「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年7/4分:荒木和博の巻)(追記あり)

有名人作戦【調査会NEWS3295】(R02.7.4): 荒木和博BLOG

 今日の集いの中ではまた色々意見が出て今後の参考になったのですが、その一つに「もっと有名人に拉致問題で発言してもらえないか」というのがありました。先日横田滋さんが亡くなったとき、タレントの指原莉乃さんがTwitterで発言して大きな話題を呼びました。同様のことを各界の有名人が発言してくれたら大きな影響があるのではないかということでした。このときはイチローとか(ボーガス注:ジャニーズの)とか、色々名前も出ていました。
 つきましてはお願いですが、このメールをお読みの(客観的に)有名人の方はぜひ拉致問題について様々な場でひと言でも良いのであえて発言していただきたく思います。
 また有名人をお知り合い(相手を知っているというだけでなく相手もこちらを知っている)の方はぜひそれを勧めていただけないでしょうか。

・つまりは拉致集会の司会「櫻井よしこ」はもはや荒木ら救う会にとって「元日テレキャスターの有名人」ではなく「右翼活動家(国家基本問題研究所理事長)に落ちぶれた元有名人」でしかないわけです。
・ちなみに嵐と言えば

嵐 (グループ) - Wikipedia
・2019年11月9日、「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」に出演、奉祝曲「Ray of Water」の第3楽章「Journy to Harmony」の歌唱を担当した

ということで政府のイベントに協力したこともありますが、それがどれほどの効果を上げたかは疑問符がつくかと思います。
・「指原」云々言う荒木ですが、むしろ荒木の脳内にあるのは検察庁法改定反対運動でしょう。指原(元AKB48メンバー)の発言など大して話題にもなっていませんし、そもそも彼女の発言は単に「横田滋への同情発言」にすぎず救う会、家族会支持の表明では無い。
 検察庁法改定反対運動では

(以下、全て名前のあいうえお順)
【歌手、俳優など芸能人】
秋元才加 - Wikipedia
 元AKB48メンバー
浅野忠信 - Wikipedia
 2000年に『御法度』、『五条霊戦記』で報知映画賞助演男優賞を、2001年に『地雷を踏んだらサヨウナラ』で毎日映画コンクール男優主演賞を、2005年に『誰がために』、『乱歩地獄』で毎日映画コンクール男優主演賞を、2014年に『私の男』ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。
井浦新 - Wikipedia
 2012年に『かぞくのくに』でブルーリボン賞助演男優賞を受賞。
岩佐真悠子 - Wikipedia
大久保佳代子 - Wikipedia
 お笑いコンビ「オアシズ」メンバー
緒方恵美 - Wikipedia
 テレビ東京で放送された人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公『碇シンジ』役で知られる
きゃりーぱみゅぱみゅ - Wikipedia
小泉今日子 - Wikipedia
 1988年に『快盗ルビイ』で毎日映画コンクール女優主演賞を、2001年に『風花』で報知映画賞主演女優賞を、2005年に『空中庭園』でブルーリボン賞主演女優賞を、2008年に『グーグーだって猫である』『トウキョウソナタ』でキネマ旬報主演女優賞、報知映画賞主演女優賞を、2011年に『毎日かあさん』で毎日映画コンクール女優主演賞を受賞。
城田優 - Wikipedia
西郷輝彦 - Wikipedia
世良公則 - Wikipedia
 「ツイスト」の元ボーカル。
松尾貴史 - Wikipedia
水野良樹 - Wikipedia
 「いきものがかり」メンバー(ギター)
水原希子 - Wikipedia
宮本亞門 - Wikipedia
ラサール石井 - Wikipedia
 コント赤信号の元メンバー。
【スポーツ選手】
本田圭佑 - Wikipedia
 元サッカー日本代表
【作家、漫画家】
羽海野チカ - Wikipedia
江口寿史 - Wikipedia
けらえいこ - Wikipedia
しりあがり寿 - Wikipedia
俵万智 - Wikipedia
辻仁成 - Wikipedia
 1997年、『海峡の光』で第116回芥川賞を受賞(柳美里『家族シネマ』と同時受賞)。
ゆうきまさみ - Wikipedia
【検察OB】
熊崎勝彦 - Wikipedia*1東京地検特捜部長(元日本プロ野球機構コミッショナー
堀田力 - Wikipedia*2東京地検特捜部副部長(現在は公益財団法人 さわやか福祉財団会長)
松尾邦弘 - Wikipedia検事総長
横田尤孝 - Wikipedia最高裁判事(検察出身者枠)、元最高検次長検事

など、多くの著名人*3ツイッターなどで反対の声を上げ、世論調査でも改定反対が多数を占め、内閣支持率も大幅にダウンしたため、安倍は改定を断念しました。
 なお、著名人の名前については
「検察庁法改正案に抗議します」の声が著名人の間で広がる
「#検察庁法改正案に抗議します」声上げた著名人たち ミュージシャンから俳優、漫画家まで: J-CAST ニュース【全文表示】
検察庁法改正案に抗議します…著名人ら投稿|日テレNEWS24
政治に対して声を上げ始めた芸能人──「 #検察庁法改正案に抗議します 」の背景(松谷創一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
赤旗元検事総長らOB“民主主義の危機”/「検察の力そぐことを意図」/法相に意見書
赤旗検察庁法案 特捜OBも意見書/38人 政府に再考求める
芸能人も反対の声上げた「検察庁法改正案」って? - 就活生のための簡単ニュース解説|朝デジ就活ナビ2021
小泉今日子、岩佐真悠子、本田圭佑…「検察庁法改正」著名人の反応(FRIDAY) - Yahoo!ニュース
“検察庁法”廃案に“ツイッターデモ”裏側|日テレNEWS24
WEB特集 #芸能人 なぜ動いた? ~政治的発言がもたらすものは~ | NHKニュース
などで確認できます。
 なお、この荒木の主張は色々な意味でばかばかしいですね。
 第一に著名人たちの反対は検察庁法改定を挫折させる上で大きな意味があったでしょう。しかしいかに著名人の主張でアレ、筋の通った正当なものでなければ大抵の人間は支持しません。「小泉今日子のファンだから彼女の政治的主張にも100パー賛同する」つう人はむしろ少ないでしょう。
 第二にこの検察庁法改定問題では、指原が「(反対を表明する芸能人は)勉強してるのか疑問に感じる」などといういちゃもんを付けた以外は、賛成意見など著名人からは全くと言っていいほど出ませんでした。
 当事者の安倍政権ですら、まともに説明できないような筋が通らない物はいくら著名人が賛成しても意味が無い。
 指原のくだらないいちゃもん(自民サイドの仕込み?)がせいぜいで、公然と賛同なんか出来ないし、当然、安倍政権も「小泉今日子らの反対に対抗した検察庁法改定賛成を主張する芸能人を使った世論工作」は早々と断念した。つまり主張内容があまりに酷ければ著名人を使っても効果なんか無いし、そもそも協力してくれる著名人もいない。
 第三に、過去には政府の拉致啓発ポスターに津川雅彦 - Wikipediaが使われたことがあります。
 また、政府主催の『拉致集会』に、平成19年度20年度南こうせつ - Wikipediaが出演した。
 あるいは、『拉致問題啓発コンサート』が阿木燿子 - Wikipedia宇崎竜童 - Wikipedia笹野高史 - Wikipedia森昌子 - Wikipedia日野皓正 - Wikipedia泉谷しげる - Wikipediaといった芸能人を使って行われたことがあります。しかしこれらは大して話題にもなりませんでした。
 また「珍右翼が巣くう会」に突っ込む(2020年7/2分:荒木和博の巻) - bogus-simotukareのブログでも触れましたが

北朝鮮拉致・めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる(テレビ東京、2003年)
◆原案:
 横田早紀江『めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる』(1999年、草思社→2011年、草思社文庫)
◆主なキャスト
横田めぐみ拉致被害者):若原めぐみ
横田滋横田めぐみの父、元家族会会長):加藤剛 - Wikipedia
横田早紀江横田めぐみの母):竹下景子 - Wikipedia
◆再会〜横田めぐみさんの願い〜 (日本テレビ、2006年)
◆主なキャスト
横田めぐみ拉致被害者)(13-15歳):福田麻由子 - Wikipedia
横田めぐみ拉致被害者)(成人後):片瀬那奈 - Wikipedia
横田滋横田めぐみの父、元家族会会長):片岡鶴太郎 - Wikipedia
横田早紀江横田めぐみの母):原日出子 - Wikipedia
◆独占取材 北朝鮮拉致 前略 めぐみちゃんへ(フジテレビ、2017年)
◆主なキャスト
横田滋横田めぐみの父、元家族会会長):勝村政信 - Wikipedia
横田早紀江横田めぐみの母):菊池桃子 - Wikipedia

などというドラマも今ではほとんど話題になどなりません。著名人(たとえば芸能人)を使えば話題になると言うほど話は単純では無い。
 第四に著名人(たとえば芸能人)だって
1)自らの政治主張に合致しており支持できるか
2)自らの政治主張には合致しないが、その政治主張(政府や財界など)の宣伝をすることで、その政治主張を広めようとしている団体などからの「仕事の発注」などのメリットが期待できる(あるいは宣伝を断った場合に「仕事の妨害」といった報復行為、デメリットが危惧される)
3)自らの政治主張には合致しないが、その政治主張を広めようとしている団体や個人に「過去に世話になった」などの恩義やしがらみがあり断りづらい
などでもなければ、政治主張などしないでしょう。
 荒木らの救う会運動に今まで著名人(たとえば芸能人)が宣伝などしてこなかったのは、1)~3)、どれも該当しないからでしょう。
 1)について言えば賛同者は少なく、2)について言えば荒木らの運動を宣伝してもメリットもないし、逆に宣伝を断ってもデメリットも無い。
 3)についていえば、そんな恩義やしがらみのある有名人が荒木らにいない。
 そんな運動について「小泉訪朝から17年も経った」今頃になって「著名人に救う会を宣伝して欲しいんです」とぼやいたところで誰も宣伝なんかしない。荒木自ら、「コネを使って」お目当ての著名人に「是非、救う会運動にご協力を」と直接依頼するくらいで無いと。まあそう依頼しても「多分断られる」とは思いますが。

 「客観的に」と書きましたが、日本中の人が知っているわけではなくてもそれぞれの世界で「有名」な人はいるので、そういう意味では誰でも構いません。ともかく「あの人も言っていた」というのは日本人には結構効果があります。

 そもそも「こんな呼びかけに答える著名人」は誰もいないでしょうが、仮にいたとしても「著名人が賛同してるから」で救う会を応援するほど世の中甘くは無いでしょう。
 たとえば、いくら津川雅彦(故人)が人気俳優だからと言って「津川さんが支持するから俺も安倍晋三を支持する」つう人間ばかりでは無い(津川と安倍の交遊については例えば平成30年8月8日 津川雅彦氏の逝去についての会見 | 平成30年 | 総理の一日 | ニュース | 首相官邸ホームページ【津川雅彦さん死去】安倍晋三首相「悲しい。総理辞職後、背中を押していただいた」 - 産経ニュース【安倍晋三】翁長知事スルーし…安倍首相“お友達”津川雅彦さん追悼連発|日刊ゲンダイDIGITAL津川雅彦さんお別れの会 安倍晋三首相「苦しいときにエール送ってくれた」(1/3ページ) - 産経ニュース安倍首相、津川雅彦さんしのび会食 中井貴一、奥田瑛二さんらと - 産経ニュース参照)。
 「寅さん」山田洋次や「火垂るの墓高畑勲(故人)のファンだからと言って「山田さんや高畑さんが支持するから共産党を支持する」つう人間ばかりでは無い(山田、高畑の共産党支持については例えば「共産党に期待します」 著名46氏高畑勲さん お別れの会/吉良参院議員が参列参照)。
 あるいは以前、猪瀬や舛添が金銭疑惑で都知事辞任に追い込まれた際に「ジャニーズの櫻井翔 - Wikipediaの父親(元総務事務次官桜井俊 - Wikipediaによれば現在は退官し、電通副社長)」の都知事選出馬が取り沙汰されました(結局出馬しなかった)が、いくら櫻井のファンだからと言って「父親が出馬すれば投票するか」といったらそんな人間ばかりでは無い。
 まあ、それ以前に荒木の呼びかけにこたえる「著名人の宣伝」の可能性が低いのですが。
 荒木もお仲間も「馬鹿しかいないのか」。現実性を全く無視して「有名人が我々のやっていることについて宣伝してくれればありがたい」と言う「だけ」なら国であれ、自治体であれ、政党であれ、企業であれ、市民団体であれ、労組であれ、何であれ、誰でも思いつくことです。
 つうか、有名人作戦なんかより、それこそ「蓮池透氏と和解」すべきでしょうにねえ。蓮池氏との対立は「拉致被害者の兄と対立するような団体(救う会、家族会)が信用できるか疑問」という認識を日本社会に広めてるでしょうに。
 そして蓮池氏と和解しない限り、多くの著名人は救う会への支持を表明したがらないでしょうね。とはいえ、「自分たちの思い通りに話を進めたいが故に」荒木ら巣くう会は蓮池氏と和解しないわけですが。
 有名人作戦とやらにおける有名人も「荒木らの言いなりに動く人間だけが欲しい」わけで「櫻井よしこみたいなお前らのウヨ仲間以外に、そんな都合のいい有名人がいるか?、バカか?」て話です。

【追記】
 コメント欄でバルトフェルドさんから指摘があった「リテラの指原批判」については以下を紹介しておきます。
指原莉乃がセクハラ問題で「ハニートラップの可能性」発言! 男の論理を内面化する指原に聞かせたい、はあちゅうの言葉|LITERA/リテラ
指原莉乃がAKB落下事故を「本人の不注意」とメンバーを責め、安全軽視の運営を擁護! 運営の論理を代弁する指原の処世術|LITERA/リテラ
指原莉乃卒業でその処世術を考える! オヤジ目線を内面化し女性を攻撃、エライ人には全面同調|LITERA/リテラ
バカリズム、指原莉乃が外国人労働者問題で差別丸出し! 外国人の接客を嘲笑し“日本語がちゃんと喋れる人を”論|LITERA/リテラ
指原莉乃がウーマン村本を名指しで「政治を語りたがるタレント」批判! 権力批判だけを政治的という詐術|LITERA/リテラ
検察庁法改正問題でダダ漏れした指原莉乃の“政権批判だけを封じたい”本音! 松本人志と安倍ヨイショの過去を棚に上げ…|LITERA/リテラ

*1:著書『伝説の特捜検事が語る平成重大事件の深層』(2020年、中公新書ラクレ

*2:著書『再びの生きがい:特捜検事からボランティアへ』(1995年、講談社文庫)、『壁を破って進め:私記ロッキード事件(上)(下)』(2002年、講談社文庫)、『「人間力」の育て方』(2007年、集英社新書)など

*3:もちろん検察庁法改定に反対の声を上げた著名人は安倍には批判的なリベラル保守や左派が多く、「安倍翼賛&極右集団」である「荒木ら拉致界隈」に協力しようと思う人間はほとんどいないでしょう。それこそ有名人に宣伝して欲しかったら「安倍翼賛と極右であることを辞めろ」と言いたいですが、まあ荒木ら巣くう会にとっては「それは絶対に辞められない」わけです。