新刊紹介:「歴史評論」2024年1月号(追記あり)

特集『〈紫式部〉を歴史から読み解く』
(前振り)

一般財団法人 歴史科学協議会(2023年12月時点の記載)
 2024年のNHK大河ドラマは「光る君へ」。大河ドラマ史上二番目に古い時代*1を扱うこと、女性が主人公であること、何より、あの『源氏物語』を書いた紫式部の人生を追うということで、注目が集まっています。
 紫式部は、日本では小学六年生で習う人物です。『源氏物語』があまりに有名なので意外かもしれませんが、ほとんど歴史資料に残っておらず、実態がよくわからない女性です。ドラマでは藤原道長との恋模様が描かれるようですが、紫式部の人生はもちろん、道長ありきではありません。彼女の出身階層、親族や家族、女房という職業と仲間、仕えた后や天皇、そして摂関期という藤原氏全盛の時代になぜ「源氏」を描いたのかなど、彼女を知るための手掛かりは、道長以外にもたくさん見出せます。
 一方、紫式部をめぐる史実とはかけ離れた説話や、(ボーガス注:源氏供養など)『源氏物語』から派生した儀礼や芸能も、彼女の死後に現れます。これらを非歴史的と切り捨てることなく、人々が紫式部と『源氏物語』を、それぞれの時代の文脈で受け止めようともがき続けた、もうひとつの歴史の姿と捉えるべきでしょう。
 紫式部に対する最新の歴史研究の成果とともに、歴史が創り出した紫式部のイメージまで含めて扱いたいと、この特集を企画しました。注目の「源氏絵」デジタル研究の成果もお伝えできます。

ということで2024年のNHK大河「光る君へ」(脚本・大石静)の主人公が紫式部(演:吉高由里子*2)だからこの特集のわけです。
 なお女性が主人公の大河としては以下の物があります。

大河ドラマ - Wikipedia
◆1981年:『おんな太閤記
 豊臣秀吉西田敏行*3)の正室である北政所佐久間良子
◆1985年:『春の波涛』
 女優・川上貞奴松坂慶子*4
◆1989年:『春日局
 江戸幕府将軍・徳川家光江口洋介)の乳母(大原麗子)。1980年の『おんな太閤記』で脚本を務めた橋田壽賀子が再び脚本。
◆1994年:『花の乱
 室町幕府将軍・足利義政十二代目市川團十郎)の正室である日野富子三田佳子
◆2002年:『利家とまつ
 女性主人公は加賀藩藩祖・前田利家(男性主人公:唐沢寿明)の正室であるまつ(松嶋菜々子
◆2006年:『功名が辻
 女性主人公は土佐藩初代藩主・山内一豊(男性主人公:上川隆也)の正室である千代(仲間由紀恵)。今回『光る君へ』(2024年)の脚本を務める大石静が脚本
◆2008年:『篤姫
 江戸幕府将軍・徳川家定堺雅人)の正室宮崎あおい
◆2011年:『江:姫たちの戦国
 江戸幕府将軍・徳川秀忠向井理)の正室上野樹里)。2008年の『篤姫』で脚本を務めた田渕久美子が再び脚本。
◆2013年:『八重の桜』
 同志社創始者新島襄オダギリジョー*5)の妻八重(綾瀬はるか*6
◆2015年:『花燃ゆ』
 吉田松陰伊勢谷友介)の妹・杉文(井上真央*7
◆2017年:『おんな城主・直虎』
 徳川幕府譜代大名・井伊氏の先祖である井伊直虎柴咲コウ*8


紫式部中宮彰子*9(服藤早苗*10
(内容紹介)
 紫式部と彼女が女房として仕えた彰子の関係について論じていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


紫式部の一族(樋口健太郎*11
(内容紹介)

 一族の略歴についてはウィキペディア参照。ドラマのキャストは光る君へ - Wikipedia参照
◆父方の祖父・藤原兼輔
 義父である藤原定方*12中納言、大納言、右大臣を歴任)の支援で中納言まで出世
◆父・藤原為時(越前守、越後守を歴任)
 大河ドラマでは岸谷五朗*13。為時の父「兼輔」が中納言(中央の要職)にまで出世したのに対し、「地方官僚」越後守止まりであり権力闘争に敗れ、一族が没落したことが窺える。
 なお、為時は長徳2年(996年)正月25日に淡路守に任ぜられたが、3日後の28日に右大臣(当時、後に摂政、関白、太政大臣を歴任)の藤原道長が参内して、越前守に任ぜられたばかりの源国盛*14を停めて、為時を淡路守から越前守に変更した。淡路国に比べ越前国は大国であり、国司としての収入には雲泥の差がある。『古事談』によれば、越前守を譲らされた国盛は衝撃のあまり病気になってしまい、その後、播磨守に任じられたが病は癒えずとうとう死んでしまったという。同様の話は『続本朝往生伝』『今昔物語集』『十訓抄』など多数の説話集に掲載されており、為時が淡路守から越前守に栄転したことは当時の人々の注目を集めたことが窺われる。なお、この越前守変更の理由について、大納言・藤原行成*15の日記『権記』、右大臣・藤原実資*16の日記『小右記』は、単に「為時と道長の関係(共に藤原一族で、為時の娘・紫式部道長の娘・彰子に仕える女房)」で行われたわけではなく前年の長徳元年(995年)9月24日に越前の隣国・若狭に宋の商人・朱仁聡(大河ドラマでは浩歌*17)が来着する事件が起こり、その後若狭や越前に逗留している事から、その交渉相手として漢文の才を持つ為時が選ばれたとしている(藤原為時 - Wikipedia参照)。
◆母・藤原為信*18
 大河ドラマでは国仲涼子
◆弟の藤原惟規
 大河ドラマでは高杉真宙

といった親族について論じていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


紫式部と宮廷の女性たち(本橋裕美*19
(内容紹介)
 紫式部日記に登場する

清少納言
 枕草子作者で中宮定子*20の女房。大河ドラマではファーストサマーウイカ*21が演じる。
藤原道綱母
 蜻蛉日記作者

といった「宮廷の女性たち」について論じていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。


紫式部と源氏供養(小峯和明*22
(内容紹介)
 源氏供養について論じていますが小生の無能のため詳細な紹介は省略します。
参考

源氏供養 - Wikipedia
 源氏物語およびその作者紫式部を供養するという、日本の中世に見られた文化。また、それを題材にした「源氏供養」という題の作品が、能を始め、いくつかある。
 源氏供養の由来は、仏教において、架空の物語を作ることは、「嘘をついてはいけない」という五戒の1つ「不妄語戒」に反する、とする当時の思想である。法華経二十八品を各人が一品ずつ写経して供養した法会である。源氏物語に耽溺した事を反省し、代わって仏道にいそしむ姿は1060年頃、著された更級日記の中にすでに現れているが、源氏供養の具体的な行為は、治承(1177年から1180年)、文治(1185年から1189年)の頃に始まったとされる。
能楽
 作者については世阿弥説、「世阿弥の女婿」金春禅竹説がある。豊臣秀吉能楽の中で特に源氏供養を好み、1592年(文禄元年)から1593年(文禄2年)にかけて自ら7回舞った記録が残っている。
浄瑠璃
 1676年(延宝4年)5月、近松門左衛門が24歳のときの作品とされて『近松全集』にも収録されたが、近松作とすることには近年異論が出されている。
三島由紀夫の戯曲】
 1962年(昭和37年)に「文藝」復刊3号(河出書房新社)で発表

石山寺で中秋の名月めでる「秋月祭」|NHK 滋賀県のニュース2023.10.2
 中秋の名月だった先月9月29日、紫式部ゆかりの大津市石山寺で月見や能を楽しむ「秋月祭」が開かれました。石山寺では、およそ1000年前の平安時代紫式部が月を見て源氏物語の構想を練ったと伝えられています。本堂ではおよそ200人が見守る中、紫式部の霊が寺を訪れた僧侶の前に現れて舞を披露する「源氏供養」という能が奉納されました。


紫式部像の流通と変容(津島知明*23
(内容紹介)
 近年の「紫式部」を題材とした映像作品

東映千年の恋 ひかる源氏物語 - Wikipedia(2001年)
藤原道長渡辺謙*24)、紫式部吉永小百合*25
道長は式部の亡き夫「藤原宣孝*26渡辺謙一人二役)」とうり二つであり彼女が恋愛関係になるのも不思議ではないという設定
東宝源氏物語 千年の謎 - Wikipedia(2011年)
藤原道長東山紀之)、紫式部中谷美紀*27

が「藤原道長」と「紫式部」の間に「恋愛関係」や「男女の肉体関係」を想定していることが指摘されている(こうした想定は津島氏に寄れば比較的近年の傾向)。
 こうした「恋愛関係」の想定がNHKドラマ(藤原道長柄本佑*28)、紫式部吉高由里子))でも踏襲されるのかどうかが注目される(追記:「何より大切なのはまひろ」藤原道長役の柄本佑 「光る君へ」ラブシーンは〝大石節〟全開 - 産経ニュース等でわかるように、踏襲されました)。
 なお、こうした想定は「可能性が否定できない」程度の話にすぎず明確な根拠はないことに注意が必要。


◆歴史のひろば「源氏絵研究におけるAI・VR応用」(稲本万里子*29
(内容紹介)
 ネット上の記事紹介で代替。

【びっくりサイエンス】AIで絵画鑑定 光源氏の顔で流派見抜く 「幻の絵巻」の判定結果は…(1/4ページ) - 産経ニュース2018.6.16
 絵師の流派が論争の的となっているのは、米ニューヨークのメトロポリタン美術館石山寺滋賀県大津市)などが所蔵する江戸時代前期の「源氏物語絵巻」。「江戸末期の書物には土佐派と書いてある」「やまと絵や漢画を学んだ町絵師の集団制作だ」「松の描き方が土佐派には見えない。京狩野だ」などと、専門家の間でも意見が割れている。
 そこで、京狩野説を唱える恵泉女学園大の稲本万里子教授(日本美術史)がAIでの判定を発案。東工大の小長谷明彦教授(知能情報)らと共同研究を始めた。
 それでは、「幻の源氏物語絵巻」はどう判定したのか。AIの答えは稲本さんが主張する京狩野ではなく、土佐派だった。
 「困った。データセットが悪いのか」。
 チームが調べ直したところ、実はこのAIは、江戸幕府の成立に伴い江戸に下った江戸狩野しか学習しておらず、京に残った京狩野を学習していなかった。その結果、「江戸狩野よりは土佐派に近い」と判定したのだ。今後は京狩野のデータをそろえて学習させる計画だ。

東工大の学生が開発したAIシステムで源氏絵の流派を判定 | 情報工学系 News | 東京工業大学 情報理工学院 情報工学系2018.06.22
 加藤拓也君が卒論で開発した「深層学習(ディープラーニング)を用いた源氏絵流派識別システム」(第32回人工知能学会全国大会で発表)が産経新聞【びっくりサイエンス】(2018年6月16日付)に紹介されました。
 東京工業大学小長谷明彦研究室(知能情報)では恵泉女学園大学稲本万里子研究室(美術史)と「幻の源氏物語絵巻」の絵師の流派推定に関する共同研究を推進しています。江戸前期に描かれた「幻の源氏物語絵巻」は場面数が多く、かつ、絵巻が海外に離散していることで知られていますが、絵師の流派については土佐派、狩野派、町絵師と様々な見解がなされており、美術史の専門家の間でも決着がついていません。この問題を解決するために最新のAI技術である深層学習システムを用いた源氏絵流派判定システムを開発しました。

稲本万里子副学長の論文賞受賞の報告: 大日向雅美「学長の部屋」| 恵泉女学園大学2022.6.27
 江戸時代に制作され、石山寺をはじめ、アメリカ、フランス、ベルギーに分蔵されている「源氏物語絵巻」は、その全貌がつかめないことから、「幻の源氏物語絵巻」と呼ばれています。最近、夕顔巻の断簡や賢木巻の詞書が発見され、注目を集めている作品です。この絵巻は、研究者ごとに諸説があり、土佐派や狩野派といった絵師の流派が特定できない珍しい作品です。そこで、私たちの研究グループは、2017年から深層学習(ディープラーニング)による流派推定の研究をおこなってきました。
 深層学習といっても、機械が勝手に推定してくれるわけではなく、学習データを覚えさせ、バリデーションデータ(答えがわかっているデータ)を当てることができるまで、学習データを増やしたり、さまざまな学習モデルを試したりと、試行錯誤が続きました。2020年にようやく得られた結論は、どの流派に似ているか推定する流派別モデルよりも、どの作品に似ているか推定する作品別モデルのほうが精度が高く、「幻の源氏物語絵巻」は、京都に残った京狩野家の、狩野山楽筆「車争い図屏風」(東京国立博物館蔵)に似ているというものでした。


◆書評『中国国民党特務と抗日戦争:「CC」系・「藍衣社」・三民主義青年団』(菊池一隆*30、2022年、汲古書院)(評者・柴田哲雄*31
(内容紹介)
 従来、あまり論じられることがなかった「抗日戦争」における「CC団(陳果夫*32陳立夫兄弟)」「藍衣社→国民政府軍事委員会調査統計局(軍統)(戴笠)」「三民主義青年団(陳誠*33)」等の国民党系特務(諜報機関、スパイ組織)を論じた著書とのこと。評者から以下の指摘がされている。
1)国民党特務については「特務」というその性質上、非公開資料がまだ中国、台湾に多数残っていると見られ、本書には一定の限界があるであろうことは否定できない
2)国民党特務の「日中戦争時、国共内戦時の活動」について評価するには「彼らが敵とした日本軍、汪兆銘政府、毛沢東共産党の特務」との比較が必要だが本書はその点がまだ不十分なように思う。なお、評者は「国共内戦での中国共産党勝利」は「勿論特務の力だけで説明すべきではない」が「後三傑 - Wikipedia」のような「特務の力」も無視できないのではないかとしている。

参考

戴笠 - Wikipedia
 1897~1946年。「藍衣社→中国国民政府軍事委員会調査統計局(軍統)」トップ。1942年7月、米国海軍の情報機関と協力して、「中米特種技術合作所」を設立し、戴笠が所長に就任。これにより、米国の諜報技術の導入が図られた。汪兆銘(汪精衛)暗殺未遂事件(1939年、狙撃犯が誤って汪ではなく彼の腹心・曽仲鳴を射殺)、陳籙*34暗殺(1939年)などの親日派テロを指揮したことでも知られる。
 1946年3月17日、搭乗した飛行機が悪天候が原因で墜落し死亡。蔣介石は「戴笠が生きていたら、台湾に撤退せずにすんだ」と後に述べたといわれる。

熊向暉 - Wikipedia
 1919~2005年。後三傑の1人。中国国民党の胡宗南*35将軍(1896~1962年)の元に13年間スリーパー(秘密工作員)として潜伏して、機密情報を流し続け、国共内戦での共産党勝利に貢献した。
 1937年12月、周恩来の指示により、当時国民党の第8戦区副司令長官であった胡宗南の部隊に潜入。胡の侍従副官、秘書を務め、胡の親書、機密電文、日常事務を知り、講話の原稿を起草する立場にあった。1943年、熊は、胡が陝北地区に進攻するという情報を得るや、直ちに共産党組織に報告。共産党は、この計画を外部に暴露して、挫折せしめた。後に、毛沢東は「熊向暉1人で数個師団に相当する」と賞賛した。中華人民共和国建国後はメキシコ大使、中国共産党統一戦線部副部長等を歴任。

*1:現時点で一番古い時代を扱ったのは平将門加藤剛主演)が主人公の「風と雲と虹と」(1976年)(大河ドラマ - Wikipedia参照)

*2:1988年生まれ。2008年公開の映画『蛇にピアス』で、ブルーリボン賞新人賞(2008年)、日本アカデミー賞新人俳優賞(2009年)を、2013年、映画『横道世之介』で毎日映画コンクール助演女優賞を受賞。2014年、NHK連続テレビ小説花子とアン』でヒロイン「村岡花子」役に抜擢され『第65回NHK紅白歌合戦』で紅組司会を務めた(吉高由里子 - Wikipedia参照)。

*3:1947年生まれ。1989年、『敦煌』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を、1994年、『学校』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を、2003年、『ゲロッパ』『釣りバカ日誌14』でブルーリボン賞主演男優賞、毎日映画コンクール主演男優賞、報知映画賞主演男優賞を受賞(西田敏行 - Wikipedia参照)

*4:1952年生まれ。1981年公開の映画『青春の門』、『男はつらいよ・浪花の恋の寅次郎』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、報知映画賞主演女優賞を、1982年公開の映画『蒲田行進曲』、『道頓堀川』で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、キネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール主演女優賞を、1990年公開の映画『死の棘』で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、キネマ旬報主演女優賞、毎日映画コンクール主演女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞を受賞(松坂慶子 - Wikipedia参照)

*5:1976年生まれ。2005年、『血と骨』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞キネマ旬報助演男優賞ブルーリボン助演男優賞毎日映画コンクール助演男優賞を受賞(オダギリジョー - Wikipedia参照)

*6:1985年生まれ。2009年、『おっぱいバレー』でブルーリボン賞主演女優賞を、2023年、『レジェンド&バタフライ』『リボルバー・リリー』で報知映画賞主演女優賞を受賞(綾瀬はるか - Wikipedia参照)

*7:1987年生まれ。2011年公開の『八日目の蝉』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞(井上真央 - Wikipedia参照)

*8:1981年生まれ。2002年、『GO』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞キネマ旬報最優秀助演女優賞報知映画賞最優秀助演女優賞ブルーリボン賞最優秀新人賞を受賞(柴咲コウ - Wikipedia参照)

*9:一条天皇大河ドラマでは塩野瑛久)の皇后(中宮)。後一条天皇一条天皇の第二皇子)、後朱雀天皇一条天皇の第三皇子)の生母(国母)。藤原道長の長女。大河ドラマでは見上愛が演じる

*10:埼玉学園大学名誉教授。著書『平安朝の母と子』(1991年、中公新書)、『家成立史の研究』(1991年、校倉書房)、『平安朝の女と男』(1995年、中公新書)、『平安朝の家と女性』(1997年、平凡社選書)、『平安朝女性のライフサイクル』(1998年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『「源氏物語」の時代を生きた女性たち』(2000年、NHKライブラリー→2023年12月刊行予定、NHK出版新書)、『平安朝に老いを学ぶ』(2001年、朝日選書)、『平安王朝の子どもたち』(2004年、吉川弘文館)、『平安朝女の生き方』(2004年、小学館)、『平安王朝社会のジェンダー』(2005年、校倉書房)、『平安朝の父と子』(2010年、中公新書)、『古代・中世の芸能と買売春』(2012年、明石書店)、『平安王朝の五節舞姫・童女』(2015年、塙選書)、『藤原彰子』(2019年、吉川弘文館人物叢書)等

*11:龍谷大学准教授。著書『中世摂関家の家と権力』(2011年、校倉書房)、『中世王権の形成と摂関家』(2018年、吉川弘文館)、『摂関家の中世:藤原道長から豊臣秀吉まで』(2021年、吉川弘文館歴史文化ライブラリー)、『九条兼実』(2022年、戎光祥選書ソレイユ)等

*12:内大臣藤原高藤(娘・藤原胤子が第59代宇多天皇の女御、第60代醍醐天皇の生母であることから外戚として出世)の次男

*13:1964年生まれ。1983年に三宅裕司が主宰する劇団スーパー・エキセントリック・シアター(SET)に入団し、1994年の退団まで看板俳優として活躍。1990年10月から1994年9月までTBSラジオ岸谷五朗の東京RADIO CLUB』のMCを務め一般に知られるようになる(岸谷五朗 - Wikipedia参照)

*14:但馬守、常陸介、讃岐守、播磨守を歴任

*15:大河ドラマでは渡辺大知(ロックバンド・黒猫チェルシーのボーカル)

*16:大河ドラマでは秋山竜次吉本興業所属のお笑いトリオ「ロバート」のメンバー)

*17:1970年生まれ。本名は矢野浩司。2000年に中国ドラマ『永遠の恋人』に出演。その後も中国で活動を続け、明治天皇や日本軍の軍人役として有名になる。2011年、『人民日報』主催の「2010 Awards of the year」で「最優秀外国人俳優賞」を日本人として初めて受賞。また、自叙伝『大陸俳優:中国に愛された男』(ワニブックス)を刊行。2022年9月、芸名を「矢野浩二」から「浩歌(ハオゴー)」に改名(矢野浩二 - Wikipedia参照)

*18:摂津守、常陸介を歴任

*19:愛知県立大学准教授。著書『斎宮文学史』(2016年、翰林書房

*20:一条天皇の皇后。藤原道隆大河ドラマでは井浦新)の長女。大河ドラマでは高畑充希が演じる。

*21:1990年生まれ。本名は堂島初夏。2009年に劇団レトルト内閣に入団し女優デビュー。2013年に女性アイドルグループBiS(2014年7月に解散)に加入し「ファーストサマーウイカ」を芸名とする。元BiSのヒラノノゾミらと音楽グループBILLIE IDLEを2015年1月に結成して2019年12月の解散まで活動(ファーストサマーウイカ - Wikipedia参照)

*22:立教大学名誉教授。著書『今昔物語集の形成と構造・補訂版』(1985年、笠間叢書)、『説話の森』(1991年、大修館書店→2001年、岩波現代文庫)、『中世説話の世界を読む』(1998年、岩波セミナーブックス)、『宇治拾遺物語の表現時空』(1999年、若草書房)、『説話の声』(2000年、新曜社)、『今昔物語集の世界』(2002年、岩波ジュニア新書)、『説話の言説』(2002年、森話社)、『「野馬台詩」の謎』(2003年、岩波書店)、『中世日本の予言書:「未来記」を読む』(2007年、岩波新書)、『中世法会文芸論』(2009年、笠間書院)、『院政期文学論』(2014年、笠間書院)、『遣唐使と外交神話:『吉備大臣入唐絵巻』を読む』(2018年、集英社新書)、『予言文学の語る中世:聖徳太子未来記と野馬台詩』(2019年、吉川弘文館)等

*23:著書『動態としての枕草子』(2005年、おうふう)、『枕草子論究』(2014年、翰林書房

*24:1959年生まれ。2006年、『明日の記憶』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、キネマ旬報主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞、報知映画賞主演男優賞を、2009年、『沈まぬ太陽』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、報知映画賞主演男優賞を、2020年、『Fukushima 50』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞(渡辺謙 - Wikipedia参照)

*25:1945年生まれ。1962年、『キューポラのある街』でブルーリボン賞主演女優賞を、1985年、『おはん』、『天国の駅』で、1989年、『鶴』、『華の乱』で、2001年『長崎ぶらぶら節』で、2006年『北の零年』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞(吉永小百合 - Wikipedia参照)

*26:なお、大河ドラマでは佐々木蔵之介

*27:1976年生まれ。2006年、『嫌われ松子の一生』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、 キネマ旬報主演女優賞、報知映画賞主演女優賞、毎日映画コンクール主演女優賞を受賞(中谷美紀 - Wikipedia参照)

*28:1986年生まれ。2018年に『きみの鳥はうたえる』でキネマ旬報主演男優賞、毎日映画コンクール主演男優賞を受賞。俳優の柄本明(1948年生まれ)は父。俳優の柄本時生(1989年生まれ)は弟(柄本佑 - Wikipedia参照)

*29:恵泉女学園大学教授。著書『源氏絵の系譜』(2018年、森話社

*30:1949年生まれ。愛知学院大学名誉教授。著書『中国工業合作運動史の研究』(2002年、汲古書院)、『日本人反戦兵士と日中戦争』(2003年、御茶の水書房)、『中国初期協同組合史論1911~1928』(2008年、日本経済評論社)、『中国抗日軍事史 1937-1945』(2009年、有志舎)、『戦争と華僑:日本・国民政府公館・傀儡政権・華僑間の政治力学』(2011年、汲古書院)、『台湾北部タイヤル族から見た近現代史:日本植民地時代から国民党政権時代の「白色テロ」へ』、『台湾原住民オーラルヒストリー』(以上、2017年、集広舎)、『日本軍ゲリラ・台湾高砂義勇隊:台湾原住民の太平洋戦争』(2018年、平凡社新書)等

*31:1969年生まれ。愛知学院大准教授。著書『協力・抵抗・沈黙:汪精衛南京政府イデオロギーに対する比較史的アプローチ』(2009年、成文堂)、『中国民主化民族運動の現在』(2011年、集広舎)、『習近平の政治思想形成』(2016年、彩流社)、『汪兆銘胡耀邦』(2019年、彩流社)、『諜報・謀略の中国現代史』(2021年、朝日選書)

*32:1892~1951年。1929年に国民党中央執行委員(党中央組織部副部長兼務)となる。弟の陳立夫も党中央秘書長となり、陳兄弟は国民党の党務機構を掌握し、当時、「蔣家天下、陳家党」と呼ばれるに至った(陳果夫 - Wikipedia参照)

*33:1898~1965年。台湾行政院長(首相)、副総統など歴任(陳誠 - Wikipedia参照)

*34:1877~1939年。1938年、南京の中華民国維新政府(親日派傀儡政権の一つ)に参加し、外交部長(外相)に就任

*35:ユン・チアンとジョン・ハリディが執筆した『マオ:誰も知らなかった毛沢東』(邦訳は講談社)において、胡宗南は共産党の「スリーパー」(秘密工作員)であったと論じられている。しかし2006年に同書が台湾で出版されそうになると、胡宗南の子である胡為真(当時、台湾駐シンガポール代表)らが「事実無根の誹謗」であると激怒し、出版社に抗議した。出版社は当該記述に関する確かな根拠・証拠をチアンとハリディに求めたが、納得のいく回答は得られず、このため、ついに出版社は同書の出版を断念している。なお、胡宗南自身が「スリーパー」であることについては極めて疑わしい一方で、その側近、配下に「熊向暉」など共産党が派遣した「スリーパー」が複数存在していたことは事実である(胡宗南 - Wikipedia参照)。