松竹伸幸に悪口する(2024年8/28日分)(副題:松竹の改革論が不評であることを松竹自らが事実上認める)

除名問題と党改革について本格的な調査が行われた | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba

 立命館大学で教育学を教えておられる蒲生諒太さんは、この間、野党共闘に関していろいろと発言*1し、調査もしておられる。最近、私の除名問題と共産党の改革、野党共闘への影響などについて調査し、それが公表されている。1000名の調査*2というから、かなり本格的なものだ。
 蒲生さんの結論を引用すると、下のようになる。そうだろうなと思うところもあれば、実際に政治の現実になれば世論の反応も変わってくるだろうなと感じるところもある。

 政治学者ならともかく教育学者が何で松竹の除名を論じるのか意味が分かりません。教育学者とは松竹の誤解ではないかと疑いますがそれはさておき(追記:誤解ではなく「政治関係の文章」は副業のようです。彼の「本業」である「教育分野の業績」については蒲生 諒太 (Ryota Gamo) - マイポータル - researchmapを紹介しておきます)。
 蒲生結論のウチ、「そうだろうな」は「共産支持層では松竹除名に肯定的だが不支持層ではそうではない(但し、不支持層で一番多いのは、蒲生氏に寄れば、実は「除名反対」ではなく「無回答」や「(除名の是非は)よくわからない」であり不支持層において除名問題への無関心が窺える)」、一方「(今後の松竹の運動等によって)世論の反応も変わってくるだろうな」は「松竹の改革論は、蒲生調査では共産支持層は勿論、不支持層でも不評で、松竹改革論(安保施策の右傾化、党首公選)を共産がしても、従来の支持層が離れるだけで、恐らく、かえって党勢が衰退する(日米安保容認で党勢が衰退した社民党の二の舞になる)」です。
 興味深いのは松竹が「蒲生主張の引用」と言う形とは言え「松竹改革論(安保施策の右傾化、党首公選)を共産がしても、従来の支持層が離れるだけで、恐らく、かえって党勢が衰退する(日米安保容認で党勢が衰退した社民党の二の舞になる)」という事実を認めてしまっていることです(「そんなことはない」と蒲生批判はせず「(今後の松竹の運動等によって)世論の反応も変わってくるだろうな」とみっともない言い訳)。
 松竹としては
1)もはや蒲生氏など一部を除いてほとんどの人間は松竹に無関心なので、松竹に触れた蒲生調査を宣伝したい
2)蒲生調査の「共産支持層では松竹除名に肯定的だが不支持層ではそうではない」と言う部分で「党執行部に悪口したい」ということなのでしょう。
 しかし「松竹改革論(安保施策の右傾化、党首公選)を共産がしても、従来の支持層が離れるだけで、恐らく、かえって党勢が衰退する(日米安保容認で党勢が衰退した社民党の二の舞になる)」という部分は「本心では認めたくない」ので、「(今後の松竹の運動等によって)世論の反応も変わってくるだろうな」と言い訳すると。
 さすがに「自分に都合のいい部分(共産不支持層は松竹除名に肯定的ではない)で共産に悪口しながら、都合の悪い部分(共産支持、不支持を問わず松竹改革論は不評)を否定」はできないが、それでも「松竹改革論(安保施策の右傾化、党首公選)を共産がしても、従来の支持層が離れるだけで、恐らく、かえって党勢が衰退する(日米安保容認で党勢が衰退した社民党の二の舞になる)」という部分は「本心では認めたくない」ので、「(今後の松竹の運動等によって)世論の反応も変わってくるだろうな」と言い訳すると(但し、「ちゃぶ台返し」になりますが、後述しますが蒲生調査の結論が信用できるかは非常に疑問です)。
 なお、蒲生調査は

Education for Tomorrow - 日本共産党の組織統治に関するアンケート調査 :「野党共闘」の研究14
 オンラインアンケートサービス「Freeasy」を利用しました。

ということ(つまりマスコミ世論調査のようないわゆる無作為抽出ができてない→特定方向のバイアスがある疑いが強い)なので私見では「どこまで説得力があるか」は疑問に思います。
 ネット調査では「無作為抽出ができない(ネット利用者しか対象にできない上に、日本ではネット普及率がまだ低い)」ので「信用性に難がある(どう善意に理解しても日本人一般の意見ではなく、『日本のネット利用者のウチ、政治に関心がある層』という限られた層の意見でしかない、つまりバイアスがある)」と言うことはよく指摘されるところです。だからこそマスコミも「政党支持率」等の調査において「普及率ほぼ100%の電話」を使った電話調査がほとんどでネット調査はしない。
 そもそも

Education for Tomorrow - 日本共産党の組織統治に関するアンケート調査 :「野党共闘」の研究14
 「立憲民主党日本共産党を中心にした『野党共闘』に期待している(立憲共産「野党共闘」期待)」という回答は約15%で、5割以上が否定的な見解を示しています。

というのは「本当かよ?」ですね。
 世論調査での「『野党中心の政権希望』という回答(15%よりは高い、例えば拙記事今日も「枝野信者」kojitakenに悪口する(2024年8/28日分) - bogus-simotukareのブログで紹介した自民総裁選小泉氏22%で首位、石破氏21% 「自公政権の継続」52%に急増 世論調査 - 産経ニュースでは「36.8%」)」や、選挙での「野党共闘の一定の成果」を考えればあまりにも低すぎないか。回答者のほとんどは自民党支持層に偏っているではないのか。
 これを「日本人のネット利用者のウチ、政治に関心がある層の共産評価」ならともかく「日本人一般の共産評価」と見なすのは無茶ではないか。
 松竹記事コメント欄にも

除名問題と党改革について本格的な調査が行われた | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba
パトラとソクラ
 この調査ってどれだけ意味があるんでしょうね。
 インターネット調査で共産党を支持する人自体が少ない傾向があります。
 yahooニュースなんかも左翼の人って極端に少ないですよね。
 Yahooで世論調査をすると自民党支持が常に多数になるのはネットというメディア特性があるのだと思います。

というコメントがあります。失礼ながら、蒲生氏の「学者としての能力や識見」はかなり「疑わしい」「疑問符がつく」のではないか。
 いやそもそも、蒲生氏はまともな共産党論を展開したいのではなく「代表選での野田佳彦支持を表明し、共産ではなく国民民主との共闘を立民に求めた中北のような反共分子」でしかないのではないか。
 松竹改革論(安保施策の右傾化、党首公選)を共産がしても、従来の支持層が離れるだけで、恐らく、かえって党勢が衰退する(日米安保容認で党勢が衰退した社民党の二の舞になる)という蒲生主張は「客観的な学問主張」というより「何をしても共産は衰退するしかない」という「共産や松竹(建て前では共産を愛する改革派)への悪口」にすぎないのではないか (蒲生氏についてその辺り分析するだけの能力はありませんので、そうした「疑念を表明する」にとどめますが)。
 「野田支持表明」で馬脚を現した『日本共産党』(中公新書)の中北中央大教授がわかりやすいですが、その人物の共産党論が「客観的立場」と自称して、「共産に対する批判」を展開したとしてもそれが本当に「客観的かどうか」は分かりません。
 蒲生氏は中北のように「立民党右派や国民民主党の支持者」なのかもしれないし、あるいはもっと酷く「自民や維新の支持者」なのかもしれない。
 いずれにせよ「そもそも野党共闘に否定的な層が5割もあるアンケート調査(回答者のかなりの部分が自民支持に偏ってる疑いがある)」では共産について何を聞いても「否定的な答え(「よくわからない」などの無関心を含む)」しか返ってこないでしょう。そんな調査に果たしてどれほど意味があるのか。
 なお、松竹伸幸に悪口する(2024年8/26日分)(副題:埼玉県が別学高校の共学化にシフト(但し期限は未定)ほか)) - bogus-simotukareのブログでは「コメントできない」と書きましたが「俺の勘違い」「システムエラー」だったのかもしれませんがコメントできるのでコメントしておきます。恐らくは掲載拒否でしょうが。

*1:とはいえ、『日本共産党』(中公新書)の中北中央大教授と比べるとはっきり言って無名の存在だと思います。俺も今回の松竹記事で初めて知りました。

*2:後述しますが無作為抽出してない調査対象では1000名だろうと信頼性は乏しいと思います。