだ・まこと:慶應義塾大学名誉教授、中央大学教授)、行政法学の大橋真由美*2(おおはし・まゆみ:上智大学教授)、民法学の北居功*3(きたい・いさお:慶應義塾大学教授)、憲法学の宍戸常寿*4(ししど・じょうじ:東京大学教授)、宗教学の藤原聖子*5(ふじわら・さとこ:東京大学教授)等、有識者委員もいます)。

第36期宗教法人審議会 委員名簿(五十音順) | 文化庁
・網中彰子(あみなか・しょうこ)
  日本基督教団総幹事
内田恭子*6(うちだ・きょうこ)
  教派神道連合会理事、神道修成派社会部長
・江口陽一(えぐち・よういち)
 (公財)新日本宗教団体連合会常務理事
・九條道成(くじょう・みちなり)
  明治神宮宮司
・宍野史生*7(ししの・ふみお)
 (公財) 日本宗教連盟理事、教派神道連合会理事長
・戸松義晴(とまつ・よしはる)
 (公財)全日本仏教会理事
・中尾史峰(なかお・しほう)
  築地本願寺宗務長
・庭野光代*8(にわの・みつよ)
  立正佼成会次代会長,(公財)新日本宗教団体連合会常務理事
・廣瀬薫(ひろせ・かおる)
  日本同盟基督教団牧師、恵泉女学園学園長
・本多端子(ほんだ・ただこ)
 (公財)全日本仏教婦人連盟理事、妙清寺責任役員
・村田守広(むらた・もりひろ)
  竹駒神社宮司

 2012年に全国統一教会対策弁護団文科省が解散命令請求をしないことを違法として国家賠償請求訴訟を起こしたが、2017年に東京地裁は行政の裁量の範囲内だとして訴えを棄却した。

 当時の東京地裁の判断がおかしかっただけの話です。やはり自民党政権への忖度なのか?。なお「解散命令請求をしないことは裁量の範囲内」とは「請求してもしなくても構わない」と言う意味でしかないので今回の請求はさすがに認められると思います。

 集団リンチ殺人という重大な刑法違反をした三つの宗教法人(神慈秀明会*9紀元会空海密教大金龍院)に対しても解散請求を行っていない。

 無知なのでこれらの教団について知りませんが、仮に「リンチ殺人」が事実で「信者の個人的犯行(教団と無関係)」ではなく「教団に責任がある」のなら「それらの教団も解散請求すべき話」です。「統一擁護」は話が全く逆です。
 なお「紀元会」、「空海密教大金龍院」でググってヒットした殺人事件(傷害致死含む)を報じる記事を紹介しておきます。

長野の暴行死、紀元会に賠償命令 東京地裁「凄惨で危険」と指摘 | 千葉日報オンライン2018.3.2
 長野県小諸市の宗教法人「紀元会」で2007年、女性=当時(63)=が集団で暴行され死亡した事件を巡り、女性の次女(36)が慰謝料などの損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2日、紀元会と会員らに計約3700万円の支払いを命じた。
 判決によると、女性と次女は07年9月、紀元会内部のもめごとを理由に、施設内で会員らから集団暴行を受けた。次女はけがをした。

宗教施設で集団暴行死 京都、容疑の9人逮捕 - 日本経済新聞2012.9.22
 京都市の宗教施設内で信者に集団で殴る蹴るの暴行を加えて死なせたとして、京都府警は22日までに、傷害致死の疑いで、宗教法人「空海密教大金龍院」信者の46~76歳の男女9人を逮捕した。
 府警によると、死亡したのは京都市上京区、会社経営、南部忠之さん(68)。逮捕された信者の1人が暴行の理由について「教義に反し、たばこを吸ったから」と供述しており、府警は、教義を巡り信者同士でトラブルが起きた可能性もあるとみて調べる。
 逮捕されたのは、南部さんの妻でパート、南部洋子容疑者(67)と、会社経営、増田敦士容疑者(46)ら滋賀、京都、大阪の3府県の男8人。いずれも大筋で容疑を認めている。

 朝日新聞東京新聞などは今回社説で、安倍元首相は旧統一協会の「広告塔」だったとか、旧統一協会が度重なる非難にもかかわらず法人格を維持できた理由の一つは「自民党保守派*10との強い紐帯」があったからだと書いて、政府与党への攻撃を強めている。見当外れの批判になぜ自民党は反論しないのか。

 何処が見当違いなのか。明らかに事実でしょう。

 「明日は我が身」である他の宗教から、信教の自由を守れという声がほとんど出ていない。強い危機感を覚える。

 当然ながら「『霊言と言うインチキ』の幸福の科学」「https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230227/k10013992561000.html(2023.2.27)、「エホバの証人」信者2世ら、むち打ちや輸血拒否の児童虐待防止「極めて不十分」 : 読売新聞(2023.5.22)、「むち打ち虐待」訴え続ける元信者 エホバの証人、異例の通知後 | 毎日新聞(2023.6.28)、「暴力が振るわれない家庭なんてないと思っていた」エホバの証人の元信者3世が明かす「宗教虐待」の闇 | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしいなど児童虐待疑惑のエホバの証人」等、一部を除けば、ほとんどの宗教団体は全然「明日は我が身」じゃありませんのでね。
 「浄土真宗真言宗天台宗曹洞宗日蓮宗など」(仏教諸派)、神社本庁神道)、日本基督教団キリスト教)、「大本、生長の家世界救世教創価学会天理教PL教団立正佼成会など(新宗教教団)」が「明日解散されるかも」とは誰も思わないでしょう。「明日は我が身」なんていう西岡には「うちの教団はあんな反社会的なことはしてない」「さすがに自民党もうちの教団を解散請求するほど無法だと思ってない」という声が出るのが落ちです。
 それにしても巣くう会会長が公然と統一協会を擁護し、それを家族会が容認する。いいかげん家族会も、島田洋一に対して苦言くらいは呈したらどうか - ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)をもじれば「いいかげん家族会も、西岡力に対して苦言くらいは呈したらどうか」。まあ島田にも西岡にも何も言えない木偶の坊が家族会でしょうが。そんなことだから拉致が解決しない。
 蓮池薫氏も少しは西岡批判をしたらどうなのか。

*1:著書『犯罪論の現在と目的的行為論』(1995年、成文堂)、『刑法総論の理論構造』(2005年、成文堂)、『変革の時代における理論刑法学』(2007年、慶應義塾大学出版会)、『死刑制度と刑罰理論』(2022年、岩波書店)等

*2:著書『行政紛争解決の現代的構造』(2005年、弘文堂)、『行政による紛争処理の新動向:行政不服審査ADR苦情処理等の展開』(2015年、日本評論社)等

*3:著書『契約履行の動態理論Ⅰ:弁済提供論』、『契約履行の動態理論Ⅱ:弁済受領論』(以上、2013年、慶應義塾大学出版会)等

*4:著書『憲法裁判権の動態(増補版)』(2021年、弘文堂)等

*5:著書『現代アメリカ宗教地図』(2009年、平凡社新書)、『教科書の中の宗教』(2011年、岩波新書)、『世界の教科書でよむ<宗教>』(2011年、ちくまプリマー新書)、『宗教と過激思想』(2021年、中公新書)等

*6:コメント欄でご指摘がありますが勿論内田恭子 - Wikipedia(元フジテレビアナ、現在フリーアナ)とは同姓同名の別人です。

*7:神道扶桑教管長

*8:立正佼成会初代会長・庭野日敬の孫。第2代会長・庭野日鑛の長女(庭野光祥 - Wikipedia参照)

*9:世界救世教信者の小山美秀子世界救世教から、昭和45年(1970年)に独立し新たに神慈秀明会を創設(神慈秀明会 - Wikipedia参照)

*10:と言うより清和会(現・安倍派)ですが