今日の中国ニュース(2024年1月16日分)

台湾 最大野党・国民党副主席が再び訪中 中国が民進党に政権揺さぶりかけるねらいか | NHK | 中国・台湾
 国民党を「中国の走狗」であるかのように描く「政権揺さぶり」と言うタイトルが酷い。
 勿論、中国には「中国の思惑」があるでしょうが、国民党にも「国民党の思惑」がある。
 一方で「台湾与党幹部の訪米」は台湾 次期副総統の蕭氏 “今週ワシントン訪問” 米紙報じる | NHK | 台湾において、「米国が中国揺さぶりか」とは書かないのだから偏向としかいいようがないでしょう。


秋葉原の中国「非公式警察署」与野党議員との接点 「スパイ処罰法整備が急務」平井宏治氏 - 産経ニュース
 「海外の疑惑」はともかく、日本については産経も思わせぶりなことを書くだけで「非公式警察署」について具体的な内容は皆無です。
 逮捕容疑は「新型コロナウイルス対策の持続化給付金を詐取」であって「非公式警察署」云々ではない。
 また「非公式警察署」だったら詐欺行為なんて「警察の介入を招く行為」はしないのではないか。


【突破する日本】中国の恐るべき台湾統一シナリオ 軍事侵攻せず「知能戦」という戦い方 八木秀次 - 産経ニュース
 それ以外に「平和的な統一方法」はないでしょうに「軍事侵攻せず、経済、文化交流で統一世論を醸成しようとすること」が恐ろしいそうです(呆)。それとも「統一方針を放棄しろ」とでも言うのか。


<産経抄>新総統の最大の責務は中国の暴発阻止 - 産経ニュース
 産経の言う「暴発」が「軍事侵攻」の意味なら「台湾が独立宣言しない限りそんなことはしない」でしょうがそれはともかく。

 吉村昭さんは、代表作の一つ『桜田門外ノ変*1』を当初原稿用紙250枚ぐらい書いて焼き捨てた*2水戸藩の脱藩者たちはなぜ、井伊大老を暗殺*3しなければならなかったのか。
▼朝廷を崇拝し人心を統一して外圧に立ち向かう。幕府を倒す大義名分となる尊王攘夷の思想が、御三家の中から起こる矛盾を解消できなかったからだ。ところが現在の茨城県の沖合にアメリカの捕鯨船が多数押し寄せ、その一部が薪水を求めて上陸した事実を知って合点がいく。
▼先の戦争でも大本営陸軍部はこの海岸を米軍の上陸地点と定めて、塹壕をつくらせた。水戸藩の危機感がどれほど強かったのかを理解して、ようやく本格的に書けるようになった(『歴史を記録する*4』)。

 書き出し(井伊大老暗殺)とタイトル(中台問題)がずれている「トンチキさ」に「はあ?」ですね。
 勿論「幕末の日本=台湾」「幕末の欧米列強の脅威=中国の脅威」「開国を決断した井伊大老=中国への融和路線を主張し、民進党を批判する最大野党・国民党」「攘夷派=与党・民進党」という見立てでしょうが「時代背景がまるで違う」のでそんな見立てをする意味がない。「中台問題について無知で、書くことがないから無理矢理、水戸藩攘夷派にこじつけて文字数を埋めたのか?」と聞きたくなります。
 しかも「結局、倒幕した連中(薩長)は、当初の攘夷を捨てて、開国路線を維持した」わけですから「民進党もいずれは中国融和路線に動かざるを得なくなるという皮肉ですか?」と嫌みを言いたくなります。

 中国と距離を置く与党・民主進歩党民進党)の頼清徳副総統(64)が当選を果たした。民主主義を何としても守ろうとする民意の表れである。

 今日の中国ニュース(2024年1月16日分) - bogus-simotukareのブログでも指摘しましたが「総統選で民進党が勝利した」とはいえ「同時に行われた立法院(国会)選挙では国民党52議席民進党51議席」「総統選で国民党候補467万票+民衆党候補369万票=836万票(野党はどちらも民進党の中国政策に「もっと融和的であるべき」と批判的)>与党候補558万票」を考えれば、台湾の民衆が「手放しで民進党支持でないことは明白」です。
 そうしたことを無視する産経ら「反中国ウヨ」には心底呆れます。
 そもそも「対中国路線で民進党が支持された」ならまだしも「民主主義を何としても守ろうとする民意」とは国民党や民衆党に対する誹謗でしょう。
 総統選で民進党が敗れ、国民党や民衆党が勝利したら「民主主義が敗北したことになる」のか?。国民党や民衆党への投票者は「民主主義への敵対者」なのか?

*1:1995年、新潮文庫

*2:「ホンマかいな?」ですね。ハッタリではないのか?

*3:直接的な暗殺動機は安政の大獄において、徳川斉昭(前水戸藩主、蟄居)、徳川慶篤水戸藩主、江戸城への登城停止)、安島帯刀(水戸藩家老、切腹)、鵜飼吉左衛門水戸藩京都留守居役、斬首)、茅根伊予之介(水戸藩奥右筆、斬首)と水戸藩が弾圧されたことへの恨みです。

*4:2007年、河出書房新社